訃報(2019年9月?):ナイジェリア伝統的君主/イイン・エキティ王アデモラ・アジャカイェ陛下【オインヨサイイェ・ウイン2世】が崩御(?~2019)エキティ州の初代裁判長

 ナイジェリア連邦共和国エキティ州の伝統的君主の一人、イイン・エキティ王アデモラ・アジャカイェ陛下(オインヨサイイェ・ウイン2世Oba Ademola Ajakaiye, Oyinyosaiye Uyin II, the Oluyin of Iyin Ekiti)が崩御したようです。
 エキティ州の1996年の設置に関わり、初代裁判長を務めた模様。

 エキティ州知事カヨデ・ファイェミ閣下(カヨデ・ファエミKayode Fayemi)や上院議員らが弔意を表明し、何本かの神聖な樹木が切り倒されたようです(崩御時におこなわれる例が他の王でもあります)。

 

 (英語)Ekiti mourns as First Class Monarch, Oluyin dies – Daily Post Nigeria
 (英語)Gov Fayemi mourns Oluyin of Iyin-Ekiti | P.M. News
 (英語)Fayemi mourns as Ekiti monarch, Oluyin dies – Punch Newspapers
 (英語)Ekiti monarch, Oluyin, dies, Fayemi, Bamidele mourn – Punch Newspapers

 

ナイジェリア伝統的君主:崩御したオグワシ=ウク王に対し州知事や大統領まで弔意を表明した後に「彼は王ではなかった」との主張が(2019年9月)

 いったい何がどうなっているのか……。

関連:
 訃報(2019年9月?):ナイジェリア伝統的君主/オグワシ=ウク王チュクウカ・オコンジョ陛下が崩御(?~2019)ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(元)財務相・(元)外務相の父

 崩御したオグワシ=ウク王チュクウカ・オコンジョ陛下(His Royal Majesty Professor Obi Chukwuka Okonjo, The Obi of Ogwashi-Uku)が、実は王ではないという主張が王室の(少なくとも一部の)代理人と称する人物より出ています。

 

 (英語)Rumble In Okonjo Family, Ngozi Okonjo-Iweala Lambasted For Desecrating Throne | THEWILL

*Prof. Okonjo was never an Obi of Ogwashi-Uku under our tradition but a mere Regent. Accordingly, his first child cannot be Obi, as deceitfully inferred by Ngozi.

* Succession to the traditional stool of Ogwashi-Uku is strictly by PRIMOGENITURE. Prof. Okonjo was never in the line of succession and therefore only served as a REGENT. His 3rd son, Chude, consequently can never be Obi.

*The Obiship of Ogwashi-Uku does not go to the highest bidder, it is rooted in an ancient custom and tradition which is inviolable. Prof. Okonjo, in effect, usurped the throne. These issues form the bedrock of Suit No: A/159/2019, Prince Patrick Okonjo v. Prince Nathan Okonjo & 8 Ors, now before the High Court of Justice, Asaba.

 

 重要なのは、上記の三つなので、これを見ていきましょう。

 まず一つ目は、オコンジョ教授(崩御した王のこと)は、オグワシ=ウク王であったことはなく、単に摂政だったとし、それゆえに彼の長男は Obi (王のこと)になることはできないという主張です(長男は今回の話題でまったく登場していませんが)。

 二つ目は、オグワシ=ウク王位は長幼制(おそらく男子限定長幼制)であり、オコンジョ教授は継承順位に並んだことはなく、彼の三男(新しい王に選出されたと報道)も王にはなれないとしています。

 三つめは、オコンジョ教授は要するに簒奪者と述べるもの。
 またこれらの問題はパトリック・オコンジョ王子とネイサン・オコンジョ王子の間で(?)高等法院で争われている(?)としています。

 

 読んだ限りでは、主張をもう少し整理していただきたいというところですが……(特に最後の部分は訴訟で何を争っているのかわかりません)。

 摂政と簒奪者ではえらい違いがありますが、とりあえず強引に王を称したが伝統的には摂政とでもいうほかないと主張しているとでも理解しておきましょう。
 一つ目の項目については、摂政だったので、王ではなく、彼の息子も王になれないですよ、と主張しているのでしょう。
 二つ目の項目については、オコンジョ教授が継承順位に並んでいないとするのはちと違うような気がするので(娘のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(元)財務相をプリンセスと呼んでいる)、おそらく彼は一族ではあるが、ルール上は継承順位が下のほうの傍系の人物との主張なのでしょう。
 三つ目の項目からすると、パトリック王子とネイサン王子のいずれかが正しい王だということに思えますが……(8 Ors がなんなのかまったくわかりません)。なお、このパトリック王子と、次の王位を主張したとされるオコンジョ教授の弟(?)バー・パトリック・オコンジョBarr Patrick Okonjo)はあるいは同一人物かもしれません(その場合、弟ではなく兄のほうがしっくりくるような気がしますが……)。

