ナイジェリア伝統的君主:ベニン王エウアレ2世陛下が、2021年8月21日にワリ王に戴冠予定のショラ王子のために祈る(2021年8月)初代ワリ王はベニンの王子だったという史実か伝承がある模様

 ナイジェリア連邦共和国/エド州の伝統的君主、ベニン王エウアレ2世陛下(His Royal Majesty Oba Ewuare II, The Oba of Benin)は、2021年8月21日にデルタ州の伝統的君主/ワリ王への戴冠を予定しているショラ・エミコ王子(Omoba Prince Tsola Emiko)の使節と会見しました。
 使節にはトジュ・エミコ王子(Prince Toju Emiko)が含まれており(弟だと思いますが……)、ベニン王に対して、新たなワリ王に対する祈りを請願したようです。

 初代ワリ王はベニンの王子、それも後継ぎだったという史実か伝承がある模様です。ただ、それぞれの王国の現在の民族構成はまったく関係がなさそうですが。
 戴冠式前にベニン王への表敬をおこなうのが、大昔からの代々のしきたりなのかどうかはわかりませんが、ワリ王は90年に近い空位期があるため、昔になにか儀礼があっても廃れていそうではあります。
 ショラ王子から見て、先代王が叔父で、先々代王が父にあたり、後継争いが生じているという報道もあったため(そもそもショラ王子への後継に反対がないなら父の後をすぐ継ぎますので)、ベニン王から認められているというのは大事なことのように思えます。
 使節はガブリエル・アワラ(High Chief Gabriel Awala, Uwuangue of Warri)という高位首長に率いられていたそうで、おそらくこの高位首長は有力なショラ王子支持派なのでしょう。

 

祈りというか、スピーチ/
Oba Palace Benin(ベニン王宮 公式チャンネル):
HIS ROYAL MAJESTY, OBA OF BENIN PRAYS FOR PRINCE TSOLA EMIKO THE DESIGNATED OLU OF WARRI KINGDOM – YouTube

 

 

関連:
 戴冠式(2021年8月21日):ナイジェリア伝統的君主/ワリ王国のショラ王子が、ワリ王アトゥワツェ3世として戴冠

ナイジェリア伝統的君主:2021年8月21日に予定されているワリ王戴冠式に向けた公式映像が公開される(2021年8月)

 2021年8月21日に予定されている、ナイジェリア連邦共和国デルタ州の伝統的君主/ワリ王の戴冠式に向けた公式映像が公開されています。

 先代王の甥で、先々代の王の長男であるらしい、ショラ・エミコ王子(Omoba Prince Tsola Emiko)が、第21代の王として戴冠します。
※「Omoba」がどういう意味なのかわかりませんが……。称号か宗教上の理由で付加された名前かどちらかだと思います。

 

Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
Olu Of Warri Official Coronation Video – YouTube

 

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ナイジェリア伝統的君主:オグワシ=ウク王の姉妹、世界貿易機関【WTO】のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長が、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下への弔意を表明(2021年4月)

 世界貿易機関【WTO】のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長(Ngozi Okonjo-Iweala)は、薨去した英国王室/エディンバラ公爵フィリップ王子殿下(His Royal Highness The Prince Philip, Duke of Edinburgh)への弔意を表明しました。

 アースショット賞評議会で同じくメンバーを務めるケンブリッジ公爵ウィリアム王子殿下(Prince William : His Royal Highness The Duke of Cambridge)への弔意も併記されています。

 

Ngozi Okonjo-IwealaさんはTwitterを使っています 「Saddened by the passing of HRH Prince Phillip, Duke of Edinburgh. My condolences to HM the Queen, PM @BorisJohnson, @trussliz and people of the UK. Let me particularly condole HRH Prince William, Duke of Cambridge @KensingtonRoyal, Founder & member of our Earthshot Prize Council.」 / Twitter

 

 同・事務局長は、ナイジェリア連邦共和国デルタ州の伝統的君主の一人、故・オグワシ=ウク王チュクウカ・オコンジョ陛下の娘で、現在は事務局長の兄弟のイフェチュクウデ・チュクウカ・オコンジョ陛下がオグワシ=ウク王となっています。

関連:
 訃報(2019年9月?):ナイジェリア伝統的君主/オグワシ=ウク王チュクウカ・オコンジョ陛下が崩御(?~2019)ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(元)財務相・(元)外務相の父

訃報(2020年1月?):ナイジェリア伝統的君主/イリ王ジョシュア・アガグバ陛下【アマソヴォ1世】が崩御、統治2年ちょっとで 115歳 (! たぶん間違いですが)と報道(?~2020)世界最高齢君主は94歳だったのでは……

 ナイジェリア連邦共和国デルタ州の伝統的君主/イリ王ジョシュア・アガグバ陛下(His Royal Majesty Joshua Aghagbaアマソヴォ1世Amathovo I, Odio-Ologbo of Irri Kingdom)が崩御した模様。
 統治2年ちょっとですが 115歳 と報道されています(なお信頼できる世界高齢ランキングには名前がありませんでした)。

