訃報(2020年11月28日):南アフリカ伝統的君主/バフォケン王太后セマネ・ボノロ・モロトレギ陛下が崩御(?~2020)ボツワナのマングワト王族(大統領を二人出している)出身の模様

 日付が確定できていませんが(追記:11月28日のようです)、南アフリカ共和国のバフォケン王太后セマネ・ボノロ・モロトレギ陛下(Her Royal Majesty Queen Mother Semane Bonolo Molotlegi)が崩御したという情報が出ています。

※アフリカの「クイーン・マザー(Queen Mother)」は必ずしも王の母であることを示しませんが、現在のバフォケン王レルオ・モロトレギ陛下(Kgosi Leruo Molotlegi)および先代の故モルワネ・モロトレギ陛下(Kgosi Mollwane Molotlegi)の母親であるようです。

 また、記事からはボツワナ共和国のマングワト王族出身の模様ですが……。
 eNCA によると、イアン・カーマ(元)ボツワナ大統領の父方のおば(She is the paternal aunt of former Botswana president Ian Khama)だそうです。
 そうなると、故セレツェ・カーマ大統領の姉妹で、マングワト王セコマ2世の娘となります。
 一方、THE AFRICAN ROYAL FAMILIES は「(元ボツワナ大統領・現マングワト王イアン・カーマのおば)aunt to the current Kgosi Ian Khama of baMangwato, former president of Botswana」としながらもその前の文章で「the (摂政ツェケディ・カーマの娘)daughter of regent Kgosi Tshekedi Khama」としています(ややその辺りの文章が雑にも思えますが……なお、摂政ツェケディはセコマ2世の弟です)。
 正直判断できませんが、「aunt」が、「cousin」がいとこではなく遠縁を示すような表現と同じで、一族内の女性ということになるのではないかと。
 現在の王レルオ・モロトレギ陛下の名前をレルオ・ツェケディ・モロトレギと表記している例もあり、これが摂政ツェケディ由来ではないかとも受け取れます。

 

 (英語)Queen mother of Royal Bafokeng dies | eNCA
 (英語)Queen mother Semane Molotlegi of Bafokeng, South Africa passes on – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES

 (英語)Queen Mother of the Royal Bafokeng nation dies after long illness
 (英語)Condolences Pour in for Queen Mother of Royal Bafokeng – SAPeople – Your Worldwide South African Community
 (英語)Condolences for Royal Bafokeng Queen | SAnews

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「Queen mother of Royal Bafokeng dies https://t.co/ZIlfCKbksp」 / Twitter

 

eNCAnews – Queen mother of Royal Bafokeng dies… | Facebook

 

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関連:
 南アフリカ伝統的君主:南アフリカ大統領シリル・ラマポーザ閣下が、11月28日に崩御したバフォケン王太后セマネ・ボノロ・モロトレギ陛下への弔意を表明(2020年12月)

 

ガーナ伝統的君主:エイダ大首長ネネ・アブラム・カブ・アクアク3世が、ジョン・マハマ前大統領を「ネネ・カボ・オデイ・ペオ1世」に即位(?)させる(2020年10月)ガーナ大統領選挙・総選挙をめぐる動き

 2020年10月27日、ガーナ共和国の伝統的君主、エイダ大首長ネネ・アブラム・カブ・アクアク3世Nene Abram Kabu Akuaku III, Paramount Chief of Ada)が、ジョン・ドラマニ・マハマ前大統領(John Dramani Mahama)を「ネネ・カボ・オデイ・ペオ1世Nene Kabo Odey Peo I)」に即位(?)させたという記事が出ています。

※地位というか称号というかはさっぱり書かれていないので、統治名っぽい名前だけかと思います。

 大首長の下位の首長であると思われるネネ・オビチェレ3世Nene Obichere III, Manklalo of Ada)が、マハマ前大統領の大統領時代の功績をたたえ、再び大統領として完了させられなかったプロジェクトに取り組んでほしい旨を述べています。

 また、“クイーン・マザー”であるナアナ・カブクオル・ドゥマアレイNaana Kabukuor Dumaaley, Paramount Queen-mother of Ada)は、(たぶん)彼女の要望通りマハマ前大統領が副大統領候補に女性を選んだことに対してお褒めの言葉を述べているのだと思います。

