2020年10月1日、ベルギー王国裁判所は、前ベルギー王アルベール2世陛下(His Majesty King Albert II of Belgium)の娘であることが確定したデルフィーヌ・ボエル(Delphine Boël)をベルギー王女(Princess of Belgium)であると認めた模様です。
これにより、ベルギー王女デルフィーヌ殿下(Her Royal Highness Princess Delphine of Belgium)という表記が正式なものとなります。
これはデルフィーヌ王女殿下側から他の きょうだい と同等の扱いを受けたいという請願が出ていたものを受けての決定です。
※なお、裁判所の判断の理由がはっきり書いていないのですが、そもそも勅令が婚姻外の子供であっても称号と敬称は保有すると解釈できるという見解もあったため、別に裁判所の判断の必要なく(必要なくというか裁判所は事実の確認をしただけでアルベール2世の子供と判断された時点で)王女なのかもしれません。
またデルフィーヌ王女殿下の二人の子供、ジョゼフィーヌ・オヘア(Joséphine O’Hare)とオスカル・オヘア(Oscar O’Hare)も(O’Hare のベルギーでの発音はよくわかりませんが)、それぞれベルギー王女ジョゼフィーヌ殿下(Her Royal Highness Princess Joséphine of Belgium)、ベルギー王子オスカル殿下(His Royal Highness Prince Oscar of Belgium)となった、ということのようです。
(英語)Daughter of Belgium's former king wins long battle to become princess
(英語)From illegitimate daughter to Her Royal Highness – Princess Delphine’s road to recognition – Royal Central
(英語)Belgium gains a new Princess as King Albert’s illegitimate daughter is granted title – Royal Central
(英語)Why exactly is King Albert’s illegitimate daughter now titled ‘princess’? – Royal Central
(英語)EDITORS’ DEBATE: Should Delphine become a Princess of Belgium? – Royal Central
(英語)A muted reaction from Belgium’s press on the appearance of a new princess – Royal Central
(フランス語)Delphine Boël devient officiellement princesse de Belgique – La Libre
(オランダ語)Na jarenlange strijd om erkenning: Delphine Boël nu officieel prinses van België | Royalty | Showbizz | HLN
デルフィーヌ王女殿下の姓は、オランダ語ではファン・サクセン=コブルフ(Van Saksen-Coburg)、フランス語ではド・サクス=コブール(Delphine De Saxe-Cobourg)、ドイツ語ではフォン・ザクセン=コーブルク(Von Sachsen-Coburg)となるようで(“ゴータ”へ言及している部分もありますが……)、子供二人の姓は引き続きオヘア(O’Hare)のようです(なお、それぞれの言語でどう発音するかはわかりません。最近は言語ごとに変えないことも多いですし……)。
デルフィーヌ王女殿下の、他の きょうだい と同等の扱いを受けたいというのがどの範囲のことを示しているのかはわかりませんが、王室予算はもちろんのこと、もしかしたらベルギー王位継承権におよぶかもしれず、この件はまだまだ続くかもしれません。
続報:
映像(2020年10月5日):ベルギー王女となったデルフィーヌ・ボエルの記者会見の映像 – 世界の王室ニュース
ベルギー王フィリップ陛下が、異母妹・ベルギー王女と認められたデルフィーヌ殿下と会見(2020年10月)
前ベルギー王アルベール2世陛下夫妻が、アルベール2世の婚姻外の子供であると確定したベルギー王女デルフィーヌ殿下と会見(2020年10月)