 なお子息のジョセフ・アガグバ王子(Prince Joseph Aghagba)らの声明によると、キリスト教のアングリカンの信徒らしいです(王子の年齢も気になりますが……)。

 

 (英語)115-year-old Delta monarch dies after two-year reign – WuzupNigeria General
 (英語)Delta kingdom loses 115 years old monarch, after 2yrs reign – Vanguard News

 

 それにしても、世界最高齢君主は94歳だったのでは。
関連:
 ナイジェリア伝統的君主/ンネウィ王ケネス・オニエネケ・オリズ3世、“現在の世界最高齢君主【94歳】”に関する記事(2020年1月)

 21年も今回の方が上回ります。
 いや、本当に115歳ということはないでしょうが……。

 

ナイジェリア伝統的君主:崩御したオグワシ=ウク王に対し州知事や大統領まで弔意を表明した後に「彼は王ではなかった」との主張が(2019年9月)

 いったい何がどうなっているのか……。

関連:
 訃報(2019年9月?):ナイジェリア伝統的君主/オグワシ=ウク王チュクウカ・オコンジョ陛下が崩御(?~2019)ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(元)財務相・(元)外務相の父

 崩御したオグワシ=ウク王チュクウカ・オコンジョ陛下(His Royal Majesty Professor Obi Chukwuka Okonjo, The Obi of Ogwashi-Uku)が、実は王ではないという主張が王室の(少なくとも一部の)代理人と称する人物より出ています。

 

 (英語)Rumble In Okonjo Family, Ngozi Okonjo-Iweala Lambasted For Desecrating Throne | THEWILL

*Prof. Okonjo was never an Obi of Ogwashi-Uku under our tradition but a mere Regent. Accordingly, his first child cannot be Obi, as deceitfully inferred by Ngozi.

* Succession to the traditional stool of Ogwashi-Uku is strictly by PRIMOGENITURE. Prof. Okonjo was never in the line of succession and therefore only served as a REGENT. His 3rd son, Chude, consequently can never be Obi.

*The Obiship of Ogwashi-Uku does not go to the highest bidder, it is rooted in an ancient custom and tradition which is inviolable. Prof. Okonjo, in effect, usurped the throne. These issues form the bedrock of Suit No: A/159/2019, Prince Patrick Okonjo v. Prince Nathan Okonjo & 8 Ors, now before the High Court of Justice, Asaba.

 

 重要なのは、上記の三つなので、これを見ていきましょう。

 まず一つ目は、オコンジョ教授(崩御した王のこと)は、オグワシ=ウク王であったことはなく、単に摂政だったとし、それゆえに彼の長男は Obi (王のこと)になることはできないという主張です(長男は今回の話題でまったく登場していませんが)。

 二つ目は、オグワシ=ウク王位は長幼制(おそらく男子限定長幼制)であり、オコンジョ教授は継承順位に並んだことはなく、彼の三男(新しい王に選出されたと報道)も王にはなれないとしています。

 三つめは、オコンジョ教授は要するに簒奪者と述べるもの。
 またこれらの問題はパトリック・オコンジョ王子とネイサン・オコンジョ王子の間で(?)高等法院で争われている(?)としています。

 

 読んだ限りでは、主張をもう少し整理していただきたいというところですが……(特に最後の部分は訴訟で何を争っているのかわかりません)。

 摂政と簒奪者ではえらい違いがありますが、とりあえず強引に王を称したが伝統的には摂政とでもいうほかないと主張しているとでも理解しておきましょう。
 一つ目の項目については、摂政だったので、王ではなく、彼の息子も王になれないですよ、と主張しているのでしょう。
 二つ目の項目については、オコンジョ教授が継承順位に並んでいないとするのはちと違うような気がするので(娘のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(元)財務相をプリンセスと呼んでいる)、おそらく彼は一族ではあるが、ルール上は継承順位が下のほうの傍系の人物との主張なのでしょう。
 三つ目の項目からすると、パトリック王子とネイサン王子のいずれかが正しい王だということに思えますが……(8 Ors がなんなのかまったくわかりません)。なお、このパトリック王子と、次の王位を主張したとされるオコンジョ教授の弟(?)バー・パトリック・オコンジョBarr Patrick Okonjo)はあるいは同一人物かもしれません(その場合、弟ではなく兄のほうがしっくりくるような気がしますが……)。

 

 それにしても、継承法が強固な長幼制なら、争いが起こる余地は極めて小さいはずで(先に生まれたのがどちらかわかればそれで終わり)、仮に上で解釈した通りに二人の王子が法廷で争っているとすると、何を争っているのか……。
 数十年前から混沌としているならまだしも、今回崩御した「王」は2007年即位とされています。