訃報(2020年9月12日):ナイペルク伯ヨーゼフ・フーベルト殿下、102歳で薨去(1918~2020)1947年から当主。オーストリア系(ハプスブルク系)金羊毛騎士、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章

 2020年9月12日、ナイペルク家当主/ナイペルク伯ヨーゼフ・フーベルト殿下(Josef Hubert : His Illustrious Highness The Count of Neipperg : ヨーゼフ・フーベルト・グラーフ・ウント・ヘル・フォン・ナイペルクJosef Hubert Graf und Herr von Neipperg)が薨去したとのことです。
 1918年7月22日生まれの102歳。
 1947年より、ナイペルク家の当主でした。ナイペルク家は神聖ローマ帝国時代の領邦国家君主の家柄です。

 薨去に伴い、子息のナイペルク伯世子カール・オイゲン殿下(His Illustrious Highness The Hereditary Count of Neipperg : カール・オイゲン・エルプグラーフ・フォン・ナイペルク : Karl Eugen Erbgraf von Neipperg)がナイペルク家当主/ナイペルク伯となりました。

 

 (英語)Royal Musings: The death of Josef Hubert Count of Neipperg

 (ドイツ語:死亡告知)Traueranzeigen von Josef Hubert Graf und Herr von Neipperg | www.trauerundgedenken.de
 (ドイツ語)Ein Leben für die Heimat und den Glauben – STIMME.de

 

訃報(2020年9月1日):トラウトマンスドルフ=ヴァインスベルク伯子フリードリヒ殿下、薨去(1926~2020)

 2020年9月1日、トラウトマンスドルフ=ヴァインスベルク伯子フリードリヒ殿下(His Illustrious Highness Count Friedrich of Trauttmansdorff-Weinsberg : フリードリヒ・グラーフ・フォン・ウント・ツー・トラウトマンスドルフ=ヴァインスベルクFriedrich Graf von und zu Trauttmansdorff-Weinsberg)が薨去した模様です。
 1926年6月21日生まれの94歳。

 現当主のトラウトマンスドルフ=ヴァインスベルク公カール=ヴォルフガング殿下の叔父にあたります。

 

 (英語)Friedrich TRAUTTMANSDORFF-WEINSBERG – Obituary

 

結婚(2020年8月15日):ヴァルトブルク=ツァイル=ホーエンエムス伯子ベネディクト殿下とレヒベルク=ローテンレーヴェン=ホーエンレヒベルク伯女エリザベート殿下

 2020年8月15日、ヴァルトブルク=ツァイル=ホーエンエムス伯子ベネディクト殿下(His Illustrious Highness Count Benedikt of Waldburg-Zeil-Hohenems : ベネディクト・グラーフ・フォン・ヴァルトブルク=ツァイル=ホーエンエムスBenedikt Graf von Waldburg-Zeil-Hohenems)とレヒベルク=ローテンレーヴェン=ホーエンレヒベルク伯女エリザベート殿下(Her Illustrious Highness Countess Elisabeth of Rechberg-Rothenlöwen-Hohenrechberg : エリザベート・グレフィン・フォン・レヒベルク・ウント・ローテンレーヴェン・ツー・ホーエンレヒベルクElisabeth Gräfin Rechberg und Rothenlöwen zu Hohenrechberg)が結婚しました。

 年内に子供の誕生予定だそうです。

 

 (フランス語)Le mariage d'Elisabeth von Rechberg et Benedikt von Waldburg – Point de Vue

 (英語)Royal Musings: The wedding of Count Benedikt von Waldburg-Zeil and Countess Elisabeth von Rechberg.
 (英語)Waldburg & Rechberg – Marriage in times of Corona

 

結婚式(2020年8月8日):ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ザイン公女ソフィア殿下とアルキア・アカヴァン=カラジャン氏

 2020年8月8日、ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ザイン公女ソフィア殿下(Her Serene Highness Princess Sofia of Sayn-Wittgenstein-Sayn : ソフィア・プリンツェッシン・ツー・ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ザインSofia Prinzessin zu Sayn-Wittgenstein-Sayn)とアルキア・アカヴァン=カラジャン氏(Archia Akhavan-Kharazian)の結婚式がおこなわれました。

 

Schloss Sayn – Hochzeit von Prinzessin Sofia zu… | Facebook

 

前スペイン王ファン・カルロス1世陛下がスペインを出国するとの報道(2020年8月)タックス・ヘイヴンを巡るスキャンダルの最中。帰国は生涯ないとの観測も

 タックス・ヘイヴン(租税回避地)を巡るスキャンダルなどが報じられていた前スペイン王ファン・カルロス1世陛下(His Majesty King Juan Carlos I of Spain)ですが、スペイン王国を出国すると報道されています。
※一部では「亡命」という単語が……。

2020年8月4日 22時15分追記:
 陛下は中米のドミニカ共和国に到着しているとの報道が出ています。
2020年8月4日 22時39分追記:
 ポルトガル説も出ているようです。

