南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人に衝撃。モジャジ(雨の女王)にマサラナボ王女ではなく、兄のレクケラ王子が選出(2021年5月)

 南アフリカ共和国のロベドゥ王室評議会は、ロベドゥ人の君主であるモジャジ(Modjadji)または雨の女王(Rain Queen)に、レクケラ・モジャジ王子(Prince Lekukela Modjadji)を選出しました。

 これはほとんど予想されていなかったことで、妹のマサラナボ・モジャジ王女(Princess Masalanabo Modjadji)がいずれは次の雨の女王となると思われており、また南アフリカ共和国政府もそのことを承認し、適切な年齢に達した段階でそうなるであろうというのが一般的な見解でした。
 また、もし対抗馬がいるとしてもこの王子ではなく、きょうだいの母である故・女王マコボ・モジャジ6世Makobo Modjadji VI)の兄で元・摂政のムパパトゥラ王子(Prince Mpapatla)の娘の王女(つまり、いとこの王女)ではないかというのが、これもまた一般的です。理由は、ムパパトゥラ王子が摂政を務めただけでなく、同王子の妻は一族(つまり王女)であるのに対し、マサラナボ王女と今回選出されたレクケラ王子の父は平民だからです。

 今回の記事の中には、「王子でも雨を降らすことができる」とのコメントもありますが、決定の理由がよくわからないところです。

 いずれにせよ、南アフリカ共和国政府およびこのような件を取り扱う CTLDC の反応が気になるところです。

追記:
 即位式は2022年10月の予定。

 

 (英語)Modjadji Rain Queen | Reign of Queens comes to an end | eNCA
 (英語)Modjadji Royal Council announces Prince Lekukela as successor of the Balobedu tribe – SABC News – Breaking news, special reports, world, business, sport coverage of all South African current events. Africa's news leader.
 (英語)Prince Lekukela Modjadji ascends to Balobedu royal family throne – instead of his sister Masalanabo | News24

 

関連:
 (インデックス)(2021年)南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子殿下が選出された件に関する記事

結婚(2021年5月):南アフリカ伝統的君主/ムポンドミセ人の王 ルズコ・マティワネ 陛下が、第二夫人としてシヨンワベレ・ランガ王女(ムポンド王の一族?)と結婚

 南アフリカ共和国の伝統的君主の一人、ムポンドミセ人の王ルズコ・マティワネ陛下(Luzuko Matiwane, The King of AmaMpondomise)が、第二夫人としてシヨンワベレ・ランガ王女(Princess Siyonwabele Langa)と結婚したようです。

 同王は、(だいぶ前に確認した限りですが)南アフリカ共和国の「伝統的指導権に関する議論と主張を扱う委員会(CTLDC)」の承認を受けていなかったと思います。
 現在の状況は不明。

 同王女はムポンド王の一族という情報もありますが、ムポンド王というだけではどの王かわからないので、こちらも詳細は不明です。が、他の王族出身なので Great Wife の称号で言及されることになるでしょう。
 また、王との子供を懐妊しているようで、息子であれば王の継嗣となる可能性が高いです。

 ムポンドミセ人とムポンド人は非常に近いようで、先祖が双子という伝承もあるようです。

 

SABC News:
AmaMpondomise King Luzuko Matiwane marries a second wife – YouTube

 

 (英語)AmaMpondomise King Matiwane takes second wife, Princess Langa – SABC News – Breaking news, special reports, world, business, sport coverage of all South African current events. Africa's news leader.

