訃報(2022年10月20日):英国の第4代スタンプ男爵トレヴァー・スタンプ閣下が卒去(1935~2022)

 2022年10月20日、英国の連合王国貴族/第4代スタンプ男爵トレヴァー・スタンプ閣下(Trevor Stamp, 4th Baron Stamp MD FRCP : スタンプ卿 : Lord Stamp)が卒去したようです。
 1935年9月18日生まれの87歳。

 卒去に伴い、子息の、ニコラス・スタンプ閣下(Nicholas Stamp, 5th Baron Stamp)が第5代男爵、その子息のレオ・スタンプ閣下(The Honourable Leo Stamp)が継嗣となっています。

 スタンプ男爵は、初代の男爵と長男が空爆で同時に死亡し、擬制によって年長者の方が先に死亡しているとされ、長男が(ごく短時間)2代目の男爵となっていることになり、生存していた次男が3代目の男爵となっています。
 卒去した第4代男爵はその第3代男爵の子息です。

 

 (英語)Peerage News: The 4th Baron Stamp 1935-2022

 (英語:英国議会 公式サイト)Parliamentary career for Lord Stamp – MPs and Lords – UK Parliament
 議会の経歴情報によれば、貴族院に議席を持っていた1992年~1999年にクロスベンチだった模様。

徳川宗家第18代当主 徳川恒孝 氏が当主を退き、継嗣の 徳川家広 氏が2023年より第19代当主となる模様(2022年10月)

 徳川宗家第18代当主徳川恒孝氏(とくがわ つねなり)が今年いっぱいで当主を退き、長男で継嗣として広く認識されていた徳川家広氏(とくがわ いえひろ)が2023年1月1日に家督を正式に継承する模様です。

 

TOKUGAWASHOGUN TV 【徳川宗家公式】:
【德川家広より特別報告】 – YouTube

 

 徳川家康の子孫 宗家が当主交代 19代家広氏が家督継承へ | NHK
 徳川宗家の当主交代へ 徳川家広さんが19代当主に|NHK 静岡県のニュース

家広さんは11月から久能山東照宮や栃木県の日光東照宮など徳川家ゆかりの6か所を訪れ、先祖に当主の交代を報告する法要を行ったあと、来年1月1日に正式に家督を継ぎ、徳川宗家19代当主となります。

 徳川宗家が当主交代へ 19代家広氏に 来年1月60年ぶりの交代― スポニチ Sponichi Annex 社会
 徳川宗家の当主60年ぶり交代へ 今年いっぱいで現当主恒孝氏から長男家広氏へ19代目家督継承 – 社会 : 日刊スポーツ

1月29日に東京・増上寺で交代に伴う「継宗(けいそう)の儀」を催す。

 徳川宗家代替わり 長男・家広氏19代当主に 23年1月1日|あなたの静岡新聞

 

追記:
 徳川宗家(徳川将軍家)の継承は同族からの養子を含んでいます。
 徳川家康から徳川家広氏の、父親→息子の血筋上のつながりは以下の通りになります。

 徳川家康 (江戸幕府 初代征夷大将軍)
  ↓
 徳川頼房 (水戸藩初代藩主 / 水戸徳川家)
  ↓
 松平頼重 (高松藩初代藩主 / 高松松平家)
  ↓
 松平頼章(松平頼侯 / 松平頼候)
  ↓
 松平頼豊 (高松藩第3代藩主 / 高松松平家)
  ↓
 徳川宗尭 (水戸藩第4代藩主 / 水戸徳川家)
  ↓
 徳川宗翰 (水戸藩第5代藩主 / 水戸徳川家)
  ↓
 徳川治保 (水戸藩第6代藩主 / 水戸徳川家)
  ↓
 松平義和 (高須藩第9代藩主 / 高須松平家)
  ↓
 松平義建 (高須藩第10代藩主 / 高須松平家)
  ↓
 松平容保 (会津藩第9代藩主 / 会津松平家)
  ↓
 松平恆雄
  ↓
 松平一郎
  ↓
 徳川恒孝 (徳川宗家第18代当主)
  ↓
 徳川家広

 

続報:
 2023年より徳川宗家第19代当主となる 徳川家広 氏が、日光東照宮を参拝(2022年11月)
 2023年より徳川宗家第19代当主となる 徳川家広 氏が、久能山東照宮を参拝(2022年11月)

