訃報(2021年8月?):ガーナ伝統的君主/ニュー・ジュアーベン大首長ダアセブレ・オティ・ボアテングが崩御した模様(1938?~2021)

 ガーナ共和国東部州(イースタン州)の伝統的君主、ニュー・ジュアーベン大首長ダアセブレ・オティ・ボアテングDaasebre Oti Boateng, Omanhene of New Juaben)が崩御した模様です。

※「Omanhene」はアシャンティ王国ではアシャンティ王の下位の首長の称号ですが、それ以外では最上位者なので、「大首長」としておきます。

 下記記事によれば、公式発表をいつおこなうか決めるための会議が予定されているようです。

 最後に公式の場に姿を現したのは、2021年8月1日に大学の卒業式で基調講演をおこなったときとのことで、今月中に亡くなっているのでしょう。

 

 (英語)Omanhene of New Juaben Daasebre Oti Boateng dead | Pulse Ghana

Pulse GhanaさんはTwitterを使っています 「Daasebre Prof. Emeritus Oti Boateng dead https://t.co/lLPQXJ2Tiz https://t.co/81fELrgZBH」 / Twitter

南アフリカ共和国クワズールー=ナタル州政府が、ズールー王位の争いに関して、大統領の介入を要請することを決定(2021年8月)

 2021年8月25日、南アフリカ共和国のクワズールー=ナタル州政府は、ズールー王位の争いに関して、南アフリカ共和国大統領マタメーラ・シリル・ラマポーザ閣下(Matamela Cyril Ramaphosa)の介入を要請することを決定したようです。

 

 (英語:クワズールー=ナタル州 公式サイト)KZNONLINE: Your Government – at the click of a button. – Statement Following Meeting Of The KwaZulu-Natal Provincial Executive Council Sitting

2. UPDATE ON THE ZULU ROYAL FAMILY MATTERS
The Provincial Executive Council received an update on the progress with regard to the dispute over the kingship of the Zulu Royal Family.
The Executive Council supports all efforts of government to resolve the matter as soon as possible. The matter of the Zulu Royal family is now being handled in line with the provisions of the Traditional and Khoi-San Leadership Act No. 3 of 2019.
In terms of this Act, matters related to disputes in the case of a King, Queen, Kingship or Queenship, must be dealt with by the President of the Republic of South Africa.
The President has duly delegated this function to the Minister of Cooperative Governance and Traditional Affairs, Dr Nkosazana Dlamini-Zuma.

 出されている文章によると、2019年の法により、王、女王、王位、女王位に関する争いについては大統領が取り扱うことになっていることと、ンコサザナ・クラリス・ドラミニ=ズマ共生・伝統担当大臣が職掌を委ねられていることが書かれています。
 具体的にこれからどうなるのかわかりませんが……。

 

 とりあえずここまでの経緯を簡単に書くと、

 まず、本年3月12日にズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下が崩御します。
 訃報(2021年3月12日):南アフリカ伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下が崩御(1948~2021)

 続いて、摂政となっていた第三王妃のマントフォンビ陛下も崩御。
 訃報(2021年4月29日?):南アフリカ伝統的君主/ズールー摂政(王妃)マントフォンビ陛下が崩御(1953~2021)ズールー王の崩御の翌月。南ア大統領は弔意を表明。エスワティニ王(スワジランド王)ムスワティ3世陛下の姉

 そして二人の子供のミスズールー陛下が王になります。
 崩御した南アフリカ伝統的君主/ズールー摂政(王妃)マントフォンビ陛下の遺書が読み上げられ、子息のミスズールー・ズールー王子殿下がズールー王に指名される(2021年5月)

 現在の“ズールー問題”は三つにわかれていますが、一つはミスズールー陛下の継承は無効とし、他の王子が王位を継承するべきとするものです。

※当面のところミスズールー陛下としますが、大統領なり大臣なりによって遡って継承が無効とされる可能性もあります。

 これまで(他の)有力候補として挙げられているのが、故・グッドウィル陛下の庶子(婚外子)ながら最年長の男子らしいシマカデ王子(Prince Simakade)です。
 この王子を支持しているのが、テンビ・ズールー=ンドロヴ王女(Princess Thembi Zulu-Ndlovu)とムボニシ・ズールー王子(Prince Mbonisi Zulu)ですが、この二人がどれくらいの有力者なのかはよくわかりません。
 また、シマカデ王子の母親や一族もよくわからないのと、他に王の候補となる王子はいないのかどうかもよくわかりません。
 ただ、一度はミスズールー陛下に予算額を提示したクワズールー=ナタル州政府が大統領の介入を要請したということは、このままでは収拾がつかないと判断したのでしょう。

