ヨルダン王アブドッラー2世陛下が、オマーンのスルタン【国王】ハイサム陛下を訪問(2022年10月)

 2022年10月4日~5日の期間で、ヨルダン・ハシェミット王国国王アブドッラー2世・ビン・アル・フセイン陛下(アブドゥッラー2世アブドラ国王 : King Abdullah II bin Al-Hussein : His Majesty the King of the Hashemite Kingdom of Jordan)はオマーン国を訪問しました。
 ヨルダンからはヨルダン王妃ラーニア・アル・アブドッラー陛下(Queen Rania Al Abdullah : Her Majesty The Queen of the Hashemite Kingdom of Jordan)、ヨルダン皇太子アル・フセイン・ビン・アブドッラー2世殿下(His Royal Highness Crown Prince Al Hussein bin Abdullah II)が同行。

 国王不在のヨルダンでは、王弟のファイサル・ビン・アル・フセイン王子殿下(His Royal Highness Prince Faisal【Feisal】 bin Al-Hussein)が摂政を務めました。

 オマーン側では、オマーン国スルタン【国王】 “サイイド”・ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード陛下(His Majesty Sayyid Haitham bin Tariq Al Said, Sultan of Oman)と弟の国防担当副首相“サイイド”・シハーブ・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Shihab Bin Tariq Al Said)らが出迎えました。
 また、その後に、スルタンの妻“サイイダ”・アハド・ビント・アブドッラー・アル・ブーサイーディーヤ妃殿下(Sayyida Ahad bint Abdullah Al Busaidiyah : Her Highness the Honourable Lady Assayida Spouse of His Majesty the Sultan)らの出迎えも受けています。

 公式会談では、ヨルダン側が国王と皇太子、オマーン側は、スルタンの次から並んでいるのは、
 スルタンの一族の長老的存在の副首相(閣議担当) “サイイド”・ファハド・ビン・マフムード・アル・サイード殿下(His Hihgness Sayyid Fahd bin Mahmoud Al Said, Deputy Prime Minister for the Council of Ministers)
 スルタンの弟の副首相(国際関係・協力担当)兼スルタン特別代理“サイイド”・アスアド・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Hihgness Sayyid Asaad bin Tariq Al Said, Deputy Prime Minister for International Relations and Cooperation Affairs, Personal Representative of His Majesty the Sultan) 
 スルタンの弟の副首相(国防担当)“サイイド”・シハーブ・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Shihab Bin Tariq Al Said, Deputy Prime Minister for Defence Affairs)
 スルタンの長男で皇太子に指名されたと報道された文化・スポーツ・青年大臣 “サイイド”・ジーヤザン・ビン・ハイサム・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Theyazin【Dhi Yazan】 bin Haitham Al Said, Minister of Culture, Sports and Youth)
 と並んでおり、こちらは即位後から変わらない上位三者に長男を加えた序列が続いています。
 ジーヤザン殿下の皇太子指名は公式ではいまだに情報が出ていません。ヨルダン側の情報でもジーヤザン殿下に皇太子の称号は使用されていません。
 一方、もう一つ会談がおこなわれており、そちらはヨルダン王・オマーンのスルタンの二者に、ヨルダンのフセイン皇太子殿下とジーヤザン殿下が加わる形になっています。

 ヨルダン王の帰国時には、アスアド殿下が見送っています。
 シハーブ殿下が出迎え時にスルタンと共に出ており、公式会談ではファハド殿下の席次がもちろんスルタンの次で、見送りはアスアド殿下。ジーヤザン殿下は上記のもう一つの会談に(ヨルダン皇太子のカウンターパートとして)出る、とオマーン側は有力者それぞれが目立つ場をわけたようにも見えます。その中でもジーヤザン殿下の露出が確実に増えています。

 

RHC JO(ヨルダン王室 公式チャンネル):
من زيارة جلالة الملك عبدالله الثاني الرسمية إلى سلطنة عُمان – YouTube

 

 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King departs for Oman | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King arrives in Oman | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King holds talks with Oman sultan in Muscat | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King, Oman sultan exchange medals | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King, Oman sultan hold bilateral talks in Muscat | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King visits Oman National Museum, House of Musical Arts at Royal Opera House in Muscat | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)Joint communiqué released at conclusion of King’s official visit to Oman | King Abdullah II Official Website
 (英語:アブドッラー2世王 公式サイト)King returns to Jordan after Oman visit | King Abdullah II Official Website

 (英語)Oman News Agency | King of Jordan Arrives in Oman
 (英語)Oman News Agency | HM The Sultan, King of Jordan Hold Official Talks
 (英語)Oman News Agency | HM The Sultan, King of Jordan Hold Bilateral Meeting
 (英語)Oman News Agency | Jordanian Monarch Leaves Oman

