ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、コートジボワール(元)大統領アンリ・コナン・ベディエ閣下と会見(2020年10月)今月末のコートジボワール大統領選挙に向けた動きとの観測

 2020年10月12日、ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)は、コートジボワール共和国の元・大統領アンリ・コナン・ベディエ閣下(His Excellency Henri Konan Bédié)と会見しました。

※マンヒヤ宮殿【マンヒア宮殿】=アシャンティ王国側が「閣下(His Excellency)」を使用しているので、コートジボワールが元の大統領に敬称を使用しているかはわかりませんが、アシャンティに従っておきます。

 コートジボワール共和国では、10月31日に大統領選挙がおこなわれる予定となっており、ベディエ閣下や現職のアラサン・ウワタラ閣下(ワタラ大統領 : His Excellency Mr Alassane Ouattara)を含む四人が立候補しています。
 この選挙戦自体も話題になっているギニアと同じ状況で、すなわち現職が「憲法改正前の任期は、現行の憲法が規定する大統領は二選までにカウントしない」と主張。
 ただし、コートジボワールでは、現職が指名していた後継が病気で急死し、次に指名していた人物は逮捕(?)され、仕方なく現職が立候補したというような、よくわからない状態になっています。
 激しい選挙戦になっているようで、特に野党・ベディエ閣下側の行動について政権与党側が平和な選挙戦をしていないと批判しているとの情報も見えます。

 この状況下での、アシャンティ王とベディエ閣下の会見の経緯はいまひとつはっきりしません。
 コートジボワールの最大民族はアカン人(アカン族)、またはその中の一部であるバウレ人(バウレ族)であるそうです。ベディエ閣下はその出身となります。
 バウレ人はかつてアシャンティ人(アシャンティ族)に追われ、現在のガーナを離れたらしいですが、アカン人の中の最大勢力アシャンティ人の最高権威“黄金の床几”(=アシャンティ王)の影響を甘く見ることはできない模様。
 この見方からすると、ベディエ閣下は、自身の選挙戦のためにガーナのアシャンティ王に会いにいったかのように思えますが……。

 この会見の顛末について、現在、二つの見方があります(どちらも信頼性には欠けるという大問題はありますが……)。
 一つは、アシャンティ王は、ベディエ閣下を「国内(コートジボワール)を騒がすのは良くない」と叱ったというものです。要するに、現職に近いガーナ大統領に側面支援を頼みこまれて牽制したということになるでしょうか。
 もう一つは、アシャンティ王が自身の“臣民”であるベディエ閣下が悲惨な末路に陥るのを心配したが、ベディエ閣下はその心配は無用としたというようなことです(「勝ちます」という意味でしょうか)。

 真実はともかく、にわかにコートジボワール大統領選挙がアシャンティ王に関連する重要な話題として急浮上してきました。

 

United TelevisionはInstagramを利用しています:「#UTVGhana #UTVNews #DespiteGroup」
https://www.instagram.com/tv/CGS5iH4Jehn/

 

 (フランス語:文末のアシャンティ王国側発表文章は英語)Côte d'Ivoire : Les questions « mutuellement avantageuses », au menu de la rencontre entre Bédié et le Roi des Ashanti, selon le palais royal – KOACI
 (フランス語)Les vraies raisons de la visite de Bédié au Ghana | Cotedivoire.News

 

ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下を、「殺人事件の黒幕」「イルミナティとフリーメイソンリーのメンバーの可能性がある」と批判(?)していた自称(?)伝道師が40分以上の謝罪動画(2020年10月)「トレンドに乗りたかった」

 アメリカ合衆国を拠点に活動しているらしいガーナの自称(?)伝道師のエマヌエル・クワメ・アッデEmmanuel Kwame Addai)という人物が、自身がガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)に対して述べた事柄がソーシャル・メディアによくある誤りだったと謝罪しました。

※なお、見かけた記事によれば、この自称伝道師さんは有名な人物らしいんですが……誰?

 ともあれ、彼は、アシャンティ王が、「Asamponhene(アシャンティ王の関係者の称号??)が殺された事件の黒幕」「イルミナティとフリーメイソンリーのメンバーの可能性がある」などと言っていたようです。
 動機として、40分以上の動画で「ガーナで最も強力な王について言及してトレンドに乗りたかった」などと供述しており、反省の色はあんまりなさそうです(フリーメイソンリーに対しても謝罪をお勧めします)。

 

 (英語)I just wanted to trend- Evangelist Addai apologises to Otumfuo – GhPage

Kwame EliYAHU:
EVANGELIST ADDAI OFFICIALLY APOLOGIZE TO ASANTEHENE OTUMFOUR OSEI TUTU II – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=R9TGMwxrwMQ

 

記事(英語):アフリカで最も裕福な六人の王。モロッコ王、ナイジェリアのウグボ王・イフェ王、エスワティニ王(スワジランド王)、南アフリカのズールー王、ガーナのアシャンティ王(2020年10月)

 たまにあるタイプの特集記事ですが、アフリカで最も裕福な(収入の多い)六人の王の紹介というものです。
 例によって、国家元首だろうがそうでなかろうが、さして気にされていません。

