インタビュー動画(ドイツ語):ロイス家当主/ロイス公 ハインリヒ14世 殿下が、一族の ロイス公子 ハインリヒ13世殿下 がクーデター計画容疑で逮捕された件について(2022年12月)

 ロイス公ハインリヒ14世殿下(Heinrich XIV : His Serene Highness The Prince Reuss : ハインリヒ14世・フュルスト・ロイスHeinrich XIV Fürst Reuß)が、一族のロイス公子ハインリヒ13世殿下(His Serene Highness Prince Heinrich XIII Reuss : ハインリヒ13世・プリンツ・ロイス・ツー・ケストリッツHeinrich XIII Prinz Reuß zu Köstritz)が逮捕された件についてインタビューを受けています。
関連:
 ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下らが、ドイツでクーデターを計画したとして逮捕(2022年12月)

 

インタビュー動画へのリンク:
 (ドイツ語)Razzia in Bad Lobenstein: Reußen distanzieren sich von Heinrich XIII. | MDR.DE

In der Adelsfamilie Reuß hat die Festnahme von Heinrich XIII. Prinz Reuß für Entsetzen gesorgt. Der Hauschef des ehemaligen Ostthüringer Herrscherhauses, Heinrich XIV. Fürst Reuß, äußerte sich im Interview.

※ドイツ語字幕設定可能
名前キャプションは「Heinrich Fürst Reuß(ハインリヒ・フュルスト・ロイス)」
フュルストは一般的に当主称号(公/侯)なので、これにより当主であることが示されています:

 英語の記事などでも、このインタビューをもとに文章が掲載されています。
 (英語)Who is Prince Heinrich XIII of Reuss? Germany's far-right coup plotter explained

Heinrich XIV, a distant relative who acts as the head of the house and its spokesman, told the German broadcaster MRD on Wednesday that he was shocked by the news and that he hadn’t spoken to Heinrich XIII for a decade.

“Of course it rubs off catastrophically on the family,” he said. “I believe we’ve been a tolerant, cosmopolitan dynasty for 850 years in eastern Thuringia, and now we are all around the world, all the way to America, [we’re] ‘terrorists’ and ‘reactionaries’ — it’s really horrible.”

 ハインリヒ14世殿下は、遠縁のハインリヒ13世公子の逮捕の報を聞きショックを受けているということ、また10年会っていないということを述べています(追記:最後に会ったのは2013年ではないかという説が濃厚……いやというほど重要なことでもないんですが)。850年にわたるロイス家の名声が失墜し、一族が非難されていることについても衝撃を受けている模様。

 加えて、これはインタビュー動画のほうからですが、

Es sind 60 Familienmitglieder, 30 Heinriche.
Das ist Natürlich verwirrend.
Es gibt 30 Mal Heinrich Reuß.
In der Erbfolge, die fruher mal wichtig war, ist er die Nr. 17.
Da müssten 17 sterben, dass er drankommt.
Da macht es für ihn gar keinen Sinn zu putschen.

「一族には60人、ハインリヒが(男子)30人いる。
 これはもちろん混乱を招くことだ。
 ハインリヒ・ロイスが30人いる
 彼(ハインリヒ13世公子)は、かつて重要だった(ロイス公位)継承順位は第17位。
 継承順位が第17位の(ロイス公位を継ぐ可能性もほぼ無い)彼が、(ドイツ全体に対する)クーデターをする意味がない」

 ハインリヒ13世公子が、現時点でロイス公位継承順位第17位だとすると、世間が知らない間にこの数年でまた何人かロイス公子が誕生しているような気がします。
 それにしても、いつ聞かれても継承順位を答えられるのか、それとも情報を準備してインタビューに臨んだのか。準備したのかなあ……。

 

 ロイス家の「ハインリヒ●世」のナンバリングに関する話も下記記事でしています。
関連:
 ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下らが、ドイツでクーデターを計画したとして逮捕(2022年12月)

ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下らが、ドイツでクーデターを計画したとして逮捕(2022年12月)

 2022年12月7日、ドイツの連邦検察は、ロイス公子ハインリヒ13世殿下(His Serene Highness Prince Heinrich XIII Reuss : ハインリヒ13世・プリンツ・ロイス・ツー・ケストリッツHeinrich XIII Prinz Reuß zu Köstritz)らを逮捕しました。
 クーデターを計画したとの容疑だとのことです。。
関連:
 ドイツのライヒスビュルガー(Reichsbürger : 過激な君主政主義者)などに関するやや雑多な記事(英語)(2022年11月)ドイツ人の約10%が君主政支持、34歳未満では20%近くが支持(本当?)

