ガーナ:アナン(元)国連事務総長閣下の国葬に、オランダのベアトリクス前女王陛下(王女殿下)とメイベル妃殿下、ノルウェー皇太子妃メッテ=マリット殿下が臨席(2018年9月)棺が国旗に覆われ遺体の顔すら公開されなかったので議論に「彼は『黄金の剣』だから」説も

 2018年9月13日、ガーナ共和国政府主催で2018年8月18日に薨去した国際連合第7代事務総長コフィー・アナン閣下(His Excellency Mr【Dr?】 Kofi Annan)閣下の国葬がおこなわれたようです。

 西欧の王室からは、
 前オランダ女王ベアトリクス陛下(オランダ王女ベアトリクス殿下、オランニェ=ナッサウ公女、リッペ=ビースターフェルト公女 : Her Royal Highness Princess Beatrix of the Netherlands, Princess of Orange-Nassau, Princess of Lippe-Biesterfeld)、
 オランニェ=ナッサウ公子妃メイベル殿下(Her Royal Highness Princess Mabel of Orange-Nassau)、
 ノルウェー皇太子妃メッテ=マリット殿下(Crown Princess Mette-Marit of Norway : Her Royal Highness The Crown Princess)、
 が臨席したようです。

追記:
 モロッコ王国から、モロッコ王モハメッド6世陛下の代理として、“ムーレイ”・ラシッド王子殿下(His Royal Highness Prince Moulay Rachid)が参列した模様。
 (英語)Morocco- Prince Moulay Rachid Represents King Mohammed VI at Kofi Annan Funeral | MENAFN.COM
 (フランス語)SAR le Prince Moulay Rachid représente SM le Roi aux funérailles de Kofi Annan | MAP

 

 (写真一覧)Former UN Sec. Gen. Kofi Annan state funeral in Accra, Ghana – 13 Sep 2018 | Editorial Photos, Celebrity, News, & Sports Images | Rex

 

 (特にめぼしい情報なし)アナン元国連事務総長の国葬 ガーナ | NHKニュース

 

 なお、葬儀中、棺がずっと国旗に覆われていて、遺体の公開が顔すらもなかったことが、同地のSNSで話題になったようです。

 (英語)Ghanaians angry that they were not allowed to view Kofi Annan’s body :: Kenya – The Standard
※↑の記事では見出しがいかにもガーナ人が怒っているかのようですが、今までガーナの記事を読んできた経験からすると、ことはそんな簡単な問題ではないと思います。

 これについてのSNSでのやり取りの画像がコピペされており(しかもその内容の意味をはっきり解説していない!)、

What does mean? School me?

Busummuru is one of the state swords of Asante.
Only the Busummuruhene and Asantehene are allowed to hold it.
Woman are not supposed to look at it.
It is a symbol of authority.
So he with that title means he is by the order of the Busummuru.

「なんで? 教えて?」
「ブスムルはアシャンティの剣の一つ
 ブスムル首長とアシャンティ王のみが握ることが許される。
 女はそれを見ることは禁止されている。
 権威の象徴なのだ。
 だから彼がブスムルの称号を帯びていることは、ブスムルのように扱われるということだ」

 ……と事情を知らない人にはなんの回答にもなっていない文章が入っています。

 これを簡単にいうとこういうことでしょう。
 コフィー・アナン閣下は、2002年にアシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)より神聖なる黄金の剣の名前を称号として受けています。この称号はアナン閣下以外誰も受けたことがないものです。
 その剣の名前が「ブスムル」(上記の文章では Busummuru となっていますが、これまでの報道などでは「Busumuru」ないし「Busumro」)です。上の「Busummuruhene」とブスムルの末尾に「-hene」を付ける表記は初めて見ましたが、これは王や首長の称号を表しており、とりあえず「ブスムル首長」としておきました。
 そして、上の文章が正しいとすると、黄金の剣「ブスムル」は女が見ることは許されないものだということになり、だから「ブスムル」の称号を受けているアナン閣下の遺体を女がいる場で公開することはできないのだ、という二歩くらい跳躍がある理論が展開されているのだと思います。
 死後に称号をもらったならともかく、2002年にもらってそれからずっとアナン閣下は女と会っていないわけでもあるまいし……とを指摘するのは簡単ですが、しかしアシャンティにおける死者というものがどういう扱いを受けるものかは知らない我々には、正否は判断できないわけです。例えば、花の名前を付けてもらったら死後には花と同じに扱われる場所が地球のどこかにあったりしてもおかしくはないですし。

