訃報(2024年6月14日):ナイジェリア伝統的君主/モロア首長タグワイ・サンボ殿下が薨去(1936~2024)58年の統治終わる

 2024年6月14日、ナイジェリア連邦共和国カドゥナ州カウラのモロア首長“アグワム”・タグワイ・サンボ殿下(His Royal Highness Dr Agwam Tagwai Sambo OFR, Chief of Moroa)が薨去したようです。
 1936年12月24日生まれの87歳。

 1966年より同首長の地位にあったようです。

 記事によれば第一級伝統的統治者(First Class Traditional Ruler)のようです。

 

 (英語)Chief of Moroa dies after 58 years on throne – P.M. News
 (英語)Katsina traditional ruler dies after 58 years on throne

南アフリカ伝統的君主:ズールー王 ミスズールー 陛下が、ナザレス・バプテスト・チャーチの洗礼を受ける(2024年6月)

 2024年6月9日、南アフリカ共和国の伝統的君主の一人、ズールー王ミスズールー・シンコビレ・カズウェリティニ陛下(His Majesty King Misuzulu Sinqobile kaZwelithini of Zulu)は、同地の宗教であるナザレス・バプテスト・チャーチ(Nazareth Baptist Church : シェンベ教会 : Shembe Church)の洗礼を受けたようです。

※この教会は、一般的な意味でのバプテストやキリスト教とは異なります。

 ズールー王は、アングリカン(南部アフリカ聖公会)の一員であったはずですが、離脱しているようです。
 ズールー王国宰相のトゥラシズウェ・ブテレジ閣下(The Reverend Thulasizwe Buthelezi)は、王の洗礼は王を聖化することであり、異母兄との王位の争いが今回の洗礼の背景にあるとしているようです。
 一方、シンフィウェ・ズールー王子(Prince Simphiwe Zulu)は、王の洗礼が公開でおこなわれたのは歴史的瞬間としつつも、王位の問題とは異なる領域のものとしています。

 

Newslive SA:
King Misuzulu KaZwelithini Baptized into the Shembe Church by uNyazi LweZulu – YouTube

 

 (英語)King Misuzulu ditches the Anglican Church for Shembe | Scrolla.Africa
 (英語)Zulu king baptised as Shembe church member

ウガンダ伝統的君主:ブソガ王ウィリアム・ウィルバーフォース・ガブラ・ナディオペ4世陛下が、ブラモギ公国の使者たちと会見(2024年6月)王位継承問題から続いた事態は解決へ向かう模様

 2024年6月8日、ウガンダ共和国の伝統的君主の一人、ブソガ王ウィリアム・ウィルバーフォース・ガブラ・ナディオペ4世陛下(His Majesty William Wilberforce Gabula Nadiope IV, Kyabazinga of Busoga : ブガブラ公 : Gabula of Bugabula)は、ジェームス・ナイタ(Owek. James Naita)率いるブラモギ公国の使者たちと会見しました。

※ジェームス・ナイタに関しては、記事などで「チーフ・ロイヤル・プリンス(Chief Royal Prince)」という称号が使われています。また「Issabalangira of Bulamogi」という称号もあります。

 ブソガ王国では、先代の王ヘンリー・ワコ・ムロキの崩御後、その子息ブラモギ公エドワード・コロンバス・ワンブジ(Prince Edward Columbus Wambuzi, Zibondo of Bulamogi)と、ウィリアム・ガブラ・ナディオペ4世陛下の間でブソガ王の継承争いが起きていました(5人の世襲の公から選ばれる模様)。
 その後、王位については決定しているものの、ブラモギ公国側との関係の緊張は続いていたようです。
 今回の訪問が、事態の正常化につながると見られています。

 
 
 (英語)Kaliro royalists, Kyabazinga reconcile after a decade-long standoff over Kingship

 

XユーザーのKyabazinga of Busogaさん: 「BULAMOGI ROYALS AND ELDERS SEEK RECONCILIATION WITH OBWA KYABAZINGA BWA BUSOGA His Majesty William Gabula Nadiope IV on June 8th, 2024 hosted a delegation from Bulamogi, one of the chiefdoms in Busoga Kingdom. Kyabazinga hosted the delegation led by Issabalangira of Bulamogi https://t.co/eylkYSMo8F」 / X
https://x.com/KingNadiopeIV/status/1799853574479851674

 

XユーザーのKyabazinga of Busogaさん: 「His Majesty William Gabula Nadiope IV on June 8th, 2024 hosted a delegation from Bulamogi, one of the chiefdoms in Busoga Kingdom. led by Issabalangira of Bulamogi James Naita. The delegation included the cultural leadership of Bulamogi, Political leaders, all clan heads in https://t.co/Vyxz4CmZvr」 / X
https://x.com/KingNadiopeIV/status/1799955755338022950

 

BULAMOGI ROYALS AND ELDERS SEEK… – Kyabazinga of Busoga | Facebook

 