 

 上記の問題とは独立していますが、二つ目の問題は、故・グッドウィル陛下と王妃の中で唯一民事婚の関係にあったらしい第一王妃シボンギレ・マドラミニ陛下が、遺産の半分を要求していること。
 これに関して、ミスズールー陛下は亡夫と第一王妃の民事婚を無効にするよう法的手続きを開始したという話が出ています。
 南アフリカ伝統的君主:ズールー王ミスズールー陛下が、亡父とその第一王妃の結婚を無効とするよう法的措置を開始した模様(2021年7月)

 三つめは、第一王妃の二人の娘、ンタンドイェンコシ・ズールー王女(Princess Ntandoyenkosi Zulu)とントンビゾスス・ズールー=ドゥマ王女(Princess Ntombizosuthu Zulu-Duma)が、故グッドウィル陛下の遺言に改竄があったと主張しているものです。故マントフォンビ陛下が摂政となったのは、この改竄によるものだとの主張ですが、これの目的というか動機はよくわかりません。

結婚式(2021年8月20日):ナイジェリア伝統的君主/ビチ首長の娘ザハラ・ナシル・バイェロ王女と大統領の息子ユスフ・ブハリ氏。大統領、ジョナサン(元)大統領、イフェ王など多数の参列

 2021年8月20日、ナイジェリア連邦共和国カノ州の伝統的君主のひとりビチ首長“アルハッジ”・ナシル・アド・バイェロ殿下(His Royal Highness Alhaji Nasiru Ado Bayero, Emir of Bichi)の娘ザハラ・ナシル・バイェロ王女(Princess Zahra Nasir Bayero)と、ナイジェリア連邦共和国大統領ムハンマド・ブハリ閣下(His Excellency Muhammadu Buhari GCFR)の子息ユスフ・ブハリ氏(Yusuf Buhari)が結婚式を挙げました。

 ビチ首長の兄アミヌ・アド・バイェロ殿下は同共和国北部で二番目の権威といわれるカノ首長の地位にあります。

 現職大統領の一人息子と、北部の伝統的君主の娘の結婚ということで、多数の要人や伝統的君主が参列しています。

参列者(判明し次第追記します)/
新婦側:
 ビチ首長“アルハッジ”・ナシル・アド・バイェロ殿下
  (やや遠縁)ビチ首長らと対立し、金銭疑惑で他州へ逃亡していたはずのナイジェリア中央銀行の元総裁・前カノ首長“アルハッジ”・ムハンマド・サヌシ2世殿下(His Royal Highness Alhaji Muhammad Sanusi II, The Emir of Kano : サヌシ・ラミド・サヌシSanusi Lamido Sanusi

新郎側:
 新郎の父ムハンマド・ブハリ大統領閣下
 新郎の母アイシャ・ブハリAisha Buhari
 新郎の姉妹ザラー・ブハリZarah Buhari

伝統的君主:
 イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife : His Imperial Majesty Alayeluwa Arole Oduduwa Olofin Adimula, Ọ̀ọni Adeyẹ́yẹ̀ Ẹnitan Bàbátunde Ògúnwusi Ọjàjà II, Ooni of Ife)

要人:
 ナイジェリア連邦共和国副大統領イェミ・オシンバジョ閣下(Yemi Osinbajo
 ナイジェリア連邦共和国ニジェール・デルタ担当大臣ゴッズウィル・アクパビオ閣下(Godswill Akpabio
 ナイジェリア連邦共和国通信・デジタル経済大臣イーサ・アリ・パンタミ閣下(Isa Ali Pantami
 元・大統領グッドラック・ジョナサン閣下(Goodluck Jonathan
 元・副大統領アティク・アブバカル閣下(Atiku Abubakar
 ガンビア大統領夫人ファトゥマタ・バー・バロウFatoumata Bah Barrow

 

 (西アフリカピジン英語)Yusuf Buhari and Zahra Bayero wedding fotos: President Muhammadu Buhari son fatiha fotos – BBC News Pidgin

 

 (英語)Wedding of Yusuf Buhari to Princess Zahra Nasir Bayero – Royal presidential wedding – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES

 

M & M Photography(@m_and_m_photographyng) • Instagram写真と動画

 

