英語(謎の記事):世界の(理屈上というか名目上というか)土地保有面積トップ10の人物たち(2021年3月)

 世界の土地保有面積(個人)トップ10の人物たちを軽く紹介しますよ、というような記事を見つけました。

 所有というか、理屈上持っているという人々のランキングなので、「国の土地はすべて王様のものだ」という(理屈がいちおうあるんじゃないかと思われる)国の君主ばかりになっています。

 

 (英語)These Are The 10 Largest Individual Landholders – ValueWalk

10. King Letsie III of Lesotho
9. King Jigme Khesar Namgyel Wangchuck of Bhutan
8. King Abdullah II of Jordan
7. King Gyanendra of Nepal
6. Sultan of Oman
5. King Maha Vajiralongkorn of Thailand
4. King Mohammed VI of Morocco
3. Pope Benedict
2. King Abdullah of Saudi Arabia
1. Queen Elizabeth II

10位 – レソト王レツィエ3世陛下(His Majesty King Letsie III
9位 – ブータン王ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク陛下(Jigme Khesar Namgyal Wangchuck : His Majesty The King of Bhutan)
8位 – ヨルダン・ハシェミット王国国王アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン陛下(アブドゥッラー2世アブドラ国王 : King Abdullah II bin Al-Hussein : His Majesty the King of the Hashemite Kingdom of Jordan)

 国などの面積のランキングみたいなものになっているのでは……という気がして7位を見ると。

7位 – (旧)ネパール王ギャネンドラ陛下(His Majesty King Gyanendra of Nepal)

 記事内容に廃位されたという言及がありません。
 そして廃位に言及がない一方、文章からリンクしている先はアルジャジーラの今年のネパール王政復古運動の記事です。
 参照した情報が古かったでは説明できないおかしさです。

 

 以降、6位~4位は、オマーンのスルタン、タイ王国国王、モロッコ王と続くのですが、なぜか3位に唐突に(前のローマ教皇の)ベネディクト教皇(Pope Benedict)の名前が出てきています。

 そして、2位はサウジアラビア王(追記:故・アブドッラー王の名になってますね)、1位はエリザベス2世陛下、となっています。

マレーシア国王アブドゥラ陛下が各国大使を接受、信任状の捧呈を受ける(2020年12月)

 2020年12月8日、マレーシア第16代国王アブドゥラ陛下(His Majesty Al Sultan Abdullah Ri’ayatuddin Al-Mustafa Billah Shah Ibni Sultan Haji Ahmad Shah Al-Musta’in Billah, The Yang di-Pertuan Agong XVI : パハン州スルタン)は、11ヶ国および欧州連合のマレーシア駐箚特命全権大使を接受、信任状の捧呈を受けました。

 11ヶ国は、フィンランド共和国、デンマーク王国、ハンガリー、モーリシャス共和国、インドネシア共和国、フランス共和国、ドイツ連邦共和国、チリ共和国、ニュージーランド、ベトナム社会主義共和国、バングラデシュ人民共和国、です。

 

 (英語)King receives credentials of 12 foreign envoys to Malaysia

 

Istana Negara – 8 Disember 2020 – KDYMM Seri Paduka… | Facebook

 

訃報(2020年11月28日):南アフリカ伝統的君主/バフォケン王太后セマネ・ボノロ・モロトレギ陛下が崩御(?~2020)ボツワナのマングワト王族(大統領を二人出している)出身の模様

 日付が確定できていませんが(追記:11月28日のようです)、南アフリカ共和国のバフォケン王太后セマネ・ボノロ・モロトレギ陛下(Her Royal Majesty Queen Mother Semane Bonolo Molotlegi)が崩御したという情報が出ています。

※アフリカの「クイーン・マザー(Queen Mother)」は必ずしも王の母であることを示しませんが、現在のバフォケン王レルオ・モロトレギ陛下(Kgosi Leruo Molotlegi)および先代の故モルワネ・モロトレギ陛下(Kgosi Mollwane Molotlegi)の母親であるようです。

 また、記事からはボツワナ共和国のマングワト王族出身の模様ですが……。
 eNCA によると、イアン・カーマ(元)ボツワナ大統領の父方のおば(She is the paternal aunt of former Botswana president Ian Khama)だそうです。
 そうなると、故セレツェ・カーマ大統領の姉妹で、マングワト王セコマ2世の娘となります。
 一方、THE AFRICAN ROYAL FAMILIES は「(元ボツワナ大統領・現マングワト王イアン・カーマのおば)aunt to the current Kgosi Ian Khama of baMangwato, former president of Botswana」としながらもその前の文章で「the (摂政ツェケディ・カーマの娘)daughter of regent Kgosi Tshekedi Khama」としています(ややその辺りの文章が雑にも思えますが……なお、摂政ツェケディはセコマ2世の弟です)。
 正直判断できませんが、「aunt」が、「cousin」がいとこではなく遠縁を示すような表現と同じで、一族内の女性ということになるのではないかと。
 現在の王レルオ・モロトレギ陛下の名前をレルオ・ツェケディ・モロトレギと表記している例もあり、これが摂政ツェケディ由来ではないかとも受け取れます。

