訃報(2021年4月9日):英国王室のエディンバラ公爵フィリップ王子殿下が薨去(1921~2021)英国女王エリザベス2世陛下の夫。ギリシャ・デンマーク王子

 2021年4月9日、英国女王エリザベス2世陛下の夫/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下(His Royal Highness The Prince Philip, Duke of Edinburgh)が薨去した模様です。
 1921年6月10日生まれの99歳。

 

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 英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下の葬儀に参列する30名についての報道(2021年4月)
 バーデン大公世子ベルンハルト殿下、ヘッセン方伯ドナトゥス殿下、ホーエンローエ=ランゲンブルク公フィリップ殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下の葬儀に参列するために自主隔離に入っているとする情報(2021年4月)

 

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 英国王室のプリンセス・ロイヤル(アン王女)殿下が、薨去した父・エディンバラ公爵フィリップ王子殿下に関する声明(2021年4月)
 英国王室のケンブリッジ公爵ウィリアム王子殿下が、薨去した祖父・エディンバラ公爵フィリップ王子殿下に関する声明(2021年4月)

 

グリュックスブルク王朝弔意関連記事:
 ノルウェー王ハーラル5世陛下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)王宮バルコニーにて本日と葬儀当日の半旗掲揚を決定
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 旧ギリシャ皇太子パウロス殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)

 

弔意表明関連記事:
 天皇(徳仁)陛下と上皇(明仁)陛下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)

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 ルーマニア王室当主/ルーマニア王位守護者マルガレータ陛下夫妻が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 現在セルビア王室を称するユーゴスラビア皇太子アレクサンダル2世殿下夫妻が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 オルレアン派フランス王位継承者/パリ伯ジャン(4世)殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 音声インタビュー(フランス語):ラジオ局 Europe 1 /オルレアン派フランス王位継承者/パリ伯ジャン(4世)殿下へのインタビュー(2021年4月)英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下の薨去・葬儀に関連して
 正統派フランス王位継承者ルイ20世ことアンジュー公ルイ殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 イタリア王室(直系)当主/サヴォイア公・ナポリ公ヴィットーリオ・エマヌエーレ殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 イタリア王室(直系)継嗣ヴェネツィア公エマヌエーレ・フィリベルト殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 ロシア帝室ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下と継嗣/ロシア大公ゲオルギー殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 カストロ系(旧)両シチリア王室当主カストロ公爵カルロ王子殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 ブラジル帝室(ヴァソウラス系統)当主ルイス殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)

 カタール首長タミーム殿下と副首長アブドッラー殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 クウェート首長ナッワーフ殿下、皇太子ミシュアル殿下、首相サバーハ殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 ブータン王ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク陛下夫妻が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 オマーンのスルタン【国王】ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード陛下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 ヨルダン王アブドッラー2世陛下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 ヨルダン王妃ラーニア陛下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下について語る(2021年4月)
 アラブ首長国連邦【UAE】の首長らが、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 マレーシア国王アブドゥラ陛下夫妻が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 モロッコ王 モハメッド6世 陛下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 タイ国王ワチラロンコン陛下【ラーマ10世】が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 エスワティニ王(スワジランド王)ムスワティ3世陛下と王太后ヌトンビ陛下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)

 旧イラン皇太子レザー・パフラヴィー殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 (旧)エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)

 ニュージーランドのマオリ王ツヘイティア・パキ陛下(ツヘイティア・ポタタウ・テ・フェロフェロ7世)が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 ウガンダ伝統的君主:トロ王 ルキディ4世 陛下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)
 ナイジェリア伝統的君主:オグワシ=ウク王の姉妹、世界貿易機関【WTO】のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)

 イタリア内の自称独立国「セボルガ公国」のセボルガ女公ニーナ殿下が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)

 

 フィリップ王子信仰運動のバヌアツ共和国タンナ島で、神=薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への(小規模な)セレモニーがおこなわれる(2021年4月)次の神はチャールズ皇太子殿下が有力だが決まっていない模様

 

 英国各地で、エディンバラ公爵フィリップ王子殿下を追悼する41発の礼砲(2021年4月)
 オーストラリアで、エディンバラ公爵フィリップ王子殿下を追悼する41発の礼砲(2021年4月)
 ニュージーランドで、エディンバラ公爵フィリップ王子殿下を追悼する41発の礼砲(2021年4月)
 カナダ政府が、英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下の薨去に際し、8日間の服喪と追悼式典を決定(2021年4月)

 