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「Their Majesties King Abdullah II and Queen Rania and His Royal Highness Crown Prince Al Hussein are received by Sultan Haitham bin Tarik of #Oman and the Honourable Lady Assayida Ahd Abdullah Al Busaidi, Spouse of the Sultan, upon arrival in Muscat #Jordan 🇯🇴🇴🇲 https://t.co/ZVdRts4ItC」 / Twitter

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「مراسم استقبال رسمية لجلالة الملك عبدالله الثاني وسمو الأمير الحسين بن عبدالله الثاني ولي العهد، في قصر العلم العامر بمسقط 🇯🇴🇴🇲 An official welcoming ceremony is held for His Majesty King Abdullah II and His Royal Highness Crown Prince Al Hussein at Al Alam Palace in Muscat https://t.co/gHbGp9JhVe」 / Twitter

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「His Majesty King Abdullah II and Sultan Haitham bin Tarik of #Oman hold expanded talks at Al Alam Palace, attended by His Royal Highness Crown Prince Al Hussein #Jordan Details: https://t.co/onrgTb1zby https://t.co/rFnl0bIpSp」 / Twitter

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「His Majesty King Abdullah II bestows the Order of the Bejewelled Grand Cordon of Al Nahda (Order of the Renaissance) on Sultan Haitham bin Tarik of #Oman. who bestows on His Majesty the Oman Civil Order of the First Class, in appreciation of the deep ties between #Jordan and Oman https://t.co/gtj4AqyPKQ」 / Twitter

 

RHCさんはTwitterを使っています: 「His Majesty King Abdullah II and Sultan Haitham bin Tarik of #Oman hold bilateral talks at Al Alam Palace, attended by His Royal Highness Crown Prince Al Hussein, to discuss the deep-rooted ties between #Jordan and Oman and the latest regional and international developments https://t.co/fFLfPrzUVe」 / Twitter

 

وكالة الأنباء العمانيةさんはTwitterを使っています: 「https://t.co/odtxFWUfhs」 / Twitter

 

وكالة الأنباء العمانيةさんはTwitterを使っています: 「https://t.co/RqlkBprZmW」 / Twitter

 

Oman News AgencyさんはTwitterを使っています: 「HM Sultan Haitham bin Tarik and King Abdullah II of Jordan have reiterated their keenness on strengthening joint investment in different spheres. They voiced their support for developing economic diversification, private sector partnership. https://t.co/z9L7wtYqFg https://t.co/D3UamC6xHg」 / Twitter

 

オマーンの国防担当副首相シハーブ・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(スルタン【国王】の弟)が、オマーン駐箚の日本大使と会見。岸防衛相からの親書を受け取る(2021年4月)

 オマーン国の国防担当副首相“サイイド”・シハーブ・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Shihab Bin Tariq Al Said)は、オマーン国駐箚日本国特命全権大使小林利典閣下(こばやし としのり : His Excellency Toshinori Kobayashi)と会見しました。
 シハーブ殿下は、大使より、日本国防衛大臣岸信夫閣下からの、日本側への施設提供への感謝を表明する親書を受け取ったようです。

 シハーブ殿下はスルタン【国王】ハイサム陛下の同母弟とされており、妻同士も姉妹で、また皇太子となったと報道されているスルタンの長男ジーヤザン殿下はシハーブ殿下の娘のメイヤン殿下と婚約しています。

 

 (英語)HH Sayyid Shihab Receives Written Message from Japanese Defence Minister

 

وكالة الأنباء العمانيةさんはTwitterを使っています 「وأكد سموه خلال استقباله لسعادة توشينوري كوباياشي سفير #اليابان المعتمد لدى #السلطنة، بأن السلطنة لن تألو جهداً لتقديم التسهيلات للدول الشقيقة والصديقة، واستعرض سموه العلاقات الطيبة بين البلدين الصديقين ، وتبادل وجهات النظر حول الأمور ذات الاهتمام المشترك. https://t.co/yhrwMIygfx」 / Twitter

 

وكالة الأنباء العُمانية(@omannewsagency) • Instagram写真と動画

婚約(2021年1月):オマーンの皇太子となったと報道されたジーヤザン・ビン・ハイサム・アル・サイード殿下が、従妹のメイヤン・ビント・シハーブ・アル・サイード殿下と婚約

 オマーン国の皇太子となったと報道されたスルタン【国王】ハイサム陛下の長男/文化・スポーツ・青年大臣 “サイイド”・ジーヤザン・ビン・ハイサム・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Theyazin【Dhi Yazan】 bin Haitham Al Said)が、従妹の“サイイダ”・メイヤン・ビント・シハーブ・アル・サイード殿下(Her Highness Sayyida Meyyan bint Shihab Al Said)と婚約したそうです。

