動画(英語):南アフリカ伝統的君主/ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子が選出された件について、王室評議会の広報へのロング・インタビュー(2021年5月)きわめて興味ぶかい内容

 南アフリカ共和国のロベドゥ王室評議会(Royal Council)が、ロベドゥ人の君主であるモジャジ(Modjadji)または雨の女王(Rain Queen)に、レクケラ・モジャジ王子(Prince Lekukela Modjadji)を選出した件ですが、王室評議会の広報がロング・インタビューに応じています。

 聞き取りにくい英語ながら(前の動画では普通にしゃべっていたので、今回は緊張してどもっているんだと思いますが)、興味深い話が出ています。

※なお、一部が何度聞いてもよくわからないので、以下に書いたことは誤りがある可能性は高いです。その辺りはご承知ください。

 

eNCA:
Modjadji Royal House | Insults rain over throne – YouTube

※動画サムネイルがマサラナボ王女と兄のレクケラ王子です。
 ただ、王女は間違いないのですが、隣はレクケラ王子ではなく おじ のムパパトゥラ摂政王子というキャプションを出しているサイトもあり、不明です。
 若いように見えるので おじ ではないとは思いますが、ただレクケラ王子は要人と会見したことがないという主張もあるので、もしかしたらレクケラ王子ではないかもしれないくらいには思っています。
追記:
 おじのムパパトゥラ摂政王子の写真・映像を確認したところ、この動画サムネイルにきわめて似ているので、おじのほうではないかと思われてきます。まだ、(他の)レクケラ王子の写真などを直接確認していません。

 

 まず冒頭では、下記で紹介した、

 南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子が選出された件について、テボホ・モジャジ=ケカナ王女が猛反論(2021年5月)「皆も大統領もマサラナボ王女が女王となると認めていた」「最後まで戦う」

 とコメントしていた、テボホ・モジャジ=ケカナ王女(Princess Dr Tebogo Modjadji-Kekana)についてインタビュワーから聞かれ、「そんな奴は知らない、どこの(王)家に属しているのか」と驚きの返答をしています。
 地元民からも「誰だあれは!?」と問い合わせがあったそうです。
 要するに彼女は王族を詐称している無関係の人物なのだと言っています

 なんとも謎だらけの展開ですが……。

 同王女は、先代の故・女王マコボ・モジャジ6世Makobo Modjadji VI)の姉妹あるいは いとこ という情報が出ており、それゆえに eNCA もインタビューをおこなったはずです。
 これがとぼけているのでなければ、同王女は長年に渡り自らを「雨の女王」の近親であると偽って多方面に渡って活動して知名度を得ていた(にも関わらず地元は何も気づかず何も言わなかった)ということになりますが……。
 う、うーん。

 また、広報のコメントの内容から、王室評議会が「複数の(王)家」から構成されているのではないか、また広報自体もいずれかの家に所属しており、評議会の一員ではないかということが推測されます。

 

 そして肝心のレクケラ王子を選出した件ですが、

  1. 2005年に女王マコボ・モジャジ6世が崩御した
  2. 幼い子供しかいなかったので、女王のきょうだいムパパダ・モジャジ王子(Prince Regent Mpapada Modjadji)を摂政とした
  3. ムパパダ摂政王子は16年(つまり今年2021年まで)務め、後継者を選出する準備をおこなっていたが、準備が整った(?)と王室評議会に通知したので、王室評議会は後継を選出した

 という説明になるようです。
 ムパパダ王子はムパパトゥラ王子、またはムパパトラ王子(Prince Mpapatla)とも表記されるケースが多いですが、今回聞いた限りではムパパダと言っているように取れます。が、これはあまり気にしなくていいでしょう。間違いなく同一人物です。
 ともあれ、この説明からすれば、摂政の意思によって後継選出が開始された、というようにも取れます。
 同王子は自らの娘を後継の女王に望んでいたとも伝えられていますが、今回の王室評議会への通知は、レクケラ王子を推薦してのものなのか、つまり摂政が甥を選出するように動いたのか、その辺りも気になるところです。
 地元の人からすれば、男の摂政王子から、甥の王子へ君主権が移る、ということになるのかもしれません(わかりませんが)。

 また、どうも王室評議会は、男女八人で構成されている、といっているように取れます。

 

 ここで eNCA のインタビュワーは、昨年(2020年?)2月の、王室評議会の秘書官(?)がインタビューに応じている映像を出します。
 英語字幕によれば、マサラナボ・モジャジ王女(Princess Masalanabo Modjadji)を次期女王にするつもりであり、21歳まで待っているとなります。それ以外には取れません。

