訃報(2023年1月10日):旧ギリシャ王コンスタンティノス2世が崩御(1940~2023)

 2023年1月10日、(旧)ギリシャ王コンスタンティノス2世陛下(Constantine II of Greece : His Majesty The King of the Hellenes : デンマーク王子 : Prince of Denmark)が、ギリシャ共和国アテネで崩御しました。
 1940年6月2日生まれの82歳。

 1964年から1973年の王政廃止までギリシャ王として統治。
 妻はデンマーク王室出身の(旧)ギリシャ王妃アンナ=マリア陛下(Anne-Marie : Her Majesty The Queen of the Hellenes, Princess of Denmark)で、コンスタンティノス2世自身もデンマーク王家の男系男子。

 崩御に伴い、長男の(旧)ギリシャ皇太子パウロス殿下(デンマーク王子 : His Royal Highness Crown Prince Pavlos of Greece, Prince of Denmark)が、ギリシャ王位の継承者およびギリシャ王室当主となります。

 

 デンマークのアマリエンボー宮殿の国旗は半旗に。
 国際オリンピック委員会(IOC)とギリシャ・オリンピック委員会は、パナシナイコ・スタジアムに旗を掲揚。

 2023年1月16日、アテネの生神女福音大聖堂(Metropolitan Cathedral of the Annunciation : ミトロポリス大聖堂 : Metropolis【Mitropoli】 : 府主教大聖堂 : Metropolitan Cathedral of Athens)にて葬儀がおこなわれ、タトイ宮殿の王室墓地に埋葬されました。
 キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会首座/アテネ・全ギリシャ大主教イエロニモス2世座下(His Beatitude Hieronymos II, Archbishop of Athens and All Greece and Primate of the Autocephalous Orthodox Church of Greece)が司式。

※ここから追記をします。
続きを読む 訃報(2023年1月10日):旧ギリシャ王コンスタンティノス2世が崩御(1940~2023)

南アフリカ伝統的君主/“雨の女王”継承問題:「マサラナボ王女は雨の女王になることに興味はあるのか」と問われた国会議員が「彼女に選択の余地はない」と回答(2022年10月)南アフリカ「共和国」の未成年女子なんですが……

 延々と続いているこの問題ですが、軽くまとめたという感じの英語記事がありました。 
 内容自体は既出のものばかりですが(既出のものが混乱しているという問題はありますけれど)、以下の部分は注目に値すると思います。

 

 (英語)Battle for Modjadji Rain Queen crown is ongoing | Letaba Herald

When asked if Mosalanabo is interested in becoming the Rain Queen, Motshekga said that she does not have a choice as it is her bloodline.

「マサラナボ(王女)が雨の女王になることに興味があるかどうか尋ねられた時に、モツェクガ議員(モチェハ)は彼女の血統がそうなので彼女に選択に余地はないと言った」。

 

 なぜそこで「もちろんだ。彼女は常にそう望んできた」と言えないのか、と困惑させられます。
 王女本人は興味がないと白状しているようなものなのでは。

 

 南アフリカ共和国は国内の伝統的君主の承認をしているとはいえ、それぞれは一市民であるという前提も当然あります。
 各部族の王族かどうかという基準もあるようです(はっきりとしたことはわからないのですが、「王として認めろ」と主張して「王族ですらない」と判決を受けていた例もあるので、なにかあるのだと思ってます)。
 マサラナボ王女は王族として承認されている範囲でしょうし、継承者として認められていましたが、本人が望んでいない状況ではどうするのか。
 未成年女子(現在17歳)に女王になるのを強制するような発言が国会議員から出るようでは、民主主義の共和国ではなく、なんだかよくわからない国です。いやもう、なんだかよくわからない国なんですが

 兄のレクケラ王をたてたモジャジ王室評議会の(動機の根本はともかくとしても)政治家に引き取られたマサラナボ王女が地元にずっとおらず、儀式についても学んでおらず、その状態で来年から女王です、では伝統的でもなんでもないというのは理解できるところです。

 

 とはいうものの、公平に言って、王女は、兄やおじを含む相手と争いになっているような状況で、あえて興味があるとも言いにくいのだという可能性もあります、
 プレトリアにある高等裁判所が彼女自身が(他の関係者を除いて)相談をできる弁護士を選出するよう求めているのも現時点での彼女の考えを早く引き出さないとこの件を終わらせられないからでしょう。

 王女が女王になることを望んでいると回答した場合、モジャジ王室評議会との法廷闘争に入ります。「伝統的指導権と政府の間の枠組みに関する法律」から考えると、王室評議会による君主に関する事項を一方的に変更した決定は同法に違反している可能性は高いので、レクケラ王即位は無効と判断されるかもしれません。

 いずれにせよ、王女がどう考えているか、になるんですが……。

 

関連:
 (インデックス)(2021年)南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子殿下が選出された件に関する記事

南アフリカ伝統的君主/“雨の女王”継承問題:高等裁判所がマサラナボ王女の後見人の政治家による訴訟延期要請を却下、また王女自身による代理人の選定を要求(2022年10月)

