ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下に、アトウィマ=クワンウォマ地域の青年団が同地の新しい首長の選出を嘆願(2021年8月)

 ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)に対して、同共和国アシャンティ州アトウィマ=クワンウォマ地域の青年団が、同地の新しい首長の選出を嘆願したようです。

 

 (英語)Kwanwoma youth plead with Asantehene to install Chief for the community | News Ghana

 

 上記記事によりますと、2016年に当時の同地の首長(Odikro : アシャンティのさほど格の高くない首長)ナナ・コフィ・アグイェイ4世Nana Kofi Agyei IV)が薨去したことに伴い、首長は空位に。
 そして、同地の開発は停滞し、何人かの個人(有力者?)や氏族長らが適当に土地を売却した結果、葬儀場や市場がどこの誰とも知らない者の手に渡っていたりする模様。
 また、街灯が少ないため、学生らが武装した強盗の被害にあったりもしているようです(街灯程度でどうなるのかという気もしますが……)。
 ともあれ、アシャンティ王によって新首長が選出されなければもうおしまいだという雰囲気に満ちている記事内容です。

 しかし、そこはガーナ共和国アシャンティ州の一部で、地方自治体のようなものが存在するはずなのですが……。
 国や州に対策を求めず、アシャンティ王に首長の選出を求めるというのも、いったいなんのためのガーナ共和国なのか、と不思議な感を覚えます。

訃報(2021年7月17日):トゥルン・ウント・タクシス公子アルベルト・フリードリヒ殿下、薨去(1930~2021)

 2021年7月17日、トゥルン・ウント・タクシス公子アルベルト・フリードリヒ殿下(His Serene Highness Prince Albert Friedrich of Thurn-Taxis : アルベルト・フリードリヒ・プリンツ・フォン・トゥルン・ウント・タクシスAlbert Friedrich Prinz von Thurn und Taxis)が薨去したようです。
 1930年7月5日生まれの91歳。

 先代のトゥルン・ウント・タクシス公の従弟にあたります。

 

 (ドイツ語)Traueranzeigen von Albert Friedrich von Thurn und Taxis | trauer.merkur.de

訃報(2021年8月6日):サピエハ=ロザンスキ公子ヤン・パヴェウ閣下【ジョン・ポール・サピエハ】が薨去(1935~2021)サピエハ家の最年長系統の男系男子

 2021年8月6日、サピエハ=ロザンスキ公子ヤン・パヴェウ閣下(His Serene Highness Prince Jan Paweł Sapieha-Różański)が薨去した模様です。
 1935年8月26日生まれという情報がこれまで出ているものですが、9月26日という可能性も出ています。

 法律上の名前は、英国に移住した時にジョン・ポール・サピエハJohn Paul Sapieha)となったと見られ、またその後にブラジルに移住したときにどうなっているのかは不明です。ただブラジルのポルトガル語系メディアでもジョン・ポール・サビエハと英語式ファーストネームで表記されており(発音はわかりませんが)、変更はないのではないかと思います。

 同公子はリトアニア=ポーランドの名族サピエハ家の最年長系統の男系男子と思われます。
 2回結婚しており、最初の結婚がロンドンでおこなわれ、マイケルMichael)という男子が英国で生まれています。この人物が今後、最年長系統の男系男子ということになるでしょう。
 また2回目の結婚は、(旧)ブラジル帝室ペトロポリス系統の当主の妹であるオルレアン=ブラガンサ公女クリスティーナ殿下が相手で、女子が二人生まれています。次女のパオラ・マリア・ボルボン・デ・オルレアンス・イ・ブラガンサ・サピエハ公女閣下(Her Serene Highness Princess Paola【Paolla】 Maria Bourbon de Orleans e Bragança Sapieha)は工業デザイナーやモデルなどの仕事を経験し、同じくポーランドの名族シフャトペウク=チェトヴェルチンスキ公子コンスタンティン閣下(ティンコ・チェトヴェルチンスキ)と結婚したようです。同閣下はベルギー貴族に編入されており、パオラ公女もベルギー貴族ということになるでしょう。

 

 (ポーランド語)Jan Paweł Sapieha, cała Polska, 13.08.2021 – pozostałe

ロシア帝室ロマノフ家継嗣/ロシア大公ゲオルギー殿下とレベッカ・ベッタリーニ嬢の民事婚は9月24日におこなわれる模様(2021年8月)

 2021年8月5日、10月1日に結婚式(宗教婚)が予定されているロシア帝室継嗣のロシア大公ゲオルギー殿下(His Imperial Highness The Heir, Tsesarevich, and Grand Duke George of Russia : プロイセン王子 : Prince of Prussia)とレベッカ・ベッタリーニ嬢(Rebecca Bettarini)は、モスクワ市庁舎にて結婚予告の申請をおこないました。
 9月24日に民事婚がおこなわれるようです。

 