※他情報では王女が18歳になるのを待っているというのがありますが、21歳が正しいのかどうかはよくわかりません。

 ともあれ、一年ちょっと前には、王室評議会の関係者が、マサラナボ王女が将来の女王とはっきりいっているわけです。
 なぜこの一年ちょっとで違う決定がなされたのか。
(「王子でも雨を降らせることが出来る」という本質論的な議論は、マサラナボ王女を排除しレクケラ王子を選出する直接の理由にはなりません)

 これについてインタビュワーから問われた広報は、「注意深く聞けば、2005年に出来事があったことと、“プロセス”が~」というよくわからないことを説明し始め、ここからはよくわからないです本当に。王子を選出した理由についても秘匿されるべき重要なことだとしているように聞こえ、説明を拒否しているのとなんら変わらない状況です(もちろん秘匿されるのが伝統であれば秘匿されるべきですが)。

 ただ、王室評議会の歴史は420年と、「雨の女王」の200年を超える伝統があるとしており(本当かどうかはわかりませんが)、また、評議会の決定は覆せないともしています。

 

 さて。
 テボホ・モジャジ=ケカナ王女は本人の主張通りの人物なのか、それとも詐欺師の類なのかという謎が生まれましたが、ともあれ王室評議会周辺の動きはある程度はっきりしてきたように思えます。
 あとは、南アフリカ共和国の中央およびリンポポ州の政治家の反応が待たれます。

 

関連:
 (インデックス)(2021年)南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子殿下が選出された件に関する記事

結婚(2021年5月6日):南アフリカ伝統的君主/ズールー王に指名されたミスズールー王子殿下が、指名(母・摂政マントフォンビ陛下の葬儀の日に遺書で)の前日に結婚(民事婚)していた模様。「結婚していないので王になる資格はない」との批判をかわすためか

 母であるズールー王国摂政(王妃)マントフォンビ・ドラミニ陛下(Her Majesty Queen Regent Mantfombi Dlamini)の遺書でズールー王に指名されたミスズールー・ズールー王子殿下(His Royal Highness Prince Misuzulu Zulu)、あるいはすでにズールー王ミスズールー・シンコビレ・カズウェリティニ陛下(His Majesty King Misuzulu Sinqobile kaZwelithini of Zulu)と呼んだ方がいいのかもしれませんが、ともあれ摂政の葬儀=指名の日の前日に、ントコゾ・マイイセラNtokozo Mayisela)という女性と結婚(民事婚)していたことがわかりました。

 二人の間には、9歳と3歳の王子がすでに誕生しているようです。

 

 さて、この駆け込みでの結婚は、「結婚していないので王になる資格はない」という批判をかわすためか、と思われているようです。

 そうかもしれませんが、しかしここでいくつか疑問が出ます。

 まず、「結婚していないとダメ」という批判は、ズールー王国の伝統から来るものであるはずであり、であれば(南アフリカ共和国の民事婚ではなく)ズールー王国の伝統的な結婚式をおこなわなければ条件を満たさないのではないか、ということです。

 二つ目は、そもそもそんな条件が本当にあるのか、ということです。2021年3月12日に崩御した南アフリカ共和国の伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)の後継候補としては、ミスズールー王子のほかは、第一夫人との間の子息で2020年11月に薨去したレツクツラ・ズールー王子殿下(His Royal Highness Prince Lethukuthula Zuluが挙げられ、レツクツラ殿下も結婚しているという話は出ていません。
 「結婚していないと王になれない」のに、王の後継候補二人が揃いも揃って中年~初老にもなって結婚していないということがあるのかと。

 

 ともあれ、ミスズールー陛下はさらに他に二子を儲けているようで、そのうちの一人の母親である、ムポンド人の王族であるウェジズウェ・シカウ王女(Princess Wezizwe Sigcau)と戴冠式の前に結婚するという予測があるようです。

※なお、ムポンド人の王位を争っていた人物の中にウェジズウェ・シカウWezizwe Sigcau)の名があり、こちらも王女でしょうが、別人……なんでしょう。同一人物ならさすがに記事内で言及されると思います。
関連:
 南アフリカ伝統的君主:憲法裁判所がCTLDCの判断を支持。政府はムポンド人の王をザノズコ陛下だと認める手続きを開始(2018年10月)

