レバノン総選挙:アルスラーン家当主タラール・アルスラーン公殿下は再選、閣僚に留任するかどうか(2018年5月)

 2018年5月6日におこなわれたレバノン共和国総選挙で、現職のタラール・アルスラーン公殿下(His Highness Prince【Emir】 Talal Arslan)は再選した模様です。
 閣僚にとどまるかどうか注目です。

 タラール・アルスラーン殿下は、イスラム教系のドゥルーズ派の有力家門アルスラーン家の当主です。

 称号が用いられるときは、報道や政界(対立する政治家からも)ではアラビア語では「アミール」が使用されます。
 この「アミール」は英語で「Emir」または「Amir」とされる「首長」と同じものですが、一方タラール・アルスラーン殿下の場合、英語では「プリンス【Prince】」と書かれることもあります(アミールとプリンスは同義ではありませんが、西欧のプリンスがアミールと呼ばれる場合もあります)。
 タラール・アルスラーン殿下の場合、英語記事では Prince とされているほうが多い(と思う)ので「首長」ではなく「公」と書いています。

 

 称号の混乱(?)ぶりはたとえば、こちらの記事では、
Talal Arslan

Talal Arslan is a Lebanese politician who is better known as Prince Talal Arslan.

 本人は Prince とし、

Talal is the son of the former leader Amir Majid Arslan .

 亡父は Amir となっているなどがあります。

 

 敬称については、「His Highness【殿下】」ですが、報道などではあまり使用されているのを見かけない気がします。

 

モナコ公アルベール2世殿下が、カナダ首相ジャスティン・トルドー閣下を訪問(2018年5月)

 モナコ公アルベール2世殿下(His Serene Highness Prince Albert II, Sovereign Prince of Monaco)が、カナダ首相ジャスティン・トルドー閣下(The Right Honourable Justin Trudeau, PC, MP)を訪問したようです。

 

 (英語)Prince Albert of Monaco visits Canada where he is received by Prime Minister – Royal Central

 

 (写真一覧)Belga Image | CANADA MONACO DIPLOMACY TRUDEAU ALBERTII

 

CanadianPMさんのツイート: "Prime Minister Justin Trudeau meets with His Serene Highness Prince Albert II of Monaco on Parliament Hill in Ottawa.… https://t.co/T0FVIM0MiA"

 

勲章かなにかのカンファレンスで、ポルトガル王室当主ブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下が話している動画(2018年4月)

 ポルトガル王室(ブラガンサ家)当主のブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下(His Royal Highness Duarte Pio, Duke of Braganza)が、勲章かなにかのカンファレンスで話している部分の映像のようです。

 

動画より、ドゥアルテ・ピオ殿下:

 

monarquia.tv:
VII SEMINÁRIO INTERNACIONAL DE FALERÍSTICA I SAR O SENHOR DOM DUARTE PIO DE BRAGANÇA – YouTube

 

第80代マルタ騎士団総長に、ジャコモ・ダッラ・トッレ・デル・テンピオ・ディ・サングイネット副長が選出される(2018年5月)

※この記事はキリスト教 高位聖職者のニュースと重複します。

 

 2018年5月2日、マルタ騎士団は、本部官邸にて総長または代行を選出する評議会をおこない、“フラー”・ジャコモ・ダッラ・トッレ・デル・テンピオ・ディ・サングイネット副長(総長代行 : The Lieutenant of the Grand Master, Frà Giacomo Dalla Torre del Tempio di Sanguinetto)を第80代マルタ騎士団総長に選出した模様です。
 これまで任期1年の副長として務めてきましたが、終身の総長となります。

 

 (英語:マルタ騎士団公式サイト)Fra’ Giacomo Dalla Torre del Tempio di Sanguinetto elected 80th Grand Master of the Sovereign Order of Malta – Order of Malta

 

Order of Maltaさんのツイート: "Fra’ Giacomo Dalla Torre del Tempio di Sanguinetto is the 80th Grand Master elected today by the Council Complete of State in Rome. #OrderofMalta https://t.co/PWAyVhxbxz… https://t.co/4FHdHGv2kx"

 

Order of Malta – Fra’ Giacomo Dalla Torre del Tempio di… | Facebook

 

 (英語)Order of Malta elects new Grand Master: Fra' Giacomo Dalla Torre | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Order of Malta elects new Grand Master: Fra' Giacomo Dalla Torre – YouTube

 

Order of Malta | Official Channel(マルタ騎士団公式チャンネル):
Council Complete of State of the Sovereign Order of Malta – YouTube

Fra’ Giacomo Dalla Torre elected 80th Grand Master of the Order of Malta – YouTube

 

アルゼンチンのClarín【クラリン】(スペイン語)が、アラウカニア・パタゴニア王国の二人の王位継承者など、現状に関する記事を掲載(2018年4月)

 アルゼンチン共和国の有力紙 Clarín【クラリン】 の公式サイトに、「Dos franceses se pelean por un "reino" mapuche」と題した、アラウカニア・パタゴニア王国の二人の王位継承者など、(ほんの少しだけ歴史と)現状に関する記事が掲載されているようです。

※正直、驚きました。

 

 (スペイン語)Dos franceses se pelean por un "reino" mapuche

 

 アラウカニア・パタゴニア王国というのは、オルリー=アントワーヌ1世アントワーヌ・ド・トゥナン)という人物が、アルゼンチンとチリのあたりに住んでいるマプチェ族の国家として建国したかった王国のことですが、その試みは失敗し(とはいえ実際の国家の設立としての要件は満たしていたんじゃないかとか、最近では当時のアルゼンチンとチリの政府によるマプチェ族弾圧の実態からの王国再評価などもあったり、といろいろ話題はあります)、現在でも活動している人々がいます(記事中にもあるように「構成員は白人がほとんど」などの問題が多数あったり、そもそも現在王室当主を称している人物たちがマプチェ族の言葉どころかアルゼンチンやチリのスペイン語もしゃべれなかったり、とそういうことはありますが)。

 今回のこの記事では、2018年3月24日の摂政会議においてフレデリック1世殿下(His Royal Highness Prince Frédéric I)が選出されたことと、その先代のアントワーヌ4世公殿下(His Royal Highness Prince Antoine IV : サン・ペドロ・デ・フエイウスコ公爵 : Duke of San Pedro de Hueyusco : ジャン=ミシェル・パラシリティ・ディ・パラJean-Michel Parasiliti di Para)の時代から対立公となっているアラウカニア・パタゴニア公スタニスラス1世【スタニスラス・パルビュレスコ】殿下(キディコ子爵 : His Royal Highness Stanislas I【Stanislas Parvulesco】, Prince of Araucania and Patagonia, Viscount of Quidico)を中心に添えつつ、現状などを述べるものです。が、背景知識がないとさっぱりわからないのでは……。
 なお、もう一人の対立者であり、“プリンス”などを称さないものの王室当主を称しているフランソワ・ドゥ・ラ・ガルド氏(François de La Gardeフィリップ・オルリーPhilippe Orllie)については言及がありません(支持者いなさそうだし……)。

 ちなみに記事写真、冒頭=一枚目の若い男性が、対立公のスタニスラス1世殿下(スペイン語なのでエスタニスラオ1世Estanislao I)、
 二枚目のメダルなどをかけているある程度高齢の男性が、選出されたフレデリック1世殿下(スペイン語なのでフェデリコ1世Federico I)、
 です。

 

追記:
 なお、フレデリック1世およびスタニスラス1世の二人ともフランス王ジャン2世の子孫を称しており、スタニスラス1世のほうは系譜の情報もあります。