長文インタビュー記事(ドイツ語):リヒテンシュタイン公国国家元首代行リヒテンシュタイン公世子アロイス殿下へのインタビュー記事(2018年9月)

 スイスのメディアによる、リヒテンシュタイン公国国家元首代行のリヒテンシュタイン公世子アロイス殿下(アロイス皇太子アロイス摂政Alois : His Serene Highness The Hereditary Prince of Liechtenstein : His Serene Highness The Prince Regent of Liechtenstein)への長文インタビュー記事が掲載されています。

 

 (ドイツ語)Thronfolger von Liechtenstein: «Monarchie hat auch Vorteile – leider sind sie wenig bekannt» – Ausland – az Aargauer Zeitung

 

 アロイス殿下は、君主(の代行及び継嗣)、政治家、投資家、経営者、大金持ち、といろいろな側面を持ちますが、今回のインタビューは興味深い点がいくつもあります。
 それほど深く掘り下げられてはいませんが、君主政の長所(自らの実例を交えて)から、仮想通貨(暗号通貨)への評価と対応まで話は幅広いです。
 個々の部分部分は他の人物でも語れる内容かもしれませんが、一人の人物がそのすべてを語るということは他にはないのではないでしょうか。

 

 そのほか、欧州王室の連携は今でもあるのかという問いに、デンマーク皇太子フレデリク殿下の誕生日に集まった件、が述べられています(ハリー王子の結婚式はいきましたか?とも聞かれてますが、欧州の王室はスルーでした)。

 そして、長男のヨーゼフ・ヴェンツェル殿下は、アロイス殿下の役割を受け継いでいく意思があるようです。

 

ブルガリアの裁判所が、旧ブルガリア王シメオン2世陛下に対してヴラナ宮殿を政府に“返還”するよう判断(1946年に共産党政権が強制的に接収し、1990年代に憲法裁判所により王室に返還されていた)。陛下と対立している首相の意向を裁判所が丸飲みか。陛下は「またも亡命に追い込まれようとしている」と欧州司法裁判所に提訴を準備(2018年9月)

 ブルガリア語の記事はよくわからなかったので Royal Central の英語の記事になりますが、ここは時々いい加減なことを書くので、注意しつつ情勢を見ていきます。

 

 (英語)Tsar Simeon: “I am being forced into exile again” – Royal Central

 

 Royal Central は完全に旧ブルガリア王シメオン2世陛下(His Majesty King【Tsar】 Simeon II of the Bulgarians : 元ブルガリア共和国首相シメオン・サクスコブルクゴツキSimeon Saxe-Coburg-GothaSimeon Sakskoburggotski)の側を支持しています。

 ヴラナ宮殿は、1946年に共産党政権が強制的に接収し(シメオン2世陛下は亡命)、共産主義政権崩壊後の1990年代に憲法裁判所により王室に返還されていたようです(陛下と姉のブルガリア王女マリヤ・ルイザ殿下(コハーリ女公 : Her Royal Highness Princess Maria Louise of Bulgaria, Princess of Koháry【Fürstin Koháry】)に返還)。
 その後、公園部分がソフィア市に寄贈。
 シメオン2世陛下と旧ブルガリア王妃マルガリータ陛下(Her Majesty The Queen【Tsaritsa】Margarita of the Bulgarians : マルガリータ・サクスコブルクゴツカMargarita Saxe-Coburg-GothaMargarita Sakskoburggotska)が暮らしています。

 憲法裁判所の判断が覆されたとすると、同じく憲法裁判所の判断なのかと思いますが、上記の記事からははっきりしません。

 また同記事によれば、(今のところなぜか名前をはっきり書いていませんが)、ボイコ・ボリソフ首相(Boyko Borisov)の意向を裁判所が丸飲みしたように受け取れます。

 陛下は「またも亡命に追い込まれようとしている」と発言し、欧州司法裁判所への提訴を準備。
 首相の意向を裁判所が丸飲みしたと判断されれば、権力の分立が崩れており、欧州連合の中で問題視される可能性もあります(今の EU にそんなことしている「体力」があるとも思えませんけれど)。

 はたしてどうなることでしょう。

 

関連:
 インタビュー映像:旧ブルガリア王シメオン2世陛下、ヴラナ宮殿所有問題について(2018年10月)

 

ナイジェリア伝統的君主:欧州議会議員代表団・EU【欧州連合】大使らが、ベニン王エウアレ2世陛下の人身売買への対応を称賛(2018年4月)

 欧州議会議員代表団・EU【欧州連合】大使らが、ベニン王エウアレ2世陛下(His Royal Majesty Oba Ewuare II, The Oba of Benin)の人身売買への対応を称賛したようです。

 

 (英語)EU eulogise Benin Monarch for fight against human trafficking – Independent Television/Radio

