訃報(2020年8月1日):イタリアのシスマーノ公妃ジョルジアーナ・コルシーニ閣下が薨去(1939~2020)コルシーニ家当主夫人。フィレンツェ市長らが弔意を表明

 2020年8月1日、イタリア貴族のシスマーノ公妃ジョルジアーナ・コルシーニ閣下(Her Serene Highness Donna Giorgiana Corsini, Princess of Sismano)が薨去したようです。
 1939年8月3日生まれの80歳。

 海中での水泳中の心臓発作とみられるとの報道です。

 ローマ教皇クレメンス12世を輩出したコルシーニ家の現当主夫人で、コルシーニ宮殿を開放した展示会の創始などで有名のようです。
 フィレンツェ市長ダリオ・ナルデッラ閣下(Dario Nardella)が「一人の偉大なフィレンツェ人を失った」と弔意を表明。
 また、同地の各界の著名人から相次いで弔意の表明があるようです。

 

 (イタリア語)Morta la principessa Giorgiana Corsini: malore in mare all'Argentario – Cronaca – lanazione.it
 (イタリア語)Malore in mare all'Argentario: muore la principessa Giorgiana Corsini – la Repubblica

 

英国王室のエディンバラ公爵フィリップ王子殿下が、英国陸軍 ザ・ライフルズ の名誉連隊長【カーネル・イン・チーフ】を退任。コーンウォール公爵夫人カミラ妃殿下が新たに就任(2020年7月)

 2020年7月22日、英国王室のエディンバラ公爵フィリップ王子殿下(His Royal Highness The Prince Philip, Duke of Edinburgh)の英国陸軍 ザ・ライフルズ(The Rifles) の名誉連隊長【カーネル・イン・チーフ】(Colonel-in-Chief)退任の小式典と、コーンウォール公爵夫人カミラ妃殿下(Camilla : Her Royal Highness The Duchess of Cornwall)による就任の小式典がそれぞれ別の場所でおこなわれました。

 フィリップ王子殿下の名誉連隊長在任は67年間に及ぶものでした。

 

The Prince of Wales and The Duchess of CornwallさんはTwitterを使っています 「🎺 Four Buglers sound The Rifles Assembly, marking the transfer of Colonel-in-Chief of The @RiflesRegiment from The Duke of Edinburgh to The Duchess of Cornwall. https://t.co/MaNQecG2Py」 / Twitter

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています 「🎥The Duke of Edinburgh was wished, “fair winds and following seas” (an old Naval term) as he was thanked for his 67 years of service to @rifles_regiment today. https://t.co/1l6D9gAb3F」 / Twitter

 

The Royal Family Channel:
Prince Philip Makes Rare Public Appearance as He Hands Over Military Role – YouTube

 

The Royal Family Channel:
Camilla, Duchess of Cornwall, Receives New Military Role at Highgrove Ceremony – YouTube

 

 (英語:英国王室 公式サイト)The transfer of Colonel-in-Chief of The Rifles from The Duke of Edinburgh to The Duchess of Cornwall | The Royal Family

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています 「Today, The Duke of Edinburgh has been succeeded as Colonel-in-Chief of @riflesregiment by The Duchess of Cornwall, in a ceremony which took place at both Windsor Castle and Highgrove House. https://t.co/MmNujzId5w」 / Twitter

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています 「The Duke has been Colonel-in-Chief of successive Regiments that have made up The Rifles since 1953, and today, they are the largest infantry Regiment in the British Army. https://t.co/XV3WI7fz7y」 / Twitter

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています 「The Duke of Edinburgh’s arrival was marked by four Buglers, who are members of The Rifles’ military band. https://t.co/gbybzsqzp8」 / Twitter

 

The Royal FamilyさんはTwitterを使っています 「The Duke was thanked for his 67 years of service and support to the Regiment, before the Buglers sounded the ‘No More Parades’ call, marking HRH’s final ceremony as The Rifles’ Colonel-in-Chief. https://t.co/4TBllrOVX6」 / Twitter

 

Today, The Duke of Edinburgh has been… – The Royal Family | Facebook

 

The Royal Family(@theroyalfamily) • Instagram写真と動画

 

ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ベルレブルク公子ルートヴィヒ=フェルディナント殿下が当主グスタフ殿下を提訴した件、第二審は2020年7月の模様(2020年1月)「もはや事実婚は普通の結婚と同等であり、庶民と事実婚した当主は先祖の遺言に背いている」と主張

 ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ベルレブルク公グスタフ殿下(Gustav : His Highness The Prince of Sayn-Wittgenstein-Berleburg : グスタフ・フュルスト・ツー・ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ベルレブルクGustav Fürst zu Sayn-Wittgenstein-Berleburg)は、デンマーク王女ベネディクテ殿下の息子、つまりデンマーク女王マルグレーテ2世陛下の甥にあたります。

 このザイン=ヴィトゲンシュタイン=ベルレブルク家は、先々代のグスタフ・アルプレヒト殿下が、財産相続に厳しい制限を付けています(第三帝国時代)。
 それは、財産相続人は男子であり結婚相手を「貴族・プロテスタント・アーリア人」に限る、としたものです(ただし、完全に詳細な内容は公開されていないはずです)。
 この条件を満たさない結婚をおこなうと即座に財産の相続権を失い、すでに所有している場合それでも失う、というのがこれまでのドイツの判例からほぼ確実視されています。

 先代のリヒャルト殿下は、結局はデンマーク王女と結婚したので、まったく問題なかったのですが、現当主のグスタフ殿下は、庶民のカリーナ・アクセルソン嬢(Carina Axelsson)との結婚を望んだものの、結婚すると財産を相続できなくなります。そして、それは城というか館というか、自分の家を遠い親戚に渡さなければならないことを意味します。

 これが元々の状況で、これに対し、「アーリア人などを条件に含む元々の遺言はナチス時代のものでおかしい」という見解はありました。しかしそれでもドイツの判例からどうにもならないだろうというのがあり、それで二人は結婚せずに一緒に生活していました。

 ところが、2018年あたりからの報道で、リヒャルト殿下の従弟のザイン=ヴィトゲンシュタイン=ベルレブルク公子ルートヴィヒ=フェルディナント殿下が、グスタフ殿下に対し、自分に財産を譲るよう要求しているとの報道がなされます。
 これが、簡単にいえば、「事実婚はもう普通の結婚と同じなのだから、条件を満たさない人物と事実婚をしているあなたは財産の所有権がない(=財産は私のもの)」ということです(ルートヴィヒ=フェルディナント殿下が次の相続人とみられています)。

 第一審は、グスタフ殿下側弁護士にリッペ公室当主/リッペ公シュテファン殿下が立つという展開がありましたが、ともあれグスタフ殿下側が勝訴。
 ルートヴィヒ=フェルディナント殿下は控訴し、第二審は今年【2020年】7月とのことです。

 この問題は、「“アーリア人”を含む遺言は差別ではないか」(ただしこれだけでは遺言を無効にできないだろうとみられている)に「事実婚と普通の結婚を区別するのは差別ではないか」という問題が絡み、これまでのドイツ王室・貴族関連訴訟で最も面倒なものになるのではないかと思われています。
 また、この件が難しいのは、現実の制度を拒否し自分の意思をつらぬく絶対君主政主義者などのめんどうくさい人たちを除けば、いつかわからないがいつかは事実婚と普通の結婚はドイツでも同等に扱われるのではないかという考えは広範囲にあり、仮にそうだとすると、今回の訴訟でグスタフ殿下が勝利しても、遺言が無効化されない限り殿下が生きている間に殿下が財産を所有できなくなる可能性は残るということもあります。

 付言すると、ドイツでは、過去の当主や一族などの子孫のうち、歴代の本拠地となる城と館を所有している人物が当主とみなされるのが一般的です。これは過去の継承権などとは別の問題で、そう思われています。
 なので、ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ベルレブルク公位継承ルールはともかく、敗訴すればグスタフ殿下は廃位された公という社会的にはとてつもなくうれしくない立場になってしまいます。

 あと、グスタフ殿下の母、デンマーク王女ベネディクテ殿下がドイツでの生活をやめて完全にデンマークに戻ることになると、デンマークは王室予算は増やさねばならないのではないかという気もします。

