オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下一家のギリシャ休暇旅行(批判を浴びてすぐ帰国)について、オランダ首相マルク・ルッテ閣下が自身の判断ミスと言明(2020年10月)「新型コロナウイルス対策の厳格化と方向性が一致していないことに“気づくのが遅すぎた”」

 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下(Willem-Alexander : His Majesty The King of the Netherlands)一家が、オランダで部分的ロックダウンなど新型コロナウイルス感染症【COVID-19】対策が強化される中、秋の休暇のためにギリシャを訪問して、批判に驚いてすぐに帰国した件について、オランダ王国首相マルク・ルッテ閣下(His Excellency Mr Mark Rutte)は議会に書簡を送り、自身の判断ミスを認めました。

 

 (オランダ語:オランダ公共放送)Rutte: verkeerde inschatting gemaakt bij vakantie koning | NOS

 

 首相は、一家の旅行は、新型コロナウイルス対策の厳格化と方向性が一致していないことに“気づくのが遅すぎた”としています。
 また、首相として国王に対して、国家元首の仕事のみならず、私的な旅行であっても、公益の観点から助言をおこなう責任があるとも述べています。
 加えて、旅行について知っていたのか知らなかったのかはっきりしていない副首相については、通常このような事柄については通知していない(基本的にオランダ王室の私的旅行は事前発表がされません)としています。
 最後の tweet の件ですが、これは何の話かはわからないです(Twitter については、炎上したことしか知りません)。

 

 これらのことを信じるなら、元から旅行計画があり首相はそれを知っていたものの、コロナ対策厳格化にともなってそれを中止したほうが良いという発想が浮かばず、適切な助言ができなかったということでしょう(国王一家にも浮かばなかったのでしょうが)。
 一方、あくまで今回の事態は、助言をおこなうべき首相が気づくのが遅すぎたために起こったものであり、つまり国王の責任ではないというロジックを立てているように思えます。ちなみに今回の事件を受けて、オランダでは憲法学者がテレビに出演したりしています。

 副首相に関しては、本当に事態を知らなかったのかははっきりしません。
 首相が述べているのは、首相は副首相に通知していないし、通常通知しないものだ、というだけで、副首相がどこからか自前で情報を仕入れる可能性までは首相にわかることでもありません。

 

 今回の書簡に対する議会側の反応がどうなるかですが……。
 批判は、元はネットの炎上から始まったようですが、議員からの批判が出ているのはもとより、オランダ世論も国王の行動を賢くないとするのが大多数となっています
 首相の責任は問われるでしょうが、正直、どうすればいいのかという問題もあります。
 辞任するなら連立政権を再度形成する必要が出てきます。そうなれば国王は各党の党首らに意向を尋ねますが、この状況下で、「失態」をおかした国王に調停役を任せるというのもなんだかおかしな話です。
 もっともこの状況下でこの程度のことで辞任する必要があるのかといえばそれもそうなのですが……。

 

追記:

ANNnewsCH(ANN NEWS):
オランダ国王夫妻の別荘訪問 首相「誤った判断」(2020年10月19日) – YouTube

 

続報:
  動画:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻が、ギリシャ休暇旅行(批判によりすぐ帰国)に関して、(事実上)謝罪する映像(2020年10月)
 世論調査:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻の謝罪動画に46%が納得せずも、64%は幕引きを望む(2020年10月)一方、長女と次女がすぐに帰国せずに火曜日までにギリシャに滞在していたと発覚「飛行機の席が空いていなかった」

 

オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下がギリシャで秋の休暇開始→激しい反発で数時間で帰国発表(2020年10月)

追記(10月18日 19:30):
 ルッテ首相が自身の判断ミスと述べました。
 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下一家のギリシャ旅行について、オランダ首相マルク・ルッテ閣下が自身の判断ミスと言明(2020年10月)「新型コロナウイルス対策の厳格化と方向性が一致していないことに“気づくのが遅すぎた”」
追記(10月21日):
 動画:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻が、ギリシャ休暇旅行(批判によりすぐ帰国)に関して、(事実上)謝罪する映像(2020年10月)
追記(10月22日):
 世論調査:オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻の謝罪動画に46%が納得せずも、64%は幕引きを望む(2020年10月)一方、長女と次女がすぐに帰国せずに火曜日までにギリシャに滞在していたと発覚「飛行機の席が空いていなかった」

 

