ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下に対し、野党・国民民主会議【NDC】が訴訟を起こす模様(2020年12月)今月の総選挙でアシャンティ王が不正を指揮したと主張

 ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)に対し、同共和国の最大野党(二大政党のひとつ)・国民民主会議【NDC】が訴訟を起こすという記事が配信されています。

 今月【2020年12月7日】、ガーナ共和国では大統領選挙と議会選挙をあわせた総選挙がおこなわれており、大統領選挙は現職のガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)、議会選挙も与党・新愛国党【NPP】が NDC を上回る結果が出ています。
  NDC 大統領候補のジョン・ドラマニ・マハマ(前)大統領は結果の受け入れを拒否しており、当面のところは選挙結果に関する異議の申し立てが続きそうです。
 そしてその一環として、同共和国の最大州アシャンティ州において、アシャンティ王が現職・与党を勝利させるために、不正を指揮したとの訴えを起こすことと、その前に王のマンヒヤ宮殿【マンヒア宮殿】の前で抗議活動をおこなうようです(普通?の抗議活動なのか、アフリカによくある歌ったり踊ったり回ったりするやつなのかはわかりません)。

 ここまでの現大統領および与党と、アシャンティ王の関係を見てくると、まず、両者の関係が悪化。
関連:
 ガーナ共和国のアシャンティ王オトゥムフォ・ナナ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、大統領の甥や側近が自分を罵っていると(別件で宮殿を訪問した)大統領が議長を務める与党・新愛国党【NPP】の幹部や政治家らに激怒、幹部らは謝罪したとの記事が(2018年5月)

 大統領が関係の正常化を図ります。
関連:
 ガーナ大統領アクフォ=アド閣下が、アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下を訪問の予定。大統領による謝罪か弁明がおこなわれるとみている記事が配信(2018年5月)

 その後、大統領の母方の家系であるアキーム・アブアクワ王の式典にアシャンティ王が臨席するという関係が改善されたとみられる出来事がありました。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アキーム・アブアクワ王ナナ・オフォリ・アッタ1世(現大統領の母方の祖父)崩御75周年式典。アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が臨席(2018年8月)

 一方、そのアキーム・アブアクワ王と野党が激しく対立。
関連:
 ガーナの政党「国民民主会議 【NDC】」の地方幹部が、アキーム・アブアクワ王オサグイェフオ・アモアティア・オフォリ・パニン陛下及び同地の住民を「マハマが大統領になる前は動物と同じ水を飲んでいた」と評した件で王国側が激怒。書面での謝罪を拒否し、公共の場での謝罪などがおこなわれない場合、900以上の町村で活動を禁止すると宣言(2019年9月)

 ローリングス(元)大統領の葬儀をめぐる争いが与野党で発生します。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、死去したジェリー・ローリングス(元)大統領に弔意を表明(2020年11月)与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】に、葬儀などをめぐる争いをやめるよう要求

 そして選挙当日。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下夫妻らがガーナ共和国総選挙の投票へ(2020年12月)

 以上のことなどから、大統領とアシャンティ王の関係は、一次の悪化の後に良好となっており、アシャンティ王が現職大統領を支持していることは間違いないでしょう。
 また、アシャンティ王が命令すれば、選挙での不正くらいは起こせそうではあります。
 一方、今回の選挙結果は、事前の選挙情勢分析のいくつかの予想にほぼ当てはまるものであり、順当な結果のうちとも取れます。

 

 (英語)NDC to petition Asantehene over 2020 general election outcome [ARTICLE] – Pulse Ghana

#PulseElectionsさんはTwitterを使っています 「NDC to petition Asantehene over 2020 general election outcome https://t.co/Ys9nFbwds9 https://t.co/vHiFI1u5yg」 / Twitter

 

 (英語)Ghana Election 2020: NDC To Petition Otumfuo Over Alleged Irregularities In Ashanti Region » GhBase•com™