 他の王室出身者であるウェジズウェ王女には、結婚後に Great Wife と呼ばれる資格があり、二人の子供であるジュベジズウェニ・シカウ=ズールー王子(Prince Jubezizweni Sigcau-Zulu)をすでに将来のズールー王と見る向きもあるようです。

 

 余談ですが、行政の文書からミスズールー陛下の子供の割り出しをおこなっている人物もいるようで、南アフリカ共和国では個人情報の保護があまりされていないのではないかと思われます。

 

 (英語)Documents show new Zulu King Misuzulu got married last week
 (英語)PIC: MEET ZULU KING'S NEW MAKOTI
 (英語)King Misuzulu kaZwelithini has a bride – reports

南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人に衝撃。モジャジ(雨の女王)にマサラナボ王女ではなく、兄のレクケラ王子が選出(2021年5月)

 南アフリカ共和国のロベドゥ王室評議会は、ロベドゥ人の君主であるモジャジ(Modjadji)または雨の女王(Rain Queen)に、レクケラ・モジャジ王子(Prince Lekukela Modjadji)を選出しました。

 これはほとんど予想されていなかったことで、妹のマサラナボ・モジャジ王女(Princess Masalanabo Modjadji)がいずれは次の雨の女王となると思われており、また南アフリカ共和国政府もそのことを承認し、適切な年齢に達した段階でそうなるであろうというのが一般的な見解でした。
 また、もし対抗馬がいるとしてもこの王子ではなく、きょうだいの母である故・女王マコボ・モジャジ6世Makobo Modjadji VI)の兄で元・摂政のムパパトゥラ王子(Prince Mpapatla)の娘の王女(つまり、いとこの王女)ではないかというのが、これもまた一般的です。理由は、ムパパトゥラ王子が摂政を務めただけでなく、同王子の妻は一族(つまり王女)であるのに対し、マサラナボ王女と今回選出されたレクケラ王子の父は平民だからです。

 今回の記事の中には、「王子でも雨を降らすことができる」とのコメントもありますが、決定の理由がよくわからないところです。

 いずれにせよ、南アフリカ共和国政府およびこのような件を取り扱う CTLDC の反応が気になるところです。

追記:
 即位式は2022年10月の予定。

 

 (英語)Modjadji Rain Queen | Reign of Queens comes to an end | eNCA
 (英語)Modjadji Royal Council announces Prince Lekukela as successor of the Balobedu tribe – SABC News – Breaking news, special reports, world, business, sport coverage of all South African current events. Africa's news leader.
 (英語)Prince Lekukela Modjadji ascends to Balobedu royal family throne – instead of his sister Masalanabo | News24

 

関連:
 (インデックス)(2021年)南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子殿下が選出された件に関する記事

崩御した南アフリカ伝統的君主/ズールー摂政(王妃)マントフォンビ陛下の遺書が読み上げられ、子息のミスズールー・ズールー王子殿下がズールー王に指名される(2021年5月)

 2021年4月に崩御した南アフリカ共和国のズールー王国摂政(王妃)マントフォンビ・ドラミニ陛下(Her Majesty Queen Regent Mantfombi Dlamini)の遺書が読み上げられ、マントフォンビ陛下と2021年3月12日に崩御した南アフリカ共和国の伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)の間の長男で、故ズールー王の息子の中で生存している中では最年長と思われるミスズールー・ズールー王子殿下(His Royal Highness Prince Misuzulu Zulu)がズールー王に指名されました。
 すでに即位した=王であると言い切ってしまっていいのかどうかよくわかりませんが、戴冠式の日取りは未定。

※なお、名前の表記がこれから変わる可能性があります。

 今回の指名の有効性に対し、一部王族からは批判が出ているようです。
 また、あくまで南アフリカ共和国内の出来事なので、最終的に南アフリカ当局が同王子のズールー王即位を承認するかどうかという問題もあります。

 が、おそらくですが、このままミスズールー王子がズールー王となるのではないでしょうか。
 シンプルに言って、他に人がいないと思われる状況でもあります。

 情報ではミスズールー王子には一子がいるようですが、結婚していないとも言われており、そうだとするとこの子息にはズールーの王子・次のズールー王となる資格は認められていないかもしれません。

 

eNCA:
Will names Prince Misuzulu as king – YouTube

 

 (英語)Prince Misuzulu Zulu announced as preferred new AmaZulu King | eNCA

eNCAさんはTwitterを使っています 「Prince Misuzulu Zulu announced as new AmaZulu King https://t.co/i4jsLp63g9」 / Twitter

 

