ハプスブルク家当主の弟、オーストリア大公ゲオルク殿下が、次のフランス駐箚ハンガリー大使になるとの報道(2020年12月)

 オーストリア大公ゲオルク殿下(オーストリア皇子・ハンガリー王子・ベーメン王子 : His Imperial and Royal Highness Archduke Georg of Austria, Prince Imperial of Austria, Prince Royal of Hungary and Bohemia : ゲオルク・ハプスブルク=ロートリンゲンGeorg Habsburg-Lothringenゲオルク・フォン・ハプスブルクGeorg von Habsburgハプスブルク・ジェルジHabsburg György)が、次のフランス共和国駐箚ハンガリー特命全権大使となると報道されています。

 

 (ハンガリー語【マジャール語】)Index – Külföld – Habsburg váltja Károlyit a párizsi nagykövetségen

 

 ゲオルク大公殿下は、ハプスブルク家当主カール大公殿下の弟です。
 ハンガリーではハプスブルク家の代表扱いで、ハンガリーでの式典で兄弟が同席しているとゲオルク大公殿下の臨席しか文章に書かれていないこともあります。

 

ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下に対し、野党・国民民主会議【NDC】が訴訟を起こす模様(2020年12月)今月の総選挙でアシャンティ王が不正を指揮したと主張

 ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)に対し、同共和国の最大野党(二大政党のひとつ)・国民民主会議【NDC】が訴訟を起こすという記事が配信されています。

 今月【2020年12月7日】、ガーナ共和国では大統領選挙と議会選挙をあわせた総選挙がおこなわれており、大統領選挙は現職のガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)、議会選挙も与党・新愛国党【NPP】が NDC を上回る結果が出ています。
  NDC 大統領候補のジョン・ドラマニ・マハマ(前)大統領は結果の受け入れを拒否しており、当面のところは選挙結果に関する異議の申し立てが続きそうです。
 そしてその一環として、同共和国の最大州アシャンティ州において、アシャンティ王が現職・与党を勝利させるために、不正を指揮したとの訴えを起こすことと、その前に王のマンヒヤ宮殿【マンヒア宮殿】の前で抗議活動をおこなうようです(普通?の抗議活動なのか、アフリカによくある歌ったり踊ったり回ったりするやつなのかはわかりません)。

 ここまでの現大統領および与党と、アシャンティ王の関係を見てくると、まず、両者の関係が悪化。
関連:
 ガーナ共和国のアシャンティ王オトゥムフォ・ナナ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、大統領の甥や側近が自分を罵っていると(別件で宮殿を訪問した)大統領が議長を務める与党・新愛国党【NPP】の幹部や政治家らに激怒、幹部らは謝罪したとの記事が(2018年5月)

 大統領が関係の正常化を図ります。
関連:
 ガーナ大統領アクフォ=アド閣下が、アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下を訪問の予定。大統領による謝罪か弁明がおこなわれるとみている記事が配信(2018年5月)

 その後、大統領の母方の家系であるアキーム・アブアクワ王の式典にアシャンティ王が臨席するという関係が改善されたとみられる出来事がありました。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アキーム・アブアクワ王ナナ・オフォリ・アッタ1世(現大統領の母方の祖父)崩御75周年式典。アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が臨席(2018年8月)

 一方、そのアキーム・アブアクワ王と野党が激しく対立。
関連:
 ガーナの政党「国民民主会議 【NDC】」の地方幹部が、アキーム・アブアクワ王オサグイェフオ・アモアティア・オフォリ・パニン陛下及び同地の住民を「マハマが大統領になる前は動物と同じ水を飲んでいた」と評した件で王国側が激怒。書面での謝罪を拒否し、公共の場での謝罪などがおこなわれない場合、900以上の町村で活動を禁止すると宣言(2019年9月)

 ローリングス(元)大統領の葬儀をめぐる争いが与野党で発生します。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、死去したジェリー・ローリングス(元)大統領に弔意を表明(2020年11月)与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】に、葬儀などをめぐる争いをやめるよう要求

 そして選挙当日。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下夫妻らがガーナ共和国総選挙の投票へ(2020年12月)

 以上のことなどから、大統領とアシャンティ王の関係は、一次の悪化の後に良好となっており、アシャンティ王が現職大統領を支持していることは間違いないでしょう。
 また、アシャンティ王が命令すれば、選挙での不正くらいは起こせそうではあります。
 一方、今回の選挙結果は、事前の選挙情勢分析のいくつかの予想にほぼ当てはまるものであり、順当な結果のうちとも取れます。

 

 (英語)NDC to petition Asantehene over 2020 general election outcome [ARTICLE] – Pulse Ghana

#PulseElectionsさんはTwitterを使っています 「NDC to petition Asantehene over 2020 general election outcome https://t.co/Ys9nFbwds9 https://t.co/vHiFI1u5yg」 / Twitter

 

 (英語)Ghana Election 2020: NDC To Petition Otumfuo Over Alleged Irregularities In Ashanti Region » GhBase•com™

