ナイジェリア伝統的君主:ベニン王エウアレ2世陛下が、村を任される八人の世襲の「公」を任命(2022年10月)「公」の敬称は His Royal Highness(殿下)

 ナイジェリア連邦共和国/エド州の伝統的君主、ベニン王エウアレ2世陛下(His Royal Majesty Oba Ewuare II, The Oba of Benin)は、王の管轄する地域にある村を管轄する世襲の八人の公(Enigie : Duke)を任命しました。
 これは即位してから初めての公の任命になるようです。
 今のところの発表を見る限り、彼らは州政府の承認が必要な第二級伝統的統治者ではなさそうです。
 公の敬称は「HRH : His Royal Highness」と王室の殿下のものが用いられており、不自然なくらいに高い気がします。

 

Independent Television and Radio:
Oba of Benin inducts eight new Enigie – YouTube

 

 (英語)Oba of Benin inducts 8 new Dukes

 

 村の名前の発音の確認までできませんが、八人の名前を表記と映像からなんとなく示しておくと、
 アケンズア・イレルーンワ公殿下(His Royal Highness Enigie【Duke】Akenzua Ileruhnuwa
 イマドンムウィニィイ・オグベムディア公殿下(His Royal Highness Enigie【Duke】Imadonmwinyi Ogbemudia
 ウワイフィオクン・フェストゥス・オグボ公殿下(His Royal Highness Enigie【Duke】Uwaifiokun Festus Ogbo
 エグアギエ・オギエアイェヴボナ公殿下(His Royal Highness Enigie【Duke】Eguagie Ogieayevbona
 オウィエ・オサムディアミエン・テリー公殿下(His Royal Highness Enigie【Duke】Owie Osamudiamien Terry
 イグビニドゥ・イドゥオロボ・エルネスト公殿下(His Royal Highness Enigie【Duke】Igbinidu Iduorobo Ernest
 アルフレッド・エルハウイ・オサギー公殿下(His Royal Highness Enigie【Duke】 Alfred Erhauyi Osagie
 イゼヴボクン・ラッキー・オバイシアグボン公殿下(His Royal Highness Enigie【Duke】Izevbokun Lucky Obaisiagbon

記事(英語):ナイジェリアで最も強力な王たち トップ10(2022年9月)

 定期的に見かけるタイプの記事ですが、ナイジェリア連邦共和国で最も影響力のある伝統的君主を10人挙げています。

 

 (英語)Most Powerful Kings in Nigeria (With Pictures): Top 10 – Bscholarly

 

 10人は、

1. Alaafin of Oyo
2. Emir of Kano
3. Sultan of Sokoto
4. Ooni of Ile-Ife:
5. Dein of Agbor
6. Oba of Benin
7. Oba of Lagos
8. Obi of Onitsha
9. Olu of Warri
10. Olubadan of Ibadan

 となっており、

  1. オヨ王
  2. カノ首長
  3. ソコトのスルタン
  4. (イレ=)イフェ王
  5. アグボー王
  6. ベニン王
  7. ラゴス王
  8. オニチャ王
  9. ワリ王
  10. イバダン王

 いずれも記事などで動静がよく報じられる人物たちです(オヨ王は2022年4月に崩御し、空位)。

 1.のオヨ王と、4.のイフェ王は、ヨルバ系の二大君主です。歴史的にもあまり仲がよろしくありません。
 7.のラゴス王、10.のイバダン王もヨルバ系なので、このトップ10ではヨルバ系君主が4人ということになります。イバダン王は最近崩御があり、先代王と確執・騒動があった人物が新たに王となっています。

 2.のカノ首長は、北部イスラム圏ではナンバー2の君主です。
 大きな影響力を誇った先々代のアド・バイエロの薨去後、長男のサヌシ・アド・バイエロではなく、ムハンマド・サヌシ2世(ジョナサン大統領(当時)と対立した中央銀行総裁(当時))が政治的なバランスも考慮されて州知事から指名されていました。
 しかし結局、廃位され、アド・バイエロの次男(?)のアミヌ・アド・バイエロ(ビチ首長という新設の首長になっていた)が継承しています。ビチ首長自体は弟のナシル・アド・バイエロが継承。
 また先述のサヌシ・アド・バイエロは首長位につけておらず、弟の即位後に評議会のメンバーに選出されていますが、将来の継承に影響が出るのかどうかはわかりません。

 3.のソコトのスルタンは、北部イスラム圏でナンバー1の権威の君主です。
 ナイジェリアからのマッカ(メッカ)巡礼を率いる役割を毎年のように大統領から打診されていますが、これが伝統なのかどうかはよくわかりません。

 5.のアグボー王は、(Dein of Agbor)という称号を用いますが、州の伝統的君主の評議会がこの称号を取り消して他の君主らと同じようなものにしようとした結果、抗議活動が起こったりするなどの出来事がありました。