 

 (英語)The (In)Famous Sayn-Wittgenstein-Berleburg Will, Round 3: When There Is An Estate Worth Half a Billion Up For Grabs, That's Apparently Where Cordial Family Relations End

 

イタリア王室(アオスタ系統)継嗣/プッリャ公爵【称:アオスタ公爵】アイモーネ公子殿下【ロシア在住】の記事(2020年1月)「イタリアが王政復古するとは思わない」

 イタリア王室(アオスタ系統)の継嗣/プッリャ公爵アイモーネ公子殿下(His Royal Highness Prince Aimone of Savoy-Aosta, Duke of Apulia : His Royal Highness The Duke of Aosta)の記事が出ています。

※本人たちは自分たちが正統と主張しているので、すでに父の称号であるアオスタ公爵を使用しています(ときどき忘れてるんじゃないかと思う時がありますが)。

 なお、殿下は、仕事でモスクワに在住しています。ロシアに住み、イタリア王位に興味はないとする記事が出たこともあります。

 イタリア王室(直系)が継承法を絶対長幼制へ改定したことを受けて、アオスタ系統や支持者は反論を発表しましたが、それはそれとして、アイモーネ殿下のコメントを載せた記事が出ました。

 内容というか根本的な立場がはっきりしないのですが、

  • もうどちらが正統かの論争には参加しない
  • イタリアで王政復古があるとは思わない(アオスタ系の支持者団体はガックリきそうですが……
  • イタリア共和国へ忠誠を誓うことを避ける理由はない
  • 二系統(直系とアオスタ系統)はそれぞれの道を進むだけ

 といったところが今回の主な主張だと思うのですが、一方で子供たちが先祖の伝統を受け継ぐことは望んでいるように受け取れます(先祖の伝統を受け継ごうとする限り、正統論争は避けられないのでは……)。

※末尾に追加しておきますが、イタリア王室(直系)継嗣のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)がこの記事についてコメントしています。

 

 (イタリア語)Aimone di Savoia-Aosta: «Per ora non alimento la polemica». Intanto è guerra di carte tra i Savoia – Corriere.it

 

Corriere della SeraさんはTwitterを使っています: 「Aimone d’Aosta: «Per ora non alimento la polemica». Intanto è guerra di carte tra i Savoia https://t.co/63dUePuzCJ」 / Twitter

 

Aimone di Savoia — Juan Carlos il suo… – Corriere della Sera | Facebook

 

エマヌエーレ・フィリベルト殿下のコメント:
「アイモーネはいいやつだが、この部分はいただけない:『王政復古は起きないだろうし、イタリア共和国へ忠誠を誓うことを避ける理由はない』。彼は彼の選択をした、しかし私はいつでも腕を広げてすべての君主政イベント(この日曜日でローマでおこなうものを含む)で彼を歓迎するつもりだ」

Aimone è una persona per bene, ma mi… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

継嗣/

イタリア王室(直系)が、継承権を与えた二公女にすでに称号を追加していた模様(2020年1月)

 イタリア王室(直系)が王位継承法を絶対長幼制に改定するという報道が出ましたが、それに続き、新たに継承権をえた二公女に、すでに称号を追加していたことが明らかになりました。

 サヴォイア公女ヴィットーリア殿下(Her Royal Highness Princess Vittoria of Savoy)には、カリニャーノ女公(Princess of Carignano)およびイヴレーア女侯爵(Marquise of Ivrea)。
 サヴォイア公女ルイーザ殿下(Her Royal Highness Princess Luisa of Savoy)には、キエーリ女公(Princess of Chieri)およびサレーミ女伯爵(Countess of Salemi)。

 

Emanuele Filiberto | Facebook

 

 (イタリア語)Vittoria di Savoia, chi è la sedicenne erede del casato dei re d’Italia – Corriere.it

 

Corriere della SeraさんはTwitterを使っています: 「Vittoria di Savoia, chi è la 16enne erede del casato dei re d’Italia https://t.co/2iMaFQ9tmM」 / Twitter

 

Nome completo: Vittoria Cristina Chiara… – Corriere della Sera | Facebook