Megxit:英国女王エリザベス2世陛下とバッキンガム宮殿が、サセックス公爵ヘンリー王子殿下【ハリー王子】夫妻の今後について声明(2020年1月)公費からの支給なし、「(HRH)殿下」を使用しないとのこと、など。効力は春から

 英国女王エリザベス2世陛下(Elizabeth II : Her Majesty The Queen)と、バッキンガム宮殿が、王室の「‘senior’ members」からの離脱を一方的に宣言したサセックス公爵ヘンリー王子殿下(Prince Henryハリー王子 : Prince Harry : His Royal Highness The Duke of Sussex)とサセックス公爵夫人メーガン妃殿下(Meghan : Her Royal Highness The Duchess of Sussex)の今後について声明を出しています。

 まずはとりあえずリンクを貼ったうえで、下のほうに思うことを書いておきます。

 

 (英語:英国王室 公式ウェブサイト)Statement from Her Majesty The Queen | The Royal Family

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています: 「A statement from Her Majesty The Queen. https://t.co/ZAPC5ARUup」 / Twitter

 

 陛下の声明については、夫妻の決定を尊重する、ということです。

 バッキンガム宮殿の声明には疑問符がつく部分があります。
 予算に関しては(警備予算については決まっていないようですが)夫妻のために支出されるものはなくなるようですが、サセックス公爵称号の剥奪がなかった以上、夫妻はこのブランドでいくらでも稼げるし、それをやられると次はどこの誰がなにをやらかすかわからないという懸念はまったく払拭されていません。

 しかしそれは、“ハリウッド君主政”の話で、一応このサイトは主にルールに関する真面目な話をするところ(そうだったんです)なので、それに関する話をします

 最大の問題はここ、

The Sussexes will not use their HRH titles as they are no longer working members of the Royal Family.

 夫妻はもはや「HRH」(His/Her Royal Highness)【=殿下】を使用しないという部分です。
 これはもちろん Prince 称号に触れていないため、ヘンリー王子殿下が王子であることは変わりありません(バッキンガム宮殿が数十年前のように勘違いしていなければ……している可能性が本気であるのが怖い……)。
 ですが「The Sussexes will not use」というのは、単に彼ら自身が使わないといっているだけであって、これは殿下の敬称に関して変更があったわけではないと取れます。また、サセックス公爵夫妻使わないというだけなので、乱暴に言ってしまえばメディアなどのわれわれ第三者は殿下と呼んでもいいともとれます。
 加えていいますと、英国の公爵には「HG」(His/Her Grace)【=閣下】という敬称が存在するわけで、今回、サセックス公爵称号についてはなんの処分もなかった以上、こちらを使えという話なのか、これもまた使わないのか。
 要は「夫妻についてフォーマルな場合は『~』と呼んでくれ、それ以外は好きにして」みたいなわかりやすい話がないのです。

 さらにいえば「as they are no longer working members of the Royal Family」(王室の公務をおこなう一員ではない)だから使わないだと、女王陛下の従弟のケント公爵家マイケル王子殿下夫妻らを筆頭に使っちゃいけない方々がたくさんいる気がしますが……。
 少なくとも英国では、公務をおこなわないから殿下を使わないなどという慣習はありません

 

The Duke and Duchess of Sussex have shared their wish to repay Sovereign Grant expenditure for the refurbishment of Frogmore Cottage, which will remain their UK family home.

 税金を使って居館を改装しましたが、そのお金を返還するとのことです。
 居館は(英国にいるときは)使用し続けるようです。
 この居館は王族の一員だから使用できるものだと思うんですが……。
 家賃を払うということですか??
 改修に三億円かかる居館の家賃はいくらになるのか……。

 

Buckingham Palace does not comment on the details of security arrangements.

 先にも述べましたが警備費用についてはコメントしないそうです。

 

This new model will take effect in the Spring of 2020.