※「Nene」や「Naana」は、ここでは名前の一部ではなく称号的意味合いだと思いますが、はっきりしません(名前の一部である場合もあります)。

 

 (英語)Ada Paramount Chief installs Mahama as Nene Kabo Odey Peo I | News Ghana

News GhanaさんはTwitterを使っています 「#Politics #Ada #GNA Ada Paramount Chief installs Mahama as Nene Kabo Odey Peo I https://t.co/oel4Uvm9gi https://t.co/rLdqEyDJVZ」 / Twitter

 

 ガーナ共和国では2020年12月7日に大統領選挙・総選挙が迫っており、大統領選挙に関しては、マハマ前大統領とガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)の(事実上の)一騎打ちとみられています。
 アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)の意中の候補はどちらかという記事が配信されたりもします。

 アクフォ=アド大統領は、父親は大統領、母親はアキーム・アブアクワの王族、とサラブレッドもいいところの血統ですが、それゆえにアシャンティ王の権威に挑戦・激怒させるようなところもありました。
 しかし、アキーム・アブアクワの式典へアシャンティ王が臨席したことで、この辺りの関係は良好になっていると思われます。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アキーム・アブアクワ王ナナ・オフォリ・アッタ1世(現大統領の母方の祖父)崩御75周年式典。アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が臨席(2018年8月)

 

 今回のマハマ前大統領の即位(?)の真意は不明ですが、前大統領側から求めたものであるようで、伝統的価値観をおろそかにしていないというアピールか、首長への即位による箔付けかと思います(箔付けになるのかと聞かれるとよくわからないのですが)。

 

ウガンダ伝統的君主:衝突事件にかかわったとして殺人罪に問われ軟禁中のルウェンズルル王を廃位して、その母親を即位させようという動きがあった模様(2018年9月)

 (英語)The youngest and little-known Ugandan kingdom whose king is under house arrest – Face2Face Africa

 

 記事の内容は、ウガンダ共和国のルウェンズルル王チャールズ・ウェズリー・ムンベレ陛下【イレマ=ンゴマ1世】(His Royal Majesty Charles Wesley Mumbere, Irema-Ngoma I, King【Omusinga】 of Rwenzururu)が、衝突事件にかかわったとして殺人罪に問われ軟禁中である経緯などを述べたものですが、その中に母親で、先代の故イサイア・ムキラニア陛下【キバンザンガ1世】(Isaiah Mukirania【Isaya Mukirania】【Isaya Mukirane】Kibanzanga I)の妻であるクリスティーン・ムキラニア陛下(Christine Mukirania)を王【女王】として立てようとする動きがあったとあります(どうも現実的ではなかったようです)。

 なお、記事中、この方に対して「Queen mother(クイーン・マザー)」という用語を前置していますが、この言葉はアフリカでは必ずしも君主の母親などを意味せず、場合によっては特に血縁家系も近くないひらたくいえば“ババ様”のような特殊な女性権威の称号(の英語表記)であることがあります。
 また、そのような場合でも、王の母親など近親が就くことがままあります(ややこしい)。

 今回の記事からは、そのような権威臭がまったく漂ってこないので、おそらく「王の母」以上の意味はないと思われます。

 

68歳(2018年5月6日):ガーナ共和国のアシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が68歳を迎える

 2018年5月6日、ガーナ共和国のアシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)は、68歳を迎えました。

 

 (英語)Asantehene Otumfuo Osei Tutu II turns 68 today – Prime News Ghana

Primenewsghana – Otumfuo Osei Tutu II's real name is Nana… | Facebook

 

 (英語)Asantehene Otumfuo Osei Tutu II is 68 today

Ghana Broadcasting… – Ghana Broadcasting Corporation | Facebook

 

 (現地からの報道によれば)ガーナ共和国内でアシャンティ王の周囲で政治的緊張が高まっているようにも感じられますが、どのように展開していくのか、注目していきます(現地の報道がいまいちあてにならないというのが頭痛のタネですが)。