 

 それにしても、継承法が強固な長幼制なら、争いが起こる余地は極めて小さいはずで(先に生まれたのがどちらかわかればそれで終わり)、仮に上で解釈した通りに二人の王子が法廷で争っているとすると、何を争っているのか……。
 数十年前から混沌としているならまだしも、今回崩御した「王」は2007年即位とされています。

 

訃報(2019年9月?):ナイジェリア伝統的君主/オグワシ=ウク王チュクウカ・オコンジョ陛下が崩御(?~2019)ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(元)財務相・(元)外務相の父

 ナイジェリア連邦共和国デルタ州の伝統的君主で、おそらくイボ人の王の一人の、オグワシ=ウク王チュクウカ・オコンジョ陛下(His Royal Majesty Professor Obi Chukwuka Okonjo, The Obi of Ogwashi-Uku)の崩御が報道されています(追記:アメリカ合衆国で崩御したとの情報も)(追記2:アメリカ合衆国およびガーナ共和国訪問から帰国してラゴスで崩御したとの情報も)。
 2007年即位の91歳。数学教授と記載されています。
 娘のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ夫人(Ngozi Okonjo-Iweala)はナイジェリア連邦共和国で外務大臣や財務大臣を務め、また世界銀行などでも要職を占めています。一番最近では今年8月の TICAD で来日していたようですが、それ以前に何回か来日しています。

 崩御に伴い子息(三男との情報)のイフェチュクウデ・チュクウカ・オコンジョIfechukwude Chukwuka Okonjo)が即座に王として選出され、伝統的な即位式がおこなわれて正式な王となるようです(州政府の承認が必要だと思いますが)。追記:式は9月13日に午前3時よりすでに始まり21日間続く模様。
 新王は、英国やアメリカで経済学や歴史学の学士号、 MBA を取得し、現在フランスのパリで経営学の博士号を取得するために学んでいるようです。

追記:
 崩御した王の弟バー・パトリック・オコンジョBarr Patrick Okonjo)が王位を争う姿勢を示したようです。退けられたようですが、今後の行方は不明です。

 

 (英語)BREAKING: Obi Okonjo, ex-Finance Minister's father, dies at 91 – The Sun Nigeria
 (英語)Ex-finance Minister Iweala loses dad – The Nation Newspaper
 (英語)Ogwashi-Uku Kingdom
 (英語)Nigeria’s Ex-Finance Minister, Ngozi Okonjo-Iweala, Loses Father | Sahara Reporters
 (英語)Okonjo-Iweala's father's death opens fresh succession tussle over Ogwashi-Uku stool – Daily Trust
 (英語)Ogwashi-Uku Monarch Dies At 91
 (英語)Okonjo-Iweala loses dad, Peter Obi mourns – The Eagle Online
 (英語)Okonjo dies in Lagos after US trip – Daily Post Nigeria
 (英語)Okonjo-Iweala's brother becomes traditional ruler of Ogwashi-Uku Kingdom – Daily Post Nigeria

 (英語:ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ(元)財務大臣の声明を含む記事)Okonjo-Iweala's father, Chukuka Okonjo, is dead
 (英語)Okonjo-Iweala: My Father Died Same Way He Lived | Sahara Reporters

 (英語:デルタ州州知事の弔意のコメントを含む記事)Okowa reacts to Okonjo's death – Daily Post Nigeria

ブハリ大統領閣下の弔意のコメントを含む記事:
 (英語)Buhari reacts to Okonjo's death – Daily Post Nigeria
 (英語)Buhari condoles with Okonjo-Iweala over death of dad | P.M. News
 (英語)Buhari Mourns Prof. Okonjo – THISDAYLIVE
 (英語)Buhari Mourns Okonjo-Iweala’s Father – Channels Television

 

The Sun NigeriaさんはTwitterを使っています: 「BREAKING: Obi Okonjo, ex-Finance Minister's father, dies at 91 – https://t.co/G8AFYX5wxg https://t.co/tGlu4Sumjr」 / Twitter

 

The Sun Nigeria – BREAKING: Obi Okonjo, ex-Finance… | Facebook

 

Premium Times – JUST IN: Okonjo-Iweala's father, Chukuka… | Facebook

 

The Eagle OnlineさんはTwitterを使っています: 「Okonjo-Iweala loses dad, Peter Obi mourns – https://t.co/VN0NMJO6KV https://t.co/cG63Y34c8x」 / Twitter
https://twitter.com/DEagleOnline/status/1172661426038530048

 

Ngozi Okonjo-IwealaさんはTwitterを使っています: 「It is with thanks to Almighty God that I announce two impactful events: the Ascension to the throne of the Ogwashi-Uku Kingdom of my brother, Obi Ifechukwude Chukuka Okonjo, upon the passing away of my father Obi (Professor) Chukuka Okonjo at the age of 91.」 / Twitter