 なお、効力は2020年春からだそうです。春っていつですか??
 これはつまり今回の声明は、具体的にいつの日付からこうなるとまだ細かく決めたものではなく、今後こんな風にやりますと述べただけであるということでしょう。

 

 繰り返しになりますが、今回の声明で感じた大きな問題点は次の二つです。

 一つは、称号と敬称。
 結局のところ、ヘンリー王子殿下のルール上の称号と敬称がどうなるのか正確にわからないということです。
 また、“マスター”・アーチー・マウントバッテン=ウィンザー(Master Archie Mountbatten-Windsor)の将来に関する言及がなかった以上、チャールズ皇太子殿下の即位と共に、1917年の勅令に基づいて男系の孫である彼は王子・殿下になりますし、そのように称されます(そもそも現段階ですら彼の位置付けがフワッフワで、これは本人の気質によってはかえって思い悩むんじゃないのという気もします)。
 もちろん、その時や、そうなりそうな時にあらためて「そうはなりませんよ」という告知を出せばそう称されませんが……。まさか“アーチー王子殿下”に将来的になにかを担ってもらう可能性を担保しておきたいわけでもないだろうし……。

 二つ目は、称号を使った商売の話。
 夫妻が王室ブランドを使って金儲けをするのを女王陛下がどこまで容認しているのか、というところがさっぱりわかりません。しかしこれも先に述べた通り、当面のところはこのサイトの対象としてはやや外れている話です。どこかほかの王室へ波及して誰かが捕まるということでもなければ、海外の大金持ちが大金を儲けるというだけのことです。

 

ANNnewsCH(ANN NEWS):
ヘンリー王子夫妻が称号を返上 公金も受け取らず(20/01/19) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=-_JK3rzm-LM

また、自宅の改装に投じられた日本円で3億円以上に及ぶ税金を返納する意思があることも明らかになりました。

ANNnewsCH(ANN NEWS):
ヘンリー王子夫妻が称号を返上 公金も受け取らず(20/01/19) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=gUhiPJPGmug

ANNnewsCH(ANN NEWS):
メーガン妃、カナダでの様子も・・・波紋広がる称号返上(20/01/20) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=b5OKslYlGmg

ANNnewsCH(ANN NEWS):
「他に選択肢なかった」王室離脱問題でヘンリー王子(20/01/20) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=We7PFsZdFgQ

ANNnewsCH(ANN NEWS):
ヘンリー王子「王室離脱以外に選択肢なかった」(20/01/20) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=13nr0ojefJU

 一方、王子夫妻が今後、拠点にするとみられるカナダでは様々な意見が上がっています。
 地元住民:「(警備などに)私たちの税金を使うべきではない」「彼らは私たちの伝統で財産の一部だ。豊かなカナダが払っても問題ない」
 カナダメディアは、2人の警備に年間で約11億円もの負担を強いられかねないと伝えています。

 

The Duke and Duchess of Sussex(@sussexroyal) • Instagram写真と動画

 

 ハリー王子夫妻 「王室の称号使わず」 英王室 | NHKニュース
 ハリー王子夫妻 “王室離脱” 英メディア 女王は厳格な対応も | NHKニュース
 英 ハリー王子「女王に仕え続けたいと望んだが かなわず」 | NHKニュース

 (英語)Harry and Meghan drop royal duties and HRH titles – BBC News

 

?な記事(英語):「ハリーやメーガンの他に公務から退いた6人(※現在の表記)の若い王族」。マイケル王子殿下、故エドワード8世、清子内親王殿下、絢子女王殿下、ノルウェー王女マッタ・ルイーセ殿下の ※5人※ (2020年1月)

 謎の記事(?)を見つけたのでリンクしておきます。

 

Royals Who Have Given Up Their Duties | POPSUGAR Celebrity
6 Young Royals (Other Than Harry and Meghan) Who Chose to Step Back From Their Duties

※現在のところ、「ハリーやメーガンの他に公務から退いた6人の王族」となっていますが、紹介は5人だけです。


※右下の Start Slideshow を押すとページが切り替わります。

 

