スペイン元老院(上院)が民主的記憶法を可決。これにより1948年~1978年に叙爵されたフランコ公爵やプリモ・デ・リベラ公爵など30以上の称号が廃止される(2022年10月)

 スペイン王国の元老院(上院)は民主的記憶法を可決しました。
 これにより、フランコ公爵やプリモ・デ・リベラ公爵など30以上の称号が廃止されました。
 対象は1948年~1978年に叙された爵位などです。
 フランシスコ・フランコ総統は爵位を叙していましたので、フランコ総統によって叙されたものが多いですが、フランコ総統死去後にファン・カルロス1世陛下によって1978年の憲法制定前までに叙されたものも含んでいます。

 

 (スペイン語)BOE.es – BOE-A-2022-17099 Ley 20/2022, de 19 de octubre, de Memoria Democrática.

Artículo 41. Supresión de títulos nobiliarios.
1.  En atención al objeto de esta ley quedan suprimidos los siguientes títulos nobiliarios y grandezas de España concedidos entre 1948 y 1978:

1. Duque de Primo de Rivera, con Grandeza de España.

2. Duque de Calvo Sotelo, con Grandeza de España.

3. Duque de Mola, con Grandeza de España.

4. Conde del Alcázar de Toledo, con Grandeza de España.

5. Conde de Labajos.

6. Marqués de Dávila y la Grandeza de España que se le une.

7. Marqués de Saliquet.

8. Marqués de Queipo de Llano.

9. Marqués de Alborán.

10. Conde del Jarama.

11. Marqués de Varela de San Fernando.

12. Conde de Benjumea.

13. Marqués de Somosierra.

14. Grandeza de España otorgada al conde de Rodezno.

15. Marqués de San Leonardo de Yagüe.

16. Conde de la Cierva.

17. Marqués de Vigón.

18. Conde de Fenosa.

19. Conde del Castillo de la Mota.

20. Marqués de Suanzes.

21. Marqués de Kindelán.

22. Conde de Pallasar.

23. Marqués de Casa Cervera.

24. Conde de Martín Moreno.

25. Marqués de Bilbao Eguía.

26. Grandeza de España a don Fernando Suárez de Tangil y de Angulo.

27. Conde de Bau.

28. Duque de Carrero Blanco, con Grandeza de España.

29. Señorío de Meirás, con Grandeza de España.

30. Duque de Franco, con Grandeza de España.

31. Marqués de Arias Navarro, con Grandeza de España.

32. Conde de Rodríguez de Valcárcel.

33. Conde de lturmendi.

2. Queda suprimida la Orden Imperial del Yugo y las Flechas.

スペインのフェルナンド・プリモ・デ・リベラ・イ・オリオル閣下によるプリモ・デ・リベラ公爵位継承(第4代)が許可される(2020年7月・9月)

 2020年9月28日付の文書が出ていますが、2020年7月22日に、フェルナンド・プリモ・デ・リベラ・イ・オリオル閣下(The Most Excellent Fernando Primo de Rivera y Oriol)によるプリモ・デ・リベラ公爵の継承が許可されていたようです。

 

 (スペイン語)Disposición 11329 del BOE núm. 257 de 2020

 

 父である先代の公爵の薨去は2018年12月で、かなり時間が経過しています。
 フランコ総統の埋葬の件やフランコ総統に叙爵された爵位をどうするかという、主に政治的なことが原因で時間がかかったのかもしれません(申請が遅かっただけという可能性もありますが)。

関連:
 訃報(2018年12月3日):第3代プリモ・デ・リベラ公爵ミゲル・プリモ・デ・リベラ・イ・ウルキホ閣下が薨去(1934~2018)一般的に独裁者と呼ばれる第2代エステーリャ侯爵ミゲル・プリモ・デ・リベラ・イ・オルバネハ閣下(スペイン首相)の孫、第3代エステーリャ侯爵ホセ・アントニオ・プリモ・デ・リベラ・イ・サエンス・デ・ヘレディア閣下(ファランヘ党初代党首)の甥

 

訃報(2018年12月3日):第3代プリモ・デ・リベラ公爵ミゲル・プリモ・デ・リベラ・イ・ウルキホ閣下が薨去(1934~2018)一般的に独裁者と呼ばれる第2代エステーリャ侯爵ミゲル・プリモ・デ・リベラ・イ・オルバネハ閣下(スペイン首相)の孫、第3代エステーリャ侯爵ホセ・アントニオ・プリモ・デ・リベラ・イ・サエンス・デ・ヘレディア閣下(ファランヘ党初代党首)の甥

 2018年12月3日、第3代プリモ・デ・リベラ公爵ミゲル・プリモ・デ・リベラ・イ・ウルキホ閣下(Miguel Primo de Rivera y Urquijo, 3rd Duke of Primo de Rivera : The Most Excellent The Duke of Primo de Rivera : 第5代エステーリャ侯爵(既に譲渡済み?) : 5th Marquis of Estella)が薨去したようです。
 1934年8月17日生まれの84歳。

 スペインの近現代史でもっとも重要な一族の一つであるプリモ・デ・リベラ家の一員で、前スペイン王ファン・カルロス1世陛下(His Majesty King Juan Carlos I of Spain)と親交が深く、王政復古の推進役の一人でした。

 

 (スペイン語)Muere Miguel Primo de Rivera, nieto del dictador y sobrino de José Antonio
 (スペイン語)Muere Miguel Primo de Rivera
 (スペイン語)Muere Miguel Primo de Rivera y Urquijo El 'todo Jerez' y el 'Todo Madrid' dan su adiós
 (スペイン語)Las cenizas de Primo de Rivera descansan ya junto a su abuelo en La Merced

