神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世崩御500周年イベント:オーストリアのヴェルスをハプスブルク家当主オーストリア大公カール殿下が訪問。オーストリア自由党【FPÖ】の市長「我々には多くの意見の違いがあるが、オーストリア帝室なしでは観光に悪影響が出る」(2019年3月)

 オーストリアのヴェルスは、1519年に神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世が崩御した地ですが、このほどヴェルス市では500周年イベントがおこなわれたようです(3月27日最終日?)。

 オーストリア帝室・ハンガリー王室のハプスブルク家当主【ハプスブルク=ロートリンゲン家当主】のオーストリア大公カール殿下(オーストリア皇子 : ハンガリー王子 : ベーメン王子 : His Imperial and Royal Highness Archduke Karl of Austria, Prince Imperial of Austria, Prince Royal of Hungary and Bohemia : カール・フォン・ハプスブルクKarl von Habsburgカール・ハプスブルク=ロートリンゲンKarl Habsburg-Lothringen)は、同地を訪問。
 オーストリアで禁じられている「von(フォン)」を公式サイト(ホームページ)で付けて「カール・フォン・ハプスブルク」と名乗っている件で、訴えられて、有罪になってその後どうなったのか(上訴中なのかなんなのか)よくわからないのですが、その件に関してメディアの質問が集中した模様(「何回も聞かれてうんざりしているとは思いますが……」「そんなことはないよ」みたいなやり取りも)。
 結局、なにがどうなったのかよくわからないのでその件はここではスルーします(下にいくつかドイツ語の記事をリンクしておくので読める人はどうぞ)。

 一方、今回500周年イベントでは、オーストリア自由党【FPÖ】の市長からの要請もあったらしい同市への訪問で、下記記事からは「オーストリア自由党とは意見が違うのでは?」と問われ、同党のポピュリズムというか最大の対立点である欧州懐疑主義について触れています。
 それに対し市長は、「我々に多くの違いがあるのは事実だ。しかし我々は変わった。オーストリアの伝統が今や前面に出ている。オーストリア帝室なしでは観光に悪影響が出る」となんともいえない現実的なコメントをしています。こういう部分が勢力伸長の原因?

 (ドイツ語)Karl Habsburg und das "von"-Verbot: "Es gibt unendlich wichtigere Dinge" | Nachrichten.at

 

 「フォン」の件の裁判に関する記事をいくつかリンクしておきます(タイトルがそのまんまのものもありますが)。

 (ドイツ語)"Von"-Homepage: Habsburg will Verurteilung bekämpfen « DiePresse.com
 (ドイツ語)Adelsaufhebungsgesetz | Kaiserenkel Karl Habsburg beruft gegen Verurteilung
 (ドイツ語)"von" – Einserkastl Hans Rauscher – derStandard.at › Meinung

 

 ほか、その件に加え、オーストリア皇帝カール1世陛下など、父母、祖父などを含む歴史などに関する話もあるインタビュー記事(内容自体はさほど目新しくない気がしますが……)。

 (ドイツ語)Enkel von Karl I. über 1918: „Das war eine Zäsur“

 

 複数の記事からご本人の意見というかコメントというか:
 「私のパスポートはカール・ハプスブルク=ロートリンゲンだ。国際的な活動(NGOなど)でカール・フォン・ハプスブルクと名乗っている」
 「父が“オットー・フォン・ハプスブルク”として知られていたので、これはブランドのようなものだ」
 「ワールドワイドウェブはオーストリアンウェブではない」
 「“フォン”の禁止は時代遅れの法によるものだ」(100年前の人が聞いたらずっこけそうですが)
 「最初に言えるのは、この件を楽しんでいるということだよ」
 「無限と言えるほどもっと重要な事項がこの世にある」

 

婚約(2019年1月):ナポレオン公ジャン=クリストフ皇子殿下とアルコ=ツィネベルク伯爵女オリンピアが2019年1月に婚約していたとの情報

 ナポレオン公ジャン=クリストフ皇子殿下(Jean-Christophe : His Imperial Highness The Prince Napoléon)が、アルコ=ツィネベルク伯爵女オリンピア(Countess Olympia of Arco-Zinneberg : オリンピア・グレフィン・フォン・ウント・ツー・アルコ=ツィネベルクOlympia Gräfin von und zu Arco-Zinneberg)と2019年1月にスイスで婚約したという情報が出ています。