Siphamandla GogeさんはTwitterを使っています 「#RipQueenMantfombiDlaminiZulu Adv Madonsela SC, Queen Mantfombi's legel representative arrives KwaKhangelamankengane Royal Palace for the reading of the will. Also present is Adv Mshololo, one of the Queen's lawyers. #eNCA https://t.co/q2oCTLfr70」 / Twitter

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「[ON AIR] Family gathers to hear Queen's will. #DStv403 #RIPQueenMantfombi https://t.co/veaLDFT71o」 / Twitter

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「[ON AIR] Cultural expert Pitika Ntuli joins @SallyBurdettSA to unpack what happened at the royal palace. #DStv403 #RIPQueenMantfombi https://t.co/nfNDGHr466」 / Twitter

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「Armed bodyguards whisked Prince Misuzulu away from the palace. #RIPQueenMantfombi #DStv403 https://t.co/Te2J0XfBD7」 / Twitter
https://twitter.com/eNCA/status/1390732461609529348

 

Siphamandla GogeさんはTwitterを使っています 「#PrinceMisuZulu The moment Prince MisuZulu was whisked away. #eNCA https://t.co/ak40A8sXCq」 / Twitter
https://twitter.com/SiphamandlaGoge/status/1390731763312431110

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「Celebrations at the royal palace after Prince Misuzulu was named as the preferred new AmaZulu King. #DStv403 https://t.co/q3JmogDDi2」 / Twitter

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「AmaZulu Queen Regent Mantfombi Dlamini-Zulu picked Misuzulu, her eldest son, to succeed King Goodwill Zwelithini. #DStv403 https://t.co/aiWgzlX5hW」 / Twitter
https://twitter.com/eNCA/status/1390735182278406150

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「Prince Misuzulu has been named as the preferred new AmaZulu King. AmaZulu Queen Regent Mantfombi Dlamini-Zulu's will was read out a while ago. #DStv403 https://t.co/CMxLXD7CZk」 / Twitter

 

 (英語)Prince Misuzulu Zulu named new Zulu king
 (英語)Prince Misuzulu calls for unity in royal family and nation
 (英語)BREAKING: Prince Misuzulu Zulu announced the new preferred Zulu King

 

THE AFRICAN ROYAL FAMILIES 👑🌍はInstagramを利用しています:「HM King Misuzulu Sinqobile kaZwelithini of Zulu kingdom, Zulu people, South Africa Bayede Wena WeNdlovu Long live the king Long reign…」

リヒテンシュタイン公子エマヌエル殿下(1978年生まれで公位継承順位第25位の人物か?)が、ルーマニアで巨大熊を撃ったとして問題となっている模様(2021年3月~5月)

 BBC などの報道によりますと、オーストリア在住のプリンス・エマヌエル・フォン・ウント・ツー・リヒテンシュタイン(Prince Emanuel von und zu Liechtenstein)という人物が、ルーマニアで2021年3月に、人里離れた場所にいた巨大熊を撃って殺したとして環境団体から批判を受けているようです。
 ルーマニアでは、人間に危害を及ぼしている/及ぼす可能性のある個体に関しては事前に申請をおこなえばその個体を撃つことは可能のようで、同地では別の熊に関してそのような訴えがなされていたようです。
 記事内からは訴えを悪用して、無許可な趣味の狩猟(トロフィー・ハンティング)がおこなわれた可能性があるように思えます。また、公的機関によって調査がおこなわれているようです。
 この熊は、環境団体などが動向を把握している個体の中では、ルーマニアで一番大きいのみならず、欧州でもっとも大きい熊の一匹(あるいは欧州連合内でもっとも大きい)ではないかということです。

 件のプリンスが誰なのか確定できませんが(リヒテンシュタイン家にはエマヌエルを名前に含む人物が現在でも複数人いるため)、リヒテンシュタイン家の所有する城があるリーガースブルク(Riegersburg)の居住者ということです。
 おそらくは1978年生まれでリヒテンシュタイン公位継承順位第25位のリヒテンシュタイン公子エマヌエル殿下ではないかとみられています。

 リヒテンシュタイン公世子アロイス殿下の「office」(国家元首を代行しているのでどこのことやらまったくわかりませんが)、今回の“私的で個人的な出来事”の背景については把握していないものの、環境保護はリヒテンシュタイン家がもっとも熱心に取り組んでいる問題のひとつだとしています。

 

 (英語)Prince blamed for shooting one of Europe's biggest bears – BBC News
 (英語)Agent Green: A prince from Austria shot the biggest bear in Romania | Romania Insider