エスワティニ王【スワジランド王】ムスワティ3世陛下が、中華民国(台湾)総統 蔡英文 閣下と会見(2022年10月)

 2022年10月21日、エスワティニ王ムスワティ3世陛下(His Majesty King Mswati III of Eswatini)は台湾に到着、中華民国(台湾)総統蔡英文閣下(Her Excellency Dr Tsai Ing-wen)と会見しました。

 

presidentialoffice(中華民国【台湾】総統府 公式サイト):
20221021 總統主持「軍禮歡迎史瓦帝尼王國國王恩史瓦帝三世暨王妃瑪希娃瑪」 – YouTube

 

presidentialoffice(中華民国【台湾】総統府 公式サイト):
20221021 總統與史瓦帝尼王國國王恩史瓦帝三世雙邊會晤暨見證「兩國簽署聯合聲明」 – YouTube

presidentialoffice(中華民国【台湾】総統府 公式サイト):
20221021 總統國宴宴請史瓦帝尼王國國王恩史瓦帝三世暨王妃瑪希娃瑪 – YouTube

 

 (英語:中華民国【台湾】総統府 公式サイト)President Tsai welcomes King Mswati III of Eswatini to Taiwan
 (英語:中華民国【台湾】総統府 公式サイト)President Tsai welcomes King Mswati III and Inkhosikati LaMashwama of Eswatini with full military honors
 (英語:中華民国【台湾】総統府 公式サイト)President Tsai and King Mswati III of Eswatini hold bilateral talks, witness the signing of joint declaration
 (英語:中華民国【台湾】総統府 公式サイト)President Tsai hosts state banquet for King Mswati III and Inkhosikati LaMashwama of Eswatini

 

 (英語)President Tsai welcomes King Mswati III of Eswatini to Taiwan – EIN Presswire
 (英語)President Tsai welcomes King Mswati III and Inkhosikati LaMashwama of Eswatini with full military honors – EIN Presswire
 (英語)President Tsai and King Mswati III of Eswatini hold bilateral talks, witness the signing of joint declaration
 (英語)President Tsai hosts state banquet for King Mswati III and Inkhosikati LaMashwama of Eswatini

 

蔡英文 Tsai Ing-wenさんはTwitterを使っています: 「Delighted to once again welcome King Mswati of #Eswatini to #Taiwan. We are grateful for your longstanding support for our country & look forward to further deepening our wide-ranging bilateral cooperation. https://t.co/9Ddn6Onnhe」 / Twitter

マルタ騎士団副長(総長の代行職)が、聖ヨハネ騎士団同盟との協議会に(2022年10月)聖ヨハネ騎士団ブランデンブルク大管区管長/プロイセン王子オスカー殿下らが臨席

 2022年10月7日から、マルタ騎士団(=聖ヨハネ騎士団)と、マルタ騎士団が認める聖ヨハネ騎士団の4つの後継(あるいは分枝)騎士団、聖ヨハネ騎士団ブランデンブルク大管区、スウェーデン聖ヨハネ騎士団、オランダ聖ヨハネ騎士団、英国の聖ヨハネ騎士団、との協議会がおこなわれました。

 マルタ騎士団は主権実体として外交関係を持つ国々もあり、スウェーデン聖ヨハネ騎士団とオランダ聖ヨハネ騎士団、英国の聖ヨハネ騎士団は微妙に位置付けが異なるもののそれぞれの国の君主からの庇護や叙勲がなされています。
 聖ヨハネ騎士団ブランデンブルク大管区はすでに統治している君主とは関連のない団体ですが、もともとここからスウェーデンとオランダの騎士団がわかれたこともあり、ドイツ以外の国々にも支部を持っています。