 

 (英語)Royal Musings: EXCLUSIVE: Royal engagement: Countess Olympiia to wed Jean Christophe

 

 ジャン=クリストフ殿下は、ナポレオン1世の弟ジェロームの子孫で、現在、フランス帝室当主及びフランス帝位継承者・ナポレオン公の地位について(亡祖父が父シャルル殿下の再婚に関しジャン=クリストフ殿下を後継指名したため)理屈上は争いになっています。
 母親はブルボン=両シチリア王女ベアトリーチェ殿下(Her Royal Highness Princess Béatrice of Bourbon-Two Sicilies)です。

 

 オリンピア伯爵女は、オーストリア、バイエルン、イタリアなどに関連する貴族の家柄で、母親はハプスブルク家出身(現当主カール大公殿下のいとこ)。

 

追記:
 ベルギー紙で記事が出ました。

 (フランス語)Jean-Christophe Napoléon et Olympia d’Arco-Zinneberg: grand mariage en vue! – La Libre

 ジャン=クリストフ殿下が、ベルギー王レオポルド2世陛下の子孫という中見出しです。

 

関連:
 ナポレオン公ジャン=クリストフ皇子殿下との婚約が報じられたアルコ=ツィネベルク伯爵女オリンピアの車から宝石(?)が盗まれたとの報道(2019年4月)フランス皇帝ナポレオン3世陛下の后ウジェニー陛下のティアラにも使用されたものらしく最低でも1億円以上とのこと

 

インタビュー記事(ドイツ語):ハプスブルク家当主オーストリア大公カール殿下へのインタビュー「君主政は時代遅れではない」(2018年10月)

 オーストリア帝室・ハンガリー王室のハプスブルク家当主【ハプスブルク=ロートリンゲン家当主】のオーストリア大公カール殿下(オーストリア皇子 : ハンガリー王子 : ベーメン王子 : His Imperial and Royal Highness Archduke Karl of Austria, Prince Imperial of Austria, Prince Royal of Hungary and Bohemia : カール・フォン・ハプスブルクKarl von Habsburgカール・ハプスブルク=ロートリンゲンKarl Habsburg-Lothringen)へのインタビュー記事です。

 

 (ドイツ語)Karl von Habsburg: "Die Monarchie ist nicht von gestern"

 

 「君主政は時代遅れではない」という意味のタイトルとなっていますが、あまりそのような内容はなく(というか特に目新しいものがないというか)、雑多な話がいくつか目に留まるくらいでしょうか。

※ざっと読んだだけなので抜けているかもしれませんが。

 

 最初の質問の回答から、パスポートは「Karl Habsburg Lothringen」(※記事中には「Habsburg」と「Lothringen」の間にハイフンがありませんが、本当についてないのかはわかりません)だが、父の故オットー大公殿下が「オットー・フォン・ハプスブルクOtto von Habsburg)」として知られているので、一般的な名乗りはそれに合わせているというような回答があります。
 また、カール大公殿下の公式サイトで、「Karl von Habsburg」と「von」が使われているため、これがオーストリア法(「von」が使えない)違反として訴訟を起こされていますが、これについては、「まだ捕まっていない」と答えているだけです。

殿下の公式サイト:
 (ドイツ語)Karl von Habsburg: Die offizielle Website von Karl von Habsburg

 

 また、言語についてですが「我々は子供の頃から五つの言語を学ぶ」と答えています。
 次女のオーストリア大公女グローリア殿下(オーストリア皇女 : ハンガリー王女 : ベーメン王女 : Her Imperial and Royal Highness Archduchess Gloria of Austria, Princess Imperial of Austria, Princess Royal of Hungary and Bohemia : グローリア・フォン・ハプスブルクGloria von Habsburgグローリア・ハプスブルク=ロートリンゲンGloria Habsburg-Lothringen)はアラビア語を学んでいるそうです。

 