 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下(Willem-Alexander : His Majesty The King of the Netherlands)一家が秋の休暇を過ごすために金曜日にギリシャ共和国訪問を開始したようですが、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】のパンデミックの中、激しい批判が巻き起こり、数時間で帰国決定となったようです。

※現在オランダ王国は、感染対策として部分的ロックダウンに入っています。

 また、オランダ王国首相マルク・ルッテ閣下(His Excellency Mr Mark Rutte)らが、事前に休暇の予定を考え直すよう要請したのに対し、陛下は無視したとの報道もあります。
追記:
 首相の事前の助言については、はっきりしていないようです(してなさそう?)。今回の陛下の行動については与党連合の中から強い批判が出ており、また野党からも同様です。首相の政治責任につながるため、事前に反対をしていなかった場合、首相の辞任もありえる様相(こんな時期に!)。

 いずれにせよ、陛下および王室のイメージの悪化は避けられない状況です。

 

※現在(この記事の投稿時点で)、オランダのメディアは王室一家のオランダ到着をまだ確認していません。

 

 (オランダ語)Koning Willem-Alexander is nog niet terug in Nederland

 (英語)King Willem-Alexander ends holiday in Greece after criticism – Royal Central

 

追記(見かけたら追加します):

 オランダ公共放送(NOS)のコラム。
 「この旅行は、国王と社会の間にとてつもない距離があることを示している」
 (オランダ語)Vliegvakantie toont grote afstand koning tot samenleving | NOS

 

休暇中止の発表:
 (オランダ語:オランダ王室 公式サイト)Mededeling van de Rijksvoorlichtingsdienst namens Zijne Majesteit de Koning en Hare Majesteit Koningin Máxima: | Nieuwsbericht | Het Koninklijk Huis

Koninklijk HuisさんはTwitterを使っています 「Mededeling van de Rijksvoorlichtingsdienst namens het Koninklijk Paar over afbreken vakantie: https://t.co/ZIQummfxP0」 / Twitter

 

 (英語)Dutch uproar prompts King to drop Greek holiday plans hours after arrival | NL Times

 

 (オランダ語)Kamerleden willen uitleg over vakantie koning, Rutte zwijgt vooralsnog | NOS

 オランダ公共放送(NOS)の最新の記事のようです。
 フルンリンクスと社会党が首相に説明を求めているようですが、首相は回答時期を伸ばそうとしているようです。また、記事中からは、首相と副首相が旅行について問題と考えていなかったという推測があります。
 この辺りが本当だとすると、首相と副首相の政治責任は避けられないような状況に思えますが……。
 フルンリンクスと社会党は、国王一家の帰国を決めた人物が誰かについても回答を求めているようです。

 

 (英語)Dutch king returns from vacation after lockdown uproar – ABC News

 

 (オランダ語)Geloofwaardigheid koning en premier loopt deuk op door coronablunder | Binnenland | AD.nl

 アナリストが、今回の事件は、即位後で初めての政治的判断の誤りとしています。

 

 (オランダ語)Koning Willem-Alexander na dag Griekenland terug in Nederland | NOS

 帰国と宮殿への帰還を報じる記事。

 トップの車の写真は、(すさまじく不鮮明ですが)陛下と同乗者の女性二名が写っています。
 女性二名はマスクをしていますが、陛下はしていないようです(フェイス・シールドかもしれませんが)。

 

 大失態となった今回の出来事。
 共和政国家の大統領なら辞任要求が出るのは必至だったでしょう。

 

 日本でも報道出ました。

ANNnewsCH(ANN NEWS):
「不公平だ」コロナ自粛中・・・オランダ国王の休暇発覚(2020年10月18日) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qt4kdnjejow

 

追記:
 ページ上部でも書きましたが、ルッテ首相が自身の判断ミスと述べています。
 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下一家のギリシャ旅行について、オランダ首相マルク・ルッテ閣下が自身の判断ミスと言明(2020年10月)「新型コロナウイルス対策の厳格化と方向性が一致していないことに“気づくのが遅すぎた”」

 

オルレアン派フランス王位継承者/パリ伯ジャン(4世)殿下が、フランス政府の新型コロナウイルス対策のための規制強化を批判(2020年10月)「ここは自由な国」「政府の無能を誤魔化すために過剰規制をしてはならない」

 オルレアン派フランス王室当主のパリ伯ジャン殿下(Jean : Monseigneur The Count of Paris : オルレアン派フランス王位継承者ジャン4世 : Titular King Jean IV of France)が、マクロン政権によって新たに導入される、新型コロナウイルス対策のための規制を批判しています。