 

 祖父の第2代エステーリャ侯爵ミゲル・プリモ・デ・リベラ・イ・オルバネハ閣下(Miguel Primo de Rivera y Orbaneja)はスペイン首相を務め(首相の職名は途中で変わりますが)、一般的に軍事独裁政権の独裁者とされます。
※なお、ソブレモンテ伯爵という称号を保有しているとする情報もありますが、ちょっとこの称号については真偽・存在含めてわかりません。

 また、伯父の第3代エステーリャ侯爵ホセ・アントニオ・プリモ・デ・リベラ・イ・サエンス・デ・ヘレディア閣下(José Antonio Primo de Rivera y Sáenz de Heredia)はファシズム運動の指導者で、ファランヘ党初代党首。スペイン人民戦線政府により、裁判なしで銃殺されました。
 死後かなり経って、フランシスコ・フランコ総統の時代に、初代プリモ・デ・リベラ公爵に叙されています。
 なお、ホセ・アントニオとフランコ総統の支持者は現在では完全にわかれている傾向にありますが、どちらの命日も 11月20日 です。ファランヘ党支持者は現在でも 11月20日 にデモ行進をおこないますが、キャプションなどが適当だとどちらの支持者なのかわからない場合があります(おそらくはホセ・アントニオの支持者だと思いますが……)。
 ホセ・アントニオの系統のファランヘ党の組織の後裔は、現在では(主にカタルーニャ問題の対応のためか)連邦制などを主張しているようですが、大昔の思想の名残がどの程度あるのかはわかりません。また、現在のスペイン王室に対しては、主に失態などについて批判的です。

 

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 スペインのフェルナンド・プリモ・デ・リベラ・イ・オリオル閣下によるプリモ・デ・リベラ公爵位継承(第4代)が許可される(2020年7月・9月)

 

正統派フランス王位継承者ルイ20世ことアンジュー公ルイ・アルフォンス殿下が祖母の故・初代フランコ女公爵カルメン・フランコ・ポロ閣下(スペインのフランコ総統の一人娘)の誕生日を祝福(2018年9月)

 9月14日はスペインの故フランシスコ・フランコ総統の一人娘の故・初代フランコ女公爵カルメン・フランコ・ポロ閣下(ビリャベルデ侯爵夫人【未亡人】 : Carmen Franco Polo, 1st Duchess of Franco : The Most Excellent The Duchess of Franco : マリア・デル・カルメン・フランコ・ポロMaría del Carmen Franco Polo)の誕生日ですが、その孫の正統派フランス王位継承者ルイ20世Louis XX)ことアンジュー公ルイ・アルフォンス・ド・ブルボン殿下(Louis Alphonse de Bourbon : Monseigneur The Duke of Anjou : ルイス・アルフォンソ・デ・ボルボン・マルチネス=ボルディウLuis Alfonso de Borbón Martínez-Bordiú)が Facebook に祝福を述べていました。

 

#Cumpleaños desde las #estrellas:… – Luis Alfonso de Borbón Martínez-Bordiú

#Birthdays from the #stars:
#Carmen, a bright #star in the #sky, that we will always carry in our #hearts, with her #eternal #smile

 ルイ・アルフォンス殿下は幼少のころカルメン閣下の養育を受けていたことがあり、人格的に深い影響を受けているのではないかという見方もあります(とはいえまずカルメン閣下のことを良く知りませんが)。

 

 殿下はフランスでは正統派のフランス王位継承者としてフランスの伝統を主張し、スペインではフランコ総統の曾孫としてフランコ派に近い立場を表明することがあり、この二つの立場の両立は危ういのではないかと思っている人もいます。
 気にするとすれば、フランスの支持者のほうでしょうが……。

 

2018年7月4日付けの公布で、マリア・デル・カルメン・マルチネス=ボルディウ・フランコ閣下に第2代フランコ公爵襲爵の許諾が発表されていた模様(2018年7月)

 今年【2018年】3月に、マリア・デル・カルメン・マルチネス=ボルディウ・フランコ閣下(María del Carmen Martínez-Bordiú Franco)より、フランコ公爵位継承の申請がスペイン王フェリペ6世陛下(King Felipe VI : His Majesty The King of Spain)に出されました

 この申請は、スペインの故フランシスコ・フランコ総統の一人娘で初代フランコ女公爵カルメン・フランコ・ポロ閣下(ビリャベルデ侯爵夫人【未亡人】 : Carmen Franco Polo, 1st Duchess of Franco : The Most Excellent The Duchess of Franco : マリア・デル・カルメン・フランコ・ポロMaría del Carmen Franco Polo)の薨去に伴うもので、マリア閣下は初代の第一子・長女です。

※現行、スペイン貴族の継承法は、叙爵時の特別の指定や本人が他者に譲ったりしない限り、性別に関係なく第一子優先。

 この間、左派系団体などから、フランコ公爵位が継承されることへの反対意見が出されていたりしましたが、承認されたようです。

 

 (スペイン語)Disposición 9313 del BOE núm. 161 de 2018

 

 現在、フランコ公爵位の継承順位第1位は、第2代女公爵の生存している最年長の子供、正統派フランス王位継承者ルイ20世Louis XX)ことアンジュー公ルイ・アルフォンス殿下(Louis Alphonse : His Royal Highness The Duke of Anjou : ルイス・アルフォンソ・デ・ボルボン・マルチネス=ボルディウLuis Alfonso de Borbón Martínez-Bordiú)です。