 メイヤン殿下の父は国防担当副首相“サイイド”・シハーブ・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Shihab Bin Tariq Al Said)で、いくつかの情報によればスルタンと同母の兄弟だそうです。
 これによりジーヤザン殿下とメイヤン殿下は父方が完全な いとこ同士 ということになりますが、一方母方からも いとこ同士 になるようです。またその母方の家系もサイード王朝の創始者アフマド・ビン・サイード・アル・ブーサイーディーに連なるということで、なかなか強い同族婚ということになるでしょう。

 

 (記事の掲載が終了していますorサイトの運営が終了しています)Oman’s Crown Prince, Theyazin Bin Haitham is engaged – Arabian Royal Agency
掲載時URL:http://arabianroyalagency.com/omans-crown-prince-theyazin-bin-haitham-is-engaged/

أريبيان رويال إيچينسيي.A.R.AはInstagramを利用しています:「خِطْبَة صاحب السمو السيد دي يزن بن هيثم آل سعيد، ولي عهد سلطنة عُمان و صاحبة السمو السيدة ميان بنت شهاب آل سعيد. خالص تهانينا بهذة…」

オマーンのジーヤザン・ビン・ハイサム・アル・サイード殿下がサッカーのオマーン・カップに臨席(2020年11月)スルタン【国王】ハイサム陛下の長男で8月(?)に大臣に就任

 オマーン国の文化・スポーツ・青年大臣 “サイイド”・ジーヤザン・ビン・ハイサム・アル・サイード殿下(His Highness Sayyid Theyazin【Dhi Yazan】 bin Haitham al-Said)がサッカーのオマーン・カップ(ドファール vs アル・オルーバ)に臨席するという記事が出ています。

 これ自体はさほど大きな出来事ではないのですが(スポーツを担当する大臣がサッカーの試合を見るだけですので)、この殿下に関してと、現在のオマーンの閣僚構成について記事にしていなかったのでついでにしておきます。

 ジーヤザン殿下は、オマーン国のスルタン【国王】となった “サイイド”・ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード陛下(His Majesty Sayyid Haitham bin Tariq Al Said, Sultan of Oman)の長男で、1990年生まれという情報が出ています。
 また、オマーンでは8月~10月に閣僚(スルタンが首相)の構成が変更されており、ハイサム陛下の長男のジーヤザン殿下が閣僚の一員になっています。
 スルタン一族の長老的存在である、閣僚評議会担当副首相ファハド殿下および異母兄弟の国防担当副首相シハーブ殿下は留任しています。
 後継候補にも名が挙がっていたアスアド殿下の子息タイムール殿下は、スルタンが兼任していた中央銀行総裁となったとはいえ、閣僚ではありません。したがって長男のジーヤザン殿下を次のスルタンにしようということでしょう(当然といえば当然ですが)。ただ、タイムール殿下が世代を超えていきなりスルタンになる可能性を囁かれていたことに比べると、ジーヤザン殿下ははるかに知名度が低く、これからの地位固めが必要となります。外交面でたまに名前と肩書を見ることになるかもしれません。

 

 (英語)HH Sayyid Theyazin to Preside Over Final Match of HM Football Cup

 

وكالة الأنباء العمانيةさんはTwitterを使っています 「يرعى صاحب السمو السيد ذي يزن بن هيثم آل سعيد وزير الثقافة والرياضة والشباب غدًا الأحد نهائي #كأس_جلالة_السلطان لكرة القدم الذي يجمع بين ناديي ظفار والعروبة ويمثل ختامًا للموسم الرياضي الكروي 2019 / 2020 . https://t.co/sMFzHIaxjj」 / Twitter

 

‏يرعى صاحب السمو السيد ذي يزن بن هيثم آل… – وكالة الأنباء العمانية | Facebook

 

訃報(2020年1月10日?):オマーンのスルタン(国王)カブース・ビン・サイード陛下(カブース国王)が崩御(1940~2020)

 2020年1月10日(11日との報道もあります)、オマーン国のスルタン カブース・ビン・サイード・アル・サイード陛下(His Majesty Sultan Qaboos bin Said al Said of Oman)が崩御した模様です。
 1940年11月18日生まれの79歳。

関連:
 ベルギー王国で治療を受ける予定だったオマーンのスルタン(国王)カブース・ビン・サイード陛下(カブース国王)が帰国。母国での最期を望んでのことと一部報道(2019年12月)