 

 (過去において)海外の口座に中東の君主(サウジアラビア財務大臣が故サウジアラビア王からの指令で?)からの送金(リベートの類?)が確認され、子息のスペイン王フェリペ6世陛下が遺産の相続権を放棄するという声明を出したという報道がありました。父に関する予算もカット。そしてスペインの最高裁判所から捜査命令が出ているようです。
 また、その後、スイス連邦からスペイン王国に秘密裏に金が動かされたとの報道も出ました。こちらは現在のところ、スペインおよびスイスでは捜査は開始されていませんが、開始されると見込まれており、また陛下側は捜査に協力するとのことです。

 当面のところ、陛下の称号は維持される見込みと、前王妃ソフィア陛下への影響は考慮されていませんが、これらもどうなるかわかりません。

 

 (英語)Spanish royal family: Spain’s emeritus king Juan Carlos I to leave country amid tax haven scandal | News | EL PAÍS in English
 (英語)BREAKING: King Juan Carlos of Spain leaves country in exile amid corruption scandal – Royal Central

 不正疑惑のスペイン前国王、亡命の意向 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
 スペイン前国王 国外へ 高速鉄道建設計画めぐり収賄疑惑で | NHKニュース

 

追記:
 全体像がよくわかりませんが、サウジアラビアがらみで、サウジ側から資金洗浄がおこなわれつつ最終的に陛下にお金が渡っている、というように思えました。これに関して、元ザイン=ヴィトゲンシュタイン=ザイン公子妃のコリンナ・ラーセン(陛下の元愛人として名前があがる人)が所有する企業が関わっているとも報道されています。
 スイスの金融機関が関わっているため、スイスの捜査官がスペイン側に陛下の行動に関して問い合わせている状況ともされています。

 一方、NHK は「サウジアラビアの高速鉄道の建設計画をめぐって、工事を受注したスペインの企業連合から見返りに金を受け取った疑惑」としています。
 これは、サウジアラビア王国のハラマイン高速鉄道(メッカ・メディナ高速鉄道)の車両などにおいて、スペイン王国の企業群が受注した件ででしょう。
 サウジアラビアがらみであることは同じものの(また、おそらくこの鉄道の件が問題の核心と思えるものの)、こちらはスイスに関しては情報がなく、別件(というか別の不正というか)なのか。見返りとしていますが、そもそもなんの見返りなのか。

 全体像としては、高速鉄道建設の件で、陛下へリベートというかワイロというかなんというかが渡ったことは確かに思えます。
 無理矢理つなげるならば、スペイン企業 → サウジアラビア王室 → 陛下に関わるスイスの金融機関の口座、となりますが、正確な話は続報を待ちたいと思います。

 

 陛下は2014年に退位するまで国家元首としての特権がありましたが、現在でも一部特権があるようです。
 また、在位中の行為に関する問題についてどういう扱いになるのか、いまひとつはっきりしません(免責特権があるので刑罰などはないとしても捜査もしないわけにはいかないでしょうし)。

 

追記2:
 それにしてもどこの国へいこうというんでしょう。
 現在の世界の状況(新型コロナウイルス感染症【COVID-19】のパンデミック下)では、高齢の陛下を受け入れるのは、医療の質が高く医療体制に余裕がある国となるでしょう。それに加えて不正の疑い(というか出国する時点で疑いどころではありませんが)のある人物を受け入れ、かつスペインと引き渡し条約を結んでいないという夢のような国がいったいどこに……。

2020年8月4日 22時15分追記:
 (この記事の上部にも追記していますが)陛下は中米のドミニカ共和国に到着しているとの報道が出ています。
2020年8月4日 22時39分追記:
 ポルトガル説も出ているようです。

 「王室に対する批判が高まるのを避けたい」というのも、なんともよくわからない話で、もともとがご本人の表明に基づくものなので報道としてはそう書くしかないでしょうが、いったいこれでどうやって批判が高まるのを避けるつもりなのか。

 

追記3:
 (英語)King Carlos is 'staying in the Dominican Republic' after being 'forced into exile' | Daily Mail Online
 (英語)Spaniards ask where Juan Carlos has gone after ex-king leaves country – Reuters

 スペイン前国王、中米ドミニカ共和国へ亡命か 報道 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

 ポルトガル説もあるものの、ドミニカ共和国が有力とみられているようです(正式発表があると見込まれているので、もう少し情報を待った方がよさそうですが)。
 ロイターによれば、

Switzerland classifies the Dominican Republic as a country with which judicial cooperation is “very difficult”, but Spain has an extradition agreement with it.

 スイス連邦はドミニカ共和国を、捜査協力が「きわめて困難」な国としているようです。一方で、スペイン王国は同共和国との間に本国送還/引き渡しに関する合意(条約ではない??)があるともしています。

 

関連・続報:
 前スペイン王妃ソフィア陛下はスペインを離れる予定なし(2020年8月)