即位式(2018年9月22日):ナイジェリア伝統的君主/オム=アラン王アブドゥルラヒーム・オラデレ・アデオティ陛下の即位式がおこなわれた模様

 2018年9月22日、ナイジェリア連邦共和国クワラ州の伝統的君主の一人、オム=アラン王(Olomu of Omu-Aran)“アルハッジ”・アブドゥルラヒーム・オラデレ・アデオティ陛下(Oba Alhaji Abdulraheem Oladele Adeoti)の即位式がおこなわれた模様です。
 9月7日にクワラ州政府に承認されていました。

 

 (英語)Excitement At Installation Of New Olomu — Leadership Newspaper

 

 記事によりますと、即位した新たなオム=アラン王は1956年9月22日生まれの62歳(即位式を誕生日にあわせたのでしょうか??)。

 新たな王の即位式において重要な役割を果たした首長として、
 コラ・ファビイ首長(Chief Kola Fabiyi, The Asanlu-Aran of Omu-Aran)、
 ガニユ・オラボラ首長(Chief Ganiyu Olabola, The Olukose of Omu-Aran)、
 ジャミウ・アブドゥルサラム首長(Chief moh. Jamiu Abdulsalam, Oluju of Omu-Aran)、
 新王の紹介をおこなったジデ・オラニイ・アデバヨ首長(Chief Jide Olaniyi Adebayo, The Eesa of Omu-Aran)、
 即位と戴冠の儀式をおこなったアブドゥラジーズ・アデニイ首長(Chief Abdulazeez Adeniyi, The Chief Oluponna of Omu-Aran)、
 が挙げられています。
 この首長たちが第二級伝統的統治者かどうかはわかりません。
※上の四人は新しい王が決まってから選んだようにも取れる書き方ですが……

 このほか、イスラム教の導師とキリスト教の聖職者が統治の成功を祈った模様。
 地元の状況はよくわかりませんが、王の管轄地域では、人口15万人で民族構成も一様ではないようです。

 そして最近のアフリカ伝統的君主の恒例ですが、新しい王は地域の経済発展などを目指す考えを述べました。

 

ナイジェリア伝統的君主:イジュ王にランレ・スンモヌ王子が承認された模様(2018年9月~10月)“三統迭立”のようです

 ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主のひとつ、イジュ王(Oniju of Iju)にランレ・スンモヌ王子(Prince Lanre Sunmonu)が承認された模様です。

※イジュ王と書きましたが、「Oniju of Iju Ogundimu(イジュ・オグンディム王)」や「Oniju of Iju Ogundimu Omolomo(イジュ・オグンディム・オモロモ王)」とも表記されています。長いほうが正式なのか、そのあたりがいまいちよくわからないのと、目がチカチカするので短く書いておきます。

 ランレ・スンモヌ王子ですが、下記二つの記事のうち、上の記事の短い表記から取りました。
 ほかに、
 オランレワジュ・タジュデエン・アディオ・スンモヌ=アグベビ王子(Prince Olanrewaju Tajudeen Adio Sunmonu-Agbebi)、
 アディオ・オランレワジュ・スンモヌ王子(Prince Adio Olanrewaju Sunmonu)、
 下の記事では、
 オランレワジュ・アディオ・タジュデエン・スンモヌ・アグベビ王子(Prince Olanrewaju Adio Tajudeen Sunmonu Agbebi)、
 と表記されています。

 

 (英語)Family Elects Oduaa People's Union General Secretary, Prince Lanre Sunmonu-Agbebi As The Next Oniju Of Iju Ogundimu, To Succeed Late Oba Elijah Olanire –
 (英語)New monarch for Ogun community – The Nation Nigeria

 

 イジュ王ですが、同記事によると、三つの王家が存在し、ローテーションで務めるということになっているようです。
 三つの家は、「Ogundimu(オグンディム)」「Ilupokiki(イルポキキ)」「Aganran(アガンラン)」です。

