訃報(2022年12月11日):ハワイ王女アビゲイル・キノイキ・ケカウリケ・カワナナコア殿下が薨去(1926~2022)ハワイ州知事は半旗掲揚を指示

 2022年12月11日、ハワイ王女アビゲイル・キノイキ・ケカウリケ・カワナナコア殿下(Her Royal Highness Princess Abigail Kinoiki Kekaulike Kawānanakoa of Hawaii)が薨去した模様です。
 1926年4月23日生まれの96歳。

 アメリカ合衆国ハワイ州知事ジョシュ・グリーン閣下(Governor Josh Green, M.D.)は、薨去に伴い、アメリカ合衆国国旗およびハワイ州州旗の半旗掲揚を指示しました。

 同王女をハワイ王室当主およびハワイ王位継承者と見る立場もありましたが、後継は特におらず、指名などもされてはいなさそうです。
 これにより、(おそらく)王室当主と見なされる可能性のある人物は二人になったかと思います。

 

 (ハワイ州知事 公式サイト)Governor Josh Green, M.D. | Office of the Governor – News Release: Governor Green Issues Flag Order in Honor of Late Princess Abigail Kawānanakoa

Governor Josh Green, M.D.さんはTwitterを使っています: 「Jamie and I are deeply saddened by the loss of Princess Abigail Kinoiki Kekaulike Kawānanakoa. I have ordered that the United States flag and the Hawaiʻi state flag be flown at half-staff until sunset on Sunday, December 18, 2022. https://t.co/y80tOwYpDY」 / Twitter

Jaime and I are deeply saddened by… – Governor Josh Green | Facebook

 

イオラニ宮殿からの発表:
Iolani Palace, Kawananakoa ohana to make important announcement | #LIVE: The family of Abigail Kawananakoa will be making a “very important announcement.” #HINews #HNN | By Hawaii News Now | Facebook

 

KHON2 News:
Princess Kawananakoa praised for her generosity – YouTube

 

 (英語)Abigail Kawananakoa, ‘the last alii’ and a lifelong champion of Native Hawaiian causes, dies at 96
 (英語)Hawaii’s Princess Abigail passes away at age 96 | KHON2
 (英語)Hawaiian princess Abigail Kinoiki Kekaulike Kawānanakoa dies

 (英語)Russian Legitimist Notes With Regret The Death of Princess Abigail Kinoiki Kekaulike Kawānanakoa — The Russian Legitimist

 

KHON2 NewsさんはTwitterを使っています: 「https://t.co/15EtHbU7t7」 / Twitter

KHON2 News – The Kawānanakoa family announced that… | Facebook

 

New York PostさんはTwitterを使っています: 「'Last Hawaiian princess' dead at 96 https://t.co/erzgtGmDSW https://t.co/Ng3pZGd0VZ」 / Twitter

ハワイ王女アビゲイル・キノイキ・ケカウリケ・カワナナコア殿下の資産管理について、判事はファースト・ハワイアン・バンクを管理者にあてることを決定(2018年9月)

 アメリカ合衆国ハワイ州ホノルルの裁判所は、ハワイ王女アビゲイル・キノイキ・ケカウリケ・カワナナコア殿下(Her Royal Highness Princess Abigail Kinoiki Kekaulike Kawānanakoa of Hawaii)の資産管理について、ファースト・ハワイアン・バンクを管理者にあてることを決定したようです。

 

 (英語)Hawaiian princess Abigail Kawānanakoa loses control of $215M trust
 (英語)Judge rules Hawaiian princess unfit to manage $215m trust | US news | The Guardian
 (英語)Judge Tells Hawaiian Princess Abigail Kawananakoa That She's Mentally Incapable of Managing Her $215M Trust

 

 同殿下は、ハワイ王位継承者を考える場合に名前が挙がる一人でもあります。

 今回の騒動は、昨年(あるいは少し前から)殿下の資産管理人と殿下の間に意見の相違などが持ち上がり、資産管理人が裁判所に本人は意思決定が不可能な精神状況にあると申し立て、一方殿下は資産管理人の解任をおこないます。
 これと前後して、殿下は、20年来のパートナーとされるヴェロニカ・ゲイル・ワースVeronica Gail Worth)と同性婚をおこないました(これに伴い、ヴェロニカの姓がカワナナコアとなっているかもしれませんが……)。
 殿下がヴェロニカを資産管理に関わる一人に任命しようとする一方、資産管理人や殿下のケア(?)などをおこなっていた人物がヴェロニカが殿下に暴力をふるっているのを見たと主張するなど、どこかで聞いたことのあるような展開になり、そして判決が出たわけです。
 資産管理人をその地位からはずす一方、殿下側の主張は認めずファースト・ハワイアン・バンクを管理者にあてるということになりました。
 当面のところ、殿下の資産によって運営されている団体は、そのままの方針で活動を続けるものとみられています。

 今回の騒動はこの先があるのかどうかわかりませんが(控訴?の類)、それはそれとして、殿下の遺言書でヴェロニカが相続人に指名されている可能性は高く(指名してなくても結婚相手になってますし)、その場合、またひと悶着あるでしょう。

