訃報(2017年12月29日):スペインのフランコ総統の一人娘/初代フランコ女公爵カルメン・フランコ閣下、薨去(1926~2017)

 2017年12月29日、スペインの故フランシスコ・フランコ総統の一人娘の初代フランコ女公爵カルメン・フランコ閣下(ビリャベルデ侯爵夫人【未亡人】 : Carmen Franco, 1st Duchess of Franco : The Most Excellency The Duchess of Franco : マリア・デル・カルメン・フランコ・ポロMaría del Carmen Franco Polo)が薨去したとの報道が出ています。
 1926年9月14日生まれの91歳。

 フランコ総統死去の1975年に、スペイン王であることを宣言したファン・カルロス1世陛下によってフランコ公爵(グランデ)の称号を叙爵されました。

 

 (英語)Spanish dictator Franco’s only daughter dies – The Local
 (スペイン語)Muere Carmen Franco tras su lucha contra un cáncer terminal. Noticias de Noticias
 (スペイン語)Muere Carmen Franco y Polo a los 91 años
 (スペイン語)Muere Carmen Franco a los 91 años de edad | loc/famosos
 (スペイン語)Muere Carmen Franco, la única hija del dictador, a los 91 años | Gente y Famosos | EL PAÍS
 (スペイン語)La herencia que deja, la hija del dictador, Carmen Franco Polo
 (スペイン語)Familiares y amigos dan su último adiós a Carmen Franco

 (スペイン語:アンジュー公ルイ・アルフォンス殿下中心の記事)Luis Alfonso de Borbón se despide de su abuela con una emotiva carta

 

 薨去に伴い、現在(2006年制定)のスペイン爵位継承ルールに基づき、(なにも措置がされていなければ)長女のカルメン・マルティネス=ボルディウCarmen Martínez-Bordiú)が二代目のフランコ女公爵となりますが、これは自動的には起こらず、自身による継承の申請と、君主、すなわちスペイン王フェリペ6世陛下の裁可が必要です。しかし、めんどくさいので申請をしない不埒な貴族が多発(?)しており、状況の把握もこれまためんどくさいので、このようなケースでは先代の死去をもって二代目として扱うような書き方をする人もいます。
 また、カルメン・マルチネス=ボルディウの法廷推定相続人は、長男は死去しているので次男の、正統派フランス王位継承者ルイ20世Louis XX)ことアンジュー公ルイ・アルフォンス殿下、そしてその法廷推定相続人はルイ殿下の第一子/長女のフランス王女ウジェニー殿下となっているはずです。
 もちろんこれらは生前に所定の措置を取れば他者が襲爵することも可能です。

 

インタビュー記事(英語【訳?】):セルビアの旧ユーゴスラビア皇太子アレクサンダル2世殿下へのインタビュー記事。例によって君主政がうまくいっている例として「Japan」が挙がる(2017年11月)

 現在セルビア王室を称する(旧)ユーゴスラビア王室の、
 ユーゴスラヴィア皇太子アレクサンダル2世殿下(His Royal Highness Crown Prince Alexander II of Yugoslavia / Serbia)、
 ユーゴスラヴィア皇太子妃カタリナ殿下(英語ではキャサリン皇太子妃 : Her Royal Highness Crown Princess Katherine of Yugoslavia / Serbia)、
 へのインタビュー記事が、王室公式サイトに掲載されています。
 もとの記事はセルビアの地方紙かなにかでしょうか。よくわかりません。

 

記事:
 (英語:セルビア王室公式サイト)Crown Prince Alexander and Crown Princess Katherine Interview for Kurir newspaper – We are ready for the return of the monarchy | The Royal Family of Serbia

 

 内容ですが、まずは、アレクサンダル殿下と先妻の間の次男、フィリップ王子殿下(His Royal Highness Prince Philipフィリプ・カラジョルジェヴィッチFilip Karađorđević)と、ダニカ・マリンコヴィッチ嬢(Danica Marinković)の結婚。
 今年(2017年)10月にベオグラードの聖天使首ミハイル大聖堂にて挙式。
 例によって、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会(当然のことながら発言などではセルビア王室構成員を称号・敬称つきで言及しています)のセルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)が司式。
 なお、ダニカ妃殿下の懐妊も伝えられています。
 関連して、カタリナ皇太子妃殿下の前夫との二人の子供、デイヴィッド・アンドルーズDavid Andrews)・アリソン・アンドルーズAlison Andrews)もそれぞれ子供がおり、今回の結婚に至るまで、アリソンが気をまわしたらしいようなコメントがあります(なお、アリソン・アンドルーズは、王室関連行事への出席がそれなりに多いです)。
 さらに家族が増えることを喜んでいるようです。
 また記事中にはありませんが、セルビア王室近親以外の王室関連出席者として