 六人は金持ち順に、

  1. モロッコ王モハメッド6世陛下(His Majesty the King Mohammed VI of Morocco)
  2. ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主/ウグボ王“オバ”・フレデリック・オバテル・アキンルンタン陛下(His Royal Majesty Oba Fredrick Obateru Akinruntan, the Olugbo of Ugbo)
  3. ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主/イフェ王【オオニorオニ】オジャジャ2世、“オバ”・アデイェイェ・エニタン・オグンウシ陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Adeyeye Enitan Ogunwusi, Ojaja II, The Ooni of Ife)
  4. エスワティニ王ムスワティ3世陛下(His Majesty King Mswati III of Eswatini)
  5. 南アフリカ共和国の伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)
  6. ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)

 このうち、ナイジェリアの二人は同じくヨルバ人に属します。
 また、(上記の収入ランクでは下になっている)イフェ王はヨルバ系君主最高権威の二人のうちの一人で、こちらのほうが格上です。
 イフェ王とガーナのアシャンティ王は、皇帝として称されることもあります。

 

 (英語)Meet the 21st-century filthy rich kings of Africa [ARTICLE] – Pulse Ghana

 

Pulse GhanaさんはTwitterを使っています 「Meet the 21st-century filthy rich kings of Africa https://t.co/9nqOZeVSx9 https://t.co/AwGyHvrzMe」 / Twitter

 

Pulse Ghana – Here are the wealthiest Kings in Africa and… | Facebook

 

婚約(2020年7月27日):プロイセン王子フレデリック殿下(1990年生まれ)とマチルダ・ジョンソン嬢。ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世玄孫、現プロイセン王室当主ゲオルク・フリードリヒ王子殿下の はとこ

 プロイセン王子フレデリック殿下(フレデリック・フォン・プロイセン王子 : Prince Frederick von Preussenフリッツィ・フォン・プロイセンFritzi von Preussen)とマチルダ・ジョンソン嬢(Mathilda Johnsonティリー・ジョンソンTilly Johnson)の婚約が明らかになりました。

 フレデリック殿下は、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世の玄孫で、現プロイセン王室当主ゲオルク・フリードリヒ王子殿下の はとこ にあたります。
 また、プロイセン王室のこの系統は英国に移住しており、英国貴族とも姻戚関係があります。

 

 (英語)Prince Frederick von Preussen and Miss M. Johnson – Engagements Announcements – Telegraph Announcements

 (英語)Peerage News: Engagement of Prince Frederick von Preussen and Mathilda Johnson

 

イタリア王室(アオスタ系統)継嗣/プッリャ公爵【称:アオスタ公爵】アイモーネ公子殿下【ロシア在住】の記事(2020年1月)「イタリアが王政復古するとは思わない」

 イタリア王室(アオスタ系統)の継嗣/プッリャ公爵アイモーネ公子殿下(His Royal Highness Prince Aimone of Savoy-Aosta, Duke of Apulia : His Royal Highness The Duke of Aosta)の記事が出ています。

※本人たちは自分たちが正統と主張しているので、すでに父の称号であるアオスタ公爵を使用しています(ときどき忘れてるんじゃないかと思う時がありますが)。

 なお、殿下は、仕事でモスクワに在住しています。ロシアに住み、イタリア王位に興味はないとする記事が出たこともあります。

 イタリア王室(直系)が継承法を絶対長幼制へ改定したことを受けて、アオスタ系統や支持者は反論を発表しましたが、それはそれとして、アイモーネ殿下のコメントを載せた記事が出ました。

 内容というか根本的な立場がはっきりしないのですが、

  • もうどちらが正統かの論争には参加しない
  • イタリアで王政復古があるとは思わない(アオスタ系の支持者団体はガックリきそうですが……
  • イタリア共和国へ忠誠を誓うことを避ける理由はない
  • 二系統(直系とアオスタ系統)はそれぞれの道を進むだけ

 といったところが今回の主な主張だと思うのですが、一方で子供たちが先祖の伝統を受け継ぐことは望んでいるように受け取れます(先祖の伝統を受け継ごうとする限り、正統論争は避けられないのでは……)。

※末尾に追加しておきますが、イタリア王室(直系)継嗣のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)がこの記事についてコメントしています。

 

 (イタリア語)Aimone di Savoia-Aosta: «Per ora non alimento la polemica». Intanto è guerra di carte tra i Savoia – Corriere.it

 

Corriere della SeraさんはTwitterを使っています: 「Aimone d’Aosta: «Per ora non alimento la polemica». Intanto è guerra di carte tra i Savoia https://t.co/63dUePuzCJ」 / Twitter

 

Aimone di Savoia — Juan Carlos il suo… – Corriere della Sera | Facebook

 

エマヌエーレ・フィリベルト殿下のコメント:
「アイモーネはいいやつだが、この部分はいただけない:『王政復古は起きないだろうし、イタリア共和国へ忠誠を誓うことを避ける理由はない』。彼は彼の選択をした、しかし私はいつでも腕を広げてすべての君主政イベント(この日曜日でローマでおこなうものを含む)で彼を歓迎するつもりだ」

Aimone è una persona per bene, ma mi… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

継嗣/