ルーマニア王子ラドゥ殿下がトルコを訪問。トルコ国会議長、国家教育相、赤新月社、パラリンピック関係者を訪問(2019年9月)トルコ国会公式サイトなどでは(懐かしの?)「ホーエンツォレルン=フェリンゲン」表記が

 2019年9月16日~9月19日にかけて、(旧)ルーマニア王室のルーマニア王室当主/ルーマニア王位守護者マルガレータ陛下の夫であるルーマニア王子ラドゥ殿下(His Royal Highness Prince Radu of Romania)がトルコ共和国を訪問しています。
 欧州連合隣接地域とルーマニアの間の関係整備のためのルーマニア王室外交の一環のようです。
 トルコ国会議長、国家教育相、赤新月社、パラリンピック関係者を訪問したようです。

 

 (ルーマニア語:ルーマニア王室公式ニュース配信サイト)Vizită regală la Ankara și Istanbul | Familia Regală a României / Royal Family of Romania

 

冒頭の部分が殿下と議長の会見/
TBMM resmi(トルコ大国民議会【国会】公式チャンネル):
TBMM Başkanı Mustafa Şentop'un kabulleri – 17.09.2019 – YouTube

動画より/
殿下と議長

 

 (トルコ語:トルコ大国民議会【国会】公式サイト)TÜRKİYE BÜYÜK MİLLET MECLİSİ – MECLİS HABER

TBMM Başkanı Prof. Dr. Mustafa Şentop, Romanya Prensi Radu de Hohenzollern-Veringen’i makamında kabul ederek, bir süre görüştü.

「Romanya Prensi Radu de Hohenzollern-Veringen

 と、長年この方面を見てきた方には懐かしの「ホーエンツォレルン=フェリンゲン(Hohenzollern-Veringen)」の表記があります。
※発音の問題はひとまず置きます。

 なぜこの表記になったのか不明ですが、大国民議会関連のアカウントではすべてこの表記です。
 もしかすると、ラドゥ王子殿下のパスポート名がこうなっているのかもしれません。

 

 ラドゥ・ドゥダ氏(当時)はルーマニア王女マルガレータ殿下(当時)と結婚する際に、ルーマニア王室の本家筋にあたるホーエンツォレルン公室(プロイセン王室とは別系統の同族)に(ここで認識がわかれていますが)称号あるいは名を与えてくれるよう頼みました。ホーエンツォレルン公フリードリヒ・ヴィルヘルム殿下(当時・故人)は「ホーエンツォレルン=フェリンゲン(Hohenzollern-Veringen)」の名を許可しますが、これに対し、ラドゥ氏は「ホーエンツォレルン=フェリンゲン公(子)(英語:Prince of Hohenzollern-Veringen)」を称し始めます。しかし、フリードリヒ・ヴィルヘルム殿下は名を許可しただけで称号を与えたわけではないと訴訟が起き、またそもそもドイツは共和国なので称号を与えることはできないとコメントしていました。
 この件はこじれますが、2007年末に(故・旧)ルーマニア王ミハイ1世陛下が新たな王室法を制定し、それを根拠としてラドゥ王子殿下は「ルーマニア王子」の称号を使用し始めます(ホーエンツォレルン=フェリンゲンの称号は使用されなくなります)。

※なお、この間、2003年5月に、ラドゥ殿下は日本を訪問。現在も日本国外務省の公式サイト(ルーマニア基礎データ | 外務省)では、

5月 ラドゥ政府特別代表(NATO・EU統合及び持続可能な開発担当) (旧王家王子殿下)

 としていますが、2003年5月には(旧)ルーマニア王家の王子(ルーマニア王子)ではありません。
※細かいことですが。

 

 さて、昔の話はともかく。

 今回、まずはトルコ共和国国家教育大臣ズィヤ・セルチュク閣下(Ziya Selçuk)との会見。

Familia RegalăさんはTwitterを使っています: 「On September 16-19, 2019, Prince Radu represents Her Majesty Margareta in a public visit to the Republic of Turkey. In Ankara, Prince Radu met with the Minister of National Education, Mr. Ziya Selçuk. https://t.co/pi0BSJpXyY https://t.co/hqJJf9ewJa」 / Twitter
https://twitter.com/casamsregelui/status/1173672525030711299