  • スウェーデン皇太子ヴィクトリア殿下
  • 前スペイン王妃ソフィア陛下
  • カラブリア公爵未亡人アナ殿下(オルレアン家出身で(旧)両シチリア王室カラブリア系に嫁ぎ、夫はスペイン王子の称号を保有していた)

 らが参列した模様。

 また、アレクサンダル皇太子殿下は、セルビアのEU加盟を重視しているようなのと、西欧へのあこがれのようなもので若者がセルビアを捨てていっている現状への強い警戒も示しています。

 白宮殿【White Palace】にかかわること、ペータル2世アレクサンダル1世マリア王妃トミスラヴ王子アンドレイ王子などへも言及があります。

 そして、セルビア共和国のほか、ボスニア・ヘルツェゴビナのスルプスカ共和国【セルビア人共和国】への言及。セルビアは現体制・現政権、セルビア正教会、旧ユーゴスラビア王室、とあらゆる分野を通じてスルプスカ共和国への影響を強めていますが、今回は特にさほどその話は出ていません。

 やはり出てきたのは、君主政復活と、「~のような国々はうまくいっているじゃないか」という話。

The most successful states are constitutional monarchies, the Scandinavian countries are an excellent example of this, and not forget Japan.

適当訳:「もっとも成功している国々は立憲君主制国家、北欧の各国はそのすばらしい成功例だ、日本も忘れてはいけない
 ということなのですが、日本とセルビアでは……状況が違いすぎて……。

 そのほか、英国のエリザベス2世陛下と夫のエディンバラ公爵フィリップ王子殿下の結婚70周年式典に出席予定の話(なお、無事出席があり、もう式典は終わりました)。
 ここでジョージ6世の名前も言及されています。

 そのほか、ミハイロ王子殿下(1985年生まれの方)とリュビツァ・リュビサヴリェヴィッチ妃殿下の名前や、ペータル3世王世子殿下の名前も少し出ています。

 

誕生(2007年3月5日):フランス王女ウジェニー殿下(エウヘニア・デ・ボルボン)

 2007年3月5日、正統派フランス王位継承者ルイ20世Louis XX)ことアンジュー公ルイ・アルフォンス殿下(Louis Alphonse : His Royal Highness The Duke of Anjou : ルイス・アルフォンソ・デ・ボルボン・マルチネス=ボルディウLuis Alfonso de Borbón Martínez-Bordiú)とアンジュー公妃マリー・マルグリット殿下(マリア・マルガリータMarie Marguerite : Her Royal Highness The Duchess of Anjou)の間の第一子・長女となるフランス王女ウジェニー殿下(エウヘニア・デ・ボルボン: Her Royal Highness Princess Eugenie of Bourbon)が誕生したとのことです。

 

誕生(2007年1月15日):オーストリア大公フィリップ殿下(ハプスブルク家【ハプスブルク=ロートリンゲン家】)

 2007年1月15日、オーストリア帝室/ハンガリー王室/ハプスブルク家のオーストリア大公ジメオン殿下(His Imperial and Royal Highness Archduke Simeon of Austria)と大公妃マリア殿下(両シチリア王女 : Her Imperial and Royal Highness Archduchess María of Austria)の間に、第五子・三男となるオーストリア大公フィリップ殿下(His Imperial and Royal Highness Archduke Philipp of Austria)が誕生しました。

 

訃報(2007年1月4日):第3代ベルビス・デ・ラス・ナバス女侯爵/ホーエンローエ=ランゲンブルク公女マリア・フランツィスカ殿下薨去(1922~2007)

 2007年1月4日、第3代ベルビス・デ・ラス・ナバス女侯爵/ホーエンローエ=ランゲンブルク公女マリア・フランツィスカ殿下(Her Serene Highness Princess Maria Francisca of Hohenlohe-Langenburg, 3rd Marquise of Belvís de las Navas)が薨去したようです。
 1922年8月22日生まれの84歳。

 

 母方からの系譜により、スペイン貴族のベルビス・デ・ラス・ナバス侯爵位を継承。
 スペインではホーエンローエ公女ピンピネーラ(Princesa Pimpinela de Hohenlohe)と呼ばれていたようです。

 

 ホーエンローエ=ランゲンブルク家は、メディアタイズド・ハウス(神聖ローマ帝国領邦国家君主で陪臣化された家)の一つです。

 

 ベルビス・デ・ラス・ナバス侯爵位は娘のアレハンドラ・ガマソ・イ・ホーエンローエ=ランゲンブルクAlejandra Gamazo y Hohenlohe-Langenburg)が継承すると思われますが、申請と承認が必要です。