 

※以下「~世」の数字を微妙に間違えている可能性もありますが、その場合は許してください。

 ハインリヒ13世殿下は、現存するロイス家の唯一の系統であるロイス=ケストリッツ家の一員です(当主ではありません)。

 ロイス=ケストリッツ家は、ドイツ帝国の中の弟系ロイス公国(ロイス=ゲーラ公国)の君主であったロイス=シュライツ家から早くにわかれた家で、現在は同家の年長系統のロイス公ハインリヒ14世殿下が当主、二つのロイスの公位の継承者と見なされています。

 ロイス家は慣習により、男子は全員ハインリヒなので、ナンバリングによって個人を特定します(20世後半から数字がややこしいこともありますが……)。
 これは生まれた順に振られるので、「兄が1世で弟が2世」ということもありえますし、「兄が1世で、次の二代が遠縁に振られていて、弟はいきなり4世」みたいなこともありえます。世紀が変わると1世からに戻ります。現在の当主、ハインリヒ14世殿下の長男はハインリヒ29世殿下ですが、次男は(21世紀に入ってから生まれているので)ハインリヒ5世殿下です。

 一方、ハインリヒ13世殿下は男系では傍系ですが、父の故・ロイス公子ハインリヒ1世が、最後の弟系ロイス公世子ハインリヒ45世養子となっています。ハインリヒ1世の妻がハインリヒ45世の女系の姪・故ヴォイツラヴァ・フェオドラですが、結婚より前の養子縁組です(結婚する予定だったかもしれません)。また、養子は(君主の地位の)継承権には関係ありませんが、財産に関しては係争もありました。
関連(逮捕されたハインリヒ13世の母の訃報):
 訃報(2019年6月3日):ロイス公子妃ヴォイツラヴァ・フェオドラ殿下(メクレンブルク公女)、薨去(1918~2019)バルト連合公国君主に推されたメクレンブルク公子アドルフ・フリードリヒ殿下の娘。薨去に伴いメクレンブルク=シュヴェリーン系統は男系女子二人を残すのみに

 要するに、
 当主:ハインリヒ14世
 傍系(だが父が弟系ロイス家当主ハインリヒ45世の養子となった)兄弟:ハインリヒ8世、ハインリヒ9世、ハインリヒ10世、ハインリヒ13世、ハインリヒ15世
 となっていて(他にも人物はいます)、逮捕されたハインリヒ13世は当主でもなく、兄もいます。が、「13世」と書かないと他の一族との区別が面倒になります。

関連:
 スピーチ映像(英語 2019年):ロイス公子 ハインリヒ13世 殿下によるスピーチ映像(2022年12月)
 インタビュー動画(ドイツ語):ロイス家当主/ロイス公 ハインリヒ14世 殿下が、一族の ロイス公子 ハインリヒ13世殿下 がクーデター計画容疑で逮捕された件について(2022年12月)

 

 ドイツで国家転覆目指すテロ組織摘発 退役軍人など25人逮捕 | NHK | ドイツ

検察の発表によりますと「ハインリヒ13世」を名乗る男と退役軍人が首謀者とみられ、ほかに、去年まで連邦議会議員を務めていた現職の裁判官も逮捕されたということです。

組織の構成員らはドイツがいわゆるディープ・ステート=闇の政府に支配されているという陰謀論を信じ、去年11月ごろから国家の転覆と独自の政府の樹立を目指して会合を重ねていたということです。

具体的に、武装したグループで連邦議会の議事堂に押し入る計画を立てていた疑いもあるとしています。

 ドイツで何が “貴族”や裁判官などが国家転覆と独自政府樹立 計画か | NHK | ニュース深掘り

 

