スペインのラ・ラソン紙掲載の世論調査:73%が前スペイン王ファン・カルロス1世陛下を民主主義の基本的価値(を体現する人物)と回答(2021年8月)

 スペインのラ・ラソン紙掲載の世論調査です。

 項目は複数あるのですが、記事見出しに出ているのが、 73% の人々が前スペイン王ファン・カルロス1世陛下(His Majesty King Juan Carlos I of Spain)を民主主義の基本的価値(を体現する人物)と回答していることです。

※陛下は、汚職疑惑などが原因でアラブ首長国連邦【UAE】のアブダビに自主的に滞在(?)しています。

 18歳~34歳の層でも数字は下がるものの 62.3% がそう答えており、これは同層の他の回答項目の「君主政支持45.9%・共和政支持47.2%」という結果を考えると、なかなか不思議なところです。

 また、 57.6% が陛下は帰国するべきと回答しています。

 

 (スペイン語)Encuesta: El 73% ve a Juan Carlos I un valor fundamental de la democracia

La RazónさんはTwitterを使っています 「Encuesta | El 73% ve a Juan Carlos I un valor fundamental de la democracia ➡ El sondeo de NC REPORT refleja que la mitad de la sociedad cree que hay una campaña de la izquierda contra su figura, pero también reclama que vuelva a España. Por @Rocy__92 https://t.co/Ic2UeQfp50」 / Twitter

 

 それにしても、この 73% を信じるならば、ポルトガル王室(ブラガンサ家)当主のブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下(His Royal Highness Duarte Pio, Duke of Braganza)の見立ては正しいということになりそうだという気がします:
 インタビュー記事(スペイン語):ポルトガル王室当主/ブラガンサ公爵ドゥアルテ・ピオ殿下へのスペイン語メディアのインタビュー記事(2021年3月)「(前スペイン王)ファン・カルロス1世は良い王として記憶されるだろう」

南アフリカ伝統的君主:ズールー王ミスズールー陛下が、亡父とその第一王妃の結婚を無効とするよう法的措置を開始した模様(2021年7月)

 南アフリカ伝統的君主の一人、ズールー王ミスズールー・シンコビレ・カズウェリティニ陛下(His Majesty King Misuzulu Sinqobile kaZwelithini of Zulu)は、亡父グッドウィル・ズウェリティニ陛下とその第一王妃シボンギレ・マドラミニ陛下(Her Majesty Queen Sibongile MaDlamini)の結婚を無効とするよう法的手続きを開始したようです。

 

 (英語)Zulu King Misuzulu in legal bid to nullify his father's marriage to first wife

 

 なにをどうすれば無効にできるのかさっぱりわかりませんが、ここまでの経緯を整理しておきます。

 まず、本年3月12日にグッドウィル・ズウェリティニ陛下が崩御します。
 訃報(2021年3月12日):南アフリカ伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下が崩御(1948~2021)

 続いて、摂政となっていた第三王妃のマントフォンビ陛下も崩御。
 訃報(2021年4月29日?):南アフリカ伝統的君主/ズールー摂政(王妃)マントフォンビ陛下が崩御(1953~2021)ズールー王の崩御の翌月。南ア大統領は弔意を表明。エスワティニ王(スワジランド王)ムスワティ3世陛下の姉

 そして二人の子供のミスズールー陛下が王になります。
 崩御した南アフリカ伝統的君主/ズールー摂政(王妃)マントフォンビ陛下の遺書が読み上げられ、子息のミスズールー・ズールー王子殿下がズールー王に指名される(2021年5月)

 これに対し、第一王妃のシボンギレ・マドラミニ陛下が、王の選出が適切におこなわれなかったことと、民事婚上の妻が自分ひとりであることからズールー王の遺産の半分を要求します。
 南アフリカ伝統的君主:崩御したズールー王の第一王妃と娘の王女たちが提訴をおこなった模様(2021年5月?)南アフリカ共和国では慣習的な一夫多妻は容認されているものの、民事婚は認めていないため、第一王妃のみが法律上の妻との主張など

 以上の経緯からすると、今回、ミスズールー陛下が、亡父とその第一王妃の結婚を無効にするよう法的手続きを開始したのは、この民事婚を有効としてしまうと遺産の半分を持っていかれるのは避けられないという結論からではないかとも思われますが……。
 しかし、50年以上前の結婚を無効にするというのが可能なのかどうか、大いに疑問がわくところです。
※それ以前に、いろいろと妙な話だなあ、という感がぬぐえませんが。

 これに加え、南アフリカ共和国全域での騒乱と、エスワティニ王国(スワジランド王国)での騒乱がズールーへの影響を与えるでしょう。
 ミスズールー陛下は母方からエスワティニ王ムスワティ3世陛下の甥であり、ざっくり言ってしまえば、ムスワティ3世陛下が国内を収めきればミスズールー陛下に有利であり、逆であれば不利になるということです。
 南アフリカ共和国の役所や裁判所の判断如何では、暴動が発生する可能性も高く、クワズールー・ナタール州はひりひりした状況が続きそうです。