Independent Television and Radio:
EU eulogise Benin Monarch for fight against human trafficking – YouTube

訃報(2017年12月5日):旧ルーマニア王ミハイ1世陛下、崩御。ああ、ルーマニア王政復古ならず!(1921~2017)

 2017年12月5日、旧ルーマニア王ミハイ1世陛下(His Majesty King Michael IMihai I】 of Romania)が、スイス連邦オボンヌで崩御した模様。
 1921年10月25日生まれの96歳。
 五女のルーマニア王女マリア殿下(Her Royal Highness Princess MariaMarie】 of Romania)が看取ったようです。

 

 (英語:ルーマニア王室公式サイト)His Majesty King Michael of Romania has died

Familia Regalăさんのツイート: "Regele Mihai I a încetat din viață https://t.co/IF74URsBHH https://t.co/hDT1UkJIYU"
https://twitter.com/casamsregelui/status/938007718702538752

 

 長女のルーマニア皇太子マルガレータ殿下(ルーマニア王位守護者 : Her Royal Highness Crown Princess Margareta of Romania, the Custodian of the Crown of Romania)がルーマニア王室当主およびルーマニア王位継承者となります。
※「ルーマニア女王(Queen of Romania)」の称号を用いると思われますが、まだわかりません。
 また夫のルーマニア王子ラドゥ殿下(His Royal Highness Prince Radu of Romania)は(ルール上では)「Prince Consort」となるはずです。

 

ルーマニア王室新当主マルガレータ殿下のメッセージ映像:
Declaraţia noului Șef al Familiei Regale a României – YouTube

 

 (英語:ルーマニア王室公式サイト)Proclamation to the Nation by the Custodian of the Crown of Romania | Familia Regală a României / Royal Family of Romania

Proclamația Custodelui Coroanei române către țară – YouTube

 

 現在セルビア王室を称するユーゴスラビア皇太子アレクサンダル2世殿下の声明:
 (英語:【旧ユーゴスラビア王室】セルビア王室公式サイト)CROWN PRINCE ALEXANDER SENDS CONDOLENCES ON THE DEATH OF ROMANIAN KING MICHAEL | The Royal Family of Serbia

 

 ルーマニア大統領クラウス・ヨハニス閣下の声明:
 (ルーマニア語:ルーマニア大統領府公式サイト)Mesaj de condoleanțe transmis de către Președintele României, domnul Klaus Iohannis
※「国葬」を執り行うことを表明しています。

ルーマニア大統領クラウス・ヨハニス閣下の会見映像:
Declarație de presă în urma aflării veștii decesului Majestății Sale, Regele Mihai I – YouTube

ヨハニス閣下からマルガレータ殿下への弔辞:
 (ルーマニア語:ルーマニア王室公式サイト)Scrisoarea Excelenței Sale Președintelui României | Familia Regală a României / Royal Family of Romania

 

 モルドバ共和国大統領イゴル・ドドン閣下の声明:
 (ルーマニア語:モルドバ大統領府公式サイト)Mesaj de condoleanțe adresat Alteței Sale Regale Principesa Moștenitoare a României Margareta — Președinția Republicii Moldova

ドドン閣下からマルガレータ殿下への弔辞:
 (ルーマニア語:ルーマニア王室公式サイト)Scrisoarea Excelenței Sale Președintelui Republicii Moldova | Familia Regală a României / Royal Family of Romania

 モルドバ共和国首相パヴェル・フィリプ閣下の声明:
 (ルーマニア語:モルドバ政府公式サイト)Prim-ministrul Pavel Filip a transmis condoleanțe Casei Regale şi poporului român | GUVERNUL REPUBLICII MOLDOVA

 欧州委員会ジャン=クロード・ユンケル委員長の声明:
 (ルーマニア語:ルーマニア王室公式サイト)Declarația Președintelui Comisiei Europene | Familia Regală a României / Royal Family of Romania
 (英語)Statement by Jean-Claude Juncker, President of the European Commission, on the death of His Majesty King Michael I of Romania

 

 (英語:ルーマニア正教会公式通信)Romania's last King Michael I dies at 96 – Basilica.ro

 

 (英語:東方正教会ニュースサイト)King Michael I of Romania was “symbol of the unity and dignity of the Romanian people” / OrthoChristian.Com

 