※Ogundimu(オグンディム)だけ王の称号の長い表記に含まれていますが……。

 上記の下の記事によりますと、2月12日に崩御したイライジャ・オランイレ陛下(His Royal Majesty Oba Elijah Olanire)がオグンディム家であり、今回はイルポキキ家、次はアガンラン家から出る、とイルポキキ家当主の“ハッジ”・ラモン・アデソジ・アサル王子(Hadji Prince Ramon Adesoji Asalu)が語っています。このことからそれぞれの当主が王をローテーションするわけではなく、順番が回ってきたら成員の中から選ぶようです。

 また、“ハッジ”カモルデエン・アデオス・アサル王子(Prince Hadji Kamorudeen Adeosu Asalu)によりますと、今回選出されたランレ・スンモヌ王子はオグン州のオタ王(Olota of Ota)の子孫のようです。また、オタ王の候補に名が挙がったこともある模様(イルポキキ家は全員オタ王の子孫なのかもしれません)。

 

 そもそものイジュ王はどこの州の管轄下なのかですが、ラゴス州のイファコ・イジャイイェ地方行政区が担当しているようです。

※(グーグルマップより画像キャプチャして貼り付け)左側が9月29日にイルポキキ家によって選出がおこなわれたらしい場所、右側が地方行政区:

 ご覧のように州境があります。イジュ王の管轄地域が広いのか(それにしては同族のオタ王という存在もすぐそこにいるようですが)なんなのかわかりませんが、三統迭立状態であることも含めて、ややこしそうではあります。

 

追記:
 複雑な状況ばかり気にしてましたが、よく考えると、一族の複数人が Prince(王子)称号付きで記載されているというのもナイジェリアでは珍しいような気がします。

 

英国王室のチャールズ皇太子殿下夫妻が10月31日~11月8日にかけてガンビア、ガーナ、ナイジェリアを訪問(2018年9月)ガーナではアシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下を訪問の予定

 2018年10月31日~11月8日にかけて、英国王室【イギリス王室】のウェールズ公チャールズ皇太子殿下(Prince Charles : His Royal Highness The Prince of Wales)とコーンウォール公爵夫人カミラ妃殿下(Camilla : Her Royal Highness The Duchess of Cornwall)は、ガンビア共和国、ガーナ共和国、ナイジェリア連邦共和国を訪問する予定だそうです。

 10月31日に、ガンビア共和国に到着。ガンビア共和国大統領アダマ・バロウ閣下(His Excellency Adama Barrow)の出迎えを受けます。

 11月2日に、ガーナ共和国に到着。ガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)らの出迎えを受けます。
 両殿下は同国第二の都市クマシのマンヒヤ宮殿【マンヒア宮殿】を訪問し、アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)と会見予定。

 11月6日、ナイジェリア連邦共和国に到着。ナイジェリア連邦共和国大統領ムハンマド・ブハリ閣下(His Excellency Muhammadu Buhari GCFR)の出迎えを受けます。
 同国では、伝統的君主、経営者、芸術・ファッション関係者、軍関係者、慈善事業関係者との会見が予定されています。

 チャールズ皇太子殿下が英連邦の次期元首に決定(2018年4月)して以降、その構成国を訪問するのは初めてです。
 また、両殿下のガンビア訪問は初となるようです。

 

 (英語・クラレンス・ハウス/チャールズ皇太子公式サイト)The Prince of Wales and The Duchess of Cornwall will visit The Gambia, Ghana and Nigeria | Prince of Wales

The Asantehene (King of the Ashantis), His Majesty Osei Tutu II.

