訃報(2018年7月23日):メクレンブルク公子カール・グレゴール殿下、薨去(1933~2018)

 2018年7月23日、メクレンブルク公子カール・グレゴール殿下(His Highness Duke Carl Gregor【Karl Gregor】 of Mecklenburg : カール・グレゴール・ヘルツォーク・ツー・メクレンブルクCarl Gregor Herzog zu Mecklenburg)が薨去した模様です。
 1933年3月14日生まれの85歳。

 

 (英語)News – Death of Duke Carl Gregor | House of Mecklenburg-Strelitz

 (ドイツ語)In Remplin geborener Herzog zu Mecklenburg gestorben – WELT
 (ドイツ語)Nachruf: Mecklenburgischer Prinz in Baden-Württemberg verstorben | Uckermarkkurier.de
 (ドイツ語)Hechingen: Der trommelnde „Jazz-Herzog“ ist tot | Südwest Presse Online
 (ドイツ語)Traueranzeige von Carl Gregor Hetzog zu Mecklenburg | schwaebische.de Trauerportal

 

 メクレンブルク=シュトレーリッツ大公室の貴賤結婚の子孫で、現在この系統が権利を回復して大公室を形成していると見られています。
 が、カール・グレゴール殿下の父ゲオルク・アレクサンダー殿下は、メクレンブルクの称号や敬称は認められたものの大公室の一員としては認められていなかったとする主張もあり(というか大公室の一員として認められたとする根拠が特にない)、その場合メクレンブルク家の男系男子は消滅し、メクレンブルク=シュトレーリッツ大公位およびメクレンブルク=シュヴェリーン大公位の権利は、ホーエンツォレルン家当主/プロイセン王室当主のゲオルク・フリードリヒ殿下にあるとされることが多いようです。

 また、シュトレーリッツ系統の主張を認めた場合、全メクレンブルクの権利が当主のボルヴィン殿下にあることになりますが、現状ではメクレンブルク=シュヴェリーン系統の家産などはシュヴェリーン系統長系の男系女子メクレンブルク公女ドナータ殿下(Her Highness Duchess Donata of Mecklenburg)が管理しているとみられており、またドナータ殿下は子息にメクレンブルクの家祖またはその父とされている人物の名前を付けるなど、将来子息を当主とする気を隠そうとしていないように見受けられます。

 

訃報(2018年6月9日):ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公子ゲオルク=コンスタンティン殿下が落馬で薨去(1977~2018)同系統の男系男子は消滅が確定的に

 2018年6月9日、ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公子ゲオルク=コンスタンティン殿下(His Highness Prince Georg-Constantin of Saxe-Weimar-Eisenach : ゲオルク=コンスタンティン・プリンツ・フォン・ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハGeorg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach)が、落馬で薨去しました。
 1977年4月13日生まれの41歳。

 ヴェッティン家およびエルネスティン系ヴェッティン家でもっとも長系のザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公室当主/ザクセン=ヴァイマル=アイゼナッハ公ミヒャエル殿下(Michael : His Royal Highness The Prince of Saxe-Weimar-Eisenach)には男子がおらず、ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ系統ではミヒャエル殿下の従兄のエルンスト殿下とその子息の(今回薨去した)ゲオルク=コンスタンティン殿下しか他の男系男子は存在しなかったのですが、薨去により(ミヒャエル殿下とエルンスト殿下が70歳を超えているので)男系男子の消滅が確定的となりました。

 

 (英語)German prince who moved to UK to marry Englishwoman is killed after falling from horse in race | Daily Mail Online

 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach: Tod mit 41 | GALA.de
 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach: Plötzlicher Tod mit 41! | BUNTE.de
 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach stirbt bei tragischem Reitunfall | OTZ
 (ドイツ語)Reitunfall: Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach gestorben – FOCUS Online
 (ドイツ語)Tragisches Unglück: Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach stirbt bei Reitunfall | Express.de
 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach ist tot! | InTouch
 (ドイツ語)Georg-Constantin Prinz von Sachsen-Weimar-Eisenach Tod: Tragischer Reitunfall im Alter von 41 Jahren
 (ドイツ語)Prinz Georg-Constantin von Sachsen-Weimar-Eisenach stirbt mit 41 Jahren
 (ドイツ語)Trauerfeier für Georg-Constantin wird in Weimar beerdigt | MDR.DE
 (ドイツ語)Trauerfeier für Prinz Georg-Constantin von Sachsen-Weimar-Eisenach | MDR.DE

 

 将来的に当主になるであろうことが決定的であったゲオルク=コンスタンティン殿下の今回の薨去に伴い、当主のミヒャエル殿下は、自分の後継者に、娘のレオニー殿下を指名しています。

 (ドイツ語)Nach tragischem Unfall: Leonie führt jetzt das Haus Sachsen-Weimar-Eisenach | OTZ

 葬儀を待たずに指名がおこなわれた非礼への批判もありますが……。

 ともあれ、今回の指名が、ミヒャエル殿下がトップを務めている各団体の次期トップに娘を指名しただけのものなのか、次期ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公室当主として娘を指名したのか、見解はわかれています。