 5人は、
 英国のケント公爵家マイケル王子殿下(カトリックとの結婚により英国王位継承順位に並ばなくなる、が、2013年の法改定で回復)、
 故・エドワード8世(結婚するために、退位)、
 清子内親王殿下(黒田清子夫人。結婚により皇室を離れる)、
 絢子女王殿下(守谷絢子夫人。結婚により皇室を離れる。「I will leave the imperial family today, but I will remain unchanged in my support for his majesty and her majesty.(日本語未確認:私は本日皇室を離れますが、両陛下を支え続けることは変わりありません)」。確かにこの英語文だとヘンリー王子殿下夫妻の声明と似ている気がしますが……)
 ノルウェー王女マッタ・ルイーセ殿下(自分の収入で生きていくことを選んだため、敬称が降格しました)、

 

訃報(2019年12月20日):アッシュタウン男爵未亡人ドロシー(元プレス公妃)、薨去(1930~2019)

 2019年12月20日、英国のアッシュタウン男爵未亡人ドロシー・メアリー・エリザベス・トレンチDorothy Mary Elizabeth 【Trench】, Baroness Ashtown : 元プレス公妃)が薨去した模様です。
 1930年1月2日生まれの88歳。

 ホッホベルク家のプレス公妃となった後に、英国のアイルランド貴族/故・第7代アッシュタウン男爵ナイジェル・トレンチ閣下と結婚しました。

 

 (英語:情報が閲覧できない場合があります)ASHTOWN – Deaths Announcements – Telegraph Announcements
 (英語)Peerage News: Dorothy, Baroness Ashtown [died 2019]

 

第74回国連総会一般討論演説(英語):リヒテンシュタイン公国国家元首代行/リヒテンシュタイン公世子アロイス殿下(2019年9月)

 第74回国際連合総会一般討論演説での、リヒテンシュタイン公国国家元首代行/リヒテンシュタイン公世子アロイス殿下(アロイス皇太子アロイス摂政Alois : His Serene Highness The Hereditary Prince of Liechtenstein : His Serene Highness The Prince Regent of Liechtenstein)の映像です。

関連:
 (2019年9月)第74回国際連合総会【国連総会】一般討論演説

 

 (国連ウェブTV)UN Live United Nations Web TV – Search Results for "" – Liechtenstein – Head of State Addresses General Debate, 74th Session

 

United Nations(国際連合公式チャンネル):
🇱🇮 Liechtenstein – Head of State Addresses General Debate, 74th Session – YouTube

 

訃報(2019年9月19日):ロプコヴィッツ公子ニコラウス殿下、薨去(1931~2019)

 2019年9月19日、ロプコヴィッツ公子ニコラウス殿下(His Serene Highness Prince Nikolaus of Lobkowicz : ニコラウス・プリンツ・フォン・ロプコヴィッツNikolaus Prinz von LobkowiczMikuláš Lobkowiczミクラーシュ・ロプコヴィッツ)が薨去したという情報が出ています。
 1931年7月9日生まれの88歳。

 教授号を持っており、ドイツ連邦共和国バイエルン州の私立大学であるアイヒシュテット・インゴルシュタット・カトリック大学(Catholic University of Eichstätt-Ingolstadt : ドイツ語/Katholische Universität Eichstätt-Ingolstadt)総長を務めた模様です。

 記事によると、„Fürst Lobo von Transsilvanien“(フュルスト・ロボ・フォン・トランシルヴァーニエン)と称されたりしたようですが、なぜフュルストなのかはわかりません。

 

 (ドイツ語:アイヒシュテット・インゴルシュタット・カトリック大学公式サイト)Einzelansicht – Katholische Universität Eichstätt-Ingolstadt

 (ドイツ語:現時点で記事の閲覧に登録など必要)Nachruf auf Nikolaus Prinz von Lobkowicz: Freidenker und Kämpfer für öffentliche Ordnung | Bad Aibling

 (ドイツ語)Katholischer Politologe Nikolaus Lobkowicz gestorben | DOMRADIO.DE – Katholische Nachrichten