関連:
 旧ルーマニア王ミハイ1世陛下の崩御で……(2017年12月)
 崩御した旧ルーマニア王ミハイ1世陛下のスイスの邸宅にマルガレータ殿下らが集う(2017年12月) – 世界の王室ニュース
 崩御した旧ルーマニア王ミハイ1世陛下追悼のルーマニア両院議員総会で、ルーマニア皇太子マルガレータ殿下、ルーマニア総主教、ルーマニア大統領、首相、両院議長らがスピーチ(2017年12月)
 英国王室のチャールズ皇太子殿下が旧ルーマニア王ミハイ1世陛下の葬儀に参列する模様(2017年12月)
 前スペイン王ファン・カルロス1世陛下夫妻が旧ルーマニア王ミハイ1世陛下の葬儀に参列する模様(2017年12月)
 ”元ルーマニア王子”ニコラエ・メドフォース=ミルズ氏は、王室の一員として、旧ルーマニア王ミハイ1世陛下の葬儀に参列する模様(2017年12月)
 スウェーデン王カール16世グスタフ陛下夫妻が旧ルーマニア王ミハイ1世陛下の葬儀に参列する模様(2017年12月)
 崩御した旧ルーマニア王ミハイ1世陛下へのスイスでの最後の礼拝(2017年12月) – 世界の王室ニュース

 

インタビュー記事(英語【訳?】):セルビアの旧ユーゴスラビア皇太子アレクサンダル2世殿下へのインタビュー記事。例によって君主政がうまくいっている例として「Japan」が挙がる(2017年11月)

 現在セルビア王室を称する(旧)ユーゴスラビア王室の、
 ユーゴスラヴィア皇太子アレクサンダル2世殿下(His Royal Highness Crown Prince Alexander II of Yugoslavia / Serbia)、
 ユーゴスラヴィア皇太子妃カタリナ殿下(英語ではキャサリン皇太子妃 : Her Royal Highness Crown Princess Katherine of Yugoslavia / Serbia)、
 へのインタビュー記事が、王室公式サイトに掲載されています。
 もとの記事はセルビアの地方紙かなにかでしょうか。よくわかりません。

 

記事:
 (英語:セルビア王室公式サイト)Crown Prince Alexander and Crown Princess Katherine Interview for Kurir newspaper – We are ready for the return of the monarchy | The Royal Family of Serbia

 

 内容ですが、まずは、アレクサンダル殿下と先妻の間の次男、フィリップ王子殿下(His Royal Highness Prince Philipフィリプ・カラジョルジェヴィッチFilip Karađorđević)と、ダニカ・マリンコヴィッチ嬢(Danica Marinković)の結婚。
 今年(2017年)10月にベオグラードの聖天使首ミハイル大聖堂にて挙式。
 例によって、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会(当然のことながら発言などではセルビア王室構成員を称号・敬称つきで言及しています)のセルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)が司式。
 なお、ダニカ妃殿下の懐妊も伝えられています。
 関連して、カタリナ皇太子妃殿下の前夫との二人の子供、デイヴィッド・アンドルーズDavid Andrews)・アリソン・アンドルーズAlison Andrews)もそれぞれ子供がおり、今回の結婚に至るまで、アリソンが気をまわしたらしいようなコメントがあります(なお、アリソン・アンドルーズは、王室関連行事への出席がそれなりに多いです)。
 さらに家族が増えることを喜んでいるようです。
 また記事中にはありませんが、セルビア王室近親以外の王室関連出席者として

  • スウェーデン皇太子ヴィクトリア殿下
  • 前スペイン王妃ソフィア陛下
  • カラブリア公爵未亡人アナ殿下(オルレアン家出身で(旧)両シチリア王室カラブリア系に嫁ぎ、夫はスペイン王子の称号を保有していた)

 らが参列した模様。

 また、アレクサンダル皇太子殿下は、セルビアのEU加盟を重視しているようなのと、西欧へのあこがれのようなもので若者がセルビアを捨てていっている現状への強い警戒も示しています。

 白宮殿【White Palace】にかかわること、ペータル2世アレクサンダル1世マリア王妃トミスラヴ王子アンドレイ王子などへも言及があります。

 そして、セルビア共和国のほか、ボスニア・ヘルツェゴビナのスルプスカ共和国【セルビア人共和国】への言及。セルビアは現体制・現政権、セルビア正教会、旧ユーゴスラビア王室、とあらゆる分野を通じてスルプスカ共和国への影響を強めていますが、今回は特にさほどその話は出ていません。

 やはり出てきたのは、君主政復活と、「~のような国々はうまくいっているじゃないか」という話。

The most successful states are constitutional monarchies, the Scandinavian countries are an excellent example of this, and not forget Japan.

適当訳:「もっとも成功している国々は立憲君主制国家、北欧の各国はそのすばらしい成功例だ、日本も忘れてはいけない
 ということなのですが、日本とセルビアでは……状況が違いすぎて……。

 そのほか、英国のエリザベス2世陛下と夫のエディンバラ公爵フィリップ王子殿下の結婚70周年式典に出席予定の話(なお、無事出席があり、もう式典は終わりました)。
 ここでジョージ6世の名前も言及されています。

 そのほか、ミハイロ王子殿下(1985年生まれの方)とリュビツァ・リュビサヴリェヴィッチ妃殿下の名前や、ペータル3世王世子殿下の名前も少し出ています。