 6.ベニン王、8.オニチャ王に比べると、9.ワリ王の知名度は低かったように思いますが、昨年の戴冠式に大統領経験者やイフェ王の訪問があったり、関連してベニン王との歴史的つながりがあらためて示されたりということがありました。

訃報(2022年7月24日):ナイジェリア伝統的君主/イセイン王アブドゥルガニユ・アデクンレ・サラウディーン陛下(アジネゼ・オログネビ1世)が崩御(1956~2022)ヨルバ系君主の崩御続く。オヨ州知事が弔意を表明

 2022年7月24日、ナイジェリア連邦共和国オヨ州の第一級伝統的統治者の一人、イセイン王アブドゥルガニユ・アデクンレ・サラウディーン陛下(アジネゼ・オログネビ1世 : His Royal Majesty Oba Dr. Abdulganiyu Adekunle Salaudeen, Ajinese Ologunebi I, Aseyin of Iseyin)が崩御したようです。
 62歳。

※名前の表記としてアブドゥルとガニユの間をハイフンでつないでいるものや(Abdul-Ganiyu)、サラウディーンの部分の異綴(Salawudeen)、また単にサラウ(Salau)としているものもあります。イスラムの慣習も絡んでいるかもしれませんが……。

 2006年に即位した第28代のイセイン王。今年の2月に死亡説が流れていましたが、王室が否定、ただし闘病が続いていた模様。
 崩御に伴い、オヨ州知事セイ・マキンデ閣下(Seyi Makinde)が弔意を表明しました。

 昨年12月より、オヨ州のヨルバ系君主は、オグボモショ王、イバダン王、そして同州最高権威のオヨ王が崩御しています。

 

TVC News Nigeria:
Oyo State Loses Another Monarch Following Death of Aseyin of Iseyin – YouTube

 

 (英語)Aseyin of Iseyin dies at 62 | Dailytrust
 (英語)Aseyin of Iseyin, Oba Abdul Ganiyy Adekunle Salaudeen Joins Ancestors | National Insight News
 (英語)Another prominent Oyo monarch dies, Makinde mourns – P.M. News
 (英語)Another traditional ruler dies in Oyo
 (英語)Aseyin of Iseyin in Oyo State is dead – Tribune Online
 (英語)Another First Class Yoruba monarch, Aseyin of Iseyin joins ancestors at 62
 (英語)BREAKING: Aseyin of Iseyin Joins His Ancestors – InsideOyo.com
 (英語)Aseyin of Iseyin, Oyo traditional ruler, is dead | TheCable
 (英語)Another top Oyo monarch is dead | Premium Times Nigeria
 (英語)JUST IN: Aseyin of Iseyin joins ancestors The Nation Newspaper
 (英語)Oyo State Lost An Exemplary Oba — Makinde Mourns Aseyin Of Iseyin | Oyo State News

訃報(2022年4月22日):ナイジェリア伝統的君主/オヨ王 ラミディ・オライウォラ・アデイェミ3世 陛下が崩御(1938~2022)

 2022年4月22日、ナイジェリア伝統的君主の中でも有力な君主の一人、オヨ王“オバ”・ラミディ・オライウォラ・アデイェミ3世陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Lamidi Olayiwola Adeyemi III, J.P, CFR, LL.D, The Alaafin of Oyo)が崩御したようです。
 1938年10月15日生まれの83歳。

 ヨルバ系君主の中でも最高権威のうちの一人の崩御となります。

 

 (英語)BREAKING: Alaafin of Oyo, top Yoruba monarch dies at 83 | The Informant247
 (英語)The death of Alaafin Adeyemi III and a glimpse into the old Oyo empire | The Informant247

 

棺が運び込まれる様子/
KILARIGBO LIVE:
WatchThe Moment Alaafin Of Oyo's Body were taken into palace for traditional rites. – YouTube

 

Channels Television:
Sympathisers Throng Palace As Alaafin Of Oyo, Oba Lamidi Adeyemi Is Buried – YouTube

訃報(2022年1月2日):ナイジェリア伝統的君主/イバダン王サリウ・アカンム・アデトゥンジ陛下が崩御(1928~2022)

 2022年1月2日、、ナイジェリア連邦共和国オヨ州の伝統的君主のひとり、イバダン王“オバ”・サリウ・アカンム・アデトゥンジ陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Saliu Akanmu Adetunji, the Olubadan of Ibadan)が崩御したようです。
 1928年8月26日生まれの93歳。

 ヨルバ系の有力君主の一人でした。

 

 (英語)JUST IN: Olubadan of Ibadan is dead – New Telegraph
 (英語)Breaking: Oyo Thrown Into Mourning As Olubadan of Ibadan, Oba Adetunji, Dies at 93 – Legit.ng