ルーマニア王室当主のルーマニア王位守護者マルガレータ陛下が、エリサベタ宮にて新任のルーマニア首相ダンチラ閣下と会見。ルーマニア政府公式サイトは敬称に“陛下”を使用(共和政国家とはいったい?)。エリサベタ宮の居住権問題について現状は不明(2018年2月)

 2018年2月23日、ルーマニア王室当主/ルーマニア王位守護者マルガレータ陛下(Her Majesty Margareta, the Custodian of the Crown of Romania : ルーマニア皇太子マルガレータ殿下 : Her Royal Highness Crown Princess Margareta of Romania)と夫のルーマニア王子ラドゥ殿下(His Royal Highness Prince Radu of Romania)は、エリサベタ宮にて、新任のルーマニア首相ヴィオリカ・ダンチラ閣下(ビオリカ・ダンチラ首相 : Her Excellency Mrs Viorica Dăncilă)と会見、昼食をともにしました。

 これを報じたルーマニア政府公式サイトは、

 (ルーマニア語)Întrevederea premierului Viorica Dăncilă cu Familia Regală a României

Majestatea Sa Margareta, Custodele Coroanei române

 と、ルーマニア王位守護者マルガレータ陛下と表記しています。

 政界からは“陛下”使用に慎重な態度もあったようですが、誰かが押し切ったようです。

 これについてもう少し細かく書いておきますと、そもそも慣習的に(旧)王室の一員として言及される場合の称号・敬称を使用した場合、ルーマニア王女マルガレータ殿下(Her Royal Highness Princess Margareta of Romania : 以下、英語)となります。
 2007年に故ミハイ1世陛下が発布した王室法により、マルガレータ殿下はルーマニア皇太子マルガレータ殿下 : Her Royal Highness Crown Princess Margareta of Romania)の称号・敬称を使用することになり、これが政界にも受け入れられていました(大統領府公式サイトがこの表記を用いたりとか)。
 しかし、2007年王室法は、ルーマニア王室当主に関してもまた、「男であれば『ルーマニア王』『陛下』、女であれば『ルーマニア女王』『陛下』である。ただし別の呼ばれ方を用いることもできる」というようなことを定めており、マルガレータ殿下を(2007年王室法に基づいて)皇太子と呼ぶならば、将来的にはルーマニア女王マルガレータ陛下と呼ぶか、あるいは王室側が用いた呼称を用いるのが筋ということになります(2007年王室法に従わないならば、そもそも皇太子と呼ぶべきではない)。
 ミハイ1世陛下の体調悪化に伴い、ルーマニア王室側は、皇太子のかわりに(たぶん2007年王室法になかったと思いますが未確認)ルーマニア王位守護者(Custodian of the Crown of Romania)の称号をマルガレータ殿下に用いることになります。
 そして昨年【2017年】12月5日に旧ルーマニア王ミハイ1世陛下が崩御したことにより、殿下(Her Royal Highness)の敬称を格上げし、陛下(Her Majesty)を使用しています。ルーマニア女王の称号は使用していませんが、2007年王室法に基づけば、「ルーマニア女王であるが“ルーマニア王位守護者”という称号を使用している」という状態になるかと思います。
 これに対し、「さすがに“陛下”は……」という雰囲気も出る中、ルーマニア議会でおこなわれたミハイ1世陛下への追悼演説で、キリスト教/東方正教会/ルーマニア正教会の首座/ルーマニア正教会総主教、ブカレスト大主教、ムンテニア・ドブロジャ府主教ダニエル聖下(His Beatitude Daniel, Archbishop of Bucharest, Metropolitan of Muntenia and Dobrudgea and Patriarch of the Romanian Orthodox Church)は、率先して“陛下”を使用し、報道関係者も一部追随、政界の対応がどうなるか、という状態でした。

 

 また、今回の首相とマルガレータ陛下の会見がエリサベタ宮にておこなわれたということで、居住権問題がどうなったかもよくわかりません。一時的に使用された可能性もありますが……。

 エリサベタ宮に関しては、昨年【2017年】12月5日に崩御した旧ルーマニア王ミハイ1世陛下崩御後60日(もう過ぎています)でルーマニア政府から王室への使用権限の授与が終了するとなっており、王政復古派および親・王室の政治家が王室の使用延長を求めて活動していました。
 これに対し当時のルーマニア首相ミハイ・トゥドセ閣下(His Excellency Mr Mihai Tudose)は、「王室は他にもいっぱい城を持ってるんだから別にいいじゃん」とその気のない返答をしていましたが、閣僚人事を巡り(との報道)与党「社会民主党【PSD】」党首のリヴィウ・ドラグネア氏(リビウ・ドラグネアLiviu Dragnea)との対立が深刻化し首相を辞任、自分が先に首相官邸を出ていくことになるということになりました。

 

Familia Regalăさんのツイート: "The Custodian of the Crown welcomed the Prime Minister for lunch https://t.co/kW6waG4yKv… "
https://twitter.com/casamsregelui/status/967084784680947713

 

 (英語:ルーマニア王室公式ニュース配信サイト)The Custodian of the Crown welcomed the Prime Minister for lunch | Familia Regală a României / Royal Family of Romania
 (ルーマニア語:ルーマニア王室公式ニュース配信サイト)Prim-ministrul invitat la prânz de Custodele Coroanei | Familia Regală a României / Royal Family of Romania

 