 

ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下夫妻らがガーナ共和国総選挙の投票へ(2020年12月)

 ガーナ共和国総選挙の開票が始まっています。
 当然それより前のことになりますが、ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)とジュリア・オセイ・トゥトゥ令夫人(Lady Julia Osei Tutu)が投票をおこなったようです。

 おそらくですが、現職のガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)と与党・新愛国党【NPP】に投票したのではないかと思います。

 ガーナ総選挙では大統領選挙と議会選挙がおこなわれ、大統領選挙では現職とジョン・ドラマニ・マハマ(前)大統領の事実上の一騎打ち、議会選挙は与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】の争いが主流となります。

 現在の報道による情勢では大統領選挙は現職有利、議会選挙でも与党が有利と見られます。
 (英語)Ghana Election 2020
 アシャンティ王の地元アシャンティ州は同国の最大人口を誇り、今回の投票結果で明らかに現職・与党を支持する結果が出ています。大統領の地元イースタン州(東部州)よりも支持が強いというのは正直解せないレベルですが……。

 

 (英語)Asantehene Otumfuo Osei Tutu II, wife cast their ballot

 

GhanaWebさんはTwitterを使っています 「Already, a number of dignitaries have cast their ballots. Continue Reading >> https://t.co/wS5YXbOyHa」 / Twitter

 

GhanaWeb – The Asantehene, Otumfuo Osei Tutu II has cast… | Facebook

 

ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、死去したジェリー・ローリングス(元)大統領に弔意を表明(2020年11月)与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】に、葬儀などをめぐる争いをやめるよう要求

 ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)は、11月12日に死去したガーナ共和国(元)大統領ジェリー・ジョン・ローリングス退役空軍大尉閣下(His Excellency the Former President of Ghana, Flt Lt (rtd) Jerry John Rawlings)に弔意を表明しました。

 また、ローリングス(元)大統領の葬儀などを巡って、与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】が争っていることについて、やめるよう要求しました。

 ローリングス(元)大統領は、アフリカで有数の有力な政治家で、国民民主会議【NDC】の設立者です。
 ガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)率いる与党・新愛国党【NPP】がローリングス(元)大統領の葬儀を仕切り、自身らこそがローリングス(元)大統領の後継者であるかのように見せかけようとしているとして、 NDC から批判が起こっているという状況です。

 

 (英語)Don’t Fight Over Rawlings' Death – Otumfuo To NPP, NDC

 

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インタビュー記事(スペイン語):カルリスタのスペイン王として、パルマ公カルロス殿下(オランダ王室近親)がインタビューを受ける(2020年11月)

 スペイン語メディアの Vanitatis が、カルリスタのスペイン王としてのパルマ公カルロス殿下(Prince Carlos : His Royal Highness The Duke of Parma and Piacenza)へのインタビュー記事を掲載しています。

 タイトルは「カルリスタのスペイン王:私はフェリペ6世が難しい時期を生きていくと思う」で、概要は「我々は、カルロス・ハビエル・デ・ボルボン=パルマ(パルマ公)と(新型コロナウイルス感染症【COVID-19】の)パンデミック、ファン・カルロス(前スペイン王)のスキャンダルについてどう考えているか、(パルマ公の)息子で継嗣(ピアチェンツァ公カルロス・エンリケ殿下)の教育はどうしているか、について話した」というものですが、冒頭ではいきなり、「1830年にフェルナンド7世がサリカ法を廃止して(将来の)イサベル2世がスペイン王位を継承可能にした時、ブルボンは永遠に分裂した」というやや大げさな始まり方をします。
 そしてイサベル王女の継承を認めない王弟のカルロス王子とそれを支持する人々と政府などとの対立による三度のカルリスタ戦争があったという話は割とあっさり終わり、現代のカルリスタの指導者はパルマ公であるという話と、概要で出た話の詳細になります(念のために追記しておきますと、現時点で特定の人物を奉じないカルリスタ、他の人物を奉じるカルリスタや、すでに君主政を放棄しているカルリスタ、君主政でも共和政でもなんでもいいカルリスタ、も存在します)。
 またパルマ公の継嗣のカルロス・エンリケ殿下がカルリスタのアストゥリアス公だということがわざわざ説明されています。

