ネパールの記事を読んでいたら、内容がよくわからないものの、旧ネパール王ギャネンドラ陛下と共和政移行当時の七政党の間になんらかの“合意書”が存在するかもしれないとか、インドの有力政治家でジャンムー・カシミール藩王位継承者のカラン・シング氏が陛下とたびたび接触しているとか、そんなようなことが(2018年4月)

 (英語)Truth on Nepal Monarchy! – Telegraph Nepal

 

 ぶっちゃけていうと、旧ネパール王ギャネンドラ陛下(His Majesty King Gyanendra of Nepal)に否定的な記事ですが。

 ネパール内部の政治状況から、かつて共和政移行前に七政党とギャネンドラ陛下が、インドの有力政治家でジャンムー・カシミール藩王位継承者のカラン・シング氏(Karn Singh)の臨席のもとに合意書を締結していたのではないかという話が出ています(王政の護持の内容??)。
 ただ、その合意書は守られず、王政は廃止され、シング氏はいまもギャネンドラ陛下と接触を保ち、陛下はだまされたと語っている、という内容があります(読みにくい文章なので間違っているかもしれません)。

 しかし……。

 

 「だからなんだよ」という話でもあります。
 ひっくりかえせるならとっくにひっくりかえせる話しなわけで、なぜいまさら蒸し返されているのか。

 記事の書き手は、合意書があるかどうか、あるなら内容の公開を求めていますが、なぜそれが求められるのかまったくもってわかりません

 

 いずれにせよ、中国の影響力が強くなっている状況で、ネパールは“地雷”となる可能性を秘めているのは事実です。
 ジャンムー・カシミールが分離独立や西側のパキスタンとの絡みで問題を抱え、その藩王位の継承者であるシング氏がインドの利益を考えるならば、東側のネパールではギャネンドラ陛下を利用して政局をかきまわして中国を遠ざける策に使える存在として利用できると考えているのか。あるいは藩王の地位を失った父を思い出して同情しているのか(事情をよく知りませんけれど、別に廃位されたわけではないので、そうは思えませんが)。

 そんなわけで、どちらかといえばシング氏の行動が気になりました。
※あえて、カラン・シング殿下(His Highness Karn Singh)とは書きませんでした。

 

Vanity Fair(英語)記事:“There’s Nothing Wrong with Falling from Grace”(2018年)君主政復活・王室支持の話と、エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下とニコライ・トルストイ伯爵子の話題など

 (英語)“There’s Nothing Wrong with Falling from Grace”: The Global Network of Monarchists Helping Deposed Kings and Queens | Vanity Fair
 (英語:上記からニコライ・トルストイ伯爵子に関する部分の一部を抜き出したもの)Count Nikolai Tolstoy on Russian Monarchy and the Romanovs | Royal Russia News

 

 冒頭は、ルーマニア王女マルガレータ殿下(当時)から連絡を受けた人物の話、君主政復活・王室支持の話と、エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下(His Imperial Highness Prince Ermias Sahle-Selassie)とニコライ・トルストイ伯爵子(Count Nikolai Tolstoy)の話題などが中心となっています。

 

 エルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下は故エチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世陛下の孫ですが、一般的にエチオピア帝室の当主とされていません。
 しかし、この記事のように、帝室の代表者として活動しているとみる立場もあるようです。

 

 ニコライ・トルストイ伯爵子の話の一部には、“Pretender【プリテンダー】”という用語に関するものがあります。
 いうまでもなくこの言葉は中立的ではないものですが、Wikipedia英語版のせいか、この言葉が使用されるケースが多い気します(上記の記事すらそうなのですが)。
 そのもっともアホらしい例は、リトアニアの王位継承者を称して活動を始めたウラッハ公子イニゴ閣下(His Serene Highness Prince Inigo of Urach)のものらしきサイト(すぐに更新止まりましたけれど)に、イニゴ閣下をリトアニア王位の“legitimate pretender”とする表記があったことです。もちろんこれは、イニゴ閣下を正当な王位継承者と表現したかったのでしょうが、pretenderに「不当」である意味がありlegitimateに「正当」である意味があることを考慮すれば、ギャグのような言葉の並びです。
 中立的というかなんと表現すればいいのかわかりませんが、“Claimant【クレイマント】”という用語がありますが、一般的の人にはなじみがなく、また、正直これが本当に中立な用語なのか首をかしげるときもあります。日本語で“王位請求者”と(訳して)書いている例がありますが……コメントは避けます
 伯爵子は“Heir【エア】”を使っているようですが、当方でも「(王位)継承者」などこの用語を意識して書いています。この用語が実は一番便利です。曖昧さを許容するという意味でも。pretenderはそもそも本人が称していないのにこう書くのは名誉棄損みたいなものですし、claimantも本人が称していない場合はどうなのか、よくわからない部分があります。

 

ノルウェー王ハーラル5世陛下が足を痛める。ノルウェー皇太子ホーコン殿下が摂政に(2018年4月)

 ノルウェー王ハーラル5世陛下(Harald V of Norway : His Majesty The King)が足を痛めて治療中ということで、バルト諸国訪問中のノルウェー皇太子ホーコン殿下(Crown Prince Haakon of Norway : His Royal Highness The Crown Prince)が帰国し次第、摂政(Regent)となる模様です。

 

 (ノルウェー語:ノルウェー王室公式サイト)H.M. Kongen er sykmeldt – kongehuset.no

 (英語)Crown Prince Haakon to take on regency as King Harald is on medical leave – Royal Central