 

ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下夫妻らがガーナ共和国総選挙の投票へ(2020年12月)

 ガーナ共和国総選挙の開票が始まっています。
 当然それより前のことになりますが、ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)とジュリア・オセイ・トゥトゥ令夫人(Lady Julia Osei Tutu)が投票をおこなったようです。

 おそらくですが、現職のガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)と与党・新愛国党【NPP】に投票したのではないかと思います。

 ガーナ総選挙では大統領選挙と議会選挙がおこなわれ、大統領選挙では現職とジョン・ドラマニ・マハマ(前)大統領の事実上の一騎打ち、議会選挙は与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】の争いが主流となります。

 現在の報道による情勢では大統領選挙は現職有利、議会選挙でも与党が有利と見られます。
 (英語)Ghana Election 2020
 アシャンティ王の地元アシャンティ州は同国の最大人口を誇り、今回の投票結果で明らかに現職・与党を支持する結果が出ています。大統領の地元イースタン州(東部州)よりも支持が強いというのは正直解せないレベルですが……。

 

 (英語)Asantehene Otumfuo Osei Tutu II, wife cast their ballot

 

GhanaWebさんはTwitterを使っています 「Already, a number of dignitaries have cast their ballots. Continue Reading >> https://t.co/wS5YXbOyHa」 / Twitter

 

GhanaWeb – The Asantehene, Otumfuo Osei Tutu II has cast… | Facebook

 

ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、死去したジェリー・ローリングス(元)大統領に弔意を表明(2020年11月)与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】に、葬儀などをめぐる争いをやめるよう要求

 ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)は、11月12日に死去したガーナ共和国(元)大統領ジェリー・ジョン・ローリングス退役空軍大尉閣下(His Excellency the Former President of Ghana, Flt Lt (rtd) Jerry John Rawlings)に弔意を表明しました。

 また、ローリングス(元)大統領の葬儀などを巡って、与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】が争っていることについて、やめるよう要求しました。

 ローリングス(元)大統領は、アフリカで有数の有力な政治家で、国民民主会議【NDC】の設立者です。
 ガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)率いる与党・新愛国党【NPP】がローリングス(元)大統領の葬儀を仕切り、自身らこそがローリングス(元)大統領の後継者であるかのように見せかけようとしているとして、 NDC から批判が起こっているという状況です。

 

 (英語)Don’t Fight Over Rawlings' Death – Otumfuo To NPP, NDC

 

Modern GhanaさんはTwitterを使っています 「Don’t Fight Over Rawlings' Death – Otumfuo To NPP, NDC https://t.co/KCwqISG5CA」 / Twitter

 

Don’t Fight Over Rawlings' Death –… – Modern Ghana Web | Facebook

 

訃報(2020年11月2日):ハプスブルク=ロートリンゲン家のハンガリー王女シャロルタ殿下が薨去(1940~2020)故・テシェン公アルプレヒト・フランツ大公殿下の長女

 2020年11月2日、オーストリア大公女シャロルタ殿下(オーストリア皇女 : ハンガリー王女 : ベーメン王女 : Her Imperial and Royal Highness Archduchess Sárolta of Austria, Princess Imperial of Austria, Princess Royal of Hungary and Bohemia)が薨去しました。
 1940年3月3日生まれの80歳。

 

 (英語)Eurohistory: The Passing of Archduchess Sárolta of Austria (1940-2020), Daughter of the Last Duke of Teschen
 (フランス語)Hommages – Pour que son souvenir demeure: Sárolta v.H.-L. WUTHOLEN

 

 父はハプスブルク家のテシェン公アルプレヒト・フランツ大公殿下で、両親の結婚は貴賤結婚のため、シャロルタ殿下と妹のイルディコ殿下は当時の当主オットー殿下よりハプスブルク伯女の称号を受けています。
 また、国王のいないハンガリー王国の摂政だったホルティ・ミクローシュより、アルプレヒト・フランツ大公殿下はハンガリー王子として認められており、その娘として姉妹もハンガリー王女ということになります(これはオットー殿下の認めたものではありません)。
 加えて、21世紀に入ってハプスブルク=ロートリンゲン家の当主によって結婚に関する制限が大幅に緩められ、過去の貴賤結婚についてもあらためて承認されている状況であり(故オットー殿下が決めたのか現当主のカール大公殿下が決めたのかはっきりしないという状況ですが)、シャロルタ殿下の両親の結婚もこれに該当するとみられています。

 家族によると、当人はこれらの称号について特に使用したことはないようです。
 これは良くある、当人が興味を持っていない事例にも思えますが、一方でご本人は歴史やハプスブルクに興味のある様々な人々と会見していたようです。
 ホルティ摂政の承認した称号を使用するのはホルティ時代の政治を支持していると取られる可能性もありますし、また(結婚制限が緩められる前の状態では)当主のオットー大公殿下の権限に挑戦しているとも取れます(オットー殿下にはハプスブルク伯女の称号しか認められていない)ので、慎重に行動していたということかもしれません。