 ……とやや強引に受け入れてみたものの、アシャンティ王の戴冠式で「ブスムル」は使用されるわけで、戴冠式には女はこれまで来ていないのか?、という疑問も生じます。
 また、「ブスムル」と同じとして扱われるということは、牛の血で汚してはならないことを意味し、つまり棺を運んだ人たちはしばらく前から牛肉を食べていない、ということになります。

 このようにアナン閣下は(?)妙な謎を残してこの世を去るわけですが、しかし、アシャンティ王国のほうでまた別の伝統的葬礼がおこなわれるかもしれないという話もあります。そこで堂々と遺体が公開されでもしたら、「ブスムル説」は完全に破綻します。

 

トルコ訪問中:三笠宮家の彬子女王殿下がトルコ外相チャヴシュオール閣下と会見した際に日本国旗とトルコ国旗で手の爪を装飾していたことが原因で、ネイルサロンでトルコ国旗を爪に描いてもらう人達が出ているという記事(2018年9月)「モナコ公妃グレース・ケリーからウェールズ公妃ダイアナまで、王族は常にファッションと美を先導してきた - 日本の三笠宮家の彬子女王も例外ではない」

 トルコ共和国訪問中の三笠宮家の彬子女王殿下(あきこ : Her Imperial Highness Princess Akiko of Mikasa)がトルコ共和国外務大臣メヴリュット・チャヴシュオール閣下(メブリュト・チャブシオール外相 : His Excellency Mevlüt Çavuşoğlu)と会見した際に、日本国旗とトルコ国旗で手の爪を装飾していたことが原因で、ネイルサロンでトルコ国旗を爪に描いてもらう人達が出現しているという記事が出ています。
 今回の訪問は、(四年前に比べて)なんだか盛り上がりすぎのような気がするんですが……。

 

もつ(motsu)/モツさんのツイート: "今日は更新できないので英語記事へのリンク https://t.co/2aKMnPzBvJ 彬子女王殿下がトルコ外相訪問時に爪に国旗→ネイルサロンいくトルコ人続出 「モナコ公妃グレース・ケリーからダイアナ皇太子妃まで王族は常にファッションと美を先導してきた-日本の三笠宮家の彬子女王も例外ではない」 ……!"

 下記の euronews トルコ語版の動画より:

Finger flags: Japanese princess sparks new nail art trend in Turkey – Daily Sabah

From Grace Kelly, the Princess of Monaco, to Diana, the Princess of Wales, royals have always blazed a trail in fashion and beauty — and Japanese Princess Akiko of Mikasa is no exception.

「モナコ公妃グレース・ケリーからウェールズ公妃ダイアナまで、王族は常にファッションと美を先導してきた - 日本の三笠宮家の彬子女王も例外ではない」

 ……!

 

euronews (Türkçe):
Tırnaklarıyla dikkat çeken Japonya Prensesi Akiko Mikasa Türkiye'de – YouTube

euronews Türkçeさんのツイート: "Tırnaklarıyla dikkat çeken Japonya Prensesi Akiko Mikasa Türkiye'de ▶️ https://t.co/cNoIis4fCS… "

Euronews Türkçe – Tüm dikkatler Japon prensesin tırnaklarında | Facebook

 

関連:
 (2018年9月)三笠宮家の彬子女王殿下のトルコ共和国訪問関連記事

 

デンマーク皇太子メアリー殿下がフィンランドを訪問(2018年9月)

 2018年9月13日~9月14日の日程で、デンマーク皇太子妃メアリー殿下(モンペザ伯爵夫人 : Mary : Her Royal Highness The Crown Princess of Denmark, Countess of Monpezat)がフィンランド共和国を訪問しているようです。
 夫のデンマーク皇太子フレデリク殿下(モンペザ伯爵 : Frederik : His Royal Highness The Crown Prince of Denmark, Count of Monpezat)は、手術に関連して公務をキャンセルしています。
関連:
 デンマーク皇太子フレデリク殿下が椎間板ヘルニア(?)の手術とのこと(2018年9月)

 なお、ややこしいことに、デンマーク女王マルグレーテ2世陛下は現在(おそらく私的休暇で)デンマークを離れているという話で、そうなるとフレデリク殿下は公務をキャンセルしたのに、日本でのいわゆる「国事行為臨時代行」、向こうのルール上では「Rigsforstander」という状態にあると思います。
 「Rigsforstander」は、英語で雑に「Regent」(つまり「摂政」)と書かれることもありますが、過去のデンマークの長期の摂政は「Regent」(英語と同綴り)やそれを組み込んだ別の単語が使われているのではないかと思います。

 