インタビュー記事(英語):ハプスブルク家のオーストリア大公イムレ殿下へのインタビュー記事(2018年8月)オーストリア皇帝“福者”カール1世陛下の曾孫

 オーストリア帝室/ハンガリー王室/ハプスブルク=ロートリンゲン家のオーストリア大公イムレ殿下(オーストリア皇子 : ハンガリー王子 : ベーメン王子 : His Imperial and Royal Highness Archduke Imre of Austria, Prince Imperial of Austria, Prince Royal of Hungary and Bohemia)へのインタビューの記事です。

 8月21日にアイルランド共和国のゴールウェイ大聖堂でおこなわれる催しに殿下が参列予定とのことです。

 

 イムレ大公殿下は、キャスリーン妃殿下との間に、マリア=ステラ大公女殿下とマグダレーナ大公女殿下の二子があります。

 

 (英語)Advertiser.ie – 'We feel no nostalgia for the imperial era'

Galway Advertiserさんのツイート: "It's not everyday you meet royalty! HRH Archduke Imre de Habsbourg-Lorraine of Austria is from a family which has dominated European history from the Holy Roman Empire to the… https://t.co/4joPqYsAbU"

 

 イムレ大公殿下が、自分自身の人生や、オーストリア皇帝カール1世陛下夫妻や帝国崩壊後、カール1世列聖について語っています。

 なお、殿下の発言から、ローマ教皇“聖”ヨハネ・パウロ2世聖下の父(カロル・ユゼフ・ヴォイティワ息子と同名)は、カール1世の名前にちなんで自分の息子のファーストネームをカロルにしたと取れますが……(初めて聞きました。というか自分自身と同じにしただけだと思い込んでましたが、そういえば命名の理由を記述したものを見た記憶がない……)。

 

Vanity Fair(英語)記事:“There’s Nothing Wrong with Falling from Grace”(2018年)君主政復活・王室支持の話と、エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下とニコライ・トルストイ伯爵子の話題など

 (英語)“There’s Nothing Wrong with Falling from Grace”: The Global Network of Monarchists Helping Deposed Kings and Queens | Vanity Fair
 (英語:上記からニコライ・トルストイ伯爵子に関する部分の一部を抜き出したもの)Count Nikolai Tolstoy on Russian Monarchy and the Romanovs | Royal Russia News

 

 冒頭は、ルーマニア王女マルガレータ殿下(当時)から連絡を受けた人物の話、君主政復活・王室支持の話と、エチオピア帝室のエルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下(His Imperial Highness Prince Ermias Sahle-Selassie)とニコライ・トルストイ伯爵子(Count Nikolai Tolstoy)の話題などが中心となっています。

 

 エルミアス・サーレ=セラシエ皇子殿下は故エチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世陛下の孫ですが、一般的にエチオピア帝室の当主とされていません。
 しかし、この記事のように、帝室の代表者として活動しているとみる立場もあるようです。

 

 ニコライ・トルストイ伯爵子の話の一部には、“Pretender【プリテンダー】”という用語に関するものがあります。
 いうまでもなくこの言葉は中立的ではないものですが、Wikipedia英語版のせいか、この言葉が使用されるケースが多い気します(上記の記事すらそうなのですが)。
 そのもっともアホらしい例は、リトアニアの王位継承者を称して活動を始めたウラッハ公子イニゴ閣下(His Serene Highness Prince Inigo of Urach)のものらしきサイト(すぐに更新止まりましたけれど)に、イニゴ閣下をリトアニア王位の“legitimate pretender”とする表記があったことです。もちろんこれは、イニゴ閣下を正当な王位継承者と表現したかったのでしょうが、pretenderに「不当」である意味がありlegitimateに「正当」である意味があることを考慮すれば、ギャグのような言葉の並びです。
 中立的というかなんと表現すればいいのかわかりませんが、“Claimant【クレイマント】”という用語がありますが、一般的の人にはなじみがなく、また、正直これが本当に中立な用語なのか首をかしげるときもあります。日本語で“王位請求者”と(訳して)書いている例がありますが……コメントは避けます
 伯爵子は“Heir【エア】”を使っているようですが、当方でも「(王位)継承者」などこの用語を意識して書いています。この用語が実は一番便利です。曖昧さを許容するという意味でも。pretenderはそもそも本人が称していないのにこう書くのは名誉棄損みたいなものですし、claimantも本人が称していない場合はどうなのか、よくわからない部分があります。