 報道によりますと、2022年10月14日、南アフリカ共和国のプレトリアにある高等裁判所は、“雨の女王”継承問題について、マトール・モツェクガ議員(マトール・モチェハMathole Motshekga)の訴訟延期要請を却下。
 また、同議員に、対立しているモジャジ王室評議会側への訴訟費用の支払いを命じました。
 また、マサラナボ王女(来年4月に18歳)に対し、自身の弁護士を選定するように要求しています。

 モジャジ王室評議会が故・女王の息子であるレクケラ王子をロベドゥ人の王として選出するという動きに対して、(もともと後継として大統領なども承認していた)妹のマサラナボ王女の後見人であった同議員などが大反発、訴訟が起きていましたが、そもそもこの議員が王女のために訴訟を起こすことはできないとの判断が出ています(高等裁判所なので、上訴は可能かとも思いますが……)。
 記事にある裁判官のコメントからすると、王女が女王になることに興味があるかすらあやふやなので、当人に代理人を選出させて裁判を進めて早く終わらせたいように取れます(本人が望んでいなければ訴訟が成立しませんが)。

 

 (英語)Rain Queen battle: Mathole Motshekga ordered to pay Modjadji royal family's legal costs

 

関連:
 (インデックス)(2021年)南アフリカ伝統的君主:ロベドゥ人の君主モジャジ(雨の女王)にレクケラ王子殿下が選出された件に関する記事

マレーシア国王アブドゥラ陛下夫妻が、英国王チャールズ3世陛下を訪問(2022年10月)

 2022年10月10日~16日の予定で訪英中のマレーシア第16代国王アブドゥラ陛下(His Majesty Al Sultan Abdullah Ri’ayatuddin Al-Mustafa Billah Shah Ibni Sultan Haji Ahmad Shah Al-Musta’in Billah, The Yang di-Pertuan Agong XVI : パハン州スルタン)およびマレーシア王妃“トゥンク”・アジザー・アミナー・マイムナー・イスカンダリアー陛下(Her Majesty Seri Paduka Baginda The Permaisuri Agong Tunku Hajah Azizah Aminah Maimunah Iskandariah Binti Almarhum Al-Mutawakkil Alallah Sultan Iskandar Al-Haj : パハン州スルタン第一夫人)は、10月12日、バッキンガム宮殿を訪問、英国王チャールズ3世陛下(King Charles III : His Majesty The King)と会見しました。

 報道などでも映像を見かけない(写真のみ)なので、動画は撮影されていないのではないかと思います。

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています: 「🇲🇾 Today at Buckingham Palace, The King received The Yang di-Pertuan Agong of Malaysia and The Raja Permaisuri Agong. https://t.co/EamFqh4wTO」 / Twitter

 

Astro AWANI:
Kunjungan Hormat | Agong, Permaisuri bertemu Raja Charles III – YouTube

ヨルダン王アブドッラー2世陛下が、オマーンのスルタン【国王】ハイサム陛下を訪問(2022年10月)

 2022年10月4日~5日の期間で、ヨルダン・ハシェミット王国国王アブドッラー2世・ビン・アル・フセイン陛下(アブドゥッラー2世アブドラ国王 : King Abdullah II bin Al-Hussein : His Majesty the King of the Hashemite Kingdom of Jordan)はオマーン国を訪問しました。
 ヨルダンからはヨルダン王妃ラーニア・アル・アブドッラー陛下(Queen Rania Al Abdullah : Her Majesty The Queen of the Hashemite Kingdom of Jordan)、ヨルダン皇太子アル・フセイン・ビン・アブドッラー2世殿下(His Royal Highness Crown Prince Al Hussein bin Abdullah II)が同行。

 国王不在のヨルダンでは、王弟のファイサル・ビン・アル・フセイン王子殿下(His Royal Highness Prince Faisal【Feisal】 bin Al-Hussein)が摂政を務めました。

 オマーン側では、オマーン国スルタン【国王】 “サイイド”・ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード陛下(His Majesty Sayyid Haitham bin Tariq Al Said, Sultan of Oman)と弟の国防担当副首相“サイイド”・シハーブ・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Shihab Bin Tariq Al Said)らが出迎えました。
 また、その後に、スルタンの妻“サイイダ”・アハド・ビント・アブドッラー・アル・ブーサイーディーヤ妃殿下(Sayyida Ahad bint Abdullah Al Busaidiyah : Her Highness the Honourable Lady Assayida Spouse of His Majesty the Sultan)らの出迎えも受けています。