His Majesty William Gabula Nadiope IV on June 8th, 2024 hosted a delegation from Bulamogi, one of the chiefdoms in Busoga Kingdom. led by Issabalangira… | By Kyabazinga of BusogaFacebook | Facebook

ナイジェリア伝統的君主:カノ首長らが強制的に廃位される事態に陥り、現地は不安定化(2024年5月)

 2024年5月23日、ナイジェリア連邦共和国カノ州では、カノ首長アミヌ・アド・バイエロ殿下ら五人が廃位され、2020年にカノ首長を廃位されていた“アルハッジ”・ムハンマドゥ・サヌシ2世殿下(His Royal Highness Alhaji Muhammad Sanusi II, The Emir of Kano : サヌシ・ラミド・サヌシSanusi Lamido Sanusi)をあらためてカノ首長とするように結論が出たようです。
追記:
 連邦高等裁判所が復位の即位式を差し止める命令を出していた模様。また、司法判断がわかれており、誰が現時点で法的に正当なカノ首長であるかはわかりません

※裁判も絡んでややこしいですが、ムハンマドゥ・サヌシ2世殿下の復位と、以下5人の廃位が決まりました。

 カノ首長アミヌ・アド・バイエロ殿下
 ビチ首長ナシル・アド・バイエロ殿下
 ラノ首長カビル・ムハンマド・イヌワ殿下
 カライェ首長イブラヒム・アブバカル2世殿下
 ガヤ首長イブラヒム・アブドゥルカディル殿下
 (カノ首長以外は2019年に新設)

 現地は不安定化しており、またか……という感想です。
 カノ首長に関しては簡略化しますが、
  ムハンマドゥ・サヌシ1世廃位
  → (弟の)アド・バイエロ即位
  → アド・バイエロ崩御 
  → (1世の孫)ムハンマドゥ・サヌシ2世即位
  → ムハンマドゥ・サヌシ2世廃位
  → (アド・バイエロ次男)アミヌ・アド・バイエロ即位
  → アミヌ・アド・バイエロ廃位
  → ムハンマドゥ・サヌシ2世復位
 と、世代を超えて混乱の極みを続けたいのかという展開になっています。

 

 (英語)Sanusi reinstated as Emir of Kano four years after deposition
 (英語)Kano Emirate: Gov reinstates Sanusi after four-year deposition as Assembly sacks emirs
 (英語)Emirate tussle: Court orders Bayero’s eviction, Kano says deposed emir a threat

 (英語)Muhammadu Sanusi, Nigeria's emir of Kano, speaks out after return to throne

 

News Central TV:
The Deposed Emir of Kano, Aminu Ado Bayero, Ordered to Stop Parading as Emir – YouTube

 

州知事は殿下を逮捕するよう指示を出したという報道/
TVC News Nigeria:
Governor Yusuf Orders Arrest Of 15th Emir Of Kano, Ado Bayero – YouTube

南アフリカ/ズールー王国の宰相にトゥラシズウェ・ブテレジ閣下が任命される(2024年1月)前任の故・マンゴスツ・ブテレジ王子とは血縁関係はない模様

 南アフリカ共和国の伝統的君主の一人、ズールー王ミスズールー・シンコビレ・カズウェリティニ陛下(His Majesty King Misuzulu Sinqobile kaZwelithini of Zulu)は、マンゴスツ・ブテレジ王子の薨去に伴い空席となっていた、ズールー王国宰相(伝統的首相 : traditional prime minister)に、ズールーランド地区自治体の長を務めていたトゥラシズウェ・ブテレジ閣下(The Reverend Thulasizwe Buthelezi)が任命されたようです。
 同じ姓なので、故・王子との近縁を想定した情報もあったようですが、血縁関係はなく、またブテレジ氏族の出身でもないようです。
 トゥラシズウェ氏の父、ビショップ・ローレンス・ブテレジBishop Lawrence Buthelezi : ビショップが名前か聖職者なのかは不明)で、故・ズールー王グッドウィル陛下の精神的アドバイザーだったということです。

 

ズールー王が任命を発表/
eNCA:
Thulasizwe Buthelezi is the new Amazulu Prime Minister – YouTube

 

Newzroom Afrika:
Thulasizwe Buthelezi named Amazulu traditional prime minister – YouTube

 

Newzroom Afrika:
King Misuzulu appoints Thulasizwe Buthelezi as AmaZulu prime minister – YouTube

 

 (英語)Thulasizwe Buthelezi: Who is the Zulu nation's new prime minister?  | The Citizen
 (英語)Prince Mangosuthu Buthelezi’s family say it’s not true that the new prime minister is the prince’s son
 (英語)New AmaZulu Prime Minister is NOT Mangosuthu Buthelezi's son
 (英語)Learned from Mangosuthu Buthelezi to serve king

インタビュー動画/
Newzroom Afrika:
In conversation with AmaZulu Prime Minister Thulasizwe Buthelezi – YouTube