 次期スルタンですが、王族のうち「狭義の王族(統治王族)」の協議がおこなわれる一方、スルタンが意中の候補を封した文書があります(あるはずです)。
 協議で速やかに決まらない場合、文書の公開となるものと思われますが……。
続報:
 オマーンの新しいスルタン【国王】にオマーン遺産文化相ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(故カブース陛下の従弟)が即位したとの報道(2020年1月)
 葬儀(2020年1月11日):オマーンのスルタン(国王)カブース・ビン・サイード陛下(カブース国王)の葬儀がおこなわれる
更新中:各国君主・王族からの、オマーンのスルタン(国王)カブース・ビン・サイード陛下(カブース国王)への弔意の表明(2020年1月)

 

 (英語)Diwan of Royal Court Issues Obituary
 (英語)Defence Council Issues Statement

 オマーンの国王死去 半世紀近く国家元首 | NHKニュース

 (英語)Sultan Qaboos of Oman dies aged 79 – Al Arabiya English
 (英語)His Majesty Sultan Qaboos passes away: Royal Court statement – Times Of Oman
 (英語)His Majesty Sultan Qaboos passes away: Royal Court statement

Al Arabiya EnglishさんはTwitterを使っています: 「The late Sultan #Qaboos, 79, had ruled the Gulf Arab state of Oman since he took over in a bloodless coup in 1970 with the help of Oman’s former colonial power Britain. https://t.co/hfcTj6658m https://t.co/eWiDm5Pal6」 / Twitter

 

関連:
 オマーン次期スルタンの最有力候補/副首相アスアド・ビン・ターリク・アル・サイード殿下が、ウガンダ大統領特使/トロ王ルキディ4世陛下と会見(2020年1月)トロ王は9月に「世界君主サミット2020」を開催予定

※やや古い記事ですが、↓の時期の後継候補について引用しておきます。
 オマーン遺産文化相のハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(スルタンの従弟で、後継候補に名のあがっていた一人)が、キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下と会見(2018年5月)
 もともと後継として名前が挙がっていたのは、カブース陛下即位後から現在まで50年近く副首相(閣議担当副首相)を務めているファハド・ビン・マフムード・アル・サイード殿下(His Hihgness Sayyid Fahd bin Mahmoud al Said)です。
 オマーンでは首相などをスルタンを務めるため、副首相はナンバー2。
 そして、ファハド殿下は、カブース陛下の先祖のスルタンの兄の子孫です。

 ここでオマーン王室の中の王族分類について。
 オマーンでは王族に、狭義の王族広義の王族が存在します(ほかの国にもあったりしますが)。
 オマーン関係の資料だと、前者を「統治王族」、後者を「一般王族」と呼んでいたりしますが、ともあれ、スルタンは前者から出ます。
 ここの区別を知らないで、系統もよくわからない事業家の人物を後継者候補などとする記述があったりしますが、上記のルールから考えれば父親が誰かの情報もない人物が継承できると考えるのは無理があります(そもそも広義の王族にすら入っているのかどうかすらわかりませんし)。
※ザンジバルを統治していた系統は後者になります。

 ファハド殿下は、前者の中の年長系の一族の一人であり、そのため、過去の世代の継承問題と関連して後継者として正統とされているのではないかという見方がありました。
 しかし、生まれた年代がカブース陛下とほぼ変わらない(同年という説も)ファハド殿下が本当に後継者なのかという疑問はありました。

 そして、それに次いで名前が挙がっていたのは、カブース陛下の従弟にあたる“三兄弟”、今回の記事のハイサム殿下、前出の弟のアスアド殿下、そして同じく弟の“サイイド”・シハーブ・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Hihgness Sayyid Shihab bin Tariq Al Said)です。

 スルタンの統治が長くなるにつれ、さらに下の世代が意識され始め、それによりアスアド殿下の子息の“サイイド”・タイムール・ビン・アスアド・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(His Hihgness Sayyid Taimur bin Asaad bin Tariq Al Said)の名前が後継候補としてあがってくるようになります。
 他の候補だったファハド殿下、ハイサム殿下、シハーブ殿下らの方面では、その子息らが重要視されたり、要職への起用があったりということもないため、アスアド殿下 → タイムール殿下 という順序でのスルタン位の継承が意識され、そしてアスアド殿下の副首相(国際関係・協力担当副首相)兼国王特別代理への起用がその見方を強めています。

 とはいえ、これですべて終わりなのかどうかはわかりません。
 現在のところ、アスアド殿下が有力ではありますが、外務関係の仕事を長く務め、国際的には知名度もあるハイサム殿下の可能性がないわけではありません。
 しかし、ハイサム殿下は60代半ばにさしかかっているはずで、アスアド殿下と違いその後継問題がすぐに俎上にのぼることになるでしょう。

 

 オマーンの新しいスルタン【国王】にオマーン遺産文化相ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード殿下(故カブース陛下の従弟)が即位したとの報道(2020年1月)