英国の元王子/アンドルー・マウントバッテン=ウインザー氏のガーター騎士団などの騎士叙任が取り消しおよび無効となる(2025年10月30日付・12月1日発表)

 英国のチャールズ3世陛下は、弟で王子の称号を剥奪したアンドルー・マウントバッテン=ウィンザー氏(Andrew Mountbatten-Windsor)に対して、ガーター騎士団の騎士(KG)と王立ヴィクトリア騎士団のナイト・グランド・クロス(GCVO)の叙任の取り消しと無効化を宣言し、騎士団の名簿から削除されました。

 発表は 2025年12月1日 ですが、日付は 2025年10月30日付 となっています。

 

 (英語)CENTRAL CHANCERY OF THE ORDERS OF KNIGHTHOOD | Honours and Awards | The Gazette

2025年12月31日付けでホーエンツォレルン城の所有権のすべてが(旧)プロイセン王室(ホーエンツォレルン家)当主ゲオルク・フリードリヒ王子殿下に移る模様。ジグマリンゲン系統のホーエンツォレルン公カール・フリードリヒ殿下が持ち分を譲渡

 2025年12月31日付けでホーエンツォレルン城の所有権のすべてが(旧)プロイセン王室(ホーエンツォレルン家)当主ゲオルク・フリードリヒ殿下(Georg Friedrich : His Imperial and Royal Highness The Prince of Prussia : ゲオルク・フリードリヒ・プリンツ・フォン・プロイセンGeorg Friedrich Prinz von Preußen)に移る模様です。

 もともとの所有割合は、ゲオルク・フリードリヒ殿下が三分の二、ジグマリンゲン系統のホーエンツォレルン公カール・フリードリヒ殿下(Karl Friedrich : His Highness The Prince of Hohenzollern)が残りの三分の一でしたが、カール・フリードリヒ殿下がそれを譲渡することで単独所有に変わるようです。
 ホーエンツォレルン公カール・フリードリヒ殿下は、ジグマリンゲン城の保存などに注力するとのこと。

 

 (ドイツ語)Früheres Königshaus Preußen: Burg Hohenzollern ganz im Besitz des Hohenzollernchefs | DIE ZEIT

訃報(2025年11月27日):タイ王国のチュルチャルーム・ユコン王子殿下が薨去(1947~2025)ラーマ5世の曾孫、映画監督チャトリーチャルーム・ユコン王子殿下の弟

 2025年11月27日、タイ王国のチュルチャルーム・ユコン王子殿下(His Serene Highness Prince Chulcherm Yugala : タン・チャイ・マイ : Than Chai Mai)が薨去したようです。
 1947年生まれの78歳。

 ラーマ5世の曾孫で、タイ王室では傍系です。
 有名な映画監督であるチャトリーチャルーム・ユコン王子殿下の弟。
 軍の役職を歴任し、ラーマ10世の皇太子時代に警護官を務めていました。
 本人が王室の一員であることに加え、熱心な(批判者からは強硬的な)王室支持者とされています。
 また、兄のように有名ではありませんが、映画界でも活動していたようです。

 本人の王位継承順位は、薨去時に 10位 となっているはずです(回復の見込みはないと見られているパッチャラキッティヤパー王女殿下を含む建前上の順位)。
 また、タイの王党派の中には、ルール上では女子に継承権があることになっていても、実際に女子が即位することはないと考えている人々もおり、そのような人々にとっては、王位継承順位第6位であったということになります。

 

 (英語)Bangkok Post – Prince Chulcherm passes away aged 78

Thenationthailand on X: "On November 27, 2025, the Facebook page of Momchao Chulcherm Yugala posted a message reporting that Major General Momchao Chulcherm Yugala passed away peacefully at his residence in Mae Rim District, Chiang Mai Province, at the age of 78. https://t.co/bQOYGQJpbD" / X