M & M Photography(@m_and_m_photographyng) • Instagram写真と動画

戴冠式(2021年8月21日):ナイジェリア伝統的君主/ワリ王国のショラ王子が、ワリ王アトゥワツェ3世として戴冠

 2021年8月21日、ナイジェリア連邦共和国デルタ州のワリ王国で、ショラ・エミコ王子(Omoba Prince Tsola Emiko)の戴冠式がおこなわれました。
 同王子は、第21代ワリ王(Olu of Warri)として戴冠、父である故アトゥワツェ2世に次ぐアトゥワツェ3世(Ogiame Atuwatse III)の統治名を選択したようです。
※「Ogiame」は王の称号の一つだと思います。

 

 (西アフリカピジン英語)Olu of Warri coronation: Omoba Tshola Emiko go become 21st crown king – BBC News Pidgin

 (英語)Prince Tsola Emiko is the new King (Olu) of Warri, Nigeria – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES
 (英語)Coronation of 21st Olu (King) Ogiame Atuwatse III Tsola Emiko of Warri kingdom, Nigeria – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES

 

戴冠の瞬間/
Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
The Moment the 21st Olu of Warri was crowned – YouTube

戴冠後/
Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
21 olu of Warri in Tears ad he worships God after he is crowned – YouTube

 

人々と行進/
Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
The Olu of Warri takes a long walk with the youths of Warri Kingdom – YouTube

 

フル映像:5時間46分ほど(始まる前の告知映像リピートも含む)/
Olu of Warri Kingdom(ワリ王国 公式チャンネル):
The Coronation of The 21st Olu of Warri Event – YouTube

 

関連:
 ナイジェリア伝統的君主:ワリ王アトゥワツェ3世陛下が、オバサンジョ(元)大統領の表敬訪問を受ける(2021年8月)
 ナイジェリア伝統的君主:ワリ王アトゥワツェ3世陛下が、グッドラック・ジョナサン(前)大統領の表敬訪問を受ける(2021年8月)
 ナイジェリア伝統的君主:ワリ王アトゥワツェ3世陛下が、ナイジェリア連邦共和国下院議長フェミ・グバジャビアミラ閣下の表敬訪問を受ける(2021年8月)

 

イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife : His Imperial Majesty Alayeluwa Arole Oduduwa Olofin Adimula, Ọ̀ọni Adeyẹ́yẹ̀ Ẹnitan Bàbátunde Ògúnwusi Ọjàjà II, Ooni of Ife)との写真:
Ooni Adeyeye Enitan Ogunwusi(@ooniadimulaife) • Instagram写真と動画

ウガンダ伝統的君主:トロ王ルキディ4世陛下が、病院のための酸素プラント建設や ICU 設置のための募金活動(2021年8月)同国の新型コロナウイルス感染症【COVID-19】第三波への準備のため

 ウガンダ共和国の伝統的君主の一人/トロ王“ルキラバサイジャ”・“オヨ・ニンバ”・カバンバ・イグル・ルキデイ4世陛下(Rukirabasaija Oyo Nyimba Kabamba Iguru Rukidi IV, The Omukama of Tooro : オムカマ)は、地元のカバロレ病院のための酸素プラント建設や ICU(集中治療室) を設置するための募金活動を開始しました。

 着工式の一環として、王による、酸素プラント建設予定地の地面を耕すというか機具を使って地面を掘る行為がおこなわれた模様。

 この病院は、キリスト教のウガンダ聖公会による非営利の病院のようです。

 

 (英語)King Oyo Launches Fundraising Campaign to Install Oxygen Plant, ICU at Kabarole Hospital. | ChimpReports

 

His Majesty King Oyo of Tooro KingdomさんはTwitterを使っています 「Pleased to launch the @kabarolehosptal Oxygen Plant and ICU Beds Fundraising Campaign to help better preparedness for the third Covid-19 wave. I thank Bishop Reuben Kisembo for the initiative. I urge all Batooro and friends of Tooro in Uganda and Diaspora to donate generously. https://t.co/ftuiLXhMhH」 / Twitter

 

Kabarole Hospital C.O.UさんはTwitterを使っています 「Omukama @KingOyoOfficial breaks ground for the oxygen plant of @kabarolehosptal. #Savealife #Healthebodyandfeedthesoul #holisticministry @KabaroleDLG @JumiaUG @stanbicug @Archbp_COU @MinofHealthUG @media_56 https://t.co/NmQJgY74iz」 / Twitter