 

関連:
 訃報(2022年12月11日):ハワイ王女アビゲイル・キノイキ・ケカウリケ・カワナナコア殿下が薨去(1926~2022)ハワイ州知事は半旗掲揚を指示

(もう独立してませんが)ハワイ王国独立175周年・カメハメハ3世の新しい彫像除幕式にオルレアン派フランス王室長女/リヒテンシュタイン公子妃マリー殿下と娘の公女マルガレーテ殿下が参列。ハワイ王室当主(とされる一人)のハワイ王女オワナ・サラザール殿下の招待(2018年7月)

 2018年7月31日、アメリカ合衆国ハワイ州で、ハワイ王カメハメハ3世の新しい彫像の除幕式がおこなわれました。
 また、ハワイ王国独立175周年を祝う意味もあるようです。

※ハワイ王国の独立ですが、175周年ということは、1843年に独立したということであり、その2月に英国人によるハワイ完全接収方針(?)があり、7月31日にそれが退けられ、11月28日に英語で「Anglo-Franco proclamation(英仏宣言?)」と呼ばれる英国政府とフランス政府によるハワイ独立承認があったようです(詳細は調べていませんが)。
 しかし完全な英国領になってたら、現在時点で独立国家になってたような気もします。

 この式典ですが、現在ハワイ王室当主の一人とされるハワイ王女オワナ・サラザール殿下(Her Roya Highness Princess Owana Salazar of Hawaii)の招待により、オルレアン派フランス王室の長女であるリヒテンシュタイン公子妃マリー殿下(オルレアン公女 : フランス王女 : Her Royal Highness Princess Marie of Liechtenstein, Princess of Orléans, Princess of France)と娘の一人のリヒテンシュタイン公女マルガレーテ殿下(Her Serene Highness Princess Margarete of Liechtenstein)が参列したようです。
※マリー妃殿下は、リヒテンシュタイン公子グンダカル殿下と結婚しています。

 今回、オワナ・サラザール殿下がオルレアンを招待したのは、1843年当時が七月王政だからなのかもしれないと思いますが、下記公式サイトには、フランスのフの字もオルレアンのオの字も、招待した話も名前の表記もありません。

 また、殿下の兄弟としてラアヌイLaanui)とカラニKalani)という名前が(オルレアニストのブログの)記事に見えます。
 この名前を一部に持つ兄弟がいるという情報があるのでその二人でしょうか。

 

 (英語:ハワイ王室【ケオウア・ヌイ家】公式サイト:写真あり)Royal Family of Hawaii Official Website | Unveiling the new statue of King Kamehameha III at Thomas Square Park | July 31, 2018

 (URL移転により記事の掲載が終了しています)(フランス語:フランスのオルレアニストのブログ)La Princesse Marie de France aux 175 ans de la restauration de la Monarchie à Hawaï – Le blog de La Couronne
掲載時URL:http://www.la-couronne.org/actualite-royale/la-princesse-marie-de-france-aux-175-ans-de-la-restauration-de-la-monarchie-a-hawai/

 

中央の女性がオワナ・サラザール殿下、向かって右端がマリー妃殿下母娘:
URL移転により記事の掲載が終了し、関係あるかわかりませんが写真も表示されなくなっています)
La Couronneさんのツイート: "La Princesse Marie de France aux 175 ans de la restauration de la Monarchie à Hawaï https://t.co/JQzUt0Nlc4"

 

オワナ・サラザール殿下関連記事:
 インタビュー動画(英語、字幕はポルトガル語):ハワイ王女オワナ・サラザール殿下へのインタビュー動画(2017年3月)

 

インタビュー動画(英語、字幕はポルトガル語):ハワイ王女オワナ・サラザール殿下へのインタビュー動画(2017年3月)

 ハワイ王女オワナ・サラザール殿下(Her Roya Highness Princess Owana Salazar of Hawaii)へのインタビュー動画(応答は英語、字幕はポルトガル語)がアップロードされています。

 ハワイ王室の現在の(というかかなり前の世代からの)状況は混沌としており、複数系統の複数人の当主が挙げられています。
 オワナ・サラザール殿下の系統はカメハメハ1世の異母兄から女系を介して外国人との結婚もあっての子孫ですが、この系統の現在の当主についても主張が割れています。

 今回、動画をアップロードしている(=おそらくインタビューしている)のは、ブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下を支持するポルトガル共和国の王党派団体だと思うのですが、同団体がオワナ・サラザール殿下をハワイの王女と言及していることは重要です(ポルトガル王室がそう認識していると考えてよいと思います)。

 また、動画中では、ポルトガル王ルイス1世や、カメハメハ3世カラカウアなどの名が挙げられ、ポルトガルとハワイの歴史につながりがあるかのように語られるのですが、細かいことはよくわかりません。

 

monarquia.tv:
ENTREVISTA A SAR A PRINCESA OWANA SALAZAR DO HAWAI. – YouTube