 チャールズ皇太子殿下の公式サイトで、「アシャンティ王、オセイ・トゥトゥ2世陛下」と表記されました。

 

 (英語)Prince Charles visits Ghana on November 2 – Graphic Online

 

Clarence Houseさんのツイート: "Just announced: The Prince of Wales and The Duchess of Cornwall will visit The Gambia 🇬🇲, Ghana 🇬🇭 and Nigeria 🇳🇬 from 31 October – 8 November. The visits will highlight the importance of the countries’ Commonwealth ties.… https://t.co/qcSD61ag6Y"

 

ガッサーン朝後継を称する殿下が英国のロンドンで、ナイジェリア・オシューン州の伝統的君主/エティ=オニ王ドクン・トンプソン陛下と夕食(2018年9月)

 ガッサーン王朝の後継を称しているガッサーン王子ガリオス・エル・シェモル殿下(His Royal Highness Prince Gharios El ChemorAl-Nu’man VIIIアル・ヌーマーン8世)は、ナイジェリア連邦共和国オシューン州(オスン州 or オシュン州)の伝統的君主のひとり、エティ=オニ王ドクン・トンプソン陛下(His Royal Majesty Oba Dokun Thompson, The Oloni of Eti-Oni)と夕食を共にしたようです。

 

 (英語)Prince Gharios El Chemor meets the King of Eti Oni – THE ROYAL HERALD

 

Prince Gharios El Chemorさんのツイート: "Having dinner with my dear friend His Majesty King Oba Dokun Thompson of Eti Oni at Les Chinois restaurant in London #ilovelondon… https://t.co/qZxSShWbo5"

 

HRH Prince Gharios El Chemor of Ghassan… – HRH Prince Gharios El Chemor of Ghassan Al-Nu'Man VIII | Facebook

 

ナイジェリア伝統的君主:イバダン王【90歳】が、王の許諾なしにオヨ州政府に新たに“王”として認められた首長らの一人【80歳以上?】の発言を批判(2018年9月)「80歳を超えても年上を侮辱せずに意見を言えんのか」みたいな年長者有利な理屈も

 すでにお伝えしている、ナイジェリア連邦共和国オヨ州で、イバダン王国内の多数の首長がイバダン王の許諾なしに“王”になった件ですが、

関連:
 ナイジェリア伝統的君主:イバダン王サリウ・アカンム・アデトゥンジ陛下の90歳祝賀式典がおこなわれる(2018年8月)
 ナイジェリア伝統的君主:イバダン王国で昨年【2017年】オヨ州政府に新たに“王”として認められた多数の首長(21人?)が、これを認めた現職州知事らを批判している元・州知事の上院議員(かつ同王国の上位の首長のひとり)を非難「嫉妬だ!」(2018年9月)

 余波はまだまだ続いているようです。

 イバダン王“オバ”・サリウ・アカンム・アデトゥンジ陛下(His Royal Majesty【His Imperial Majesty】 Oba Saliu Akanmu Adetunji, the Olubadan of Ibadan)は、文化的活動をおこなっている若者ら(?)との会見で、“王”の一人を批判したようです。

 

 (英語)“You are rude, verbally reckless”, Olubadan tells new kings – Daily Trust
 (英語)CHIEFTAINCY CRISIS: Peace moves stalled as Olubadan tackles Oba Olakulehin – Vanguard News
 (英語)Olubadan attacks Oba Olakulehin over comment – Punch Newspapers

 

※報道関係も、州政府が“王”として認定したのだからと第一級伝統的統治者の “Oba” を彼らに使用するところと、なるべくそれを避けようとしているところがあります。

 

 前回の記事で、イバダン王国の11人の上位首長の称号を並べましたが、

 Otun Olubadan
 Osi Olubadan
 Asipa Olubadan
 Ekerin Olubadan
 Ekarun Olubadan
 Balogun
 Otun Balogun
 Osi Balogun
 Asipa Balogun
 Ekerin Balogun
 Ekarun Balogun