 

関連:
 ナイジェリア伝統的君主:崩御したオグワシ=ウク王に対し州知事や大統領まで弔意を表明した後に「彼は王ではなかった」との主張が(2019年9月)

 

ナイジェリア伝統的君主:イウォランド王が自らのインスタグラムアカウントに、呪文を唱えて降雨を止める映像を公開(2019年9月)空が白くてよくわかりませんが……

 ナイジェリア連邦共和国南西部オスン州【オシュン州】のヨルバ人君主の一人/イウォランド王“オバ”・アブドゥルラシード・アデウェール・アカンビ陛下(テル1世 : His Royal Majesty Oba Abdulrasheed Adewale Akanbi, Telu I, The Oluwo of Iwoland【Iwo Land】)が、自身のインスタグラムアカウントに、呪文を唱えて降雨を止めたと称するような映像を公開しています。

 

Oluwo of Iwolandさん(@emperortelu1) • Instagram写真と動画

 なにいうてますのん……(困惑)。

Emperor Telu1 Alashe Lori Orisha Akoko Arole Olodumare Akoko in Yorubaland

 しかもさらに発見があり、この方がエンペラーを称していることも判明(アカウントでの表記も @emperortelu1 = 皇帝テル1世)。
追記:
 その後、上記の説明文「皇帝テル1世」表記はアカウント名ごと消えました。
 ただ、投稿された写真の説明文には登場しているようで、謎です。

 名前が冒頭で書いたのと全然違いますが、これはおそらく冒頭で表記したものがイスラム教徒としての名前で、ここで引用したのはヨルバ人の名前なのではないかと思います(確信はありませんが)。ただ他にも表記があり、本人もよくわかっていない可能性が……。

 

 (英語)Oluwo of Iwo stops rainfall in his town, distributes it to neighboring towns (video) ▷ Nigeria news | Legit.ng

 こちらの記事によれば、雨は隣接地域に降り注いだようです

 

 この方も変な発言が多い方ですが、はたして今回の件は、雨雲の動きを読んで儀式を演出したのか、適当にいってみたのか、映像がインチキなのか……よくわかりませんが、よくわからなくて別にいい気もします

関連:
 ナイジェリア伝統的君主:ヨルバ人君主の一人/イウォランド王アブドゥルラシード・アデウェール・アカンビ陛下が、自身の称号を伝統的な(Oluwo of Iwoland)から北部イスラム圏風の首長(Emir)にすると宣言(2018年3月)
 (宣言したけど今はエンペラーを名乗っているわけです

 ナイジェリア伝統的君主:イウォランド王が連邦政府に同国の伝統的君主団が南アフリカのズールー王と会談することを提案(2019年9月)ナイジェリア系住民が南アフリカで大規模な排他的攻撃を受けて両国関係などが極度に悪化している件

 

ナイジェリア伝統的君主:イウォランド王が連邦政府に同国の伝統的君主団が南アフリカのズールー王と会談することを提案(2019年9月)ナイジェリア系住民が南アフリカで大規模な排他的攻撃を受けて両国関係などが極度に悪化している件

 南アフリカ共和国でナイジェリア系の人々が大規模な襲撃を受けた件(最近の英語メディアでは「Xenophobia」や「Xenophobic attacks」という表記が出てたらこの件であることが多いですが)、両国関係の悪化というか当然の結果が出ており、ナイジェリア側では南アフリカ資本の企業が休業をおこなったり、ナイジェリアの歌手などの有名人が南アフリカへは二度といかないと表明したりしています。また、ナイジェリア以外でも、南アフリカへの反感のようなものがこの機に吹き出しそうな気配もあり、 spillover も警戒されています。

 そんな中、ナイジェリア連邦共和国の報道によりますと、同国南西部オスン州【オシュン州】のヨルバ人君主の一人/イウォランド王“オバ”・アブドゥルラシード・アデウェール・アカンビ陛下(テル1世 : His Royal Majesty Oba Abdulrasheed Adewale Akanbi, Telu I, The Oluwo of Iwoland【Iwo Land】)は、両国間の協議では事態に対応するのに十分でないとし、ナイジェリア伝統的君主団が南アフリカ共和国の最有力伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)を訪問して会談するということを連邦政府に提案したようです。
 “草の根の人々”が信頼するのは民主的に選ばれた政治家ではなく伝統的君主や部族王ということですが、この陛下も時々妙なことを言い出す伝統的首長の一人(妙なことを言い出す方は結構多いですけど)なので、連邦政府はスルーするのではないでしょうか。

 そもそも、ヨルバ系君主としては、二国間関係の前に数百年続いているヨルバ系君主内の争いをどうにかしたほうがいいのでは……。

 

 (英語)Delegate monarchs to meet Zulu King, Oluwo tells FG