 

 (英語)Queen mother of Royal Bafokeng dies | eNCA
 (英語)Queen mother Semane Molotlegi of Bafokeng, South Africa passes on – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES

 (英語)Queen Mother of the Royal Bafokeng nation dies after long illness
 (英語)Condolences Pour in for Queen Mother of Royal Bafokeng – SAPeople – Your Worldwide South African Community
 (英語)Condolences for Royal Bafokeng Queen | SAnews

 

eNCAさんはTwitterを使っています 「Queen mother of Royal Bafokeng dies https://t.co/ZIlfCKbksp」 / Twitter

 

eNCAnews – Queen mother of Royal Bafokeng dies… | Facebook

 

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関連:
 南アフリカ伝統的君主:南アフリカ大統領シリル・ラマポーザ閣下が、11月28日に崩御したバフォケン王太后セマネ・ボノロ・モロトレギ陛下への弔意を表明(2020年12月)

 

ノルウェー皇太子ホーコン殿下が、エストニア大統領カリユライド閣下と会見(2020年11月)

 ノルウェー皇太子ホーコン殿下(Crown Prince Haakon of Norway : His Royal Highness The Crown Prince)は、ノルウェー王国を訪問したエストニア共和国大統領ケルスティ・カリユライド閣下(Her Excellency Ms Kersti Kaljulaid)と会見しました。

 

 (ノルウェー語:ノルウェー王室 公式サイト)Audiens for Estlands president – Det norske kongehus

 

Kongehuset – Kronprins Haakon tok i dag imot Estlands… | Facebook

 

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Kersti KaljulaidさんはTwitterを使っています 「Meetings in #Oslo continue. Warm welcome recieved from Crown prince Haakon of #Norway, with whom we met last time in #Tallinn. Being here in Norway means being among friends. https://t.co/87IZWvIQ7b」 / Twitter

 

訃報(2020年11月2日):ハプスブルク=ロートリンゲン家のハンガリー王女シャロルタ殿下が薨去(1940~2020)故・テシェン公アルプレヒト・フランツ大公殿下の長女

 2020年11月2日、オーストリア大公女シャロルタ殿下(オーストリア皇女 : ハンガリー王女 : ベーメン王女 : Her Imperial and Royal Highness Archduchess Sárolta of Austria, Princess Imperial of Austria, Princess Royal of Hungary and Bohemia)が薨去しました。
 1940年3月3日生まれの80歳。

 

 (英語)Eurohistory: The Passing of Archduchess Sárolta of Austria (1940-2020), Daughter of the Last Duke of Teschen
 (フランス語)Hommages – Pour que son souvenir demeure: Sárolta v.H.-L. WUTHOLEN

 

 父はハプスブルク家のテシェン公アルプレヒト・フランツ大公殿下で、両親の結婚は貴賤結婚のため、シャロルタ殿下と妹のイルディコ殿下は当時の当主オットー殿下よりハプスブルク伯女の称号を受けています。
 また、国王のいないハンガリー王国の摂政だったホルティ・ミクローシュより、アルプレヒト・フランツ大公殿下はハンガリー王子として認められており、その娘として姉妹もハンガリー王女ということになります(これはオットー殿下の認めたものではありません)。
 加えて、21世紀に入ってハプスブルク=ロートリンゲン家の当主によって結婚に関する制限が大幅に緩められ、過去の貴賤結婚についてもあらためて承認されている状況であり(故オットー殿下が決めたのか現当主のカール大公殿下が決めたのかはっきりしないという状況ですが)、シャロルタ殿下の両親の結婚もこれに該当するとみられています。

 家族によると、当人はこれらの称号について特に使用したことはないようです。
 これは良くある、当人が興味を持っていない事例にも思えますが、一方でご本人は歴史やハプスブルクに興味のある様々な人々と会見していたようです。
 ホルティ摂政の承認した称号を使用するのはホルティ時代の政治を支持していると取られる可能性もありますし、また(結婚制限が緩められる前の状態では)当主のオットー大公殿下の権限に挑戦しているとも取れます(オットー殿下にはハプスブルク伯女の称号しか認められていない)ので、慎重に行動していたということかもしれません。