 その後の話としては、全体的に極めて穏当に、現在のパルマ公の主張や近況の話となっています。ほぼ公式見解のような。
 上記の話の詳細に加えて、家族の話、パルマ公室のマリー・テレーズ【マリア・テレサ】殿下がCOVID-19で薨去した件、スペイン王フェリペ6世夫妻との仲(ぶっちゃけていうと、ブルボンの一族で集まるときや、スペイン王のオランダ訪問時に同席した機会は多いがそんなに深い付き合いはないとのこと)、(従弟の)オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下とは家族ぐるみで良好な関係だが政治や王朝の主張に関する話はしていないことなどの話があります。

 

 (スペイン語)El pretendiente carlista al trono español: "Creo que Felipe VI está viviendo unos momentos muy difíciles"

 

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ガーナ伝統的君主:エイダ大首長ネネ・アブラム・カブ・アクアク3世が、ジョン・マハマ前大統領を「ネネ・カボ・オデイ・ペオ1世」に即位(?)させる(2020年10月)ガーナ大統領選挙・総選挙をめぐる動き

 2020年10月27日、ガーナ共和国の伝統的君主、エイダ大首長ネネ・アブラム・カブ・アクアク3世Nene Abram Kabu Akuaku III, Paramount Chief of Ada)が、ジョン・ドラマニ・マハマ前大統領(John Dramani Mahama)を「ネネ・カボ・オデイ・ペオ1世Nene Kabo Odey Peo I)」に即位(?)させたという記事が出ています。

※地位というか称号というかはさっぱり書かれていないので、統治名っぽい名前だけかと思います。

 大首長の下位の首長であると思われるネネ・オビチェレ3世Nene Obichere III, Manklalo of Ada)が、マハマ前大統領の大統領時代の功績をたたえ、再び大統領として完了させられなかったプロジェクトに取り組んでほしい旨を述べています。

 また、“クイーン・マザー”であるナアナ・カブクオル・ドゥマアレイNaana Kabukuor Dumaaley, Paramount Queen-mother of Ada)は、(たぶん)彼女の要望通りマハマ前大統領が副大統領候補に女性を選んだことに対してお褒めの言葉を述べているのだと思います。

※「Nene」や「Naana」は、ここでは名前の一部ではなく称号的意味合いだと思いますが、はっきりしません(名前の一部である場合もあります)。

 

 (英語)Ada Paramount Chief installs Mahama as Nene Kabo Odey Peo I | News Ghana

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 ガーナ共和国では2020年12月7日に大統領選挙・総選挙が迫っており、大統領選挙に関しては、マハマ前大統領とガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)の(事実上の)一騎打ちとみられています。
 アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)の意中の候補はどちらかという記事が配信されたりもします。

 アクフォ=アド大統領は、父親は大統領、母親はアキーム・アブアクワの王族、とサラブレッドもいいところの血統ですが、それゆえにアシャンティ王の権威に挑戦・激怒させるようなところもありました。
 しかし、アキーム・アブアクワの式典へアシャンティ王が臨席したことで、この辺りの関係は良好になっていると思われます。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アキーム・アブアクワ王ナナ・オフォリ・アッタ1世(現大統領の母方の祖父)崩御75周年式典。アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が臨席(2018年8月)

 

 今回のマハマ前大統領の即位(?)の真意は不明ですが、前大統領側から求めたものであるようで、伝統的価値観をおろそかにしていないというアピールか、首長への即位による箔付けかと思います(箔付けになるのかと聞かれるとよくわからないのですが)。