 が、ミヒャエル殿下は、アルベルティン系ヴェッティン家=ザクセン王室の男系男子消滅とともに、ザクセン王室は消滅していると主張し、「あえていうならヴェッティン家全体でもっとも長系の男系男子である自分がザクセン王室当主」という主旨まで発言したことがあります。いきなり男系男子を無視して娘を指名するとは考えにくく、また指名したところで他のエルネスティン系ヴェッティン家(ザクセン=マイニンゲン公室とザクセン=コーブルク=ゴータ公室)が承認するとは思えません。
 ザクセン=マイニンゲン公室も、当主とみなされているコンラート殿下のほかには、父の一度目の結婚(貴賤結婚とみなされている)の息子であった亡兄の息子しか男系男子はいません。そしてコンラート殿下の真意はいまだ不明です。
 すでに消滅しているザクセン=アルテンブルク公室を含めて、エルネスティン系統のヴェッティン家は、ザクセン=コーブルク=ゴータ公室以外、未来が見えない状況です。

 また、後継指名されたレオニー殿下は未婚とされており、団体のトップであろうと大公室当主であろうと、後継問題はいずれ発生すると見られています。
 そのような場合、レオニー殿下が今から結婚して子供が生まれその子が継いだり、あるいは今回薨去したゲオルク=コンスタンティン殿下の姉デジレー殿下とその子孫が継ぐのであれば異論は少なそうではありますが、そうではない(ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハの子孫ではない)人々へ権利が移るとなると、法廷で争われることがあるかもしれません。

 

ポルトガル王女マリア・フランシスカ殿下が、父のポルトガル王室当主ブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下からコインブラ女公爵に叙されたとの情報が(2018年7月)

 2018年7月4日に、ポルトガル王女マリア・フランシスカ殿下(Her Highness Infanta Dona Maria Francisca of Portugal)が、父のポルトガル王室(ブラガンサ家)当主のブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下(His Royal Highness Duarte Pio, Duke of Braganza)から、コインブラ女公爵(Duchess of Coimbra)に叙されたという情報が出ています。

 

 (ポルトガル語)Aos 21 anos e cada vez mais bonita, Maria Francisca de Bragança já é duquesa! – Atualidade – FLASH!
 (ポルトガル語)Bem-haja a Duquesa de Coimbra ! | perspectivas

 

 コインブラ公爵(Duke of Coimbra)号は、2017年2月に薨去した叔父のエンリケ王子殿下が称していました。

 マリア・フランシスカ王女殿下は、1997年3月3日生まれの21歳。
 男子優先長幼制のポルトガル王位継承法では、兄と弟に次いでポルトガル王位継承順位第3位となっています。

 

訃報(2018年7月17日):ジョージア王子【グルジア王子】エフゲニー殿下【エフゲニー・ペトロヴィチ・バグラチオン=グルジンスキー公子】、薨去(1947~2021)

 2018年7月17日、ジョージア王子【グルジア王子】エフゲニー殿下(His Royal Highness Prince Evgeny of Georgia : エフゲニー・ペトロヴィチ・バグラチオン=グルジンスキー公子 : Prince Evgeniy Petrovich Bagration-Gruzinsky)が、ロシア連邦モスクワで薨去したようです。
 1947年生まれ。

 おそらくですが、薨去に伴い、バグラチオン王朝のグルジンスキー系統の男系男子は、グルジンスキー系ジョージア王室【グルジア王室】当主/ジョージア皇太子ヌグザル殿下(His Royal Highness Crown Prince Nugzar of Georgia : ヌグザル・バグラチオン=グルジンスキー公子 : Prince Nugzar Bagration-Gruzinskyヌグザル・バグラチオニ=グルジンスキー公子 : Prince Nugzar Bagrationi-GruzinskiBatonishviliTsarevich)を残すのみとなるのではないかと思います。
 つまり残る男系はムフラニ系統(バグラチオン=ムフランスキー系統)だけになっていきます。

英国女王エリザベス2世陛下が、結婚に伴いハリー王子【ウェールズ公家ヘンリー王子殿下】に叙爵。サセックス公爵、ダンバートン伯爵、キルキール男爵(2018年5月)

 結婚に伴い、英国女王エリザベス2世陛下(Elizabeth II : Her Majesty The Queen)は、英国王室のハリー王子(Prince Harry : ウェールズ公家ヘンリー王子殿下 : His Royal Highness Prince Henry of Wales)を、サセックス公爵(Duke of Sussex)、ダンバートン伯爵(Earl of Dumbarton)、キルキール男爵(Baron Kilkeel)、に叙爵しました。

 サセックス公爵についてはかなり前から取り沙汰されていたものです。

 

 (英語:英国王室公式サイト)Prince Harry and Ms. Meghan Markle: Announcement of Titles | The Royal Family

The Royal Familyさんのツイート: "Prince Harry and Ms. Meghan Markle: Titles Announcement #RoyalWedding https://t.co/wyl0J7eW0g"

 

 これに伴い、ハリー王子はサセックス公爵殿下(His Royal Highness The Duke of Sussex)、メーガン・マークルは(もちろん本日の婚姻成立後に)サセックス公爵夫人殿下(Her Royal Highness The Duchess of Sussex)と表記されることになります。
 しかし、メディアなどで一般的にどう表記されるかは(“プリンス・ハリー”表記の知名度やメーガン・マークル本人の知名度などあり)わかりません。

 将来的に二人の間に子供が生まれた場合、その子供たちは、現段階では1917年の勅令が定めている王子・王女の称号を帯びる範囲に含まれていません(チャールズ皇太子殿下が即位すれば含まれますが)。
 その場合、事前にエリザベス2世陛下より二人の子供を王子・王女とする勅令が出れば、サセックス公爵家(名前)王子or王女殿下(His/Her Royal Highness Prince/ss NAME of Sussex)となりますが、もし勅令が出ない場合、長男はハリー王子の二つ目の高さの爵位であるダンバートン伯爵を儀礼称号として用い、長男以外の子供は、男子は卿【ロード:Lord】、女子は令嬢【レディー:Lady】を用いることになります。