崩御した南アフリカ伝統的君主/ズールー摂政(王妃)マントフォンビ陛下の遺書が読み上げられ、子息のミスズールー・ズールー王子殿下がズールー王に指名される(2021年5月)

 2021年4月に崩御した南アフリカ共和国のズールー王国摂政(王妃)マントフォンビ・ドラミニ陛下(Her Majesty Queen Regent Mantfombi Dlamini)の遺書が読み上げられ、マントフォンビ陛下と2021年3月12日に崩御した南アフリカ共和国の伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)の間の長男で、故ズールー王の息子の中で生存している中では最年長と思われるミスズールー・ズールー王子殿下(His Royal Highness Prince Misuzulu Zulu)がズールー王に指名されました。
 すでに即位した=王であると言い切ってしまっていいのかどうかよくわかりませんが、戴冠式の日取りは未定。

※なお、名前の表記がこれから変わる可能性があります。

 今回の指名の有効性に対し、一部王族からは批判が出ているようです。
 また、あくまで南アフリカ共和国内の出来事なので、最終的に南アフリカ当局が同王子のズールー王即位を承認するかどうかという問題もあります。

 が、おそらくですが、このままミスズールー王子がズールー王となるのではないでしょうか。
 シンプルに言って、他に人がいないと思われる状況でもあります。

 情報ではミスズールー王子には一子がいるようですが、結婚していないとも言われており、そうだとするとこの子息にはズールーの王子・次のズールー王となる資格は認められていないかもしれません。

 

eNCA:
Will names Prince Misuzulu as king – YouTube

 

 (英語)Prince Misuzulu Zulu announced as preferred new AmaZulu King | eNCA

eNCAさんはTwitterを使っています 「Prince Misuzulu Zulu announced as new AmaZulu King https://t.co/i4jsLp63g9」 / Twitter

 

Siphamandla GogeさんはTwitterを使っています 「#RipQueenMantfombiDlaminiZulu Adv Madonsela SC, Queen Mantfombi's legel representative arrives KwaKhangelamankengane Royal Palace for the reading of the will. Also present is Adv Mshololo, one of the Queen's lawyers. #eNCA https://t.co/q2oCTLfr70」 / Twitter

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「[ON AIR] Family gathers to hear Queen's will. #DStv403 #RIPQueenMantfombi https://t.co/veaLDFT71o」 / Twitter

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「[ON AIR] Cultural expert Pitika Ntuli joins @SallyBurdettSA to unpack what happened at the royal palace. #DStv403 #RIPQueenMantfombi https://t.co/nfNDGHr466」 / Twitter

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「Armed bodyguards whisked Prince Misuzulu away from the palace. #RIPQueenMantfombi #DStv403 https://t.co/Te2J0XfBD7」 / Twitter
https://twitter.com/eNCA/status/1390732461609529348

 

Siphamandla GogeさんはTwitterを使っています 「#PrinceMisuZulu The moment Prince MisuZulu was whisked away. #eNCA https://t.co/ak40A8sXCq」 / Twitter
https://twitter.com/SiphamandlaGoge/status/1390731763312431110

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「Celebrations at the royal palace after Prince Misuzulu was named as the preferred new AmaZulu King. #DStv403 https://t.co/q3JmogDDi2」 / Twitter

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「AmaZulu Queen Regent Mantfombi Dlamini-Zulu picked Misuzulu, her eldest son, to succeed King Goodwill Zwelithini. #DStv403 https://t.co/aiWgzlX5hW」 / Twitter
https://twitter.com/eNCA/status/1390735182278406150

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「Prince Misuzulu has been named as the preferred new AmaZulu King. AmaZulu Queen Regent Mantfombi Dlamini-Zulu's will was read out a while ago. #DStv403 https://t.co/CMxLXD7CZk」 / Twitter

 

 (英語)Prince Misuzulu Zulu named new Zulu king
 (英語)Prince Misuzulu calls for unity in royal family and nation
 (英語)BREAKING: Prince Misuzulu Zulu announced the new preferred Zulu King

 

THE AFRICAN ROYAL FAMILIES 👑🌍はInstagramを利用しています:「HM King Misuzulu Sinqobile kaZwelithini of Zulu kingdom, Zulu people, South Africa Bayede Wena WeNdlovu Long live the king Long reign…」

南アフリカ伝統的君主:崩御したズールー王の第一王妃と娘の王女たちが提訴をおこなった模様(2021年5月?)南アフリカ共和国では慣習的な一夫多妻は容認されているものの、民事婚は認めていないため、第一王妃のみが法律上の妻との主張など