 一般のニュースなどでも来歴を含めて報道があると思うので、ここでは少し違う記事にしておきます。

 薨去に伴い、エディンバラ公爵位(第三次叙爵)は、副次称号のメリオネス伯爵およびグリニッジ男爵と共に長男のウェールズ公チャールズ皇太子殿下が継承しました(ルール上は)。
 三男のウェセックス伯爵エドワード王子殿下が将来的にエディンバラ公爵となることはすでに発表されているので、時期は不明ですが、第四次のエディンバラ公爵に叙されると思われます。
 第三次叙爵のほうのエディンバラ公爵位は、(一番ありえそうな場合だと)チャールズ皇太子殿下が即位した瞬間に王位に統合されてなくなります。

 フィリップ王子殿下は(旧)ギリシャ王室の出身で、ギリシャ・デンマーク王子の称号を持ちます(ギリシャ王室はデンマーク王室の分家のため)。
 英国中心で考える人たちは、英国籍取得や前後の出来事などとともにこれ(ら)が放棄されていると考えています。
 しかし、ギリシャは英国の属国ではなく、ギリシャ王室の称号はギリシャ王室のルールにのっとって動くものです。また王室法などに規定がない条項については王または王室当主に許諾を得るという前提があるため、フィリップ殿下が称号などを放棄するには(当時の)ギリシャ王ゲオルギオス2世の許諾を受ける必要があります(許諾がない場合、ほかのすべてのことは本人の意思を含めて何一つ影響を及ぼしません)。そのような許諾の文書は示されていないどころか、存在するという話もありません。
 現在、ギリシャは共和政となっているため、このような話は現実に影響を及ぼさない理屈上の出来事にすぎませんが、上記のことを考慮し、婚姻に許諾を得ていることも考えれば、フィリップ王子殿下は最期までギリシャ・デンマーク王子であり、また(旧)ギリシャ王位継承順位に並んでいました。これらがチャールズ皇太子殿下ら、子・孫・曾孫に及ぶ可能性もまたあります。

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています 「It is with deep sorrow that Her Majesty The Queen has announced the death of her beloved husband, His Royal Highness The Prince Philip, Duke of Edinburgh. His Royal Highness passed away peacefully this morning at Windsor Castle. https://t.co/XOIDQqlFPn」 / Twitter

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています 「The Royal Family join with people around the world in mourning his loss. Further announcements will be made in due course. Visit https://t.co/utgjraQQv5 to read the announcement in full.」 / Twitter

 

BBC News:
The Duke of Edinburgh, Prince Philip has died aged 99 – BBC News – YouTube

 

The Royal Family Channel:
The Duke of Edinburgh, Britain’s Longest-Serving Royal Consort, Has Died Aged 99 – YouTube

 

 イギリス フィリップ殿下 死去 99歳 エリザベス女王の夫 | NHKニュース
 イギリス フィリップ殿下が死去 追悼の動きが広がる | おくやみ | NHKニュース

 英女王の夫フィリップ殿下が死去 99歳 – BBCニュース
 英フィリップ殿下死去 BBCの速報 – BBCニュース
 エリザベス英女王とフィリップ殿下、1947年のロイヤル・ウェディング – BBCニュース
 【追悼】 写真で振り返る 英王室のフィリップ殿下、99歳で死去 – BBCニュース
 ジョンソン英首相、フィリップ殿下を哀悼 首相官邸前で演説 – BBCニュース
 【追悼】フィリップ殿下、軍人で夫で父親で……英女王を支えた生涯 – BBCニュース
 英フィリップ殿下死去、英王室は献花よりチャリティー献金を呼びかけ – BBCニュース
 【評伝】 エディンバラ公爵フィリップ殿下 揺れる幼少期から英女王の伴侶へ – BBCニュース

 

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結婚・民事婚(2020年12月12日):ギリシャ・デンマーク王子フィリッポス殿下とニナ・フロアー嬢。スペイン王女クリスティナ殿下が参列

 2020年12月12日、ギリシャ・デンマーク王子フィリッポス殿下(His Royal Highness Prince Philippos of Greece and Denmark)とニナ・フロアー嬢(Nina Flohr)の結婚式がおこなわれたようです。
 フィリッポス殿下は34歳、ニナ嬢は33歳。

 

 (ギリシャ語)Παντρεύτηκε ο πρίγκιπας Φίλιππος την εκλεκτή της καρδιάς του, Δίδα Nina Flohr | Hello Magazine
 (スペイン語)La infanta Cristina y su hija, Irene, entre los invitados a la boda de Philippos de Grecia y Nina Flohr, en ¡HOLA!