5歳(2025年11月18日):ナイジェリア伝統的君主/イフェ王の長男タデニカウォ王子が5歳を迎える

 2025年11月18日、ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主の一人、イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife : His Imperial Majesty Alayeluwa Arole Oduduwa Olofin Adimula, Ọ̀ọni Adeyẹ́yẹ̀ Ẹnitan Bàbátunde Ògúnwusi Ọjàjà II, Ooni of Ife)と、王妃の一人ナオミ・シレクノラ妃(Queen Naomi Silekunola)の間に生まれた、イフェ王の長男タデニカウォ王子(Prince Tadenikawo)が 5歳 を迎えました。

※イフェ王位は、ナイジェリアに多い、複数系統の迭立を基本としているようなので、タデニカウォ王子が次のイフェ王になるわけではありません。

 

Today,… – Ooni Adeyeye Enitan Babatunde Ogunwusi – Ojaja II | Facebook

 

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Bencity Times – Prince Tadenikawo Ogunwusi is 5yrs old… | Facebook

英国の第3代スタンズゲート子爵が政府に「アンドルー・マウントバッテン=ウィンザーのすべての称号を剥奪するという国王の決定を実行するための法案を提出する予定があるか」質問。政府側から、アンダーソン・オブ・ストーク=オン=トレント女男爵が「法案を提出する必要はない」と回答(2025年11月)

 2025年11月5日に、英国で現在も貴族院に議席を持つ世襲貴族(労働党)の第3代スタンズゲート子爵スティーヴン・ベン閣下(Stephen Benn, 3rd Viscount Stansgate : The Right Honourable The Viscount Stansgate)が、政府に対して「アンドルー・マウントバッテン=ウィンザーのすべての称号を剥奪するという国王の決定を実行するための法案を提出する予定があるか」という質問を提出しています。

 これは、チャールズ3世陛下が、ヨーク公爵アンドルー王子殿下のすべての称号と敬称を剥奪するとした件についてです。

 2025年11月17日、政府側から、王室侍従(院内幹事)で内閣府を担当している一代貴族(労働党)のアンダーソン・オブ・ストーク=オン=トレント女男爵ルース・アンダーソン閣下(Ruth Anderson : The Right Honourable The Baroness Anderson of Stoke-on-Trent)が「王子(Prince)と殿下(Royal Highness)については勅令によって剥奪されており(has been removed by Letters Patent)、ヨーク公爵についても貴族名簿から取り除かれ公式に使用されることはない。よって法案を提出する必要はない」と回答しました。

 

 (英語:英国議会 公式ウェブサイト)Written questions and answers – Written questions, answers and statements – UK Parliament

17 November 2025

Following the statement made by Buckingham Palace on 30 October, the entitlement to the title of ‘Prince’ and the style of ‘Royal Highness’ has been removed by Letters Patent. The title of the Duke of York has been removed from the Roll of the Peerage and will no longer be used officially. There is therefore no need for legislation to implement the measures that have been announced.

 

 これは曖昧な回答でありますが、ヨーク公爵位は貴族名簿からは削除され公的には使用されないが、剥奪されてはいないという認識であることを示唆していると読めると思います。
(剥奪されてもう何もする必要がないのであればシンプルにそう言えばいいだけなので、こんなに遠回しに書く必要がありません)
 政府が立法措置を回避しようとしている理由は、いろいろあるでしょうが、現段階においてアンドルー王子(とりあえずこう書きますが)は裁判で有罪になったわけでもなんでもなく、本人も疑惑を否定しており、この段階で法案を通すのはとても難しいと思います(有罪になっても称号自体が剥奪されていない一代貴族もいます)。

 ヨーク公爵(第八次叙爵)は、特別な継承規定が付けられていないため(男子のみ継承可能)、アンドルー王子の薨去をもって消滅する可能性が濃厚です。(もちろんここから再婚して息子が出来る可能性はゼロではありませんが……)