「ここは自由な国であり、責任感のある人々がいて、政府は統治はしても独裁はするべきではない。まして政府の無能を誤魔化すために過剰な規制を導入してはならない」
 ……という論旨に思えます(いくつか???なところもありましたので誤解があるやもしれませんが)。

 ただ、ジャン殿下がなぜ規制強化に反対するかといえば、観光に悪影響が出ているからではないかという気もします。オルレアンの所有する城などを訪れる旅行者もいなくなっているでしょう。

 そう考えると、構図としてはなんだか日本と変わらない気はしますが……しかしフランスの感染者数は日本の比ではありません。現在、伝わってくるニュースからすれば、規制強化は正しいように思えます(しかしそのニュースが正しいかどうかがわからないといえばわからないところですが)。

 

Prince Jean – Comte de ParisさんはTwitterを使っています 「Le gouvernement suspend l’exercice de libertés publiques en fonction des pénuries de lits d’hôpitaux qu’il a lui-même créées. Il subit la crise et compense son impuissance par des mesures intrusives. #CouvreFeu」 / Twitter

Prince Jean – Comte de ParisさんはTwitterを使っています 「Nous sommes une nation de personnes libres et responsables que l'Etat doit gouverner et non régenter #CouvreFeu」 / Twitter

 

 (サイト移転により記事の掲載が終了しています)(フランス語)Monseigneur le Comte de Paris condamne les mesures intrusives instaurées par le gouvernement – Le blog de La Couronne
掲載時URL:https://www.la-couronne.org/paroles-de-princes/monseigneur-le-comte-de-paris-condamne-les-mesures-intrusives-instaurees-par-le-gouvernement/

 

La CouronneさんはTwitterを使っています 「Monseigneur le Comte de Paris condamne les mesures intrusives instaurées par le gouvernement https://t.co/I2pimIz9Nf」 / Twitter

 

La Couronne | Facebook

 

天皇(徳仁)・皇后(雅子)両陛下が、日銀総裁と会見(2020年10月)

 2020年10月9日、天皇陛下(徳仁なるひと : Emperor Naruhito : His Majesty【His Imperial Majesty】 The Emperor)と皇后陛下(雅子まさこMasako : Her Majesty【Her Imperial Majesty】 The Empress)は、日本銀行の黒田東彦総裁(くろだ はるひこ)と会見し、経済の現況について説明を受けたようです。

 

ANNnewsCH(ANN NEWS):
両陛下 日銀総裁から経済情勢の説明受ける(2020年10月10日) – YouTube

 

現在セルビア王室を称するユーゴスラビア皇太子アレクサンダル2世殿下夫妻が、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】検査で陽性となったキリスト教/セルビア正教会の重鎮/モンテネグロ府主教アンフィロヒイェ座下の早期の回復を願う書簡(2020年10月)

※この記事はキリスト教 高位聖職者のニュースと重複します。

 

 現在セルビア王室を称する(旧)ユーゴスラビア王室当主/ユーゴスラビア皇太子【セルビア皇太子】アレクサンダル2世殿下(His Royal Highness Crown Prince Alexander II of Yugoslavia / Serbia)およびユーゴスラビア皇太子妃【セルビア皇太子妃】カタリナ殿下(Her Royal Highness Crown Princess Katherine of Yugoslavia / Serbia)は、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】検査で陽性の出たキリスト教/東方正教会/セルビア正教会の重鎮、モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)の早期の回復を願う書簡を送ったようです。

 

 (セルビア語キリル文字:セルビア正教会モンテネグロ府主教庁 公式サイト)Престолонаследник Аклександар Карађорђевић пожелио брз опоравак Митрополиту Амфилохију | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

Aleksandar II Karadjordjevic(@royalserbia) • Instagram写真と動画

 

関連:
 キリスト教/セルビア正教会の重鎮/モンテネグロ府主教アンフィロヒイェ座下が新型コロナウイルス感染症【COVID-19】の感染検査で陽性(2020年10月) – キリスト教 高位聖職者のニュース
 訃報(2020年10月30日):キリスト教/セルビア正教会の重鎮/モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下が永眠(1938~2020)新型コロナウイルス感染症【COVID-19】の治療で入院との既報 – キリスト教 高位聖職者のニュース
 現在セルビア王室を称するユーゴスラビア皇太子アレクサンダル2世殿下夫妻が、永眠したキリスト教/セルビア正教会の重鎮/モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下を追悼(2020年10月)新型コロナウイルス感染症【COVID-19】