 (英語)Peerage News: Prince Philippos of Greece & Denmark weds Nina Flohr

 

 上記の一つ目の記事とその他情報によりますと、結婚式そのものは、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】のため、厳しく参列が制限され、新郎の父の(旧)ギリシャ王コンスタンティノス2世陛下(Constantine II of Greece : His Majesty The King of the Hellenes : デンマーク王子 : Prince of Denmark)と新婦の父トーマス・フロアー氏(Thomas Flohrトーマス・フローア)のみの参列のようです。

 ただその後の集まりに、一族は集っているようで、二つ目の記事によれば、スペイン王女クリスティナ殿下(Her Royal Highness Infanta Cristina of Spain)と娘のイレーネ・ウルダンガリン嬢(Irene Urdangarín)が参列したようです。

※コンスタンティノス2世陛下は車椅子に座っており、すでに脚の調子が思わしくないことを感じさせます。

 

関連/

新婦の父トーマス・フロアー氏へのインタビュー記事:
 「ビスタジェット(VistaJet)」創業者トーマス・フローア(Thomas Flohr)に独占インタビュー

 新婦のニナ嬢は一人娘です。

 

世論調査:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻の謝罪動画に46%が納得せずも、64%は幕引きを望む(2020年10月)一方、長女と次女がすぐに帰国せずに火曜日までにギリシャに滞在していたと発覚「飛行機の席が空いていなかった」

 ギリシャ休暇旅行(批判を受けてすぐ帰国)について謝罪したオランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻について、2000人を対象におこなわれた世論調査では 46 %が納得していないとしています。

 

 (オランダ語)Helft Nederlanders vindt video koning ongeloofwaardig, maar zaak voor de meeste afgedaan

 一方で、全体の 64% はこれ以上の騒動を望んでいないとしており、とりあえず、ここで話は終わりそうだったのですが……。

 

 陛下の長女オランニェ女公【オランダ皇太子】カタリナ=アマリア王女殿下(オランダ王女: オランニェ=ナッサウ公女 : Catharina-Amalia : Her Royal Highness The Princess of Orange, Princess of the Netherlands, Princess of Orange-Nassau)と次女のオランダ王女アレクシア殿下(オランニェ=ナッサウ公女 : Her Royal Highness Princess Alexia of the Netherlands, Princess of Orange-Nassau)が火曜日までギリシャに滞在していたことが発覚。
 (三女のオランダ王女アリアーヌ殿下(オランニェ=ナッサウ公女 : Her Royal Highness Princess Ariane of the Netherlands, Princess of Orange-Nassau)は両親とともに帰国)

 

 (オランダ語)Prinsessen Amalia en Alexia bleven achter in Griekenland, keren dinsdag pas terug
 (オランダ語)Prinsessen Amalia en Alexia pas later terug vanaf Grieks vakantieadres | De Volkskrant

 

 オランダ王国首相マルク・ルッテ閣下(His Excellency Mr Mark Rutte)は「プライベートなこと」なので言わなかったらしいですが把握していたことをコメント。
 座席が足りなかったので二人はギリシャに残ったと説明されていますが、火曜日までずっと座席が足りなかったというのはちと苦しい気がします。
 (そもそも政府専用機でいったんだから帰りも飛ばせばいいんじゃないの??)

 

 今回の件について専門家は、さほど大きな影響はないと見ています。
 両陛下の人気はとても高く、またオランダ王室はこれより前の時代、もっといくらでもひどいことがあった、というそれはまあその通りの指摘もあります。
 予算の減額が避けられないとの考えも見られます(それはギリシャの別荘のように王室の私有資産がたくさんあるのでなにも困りませんが)。

 

既報:
 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下がギリシャで秋の休暇開始→激しい反発で数時間で帰国発表(2020年10月)
 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下一家のギリシャ旅行について、オランダ首相マルク・ルッテ閣下が自身の判断ミスと言明(2020年10月)「新型コロナウイルス対策の厳格化と方向性が一致していないことに“気づくのが遅すぎた”」
 動画:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻が、ギリシャ休暇旅行(批判によりすぐ帰国)に関して、(事実上)謝罪する映像(2020年10月)

 

動画:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻が、ギリシャ休暇旅行(批判によりすぐ帰国)に関して、(事実上)謝罪する映像(2020年10月)

 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下(Willem-Alexander : His Majesty The King of the Netherlands)一家のギリシャ休暇旅行(批判を受けすぐ帰国)の件ですが、 YouTube のオランダ王室公式チャンネルに(事実上の)謝罪動画がアップロードされました。

 

 (オランダ語:オランダ王室 公式サイト)Persoonlijke boodschap van het Koninklijk Paar | Toespraak | Het Koninklijk Huis

Koninklijk Huis(オランダ公室公式チャンネル):
Persoonlijke boodschap van Koninklijk Paar over reis naar Griekenland – YouTube

 

 率直に「あなたがたの信頼を裏切った」と述べています。
 動画に対するオランダ人の反応はよくわかりませんが、この休暇旅行の前にも感染対策に従っていないとの批判があったオランダ王室。
 この動画のメッセージも、やや言い訳がましい(休暇旅行自体が規則を破ったわけではない)のと、話をすりかえているような気もする(重要なのは普通の生活に戻ること)部分も感じますが……。

 