 公式会談では、ヨルダン側が国王と皇太子、オマーン側は、スルタンの次から並んでいるのは、
 スルタンの一族の長老的存在の副首相(閣議担当) “サイイド”・ファハド・ビン・マフムード・アル・サイード殿下(His Hihgness Sayyid Fahd bin Mahmoud Al Said, Deputy Prime Minister for the Council of Ministers)
 スルタンの弟の副首相(国際関係・協力担当)兼スルタン特別代理“サイイド”・アスアド・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Hihgness Sayyid Asaad bin Tariq Al Said, Deputy Prime Minister for International Relations and Cooperation Affairs, Personal Representative of His Majesty the Sultan) 
 スルタンの弟の副首相(国防担当)“サイイド”・シハーブ・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Shihab Bin Tariq Al Said, Deputy Prime Minister for Defence Affairs)
 スルタンの長男で皇太子に指名されたと報道された文化・スポーツ・青年大臣 “サイイド”・ジーヤザン・ビン・ハイサム・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Theyazin【Dhi Yazan】 bin Haitham Al Said, Minister of Culture, Sports and Youth)
 と並んでおり、こちらは即位後から変わらない上位三者に長男を加えた序列が続いています。
 ジーヤザン殿下の皇太子指名は公式ではいまだに情報が出ていません。ヨルダン側の情報でもジーヤザン殿下に皇太子の称号は使用されていません。
 一方、もう一つ会談がおこなわれており、そちらはヨルダン王・オマーンのスルタンの二者に、ヨルダンのフセイン皇太子殿下とジーヤザン殿下が加わる形になっています。

 ヨルダン王の帰国時には、アスアド殿下が見送っています。
 シハーブ殿下が出迎え時にスルタンと共に出ており、公式会談ではファハド殿下の席次がもちろんスルタンの次で、見送りはアスアド殿下。ジーヤザン殿下は上記のもう一つの会談に(ヨルダン皇太子のカウンターパートとして)出る、とオマーン側は有力者それぞれが目立つ場をわけたようにも見えます。その中でもジーヤザン殿下の露出が確実に増えています。

 

RHC JO(ヨルダン王室 公式チャンネル):
من زيارة جلالة الملك عبدالله الثاني الرسمية إلى سلطنة عُمان – YouTube

 

 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King departs for Oman | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King arrives in Oman | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King holds talks with Oman sultan in Muscat | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King, Oman sultan exchange medals | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King, Oman sultan hold bilateral talks in Muscat | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King visits Oman National Museum, House of Musical Arts at Royal Opera House in Muscat | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)Joint communiqué released at conclusion of King’s official visit to Oman | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King returns to Jordan after Oman visit | King Abdullah II Official Website

 (英語)Oman News Agency | King of Jordan Arrives in Oman
 (英語)Oman News Agency | HM The Sultan, King of Jordan Hold Official Talks
 (英語)Oman News Agency | HM The Sultan, King of Jordan Hold Bilateral Meeting
 (英語)Oman News Agency | Jordanian Monarch Leaves Oman

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「Their Majesties King Abdullah II and Queen Rania and His Royal Highness Crown Prince Al Hussein are received by Sultan Haitham bin Tarik of #Oman and the Honourable Lady Assayida Ahd Abdullah Al Busaidi, Spouse of the Sultan, upon arrival in Muscat #Jordan 🇯🇴🇴🇲 https://t.co/ZVdRts4ItC」 / Twitter

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「مراسم استقبال رسمية لجلالة الملك عبدالله الثاني وسمو الأمير الحسين بن عبدالله الثاني ولي العهد، في قصر العلم العامر بمسقط 🇯🇴🇴🇲 An official welcoming ceremony is held for His Majesty King Abdullah II and His Royal Highness Crown Prince Al Hussein at Al Alam Palace in Muscat https://t.co/gHbGp9JhVe」 / Twitter

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「His Majesty King Abdullah II and Sultan Haitham bin Tarik of #Oman hold expanded talks at Al Alam Palace, attended by His Royal Highness Crown Prince Al Hussein #Jordan Details: https://t.co/onrgTb1zby https://t.co/rFnl0bIpSp」 / Twitter

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「His Majesty King Abdullah II bestows the Order of the Bejewelled Grand Cordon of Al Nahda (Order of the Renaissance) on Sultan Haitham bin Tarik of #Oman. who bestows on His Majesty the Oman Civil Order of the First Class, in appreciation of the deep ties between #Jordan and Oman https://t.co/gtj4AqyPKQ」 / Twitter

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「His Majesty King Abdullah II and Sultan Haitham bin Tarik of #Oman hold bilateral talks at Al Alam Palace, attended by His Royal Highness Crown Prince Al Hussein, to discuss the deep-rooted ties between #Jordan and Oman and the latest regional and international developments https://t.co/fFLfPrzUVe」 / Twitter

 

وكالة الأنباء العمانيةさんはTwitterを使っています: 「https://t.co/odtxFWUfhs」 / Twitter

 

وكالة الأنباء العمانيةさんはTwitterを使っています: 「https://t.co/RqlkBprZmW」 / Twitter

 

Oman News AgencyさんはTwitterを使っています: 「HM Sultan Haitham bin Tarik and King Abdullah II of Jordan have reiterated their keenness on strengthening joint investment in different spheres. They voiced their support for developing economic diversification, private sector partnership. https://t.co/z9L7wtYqFg https://t.co/D3UamC6xHg」 / Twitter