 このうちの「Balogun」、すなわち、
 オウォラビ・オラクレヒン陛下(His Royal Majesty Oba Owolabi Olakulehin, The Balogun of Ibadan【Ibadanland】)、
 が、声明を発表していたようで(ニュースを見逃したかもしれません)、イバダン王に対して「誰か私が言っている英語を“翻訳”して彼に伝えてくれればすべて問題はおさまる」と、イバダン王は(英語では)まともなやり取りもできないと受け取られるような表現を使用していた模様です。
 これに対し、イバダン王は、なにも誰かに翻訳してもらわんでもアメリカにもヨーロッパにも仕事でいったことがあるわい、と、売り言葉に買い言葉の様相を呈してはいますが、反応を返しています。

 前回の記事は主に、新しい王様たちのうち、
 レカン・バログン陛下(His Royal Majesty Oba Lekan Balogun, The Otun Olubadan of Ibadan)、
 による、同じ上位首長である元オヨ州知事・上院議員ラシーディ・アデウォル・ラドジャ(High Chief Rashidi Adewolu Ladoja, The Osi Olubadan of Ibadan)への批判の話でしたが、イバダン王「Olubadan」に次ぐ格式らしい「Otun Olubadan」と「Balogun」が先頭に立って(?)、問題を穏健に解決するつもりはまったくなさそうではありますが、意見を表明しているようにみえます。

 

 なお、今回の記事で気になったのは、イバダン王がオラクレヒン陛下(Balogun of Ibadan)への批判として述べた中に、オラクレヒン陛下がラドジャ上院議員のほかにも、多数の人物と過去に対立しているそうで、その相手の中に、
 アミドゥ・アジバデ陛下(His Royal Majesty Oba Amidu Ajibade, The Ekarun Olubadan of Ibadan【Ibadanland】)、
 の名前もあります。
 (イバダン王はもちろんこの人物を王とは認めていませんが)この方は、今回の騒動で新しく“王”になっており、前回の記事でラドジャ上院議員批判声明に名を連ねていました。
 いつのまにやら仲良くなったようですが、王様になれるならと態度を変えたのか、ほかに複雑な事情でもあるのか。

 

 また、11人の上位首長のうち「Ekerin Olubadan of Ibadan」の地位にあるのがビオドゥン・コラ=ダイシ(High Chief Biodun Kola-Daisi)という名前だという情報もあります。
 この人物は最近オラクレヒン陛下に罵られていたようなので、たぶん“王”になっていないと思いますが……。

 

 そんなわけで11人のうち、

 “王”になった:
 レカン・バログン陛下(His Royal Majesty Oba Lekan Balogun, The Otun Olubadan of Ibadan)、
 アミドゥ・アジバデ陛下(His Royal Majesty Oba Amidu Ajibade, The Ekarun Olubadan of Ibadan【Ibadanland】)、
 エッディー・オイェウォレ陛下(His Royal Majesty Oba Eddy Oyewole, The Asipa Olubadan of Ibadan【Ibadanland】)、
 オウォラビ・オラクレヒン陛下(His Royal Majesty Oba Owolabi Olakulehin, The Balogun of Ibadan【Ibadanland】)、
 タジュデエン・アジボラ陛下(His Royal Majesty Oba Tajudeen Ajibola,The Osi Balogun of Ibadan【Ibadanland】)、
 ラテエフ・グバダモシ・アデビンペ陛下(His Royal Majesty Oba Lateef Gbadamosi Adebimpe, The Asipa Balogun of Ibadan【Ibadanland】)、

 たぶん王になっていない:
 ビオドゥン・コラ=ダイシ(High Chief Biodun Kola-Daisi, The Ekerin Olubadan of Ibadan【Ibadanland】)、

 王になっていない:
 ラシーディ・アデウォル・ラドジャ(High Chief Rashidi Adewolu Ladoja, The Osi Olubadan of Ibadan【Ibadanland】)、

 不明:
 「Otun Balogun」、「Ekerin Balogun」、「Ekarun Balogun」

 です。

 イバダン王も含めて全員高齢だと思うのですが、このような批判というかなんというかを繰り返していて、この問題は一年以上続いているのになぜまだ健康なのか逆に不思議になります(そういう方々が生き残るのか……?)。