Familia Regală a Românieiさん(@familiaregalaaromaniei) • Instagram写真と動画

 

 トルコ大国民議会【国会】議長ムスタファ・シェントプ教授博士閣下(His Excellency Prof Dr Mustafa Şentop)との会見(上記の動画も)。

Familia RegalăさんはTwitterを使っています: 「HRH Prince Radu met with the President of the Parliament of the Republic of Turkey, His Excellency Mr Mustafa Șentop. Representatives of the Grand National Assembly of Turkey and the Embassy of Romania in Ankara took part in the meeting. https://t.co/pi0BSJpXyY https://t.co/NjsZrfH61R」 / Twitter
https://twitter.com/casamsregelui/status/1174051949261590530

Familia Regală a Românieiさん(@familiaregalaaromaniei) • Instagram写真と動画

TBMMさんはTwitterを使っています: 「TBMM Başkanı Mustafa Şentop, Romanya Prensi Radu de Hohenzollern-Veringen’i kabul etti. https://t.co/7ceBeU9etT」 / Twitter

TBMM – TBMM Başkanı Mustafa Şentop, Romanya Prensi Radu de… | Facebook

Türkiye Büyük Millet Meclisiさん(@tbmmresmi) • Instagram写真と動画

 

 トルコ赤新月社関係者との会見。

Familia RegalăさんはTwitterを使っています: 「On behalf of Her Majesty the Custodian of the Crown, HRH Prince Radu visited the Turkish Red Crescent in Ankara and met with Dr Kerem Kınık, president of the organization. https://t.co/pi0BSJpXyY https://t.co/DpHcyHspMG」 / Twitter
https://twitter.com/casamsregelui/status/1174357296761245696

Familia Regală a Românieiさん(@familiaregalaaromaniei) • Instagram写真と動画

 

 パラリンピック関係者との会見。

Familia RegalăさんはTwitterを使っています: 「Joi, 19 septembrie, la Istanbul, Principele Radu a vizitat Comitetul Național Paralimpic. https://t.co/pi0BSJpXyY https://t.co/orkxKzqdZE」 / Twitter
https://twitter.com/casamsregelui/status/1174713376620105729

Familia Regală a Românieiさん(@familiaregalaaromaniei) • Instagram写真と動画

 

ヨルダン王アブドッラー2世陛下の一週間(2018年10月21日~10月25日)

 ヨルダン・ハシェミット王国国王アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン陛下(アブドゥッラー2世アブドラ国王 : King Abdullah II bin Al-Hussein : His Majesty the King of the Hashemite Kingdom of Jordan)の、この一週間くらいの公務などの様子です。

 

RHC JO(ヨルダン王室ハーシム家公式チャンネル):
زيارة عمل إلى المملكة العربية السعودية في ملخص نشاطات جلالة الملك 21 – 25 تشرين الأول 2018 – YouTube

 

 サウジアラビア王国の二聖モスクの守護者国王サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アル・サウードサルマーン国王 : The Custodian of the Two Holy Mosques King Salman bin Abdul Aziz Al Saud of Saudi Arabia)との会談などがあります。

 

動画(英語):ヨルダン王アブドッラー2世陛下の第73回国連総会【国際連合総会】でのスピーチ映像(2018年9月)

 第73回国連総会【国際連合総会:UNGA】のためアメリカ合衆国を訪問中のヨルダン・ハシェミット王国国王アブドッラー2世・イブン・アル・フセイン陛下(アブドゥッラー2世アブドラ国王 : King Abdullah II bin Al-Hussein : His Majesty the King of the Hashemite Kingdom of Jordan)は、同総会で(英語で)スピーチをしました。

 

※キャプションはアラビア語です/
RHC JO(ヨルダン王室ハーシム家公式チャンネル):
خطاب جلالة الملك عبدالله الثاني في الجلسة الافتتاحية للدورة 73 للجمعية العامة للأمم المتحدة – YouTube

 (英語)Remarks by His Majesty during the Plenary Session of the 73rd United Nations General Assembly | Royal Hashemite Court

 

 内容は、イスラエル・パレスチナの問題をメインとし、難民問題やテロ対策などを含むグローバルな問題についての共同の対応の必要性を訴えるものです。

 