Det danske kongehus(デンマーク王室公式チャンネル):
H.K.H. Kronprinsessen i Finland – YouTube

 

H.K.H. Kronprinsessen besøger krydstogtskibet Mein Schiff 2 – YouTube

 

 (デンマーク語)H.K.H. Kronprinsessen i Finland – dag 1 | Kongehuset
 (デンマーク語)VIDEO: Erhvervsfremstød i Finland | Kongehuset
 (英語)Crown Princess Mary starts work visit in Finland – Royal Central

 

DET DANSKE KONGEHUSさんはInstagramを利用しています:「I Finlands hovedstad Helsinki indledte H.K.H. Kronprinsessen tidligere i dag et erhvervs- og kulturfremstød, hvor en større dansk…」

 

DET DANSKE KONGEHUSさんはInstagramを利用しています:「Frokost hos parlamentsformand Paula Risikko, et besøg hos en leverandør af vedvarende løsninger og en netværksbegivenhed med fokus på dansk…」

 

Det danske kongehus – Officiel middag i Finlandia Hall | Facebook

 

Et besøg hos en leverandør af vedvarende… – Det danske kongehus | Facebook

 

Det danske kongehus – H.K.H. Kronprinsessen i Finland | Facebook

 

ヨルダン王アブドッラー2世陛下の一週間(2018年9月9日~9月13日)

 ヨルダン・ハシェミット王国国王アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン陛下(アブドゥッラー2世アブドラ国王 : King Abdullah II bin Al-Hussein : His Majesty the King of the Hashemite Kingdom of Jordan)の、この一週間くらいの公務などの様子です。

 

RHC JO(ヨルダン王室ハーシム家公式チャンネル):
استقبال وفد من مجلس أمناء جمعية الشؤون الدولية في ملخص نشاطات جلالة الملك 9 – 13 أيلول 2018 – YouTube

 

 今週は特筆すべきことはなかったようです。

 

インタビュー記事:ロシア帝室ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下がウクライナに独立正教会を設置しようとしているキリスト教/コンスタンティノープル全地総主教庁を批判「首位性は儀礼的なもの」「あそこはアンティオキア総主教庁から独立したが今は指示を受けたりしない」「自らが独立を認めた教会へ介入する権利はない」(2018年9月)

※この記事はキリスト教 高位聖職者のニュースと重複します。

 

 ロシア帝室ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下(Head of the Russian Imperial House : Her Imperial Highness The Grand Duchess Maria Wladimirovna of Russia)が、Interfax のインタビューを受けた模様です。
 元が英語なのか、そのロシア語版の翻訳なのかわかりませんが、英語記事がロシア帝室公式サイトに掲載されています。

 

 (英語:ロシア帝室公式サイト)Russian Imperial House – Grand Duchess Maria of Russia: Constantinople’s position will lead to the splintering of the very foundations of Orthodoxy

 

 キリスト教/東方正教会/全地総主教庁(コンスタンティノープル)が、ウクライナの管轄権を持つロシア正教会モスクワ総主教庁の許諾なしに一方的に「ウクライナへの独立正教会設置準備」を始めたことについて聞かれ、それを批判している内容です(「非常に悲しんでいる」というような言葉もありますが)。

 自らは、聖職者でも歴史家でもないため専門家ではないと前置きしつつも、全地総主教庁(コンスタンティノープル)の首位性は儀礼的なものであり実質はないとし、コンスタンティノープルはもともとはアンティオキア総主教庁から独立したが(大昔ですが)その後に指示を受けたりしていないことを例示し(これは微妙です。少なくとも初期の総主教らはアンティオキアに叙任されていたという話もあります。とはいえ現在はもちろんそうではありません)どの教会であれ独立正教会と認めた教会へは介入する権利は持っていないと述べています。

 また、東方正教会の理論としてどうなのかはわかりませんが、「母なる教会」(Mother Church)と「娘である教会」(Daughter Church)は、母が娘の独立を認めたら「姉妹教会」(Sister Church)になる、という表現を用いています(あくまで表現です。この表現は初めて見ましたが……通常は独立を認めても「母なる教会」は「母なる教会」と表現されます)。

 結論として、コンスタンティノープル全地総主教庁の行動は、東方正教会を分裂させるものだ、としています。

 

 全体の話の流れはロシア正教会側の主張とほぼ同じですが、「母なる教会」関連の表現ではさらに踏み込んでおり、これはあるいはロシア正教会モスクワ総主教庁とは立場が違うかもしれません(この理屈であれば、ロシア正教会モスクワ総主教庁が独立を認めた教会側はロシア正教会を「母なる教会」と呼ぶ必要はないことになりますので)。