 (英語)Civil Marriage date set for Grand Duke George Mikhailovich and Victoria Romanovna Bettarini — The Russian Legitimist

 

Rebecca Bettarini(@rebecca_bettarini) • Instagram写真と動画

ウガンダ伝統的君主:ブガンダ王ロナルド・ムウェンダ・ムテビ2世陛下が、最近関係が悪化しているウガンダ大統領ムセベニ閣下を訪問(2021年8月)

 2021年8月3日、ウガンダ共和国の伝統的君主/ブガンダ王ロナルド・ムウェンダ・ムテビ2世陛下(His Majesty Ronald Muwenda Mutebi II, Kabaka【King】 of Buganda)は、最近関係悪化が伝えられていたウガンダ共和国大統領ヨウェリ・カグタ・ムセベニ閣下(ムセヴェニ大統領 : His Excellency Mr Yoweri Kaguta Museveni)を訪問しました。
 王弟のダウディ・キントゥ・ワサッジャ王子(Prince Daudi Kintu Wasajjaデービッド王子 : Prince David)の仲介による会合実現との情報もあります。
 ブガンダ王には同王国の首相的役職(Katikkiro)にあるチャールズ・ピーター・マイガ閣下(Charles Peter Mayiga)、同王国内のオーガスティン・キズィト・ムトゥムバAugustine Kizito Mutumba)という人物も同行したようです。後者はおそらくブガンダ王が任命する三種に分類される多数の首長たちのリーダー格の一人ではないかと思いますが、世襲かどうかは不明。

 

 さて、ブガンダ王と大統領の関係悪化ですが、これは大統領がマイロ(Mailo)と呼ばれる、ブガンダ王国における土地所有制度を“邪悪”などと攻撃したことによるものです。
 これの詳細はよくわからないのですが、昔の日本で例えると地主と小作人みたいな関係があるのだと思います。ただ、農村部だけでなく都市部までそうなっており、ブガンダ王に属する土地というものが多いのでしょう。
 いったんはこの制度は解体され(というのもブガンダ王国がなくなったため)たのですが、1990年代から大統領がブガンダ王の権威を再構築して利用しようとする考えの一環としてこれを復活させ、さらにブガンダ王へ土地を“返還”する動きを進めていました。

 一方、ブガンダ王の権威向上が、大統領の地位を脅かすこともあり、過去にはブガンダ王を支持する若者が暴動を起こし、大統領からの緊急通話をブガンダ王が拒否したとされる事件までも起きました。
関連:
 ウガンダ伝統的君主:ブガンダ王ロナルド・ムウェンダ・ムテビ2世陛下を支持する若者らが暴動を起こす(2009年9月)

 ともあれ、ブガンダ王の権威を一つの背景として、大統領は選挙などを有利に進めてきたわけですが、今年【2021年】の選挙はついにインチキではないかと公然とアメリカやEUから非難されるに及び、いろいろとバランスを取らねばならなくなった結果、ブガンダ王を非難し、他地域やブガンダ王に対して土地に関する訴訟を起こしている人々からの支持を受けようとしているのではないかと思われます。

 これがどう落ち着くかはわかりませんが、もともとブガンダ王国側が連邦制を求めてきたこともあり、選挙での正統性が疑われる大統領に対して譲歩する必要があまり考えられない気がします。とはいえ、ではどうするかというと、また暴動なのか、ということになりますが。

 

Yoweri K MuseveniさんはTwitterを使っています 「Held a meeting with His Majesty the Kabaka of Buganda Ronald Muwenda Mutebi II at Nakasero State Lodge. His Majesty was in the company of Owek. Charles Peter Mayiga and Prince David Wasajja. We discussed matters of mutual interest. https://t.co/ukvB7VBmfl」 / Twitter

 

Yoweri K MuseveniさんはTwitterを使っています 「I thank His Majesty the Kabaka of Buganda Ronald Muwenda Mutebi II for the courtesy call. https://t.co/EujoCkJkgi」 / Twitter

 

 (英語)Museveni, Kabaka meet after the King’s stinging comments about govt land law proposals – PML Daily

 

 (英語)Inside Museveni-Kabaka meeting – Daily Monitor

Daily MonitorさんはTwitterを使っています 「Inside Museveni-Kabaka meeting The Tuesday meeting between President Museveni and Ronald Muwenda Mutebi, the Kabaka of Buganda, may have taken the latter’s subjects and country by surprise, but not the salient issues on the table More👉https://t.co/wiE6iXjrXM #MonitorUpdates」 / Twitter

 

 ブガンダ王が式典で大統領を批判したという記事。

 (英語)They are not in good faith! Kabaka Mutebi dismisses government land reforms on Mailo land – PML Daily

PML DailyさんはTwitterを使っています 「They are not in good faith! Kabaka Mutebi dismisses government land reforms on Mailo land via @pmldailynews_UG https://t.co/CLStTcpRAT」 / Twitter