藤原定家写本の歌学書翻刻出版へ 冷泉家時雨亭文庫が発表 : 京都新聞
「俊頼髄脳」というのは、歌人であった源俊頼(みなもと の としより)が、鳥羽天皇(当時上皇)の皇后だった高陽院藤原泰子に献上した作歌のための文書のようです。
「俊頼口伝」「俊秘抄」という別名もある模様。
藤原泰子は、関白藤原忠実の娘。
この「俊頼髄脳」の最古の写本が、有名な藤原定家らによるものらしいのですが(「定家本」と記事にありますが、それは別の有名なものと混同するのでは……)、それの翻刻(出版できるように原稿を準備したということだと思います)を手掛けていたのが、1944年に中国で戦死した冷泉家第23代当主の冷泉為臣(れいぜい ためおみ)で、戦死のため「定家本」もどこにいったかわからなくなっていたようです(2005年発見……)。
冷泉家は藤原定家の子孫の系統です。
また、江戸時代の冷泉家第14代当主冷泉為久が「為久本」と呼ばれるものを出しているようです(写本??)。
今回、冷泉為臣が生前に完成近くまで進めていたものを、学者らがチェックして仕上げたということになりそうです。
冷泉為臣は父の冷泉家第22代当主冷泉為系伯爵に先立って亡くなっており、また父も隠居していたという情報もないので、「当主」であった時期はないのかと思います(数え方の問題)。
ただ、上記の記事によれば、同家の典籍公開のために時雨亭文庫の一巻目の刊行を主導したのが為臣のようです。
追記:
リンクをひとつ追加しておきます。
「俊頼髄脳」の翻刻本出版 冷泉家23代当主・為臣氏の遺稿が76年ぶりに日の目(1/2ページ) – 産経WEST