ANNnewsCH(ANN NEWS チャンネル):
ドイツで“クーデター計画” 25人拘束 “陰謀論”信じ…軍事部門も設立か(2022年12月8日) – YouTube

 

ANNnewsCH(ANN NEWS チャンネル):
主犯格の中に貴族出身「ハインリヒ13世」…ドイツで“クーデター計画” 25人身柄拘束(2022年12月8日) – YouTube

 

TBS NEWS DIG Powered by JNN:
「国家転覆を計画」ドイツ極右勢力の25人逮捕|TBS NEWS DIG – YouTube

 

ロイター(Reuters Japan):
ドイツで国家転覆計画、極右25人拘束 帝国再興企む – YouTube

 

Kanal13:
German POLICE arrests Prince Heinrich XIII and 25 suspected of far-right plot to overthrow state – YouTube

 

Guardian News:
Germany: police arrest far-right extremists planning to 'overthrow the state' – YouTube

 

WELT Nachrichtensender:
PRINZ HEINRICH-PUTSCH: Razzia – Thüringer Adeliger und Reichsbürger wollte Regierung stürzen – YouTube

 

 (英語)Germany arrests 25 accused of plotting coup – BBC News
 (英語)Heinrich XIII Prince Reuss: Who is 'ringleader' of German far-right coup plot – and what is the Reichsburger movement? | World News | Sky News

訃報(2022年8月27日):プレス公/ホッホベルク伯爵ボルコ閣下が薨去(1936~2022)ハンス・ハインリヒ15世とデイジー・フォン・プレスの孫

 2022年8月27日、プレス公/ホッホベルク伯爵ボルコ閣下(Bolko : His Serene Highness The Prince of Pless【Pleß】, Count of Hochberg : Fürst von Pless【Pleß】, Graf von Hochberg, Freiherr zu Fürstenstein)が薨去したようです。
 1936年4月3日生まれの86歳。

 チェコ・シレジアの貴族の家系で、プレス公ハンス・ハインリヒ15世とプレス公妃デイジーデイジー・フォン・プレス)の孫にあたります。

 近親がいないことや権利放棄があったことで、薨去に伴い、遠縁のペーター・コンラート伯爵子が公位を継承し、その長男のボルコ・ハンス・ハインリヒ21世が公の継嗣であるプレス公子(Prinz von Pless【Pleß】)になっていると思われます。

 

 (英語)Prince Bolko von Pless is dead. Grandson of Princess Daisy and Prince John Henry XV, the last owners of the Książ Castle – Polish News
 (英語)Today is the premiere of Prince Bolko von Pless’s diaries

インタビュー動画(ドイツ語):カール・ホーエンローエ氏(ホーエンローエ=シリングスフュルスト公子)が英国女王エリザベス2世陛下崩御とチャールズ3世陛下即位について語る

 ジャーナリストのカール・ホーエンローエ氏(Karl Hohenlohe : ホーエンローエ=シリングスフュルスト公子カール=アルプレヒト殿下)が、英国女王エリザベス2世陛下の崩御とチャールズ3世陛下の即位について語っているようです。

 

OE24.TV:
Karl Hohenlohe: "König Charles III konnte Rolle gut studieren" – YouTube

 

 ホーエンローエ=シリングスフュルスト公コンスタンティン殿下の弟で、将来的には自身や子供が公位を継承、ということになりそうです。

訃報(2022年6月15日):ザルム=ライファーシャイト=ライツ伯女マリー・エリザベート、薨去(1931~2022)

 2022年6月15日、ザルム=ライファーシャイト=ライツ伯女マリー・エリザベート(Countess Marie Elizabeth of Salm-Reifferscheidt-Raitz : マリー・エリザベート・アルトグレフィン・ツー・ザルム=ライファーシャイト=ライツMarie Elisabeth Altgräfin zu Salm-Reifferscheidt-Raitz)がウィーンで薨去したようです。
 1931年8月17日生まれの90歳。

 ザルム=ライファーシャイト=ライツ公ヒューゴ殿下の伯母です(伯女の弟も父もヒューゴ公でしたが)。

 

 (動画あり:チェコ語)Ve Sloupu se loučili s hraběnkou Salmovou. Ostatky uložili na tamním hřbitově – Blanenský deník