長文インタビュー記事(ドイツ語):リヒテンシュタイン公国国家元首代行リヒテンシュタイン公世子アロイス殿下へのインタビュー記事(2018年9月)

 スイスのメディアによる、リヒテンシュタイン公国国家元首代行のリヒテンシュタイン公世子アロイス殿下(アロイス皇太子アロイス摂政Alois : His Serene Highness The Hereditary Prince of Liechtenstein : His Serene Highness The Prince Regent of Liechtenstein)への長文インタビュー記事が掲載されています。

 

 (ドイツ語)Thronfolger von Liechtenstein: «Monarchie hat auch Vorteile – leider sind sie wenig bekannt» – Ausland – az Aargauer Zeitung

 

 アロイス殿下は、君主(の代行及び継嗣)、政治家、投資家、経営者、大金持ち、といろいろな側面を持ちますが、今回のインタビューは興味深い点がいくつもあります。
 それほど深く掘り下げられてはいませんが、君主政の長所(自らの実例を交えて)から、仮想通貨(暗号通貨)への評価と対応まで話は幅広いです。
 個々の部分部分は他の人物でも語れる内容かもしれませんが、一人の人物がそのすべてを語るということは他にはないのではないでしょうか。

 

 そのほか、欧州王室の連携は今でもあるのかという問いに、デンマーク皇太子フレデリク殿下の誕生日に集まった件、が述べられています(ハリー王子の結婚式はいきましたか?とも聞かれてますが、欧州の王室はスルーでした)。

 そして、長男のヨーゼフ・ヴェンツェル殿下は、アロイス殿下の役割を受け継いでいく意思があるようです。

 

ブルガリアの裁判所が、旧ブルガリア王シメオン2世陛下に対してヴラナ宮殿を政府に“返還”するよう判断(1946年に共産党政権が強制的に接収し、1990年代に憲法裁判所により王室に返還されていた)。陛下と対立している首相の意向を裁判所が丸飲みか。陛下は「またも亡命に追い込まれようとしている」と欧州司法裁判所に提訴を準備(2018年9月)

 ブルガリア語の記事はよくわからなかったので Royal Central の英語の記事になりますが、ここは時々いい加減なことを書くので、注意しつつ情勢を見ていきます。

 

 (英語)Tsar Simeon: “I am being forced into exile again” – Royal Central

 

 Royal Central は完全に旧ブルガリア王シメオン2世陛下(His Majesty King【Tsar】 Simeon II of the Bulgarians : 元ブルガリア共和国首相シメオン・サクスコブルクゴツキSimeon Saxe-Coburg-GothaSimeon Sakskoburggotski)の側を支持しています。

 ヴラナ宮殿は、1946年に共産党政権が強制的に接収し(シメオン2世陛下は亡命)、共産主義政権崩壊後の1990年代に憲法裁判所により王室に返還されていたようです(陛下と姉のブルガリア王女マリヤ・ルイザ殿下(コハーリ女公 : Her Royal Highness Princess Maria Louise of Bulgaria, Princess of Koháry【Fürstin Koháry】)に返還)。
 その後、公園部分がソフィア市に寄贈。
 シメオン2世陛下と旧ブルガリア王妃マルガリータ陛下(Her Majesty The Queen【Tsaritsa】Margarita of the Bulgarians : マルガリータ・サクスコブルクゴツカMargarita Saxe-Coburg-GothaMargarita Sakskoburggotska)が暮らしています。

 憲法裁判所の判断が覆されたとすると、同じく憲法裁判所の判断なのかと思いますが、上記の記事からははっきりしません。

 また同記事によれば、(今のところなぜか名前をはっきり書いていませんが)、ボイコ・ボリソフ首相(Boyko Borisov)の意向を裁判所が丸飲みしたように受け取れます。

 陛下は「またも亡命に追い込まれようとしている」と発言し、欧州司法裁判所への提訴を準備。
 首相の意向を裁判所が丸飲みしたと判断されれば、権力の分立が崩れており、欧州連合の中で問題視される可能性もあります(今の EU にそんなことしている「体力」があるとも思えませんけれど)。

 はたしてどうなることでしょう。

 

関連:
 インタビュー映像:旧ブルガリア王シメオン2世陛下、ヴラナ宮殿所有問題について(2018年10月)