※なお、同州政府はすでにミスズールー陛下に、文化的保護のための予算額を提示しており、同陛下が王だと認めています。
続報:
 南アフリカ共和国クワズールー=ナタル州政府が、ズールー王位の争いに関して、大統領の介入を要請することを決定(2021年8月)

誕生(2021年7月2日):バーレーン王室のハーリド・ビン・ハマド殿下(バーレーン王ハマド陛下の子息)に三つ子(ナーセル、イーサ、サルマーン)が誕生

 2021年7月2日、バーレーン王室の“シャイフ【シェイク】”・ハーリド・ビン・ハマド・アル・ハリーファ殿下(His Highness Shaikh Khalid bin Hamad Al Khalifa)に三つ子が誕生したと発表されています。
 ハーリド殿下は、バーレーン王ハマド・ビン・イーサ・アル・ハリーファ陛下の二人前の妻との間の二人目の男子です。

 三つ子の名前は上から順にナーセルNasser)、イーサIsa)、サルマンSalman)となっており、バーレーン王位継承順位はそれぞれ第21位~第23位になるかと思われます。

 

 (英語)HH Shaikh Khalid had three baby boys

 (記事の掲載が終了していますorサイトの運営が終了しています)Bahrain’s Sheikh Khaled Bin Hamad Welcomes triplets – Arabian Royal Agency
掲載時URL:https://arabianroyalagency.com/bahrains-sheikh-khaled-bin-hamad-welcomes-triplets/

逃亡中のルーマニア王カロル2世男系孫パウル・フィリップ・アル・ロムニエイ氏(“ルーマニア王子パウル殿下”)の妻、リア妃と子息カロル・フェルディナンドが居住していた別荘を銀行に接収されたとの報道(2021年7月)

 バネアサ農園事件などに伴い、実刑判決が出、ルーマニアから逃亡しているパウル・フィリップ・アル・ロムニエイ氏(Paul Philippe al României)ですが、いまだ確保されていません。
 この度、パウル氏と一緒に逃亡はしていない、妻のリア・アル・ロムニエイ夫人(Lia al României)と子息のカロル・フェルディナンド・アル・ロムニエイCarol Ferdinand al României)が居住していた別荘を銀行に接収され、ホテルへ移ったと報道されています。
 銀行側は、この別荘について、パウル氏側から数年にわたりリース契約への支払いがなされていないため、他の所有者に売却したともされています。

 なお、ルーマニアの報道では、パウル氏一家には、王子および王子妃の称号が含まれることが多いです。

 

 (ルーマニア語)Prințesa Lia și fiul ei au fost evacuați din casă

Antena 3:
Prințesa Lia și fiul ei, evacuați din casă. Banca le vinde vila – YouTube

 

関連:
 バネアサ農園事件:ルーマニア警察公式サイトが、実刑3年4ヶ月の判決が出た“自称ルーマニア王子”、ルーマニア王カロル2世男系孫パウル・ランブリノ氏(パウル・ホーエンツォレルン氏、法律上はパウル・フィリップ・アル・ロムニエイの名になっている模様)への令状を掲載(2020年12月)
 バネアサ農園事件:“自称ルーマニア王子”、ルーマニア王カロル2世男系孫パウル・ランブリノ氏(パウル・ホーエンツォレルン氏)に実刑3年4ヶ月(2020年12月)ポルトガル滞在と思われるため、ブカレスト警察はEUで有効な令状を請求している模様

インタビュー動画:(旧)ブルンジ王室のローザ・ポーラ・イリバギザ・ムワンブツァ王女へのインタビュー(2021年7月)

 (旧)ブルンジ王室のローザ・ポーラ・イリバギザ・ムワンブツァ王女(Princess Rosa Paula Iribagiza Mwambutsa)へのインタビュー動画です。

 

Yaga Burundi:
😍 En exclusivité : Rosa Paula Iribagiza, la soeur de Rwagasore – YouTube

 

 故ムワンブツァ4世の娘・故ンタレ5世の姉で、民主防衛国民会議・民主防衛勢力から議員を務めたこともあります。支持者や、アフリカの王室を扱うサイトなどでは、ブルンジの王室当主、殿下(Her Royal Highness)と皇太子(Crown Princess)で呼ばれていることが多いです。

 従妹にエステル・カマタリ王女(Princess Esther Kamatari)というモデルや人道活動で有名な人物がいて、ムワンブツァ4世の(再)埋葬問題で意見は対立しているようです。が、同王女を王室当主と主張するのを見たことはありません。

 今回のインタビューは、ブルンジ国内では伝説上の人物と化している、暗殺された兄・故ルイ・ルワガソレ皇太子(Louis Rwagasore)に関するもののようです(字幕はフランス語、何語でしゃべっているかはわかりませんが……)。