 マルタ騎士団とこれらの騎士団は共同で慈善活動をおこなっています。

 マルタ騎士団からは、総長代行の副長“フラー”・ジョン・ダンラップ(Lieutenant of Grand Master Fra' John Dunlap)、
 聖ヨハネ騎士団ブランデンブルク大管区管長プロイセン王子オスカー殿下(His Royal Highness Prince Oskar of Prussia, the Herrenmeister of the Johanniterorden : Oskar Prinz von Preußen【Preussen】オスカー・プリンツ・フォン・プロイセン)、
 英国の聖ヨハネ騎士団から副長のマーク・コンプトン教授(the Lord Prior of the Most Venerable Order of Saint John, Mark Compton)、
 スウェーデン聖ヨハネ騎士団司令官でスウェーデン無爵位貴族のオットー・ドレイケンベリ(the Commander of the Order of Saint John in Sweden, Otto Drakenberg)、
 オランダ聖ヨハネ騎士団の評議会の議長(?)でオランダ貴族のエルンスト・カレル・グレーヴェン(Coadjutor of the Order of Saint John in the Netherlands, Ernst Karel Greven)、
 らが臨席。

 

 (英語:マルタ騎士団 公式サイト)Alliance of the Orders of Saint John Meeting – Sovereign Order of Malta

Order of MaltaさんはTwitterを使っています: 「With speeches by Lieutenant of Grand Master Fra' John Dunlap, Herrenmeister Oskar Prinz von Preussen, Lord Prior Mark Compton, Commander Otto Drakenberg and Coajutor Ernst Karel Greven, the conference with the Council of the Alliance of the Orders of St. John began today in Rome. https://t.co/59rTpZrgcM」 / Twitter

南アフリカ伝統的君主/“雨の女王”継承問題:「マサラナボ王女は雨の女王になることに興味はあるのか」と問われた国会議員が「彼女に選択の余地はない」と回答(2022年10月)南アフリカ「共和国」の未成年女子なんですが……

 延々と続いているこの問題ですが、軽くまとめたという感じの英語記事がありました。 
 内容自体は既出のものばかりですが(既出のものが混乱しているという問題はありますけれど)、以下の部分は注目に値すると思います。

 

 (英語)Battle for Modjadji Rain Queen crown is ongoing | Letaba Herald

When asked if Mosalanabo is interested in becoming the Rain Queen, Motshekga said that she does not have a choice as it is her bloodline.

「マサラナボ(王女)が雨の女王になることに興味があるかどうか尋ねられた時に、モツェクガ議員(モチェハ)は彼女の血統がそうなので彼女に選択に余地はないと言った」。

 

 なぜそこで「もちろんだ。彼女は常にそう望んできた」と言えないのか、と困惑させられます。
 王女本人は興味がないと白状しているようなものなのでは。

 

 南アフリカ共和国は国内の伝統的君主の承認をしているとはいえ、それぞれは一市民であるという前提も当然あります。
 各部族の王族かどうかという基準もあるようです(はっきりとしたことはわからないのですが、「王として認めろ」と主張して「王族ですらない」と判決を受けていた例もあるので、なにかあるのだと思ってます)。
 マサラナボ王女は王族として承認されている範囲でしょうし、継承者として認められていましたが、本人が望んでいない状況ではどうするのか。
 未成年女子(現在17歳)に女王になるのを強制するような発言が国会議員から出るようでは、民主主義の共和国ではなく、なんだかよくわからない国です。いやもう、なんだかよくわからない国なんですが

 兄のレクケラ王をたてたモジャジ王室評議会の(動機の根本はともかくとしても)政治家に引き取られたマサラナボ王女が地元にずっとおらず、儀式についても学んでおらず、その状態で来年から女王です、では伝統的でもなんでもないというのは理解できるところです。

 

 とはいうものの、公平に言って、王女は、兄やおじを含む相手と争いになっているような状況で、あえて興味があるとも言いにくいのだという可能性もあります、
 プレトリアにある高等裁判所が彼女自身が(他の関係者を除いて)相談をできる弁護士を選出するよう求めているのも現時点での彼女の考えを早く引き出さないとこの件を終わらせられないからでしょう。

 王女が女王になることを望んでいると回答した場合、モジャジ王室評議会との法廷闘争に入ります。「伝統的指導権と政府の間の枠組みに関する法律」から考えると、王室評議会による君主に関する事項を一方的に変更した決定は同法に違反している可能性は高いので、レクケラ王即位は無効と判断されるかもしれません。

 いずれにせよ、王女がどう考えているか、になるんですが……。

 

関連:
 (インデックス)(2021年)南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子殿下が選出された件に関する記事