 

 なお、日本などのように「摂政(Regent)」というとやたらと重い意味合いが生じる国もありますが(日本の場合は、国家元首を代行するのが一時的な場合は「国事行為臨時代行」などのような摂政とは別の位置付けをする)、ノルウェー王国などのように、代行の場合はとにかく摂政になったり呼ばれたりする国もあります(君主が外遊するときも摂政)。

 ノルウェーの場合、ホーコン皇太子殿下は、摂政の状態で10年以上前に来日があり、外務省公式サイトでは以下のように表記しています。

ノルウェー基礎データ | 外務省

2005年4月 ホーコン摂政皇太子殿下(博覧会賓客)、ブレンデ貿易産業相(同公式随員)

 

スペインのフランコ総統の孫娘で、初代フランコ女公爵カルメン・フランコ・ポロ閣下の第一子マリア・デル・カルメン・マルチネス=ボルディウ・フランコ閣下が、フランコ公爵位継承の申請をおこなった模様(2018年3月)

 昨年【2017年】12月29日に、スペインの故フランシスコ・フランコ総統の一人娘の初代フランコ女公爵カルメン・フランコ・ポロ閣下(ビリャベルデ侯爵夫人【未亡人】 : Carmen Franco Polo, 1st Duchess of Franco : The Most Excellent The Duchess of Franco : マリア・デル・カルメン・フランコ・ポロMaría del Carmen Franco Polo)が薨去しましたが、それにともない空位となっていたフランコ公爵位について、第一子のマリア・デル・カルメン・マルチネス=ボルディウ・フランコ閣下(María del Carmen Martínez-Bordiú Franco)が継承を申請したようです。

 おそらくこのまま申請が通るのではないかと思いますが……。

 

 (PDFファイル:スペイン語)Anuncio 19174 del BOE núm. 74 de 2018

 

 マリア・デル・カルメン・マルチネス=ボルディウ・フランコ閣下の生存している子供は、次男の正統派フランス王位継承者ルイ20世Louis XX)ことアンジュー公ルイ・アルフォンス殿下(Louis Alphonse : His Royal Highness The Duke of Anjou)と、別の夫との子供マリア・シンシア・ロッシMaría Cynthia Rossi)です。

 

続報:
 2018年7月4日付けの公布で、マリア・デル・カルメン・マルチネス=ボルディウ・フランコ閣下に第2代フランコ公爵襲爵の許諾が発表されていた模様(2018年7月)

 

英国のウィリアム王子殿下夫妻がノルウェーを訪問(2018年2月)

 英国のケンブリッジ公爵ウィリアム王子殿下(Prince William : His Royal Highness The Duke of Cambridge)とケンブリッジ公爵夫人キャサリン妃殿下(Catherine : Her Royal Highness The Duchess of Cambridge)が、ノルウェー王国を訪問中です。

 ノルウェー王ハーラル5世陛下(Harald V of Norway : His Majesty The King)、
 ノルウェー王妃ソニア陛下(Queen Sonja of Norway: Her Majesty The Queen)、
 ノルウェー皇太子ホーコン殿下(Crown Prince Haakon of Norway : His Royal Highness The Crown Prince)、
 ノルウェー皇太子妃メッテ=マリット殿下(Crown Princess Mette-Marit of Norway : Her Royal Highness The Crown Princess of Norway)、
 ノルウェー王女マッタ・ルイーセ殿下(Her Highness Princess Märtha Louise of Norway)、
 アストリッド王女殿下、フェルネル夫人(Her Highness Princess Astrid, Mrs Ferner) 、
 と会見、
 皇太子夫妻とは各地を訪問したほか、
 皇太子夫妻の第一子/長女のノルウェー王女イングリッド・アレクサンドラ殿下(Her Royal Highness The Princess : Her Royal Highness Princess Ingrid Alexandra of Norway)の案内を受けて、王宮内のイングリッド・アレクサンドラ王女彫刻公園におもむいたようです。

 ちなみにウィリアム王子殿下とハーラル5世陛下は、どちらもオルデンブルク→グリュックスブルク家の男系男子です。

 

 (英語:ノルウェー王室公式サイト)Official visit from the United Kingdom – The Royal House of Norway

 

Kensington Palaceさんのツイート: "The Duke and Duchess, Crown Prince Haakon and Crown Princess Mette-Marit attend an event held at MESH, a co-working space for entrepreneurs and start-up companies #RoyalVisitNorway… https://t.co/zIsNW4V81z"

 

Kensington Palaceさんのツイート: "The Duke and Duchess have this evening been invited by Their Majesties to an official dinner in their honour at the Royal Palace #RoyalVisitNorway… https://t.co/G2pk5JJFkn"

 

Kensington Palaceさんのツイート: "The Duke and Duchess are greeted by Crown Prince Haakon and Crown Princess Mette-Marit of Norway on arrival at Oslo Gardermoen Airport 🇳🇴 #RoyalVisitNorway… https://t.co/dHVN3CZJYP"

 

Kensington Palaceさんのツイート: "The Duke and Duchess of Cambridge are welcomed to Norway by the Norwegian Royal Family 🇳🇴 #RoyalVisitNorway… "

 

Kensington Palaceさんのツイート: "The Duke and Duchess, accompanied by the Norwegian Royal Family, visit the Princess Ingrid Alexandra Sculpture Park within the Palace Gardens ❄️ #RoyalVisitNorway… https://t.co/RAqcV70LxE"