追記:
 報道によれば、オランダの専門家や与野党議員のほとんどはメッセージを肯定的に受け止めているようです(一部は憲法論も絡んでめんどくさいところもあるのですが、幕引きをしないとどうにもならないということもあるのでしょう)。
 しかし、国営放送のコラムまでが「国王と社会の間の深い溝」を指摘してしまった今回の事態。オランダの一般の(収入が減少し楽しみも減り、余計な外出をするなと要求されているのに、国王一家はギリシャの別荘でノンビリ休暇しようとしたのを見せられた)人々がどう思うかは、また別の話でしょう。ちなみに王室はイタリアにも別荘を所有しています。余裕を失った欧州の階級社会がむき出しになってきているようにも感じます。

 

既報:
 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下がギリシャで秋の休暇開始→激しい反発で数時間で帰国発表(2020年10月)
 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下一家のギリシャ旅行について、オランダ首相マルク・ルッテ閣下が自身の判断ミスと言明(2020年10月)「新型コロナウイルス対策の厳格化と方向性が一致していないことに“気づくのが遅すぎた”」
 世論調査:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻の謝罪動画に46%が納得せずも、64%は幕引きを望む(2020年10月)一方、長女と次女がすぐに帰国せずに火曜日までにギリシャに滞在していたと発覚「飛行機の席が空いていなかった」

 

オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下一家のギリシャ休暇旅行(批判を浴びてすぐ帰国)について、オランダ首相マルク・ルッテ閣下が自身の判断ミスと言明(2020年10月)「新型コロナウイルス対策の厳格化と方向性が一致していないことに“気づくのが遅すぎた”」

 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下(Willem-Alexander : His Majesty The King of the Netherlands)一家が、オランダで部分的ロックダウンなど新型コロナウイルス感染症【COVID-19】対策が強化される中、秋の休暇のためにギリシャを訪問して、批判に驚いてすぐに帰国した件について、オランダ王国首相マルク・ルッテ閣下(His Excellency Mr Mark Rutte)は議会に書簡を送り、自身の判断ミスを認めました。

 

 (オランダ語:オランダ公共放送)Rutte: verkeerde inschatting gemaakt bij vakantie koning | NOS

 

 首相は、一家の旅行は、新型コロナウイルス対策の厳格化と方向性が一致していないことに“気づくのが遅すぎた”としています。
 また、首相として国王に対して、国家元首の仕事のみならず、私的な旅行であっても、公益の観点から助言をおこなう責任があるとも述べています。
 加えて、旅行について知っていたのか知らなかったのかはっきりしていない副首相については、通常このような事柄については通知していない(基本的にオランダ王室の私的旅行は事前発表がされません)としています。
 最後の tweet の件ですが、これは何の話かはわからないです(Twitter については、炎上したことしか知りません)。

 

 これらのことを信じるなら、元から旅行計画があり首相はそれを知っていたものの、コロナ対策厳格化にともなってそれを中止したほうが良いという発想が浮かばず、適切な助言ができなかったということでしょう(国王一家にも浮かばなかったのでしょうが)。
 一方、あくまで今回の事態は、助言をおこなうべき首相が気づくのが遅すぎたために起こったものであり、つまり国王の責任ではないというロジックを立てているように思えます。ちなみに今回の事件を受けて、オランダでは憲法学者がテレビに出演したりしています。

 副首相に関しては、本当に事態を知らなかったのかははっきりしません。
 首相が述べているのは、首相は副首相に通知していないし、通常通知しないものだ、というだけで、副首相がどこからか自前で情報を仕入れる可能性までは首相にわかることでもありません。

 

 今回の書簡に対する議会側の反応がどうなるかですが……。
 批判は、元はネットの炎上から始まったようですが、議員からの批判が出ているのはもとより、オランダ世論も国王の行動を賢くないとするのが大多数となっています
 首相の責任は問われるでしょうが、正直、どうすればいいのかという問題もあります。
 辞任するなら連立政権を再度形成する必要が出てきます。そうなれば国王は各党の党首らに意向を尋ねますが、この状況下で、「失態」をおかした国王に調停役を任せるというのもなんだかおかしな話です。
 もっともこの状況下でこの程度のことで辞任する必要があるのかといえばそれもそうなのですが……。

 

追記:

ANNnewsCH(ANN NEWS):
オランダ国王夫妻の別荘訪問 首相「誤った判断」(2020年10月19日) – YouTube

 

続報:
  動画:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻が、ギリシャ休暇旅行(批判によりすぐ帰国)に関して、(事実上)謝罪する映像(2020年10月)
 世論調査:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻の謝罪動画に46%が納得せずも、64%は幕引きを望む(2020年10月)一方、長女と次女がすぐに帰国せずに火曜日までにギリシャに滞在していたと発覚「飛行機の席が空いていなかった」