2018年2月17日で期限切れとなっていたグルジンスキー系ジョージア王室【グルジア王室】当主/ジョージア皇太子ヌグザル殿下(His Royal Highness Crown Prince Nugzar of Georgia : ヌグザル・バグラチオン=グルジンスキー公子 : Prince Nugzar Bagration-Gruzinsky : ヌグザル・バグラチオニ=グルジンスキー公子 : Prince Nugzar Bagrationi-Gruzinski : Batonishvili : Tsarevich)の公式サイトですが、現在同ドメインでアクセス可能となっています。
事務的なミスだったのでしょうか? ともあれ一安心。しかし、このことに関する告知はない模様。
(英語:グルジンスキー系ジョージア王室【グルジア王室】公式サイト)The Royal House of Georgia | Welcome
サイトを見渡してみて気づいた点が二つ。
以前は見落としていたものと思いますが、今回メモしておきます。
(PDFファイル)Council_of_RHG.pdf
ニュースページの一番下の、三行の一番下の行からリンクされているファイルです。
ドキュメントページの下から二番目にも、やや違う内容のものが掲載されています(こちらは具体的な理由付き)。
ラリ・パンチュリゼ(Lali Panchulidze)という女の人が、ジョージア王国王冠騎士団(The Order of the Crown of the Kingdom of Georgia)から除名されたという告知のようです。
日付がないのでいつのものかわかりません。
(PDFファイル)DECREE_-_Karina.pdf
こちらはドキュメントの一番下にあるもので、カリナ・バグラチオン=ムフランスキー(Karina Bagration-Moukhransky)という女の人をプリンセス(Princess)であると認めたという文書です。
日付は2017年11月15日となっています。
この女の人は、バグラチオン王朝の、バグラチオン=ムフランスキー系統に属するドミトリー公子(Prince Dmitry)と結婚して離婚した人です。
今回ヌグザル殿下は、この人が再婚するまで、引き続いて(離婚したのは大昔ですけど)姓の使用とプリンセスの称号の使用を認めたようで、カリナ・バグラチオン=ムフランスキー公子妃(Princess Karina Bagration-Moukhransky)ということになると思います。敬称の閣下(Her Serene Highness)については言及がないため、認めていないということになるでしょう。
しかし、そもそもの話ですが、ドミトリー公子の称号も、またバグラチオン王朝のジョージア系の王国滅亡後の各家の称号もだいたい全部そうですが、これはロシア貴族の称号です(ロシア帝国に併合されたため)。
ロシア貴族の称号についてルールにない扱いができるのは、ロシア帝国が存在しない今では不可能か、あるいはロシア帝室の当主ということになります。
ヌグザル殿下はジョージア王室当主を称していますが、もちろんロシア帝室当主を称しているわけではありません。
いかなる理由でジョージア王室当主がロシア貴族の称号について口を挟めるのか、理由っぽいことを並べてはいますが、正直「無茶を申される」という気がします。
可能な解釈のひとつとしては、ジョージア王室当主として、ロシア貴族ではなくジョージア王室の一員の公子の元妃としてプリンセスの称号を許した、ということが考えられます。
しかし、文書ではロシア貴族であることが前提であることはまったく揺らいでおらず、そもそもバグラチオン=ムフランスキー系統をヌグザル殿下は王室の一員と考えているのかすら不明です。
もうひとつの解釈としては、これはロシア貴族の称号に関する追加措置を認めたものではなく、ジョージア王室当主としてジョージアの称号(ジョージア貴族と分類するかどうかは微妙ですが)を新たに与えたというものです。
こちらも苦しいといえば苦しいですが。
いずれにせよ、ひょんなところで妙な措置を見つけてしまったものです。