 2021年3月12日の南アフリカ共和国の伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)の崩御に続き、2021年4月29日には摂政(第三王妃)マントフォンビ・ドラミニ陛下(Her Majesty Queen Regent Mantfombi Dlamini)が崩御となり、混乱しているズールー王国情勢ですが、報道によれば、故ズールー王の第一王妃シボンギレ・マドラミニ陛下(Her Majesty Queen Sibongile MaDlamini)と娘の二王女が提訴を起こしたようです。

 記事内容によると、南アフリカ共和国では、慣習的な一夫多妻は容認されているものの、民事婚では妻は一人のため、第一夫人のみが唯一の正式な配偶者と主張しているようです。そうなると、遺産相続権もそれに従うべきとの見解が出てきますが……。
 現行の南アフリカ共和国憲法が出来てからズールー王の崩御は初であり、主張の正しさはなんともわかりません。ただ、南アフリカには多数の伝統的君主とその一族がおり、一夫多妻が他にないはずもなく、このような主張が通るのであればすでに例があるように思えます。
 そのほか、二王女は、故ズールー王の遺言が歪められていると主張しているようです。

 ただ、第一夫人の子息レツクツラ・ズールー王子殿下(His Royal Highness Prince Lethukuthula Zulu)は2020年11月に薨去しており、他に息子はいないため、(今のところ女王位を要求しているわけではないため)ズールー王位は結局のところ、他の夫人の子息のものとなるはずです。

 それにしても、エスワティニ王(スワジランド王)ムスワティ3世陛下(His Majesty King Mswati III of Eswatini)の姉である第三王妃との結婚が民事では有効ではないとすると、外交問題に発展しかねない気もしますが……。発展しないのであれば、王室の慣習は憲法より上ということで、それはそれでアフリカによくある感覚という気もします。

 

 (英語)King Goodwill Zwelithini’s first wife in succession battle, set to challenge will
 (英語)Report: Zulu royals embroiled in alleged fraudulent will dispute

 

続報:
 南アフリカ伝統的君主:ズールー王ミスズールー陛下が、亡父とその第一王妃の結婚を無効とするよう法的措置を開始した模様(2021年7月)

ジャーナリストが、タイ国王ワチラロンコン陛下【ラーマ10世】に新たに息子が生まれたと報じている模様(2021年4月)

 正式発表でもなんでもないですが、アンドルー・マクグレゴール・マーシャルAndrew MacGregor Marshall)というジャーナリストが、タイ王国のマハ-・ワチラロンコン・プラワチラクラーオチャオユーフア国王陛下(ラーマ10世王 : His Majesty King Maha Vajiralongkorn Phra Vajiraklaochaoyuhua, The King of Kingdom of Thailand : King Rama X)に新たな男子が誕生したとしています。
 ドイツ/バイエルンの“ハーレム”の誰かとの子で、スイスのスティダー王妃陛下(Suthida : Her Majesty The Queen)の元に移ったとのことです。

 タイ王国の王位継承は、(ルール上はともかく)現在の陛下のいい加減な行動もありどうなっているのかはっきりしませんが、離婚や関係解除により現在は五男ティパンコーンラッサミチョト王子殿下(His Royal Highness Prince Dipangkorn Rasmijoti Maha Vajirojtamangkun Sirivibulyarajakumar)が唯一の男子として継承順位第一位でそれ以外の男子は継承権を持っていないというのが一般的な見方です。
 今回、仮に誕生が真実だとして、認知も含めてどのような扱いになるのかも、まったく見通せません。

 

Andrew MacGregor MarshallさんはTwitterを使っています 「EXCLUSIVE—King Vajiralongkorn fathered a son with a member of his harem in Bavaria, and the mother and child were sent to live at Hotel Waldegg in Switzerland where Queen Suthida has been based for years, according to well-placed sources in Engelberg 1/3 https://t.co/zoMjbk19AF」 / Twitter