オマーンのスルタン【国王】ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード陛下の妻アハド妃の表記がオマーン通信(英語版)で「Her Highness the Honourable Lady Assayida Spouse of His Majesty the Sultan」とされている模様(2021年4月)

 オマーン通信(英語版)で、オマーン国スルタン【国王】 “サイイド”・ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード陛下(His Majesty Sayyid Haitham bin Tariq Al Said, Sultan of Oman)の妻“サイイダ”・アハド・ビント・アブドッラー・アル・ブーサイーディーヤ妃(Sayyida Ahad bint Abdullah Al Busaidiyah)の表記が、
 見出し(省略形)で「HH Honourable Lady」
 本文で「Her Highness the Honourable Lady Assayida Spouse of His Majesty the Sultan」となっているようです(Spouse以降も含めるかどうかという問題もありますが)。

 

 (英語)HH Honourable Lady Receives Message from Spouse of Turkish President

 

※なお、記事内容は、大使を通じて、トルコのエルドアン大統領の妻からアハド妃に書簡が渡されたというものです。

 先代のスルタン、故カブース陛下には妃が存在しなかったので、ハイサム陛下の妻がどのような称号を用いるのかは不明でしたが、今回このような表記となりました。
 この表記のうち「Her Highness」は「殿下」で、オマーンでは殿下は、サイード王朝のうちの統治王族が用いるものです(もちろんスルタンは「陛下」)。アハド妃の生まれは(たぶん)一般王族なので、この敬称を自らのものとして持ちません。ただ、統治王族であるハイサム陛下と結婚しているので、ハイサム陛下即位前からこの敬称を使用していた可能性はあります。中東は(ヨルダンを除いて)報道などで配偶者が登場する機会がほぼなく、敬称と称号について触れられる機会もまた極めて少ないというのが実情です。

 ともあれ、今回、この「殿下」に、「Honourable」と「Lady」を加えて表記してきました。
 「Honourable」は英国などでやや低い敬称として使用されるものです。「Lady」は英国などで貴族の夫人や娘などに用いられることがありますが、これもまた王族称号ではありません。とはいえ、統治王族の女性が単純に「Her Highness」を用いるので、この二つを加えて、単なる統治王族の女性よりも上級であることを示そうとしているように受け取れます。
 「Assayida」ですが、これは尊称であるサイイドの女性形サイイダに“アル”を付加して縮めたアッサイイダということになるのではないかと思いますが……これを表記している理由は正直わかりません。

 全体としてどう翻訳するかですが、もっとも高い敬称である「殿下」を使用しつつ、「Spouse(配偶者)」が(長い方では)用いられていると取れるので、妃殿下が妥当ではないかと思います。ただ、日本語では「王妃」としてしまうのが、簡便ではあります。

 

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