CasaRegalaaRomaniei(ルーマニア王室公式チャンネル):
Custodele Coroanei și Prim-ministrul, întâlnire de lucru – YouTube

 

首相へのインタビュー/
Guvernul României(ルーマニア政府公式チャンネル):
2/23/18: Declaraţii susținute de premierul Viorica Dăncilă la Palatul Elisabeta – YouTube

 

王室関連の報道でよく出てくる方がしゃべってるのみ/
CasaRegalaaRomaniei(ルーマニア王室公式チャンネル):
Prim-ministrul primit în vizită de Majestatea Sa – YouTube

 

ヨルダン王アブドッラー2世陛下の一週間(2018年2月18日~2月22日)

 ヨルダン・ハシェミット王国国王アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン陛下(アブドゥッラー2世アブドラ国王 : King Abdullah II bin Al-Hussein : His Majesty the King of the Hashemite Kingdom of Jordan)の、この一週間くらいの公務などの様子です。

 

RHC JO(ヨルダン王室ハーシム家公式チャンネル):
زيارة مدينة الحسين الطبية والاطمئنان على المرضى في ملخص نشاطات جلالة الملك 18–22 شباط 2018 – YouTube

 

 今週はそこまで目立つような出来事はなく、視察と会議・会談のようです。

ナイジェリア伝統的君主:南部のイフェ王、イガラ王、オポボ王、ベニン王らが民族間の融和と「連邦の“restructure”」を訴える(2018年2月)

 ナイジェリア連邦共和国のラゴスでおこなわれたカンファレンスで、ナイジェリア伝統的君主の、
 イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife)、
 イガラ王【アタ】マイケル・イダクウォ・アーメン・オボニ2世陛下(His Royal Majesty Dr Michael Idakwo Amen Oboni II, The Attah【Ata】 of Igala)、
 オポボ王【ジャジャ?、アマンヤナボ?】ダンデソン・ダグラス・ジャジャ5世陛下(His Royal Majesty Dandeson Douglas Jaja V, The Jaja【Amanyanabo?】 of Opobo)、
 ベニン王エウアレ2世陛下(His Royal Majesty Oba Ewuare II, The Oba of Benin)、
 らが、民族間の融和と「連邦の“restructure”」を訴えたようです。

 

 (英語)Prominent southern monarchs, leaders canvass peace, unity — Nigeria — The Guardian Nigeria Newspaper – Nigeria and World News

 (英語:記事の掲載が終了しています)Traditional rulers seek unity among Nigerians
掲載時URL:https://newtelegraphonline.com/2018/02/traditional-rulers-seek-unity-among-nigerians/

 

 名前があがっている方々を見ると、ヨルバ系君主とそれに近い立場に思えます。

 なお、最近のナイジェリアでは、「連邦の“restructure”」なる表現が多用されていますが、その意味するところがまったく伝わってこない(少なくとも日本人であるこちらには)ので、ナイジェリア人がいったいなにをしたいのかよくわからずにいます。

ルーマニア王室当主のルーマニア王位守護者マルガレータ陛下夫妻と、妹のルーマニア王女マリア殿下が、故ルーマニア王ミハイ1世陛下を追悼するコンサートに臨席(2018年2月)

 2018年2月21日、ルーマニア王室当主/ルーマニア王位守護者マルガレータ陛下(Her Majesty Margareta, the Custodian of the Crown of Romania : ルーマニア皇太子マルガレータ殿下 : Her Royal Highness Crown Princess Margareta of Romania)と夫のルーマニア王子ラドゥ殿下(His Royal Highness Prince Radu of Romania)、ルーマニア王女マリア殿下(Her Royal Highness Princess Maria【Marie】 of Romania)は、ブカレストの聖ヨシフ大聖堂にて、昨年崩御した旧ルーマニア王ミハイ1世陛下の追悼コンサートに臨席しました。

 

 (ルーマニア語:ルーマニア王室公式ニュース配信サイト)Recviem înălțat de tineri români pentru Regele Mihai I | Familia Regală a României / Royal Family of Romania

CasaRegalaaRomaniei(ルーマニア王室公式チャンネル):
Concert în memoria Regelui Mihai, la Catedrala Sfântul Iosif din București – YouTube

 

Familia Regalăさんのツイート: "https://t.co/EXr1UNJ9B5"
https://twitter.com/casamsregelui/status/966628893972160512

 

Familia Regalăさんのツイート: "Recviem înălțat de tineri români pentru Regele Mihai I https://t.co/VAUoQBRlrS… "
https://twitter.com/casamsregelui/status/966558027145973760

エリザベス2世陛下が、逝去したアメリカ合衆国のキリスト教指導者ビリー・グラハム師の家族に私的追悼メッセージを送った模様(2018年2月)

 2018年2月21日に逝去した、アメリカ合衆国のキリスト教指導者ビリー・グラハム師(The Reverend Billy Graham)の家族に対して、英国女王エリザベス2世陛下(Elizabeth II : Her Majesty The Queen)が私的追悼メッセージを送った模様です。

 

 (英語)Billy Graham dead: Queen Elizabeth sends condolences | Fox News
 (英語)The Queen sending private message of condolence to Reverend Billy Graham’s family – Royal Central

 

 キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が、逝去したアメリカ合衆国のキリスト教指導者ビリー・グラハム師への追悼メッセージ(2018年2月) – キリスト教 高位聖職者のニュース