ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下の記念金貨が12月に発行予定(2021年7月)

 ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)の記念金貨が12月に発行予定だそうです。
 これはガーナ中央銀行によって発行されるもので、陛下のものとしては即位時のものがあるので、2回目ということになりそうです。

 発行理由として記事に一番最初に挙げられているのは、同共和国北部のダグボン王国に関する調停団の代表を務めたことです。
※同王国は複数の王家が対立し、暴力沙汰にまで発展したため、かなり収拾を付けるのが難しかったようです。というか本当に収まったのかどうかもよくわかりません。

 

 (英語)Commemorative gold coin honoring Asante King of Ghana launch December

Modern GhanaさんはTwitterを使っています 「Commemorative gold coin honoring Asante King of Ghana launch December https://t.co/P9PZWGkIGF」 / Twitter

ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下夫妻が、宮殿で新型コロナウイルス感染症【COVID-19】のワクチンを接種(2021年3月)元・摂政のマンポン公も接種

 2021年3月2日、ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)とジュリア・オセイ・トゥトゥ令夫人(Lady Julia Osei Tutu)は、マンヒヤ宮殿【マンヒア宮殿】にて、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】のワクチンを接種しました。

 陛下自身の精神を浄める儀式の後に接種したと報道されていますが、ガーナで一斉に接種が始まった日なので、単に日が重なっただけなんでしょうか。

 下記の記事と Facebook の投稿によると、陛下と令夫人の他に重要人物らしき二名の名があります。

Photos have popped up showing Otumfuo, Lady Julia, Mamponhene Daseebre Nana Osei Bonsu II, and Mamponhemaa Nana Agyakoma Difie II, taking turns to take the vaccine

Today, March 2, 2021, Otumfuo Osei Tutu II, Asantehene; Lady Julia Osei Tutu, wife of Asantehene; Daasebre Nana Osei Bonsu II, Mamponghene, and Nana Agyakoma Difie II, Queen mother of Mampong took the covid-19 vaccine at the Manhyia Palace, Kumasi – Ghana.

 このうち、ダアセブレ・ナナ・オセイ・ボンス2世Daasebre Nana Osei Bonsu II, Mamponghene)は20世紀末にアシャンティの摂政を務めていた人物です。
 マンポン(Mampong)というところの伝統的君主で、アシャンティ王の麾下ととらえればマンポン公、アシャンティ皇帝の麾下ととらえればマンポン王となるでしょう。
 
 もう一人のナナ・アグヤコマ・ディフィエ2世Nana Agyakoma Difie II, Mamponhemaa【Queen mother of Mampong】)は片方では Queen mother(クイーン・マザー)と書かれています。
 マンポン公の母ではないと思いますが……。
 アフリカでは一族がクイーン・マザーに就任することもあるので、縁者ではあると思います。
 クイーン・マザーと書かれると、やっぱりマンポンとしたほうが良いのかと思ってしまいますが、その場合はアシャンティ皇帝と書かないとあわなくなりますので、ややこしいですね。

 

 (英語)Asantehene Otumfuo Osei Tutu And Wife Lady Julia Take COVID-19 Vaccine Jab After Soul Cleansing ▷ YEN.COM.GH

 

Today, March 2, 2021, Otumfuo Osei Tutu… – Manhyia Palace Events & Photos | Facebook

ガーナ伝統的君主/ガ王タッキー・テイコ・ツル2世陛下が新型コロナウイルス・ワクチンを接種(2021年3月)

 2021年3月2日、ガーナ共和国グレーター・アクラ州【大アクラ州】の伝統的君主の一人、ガ王タッキー・テイコ・ツル2世陛下(His Royal Majesty King Tackie Teiko Tsuru II, Gã Mantse【King of the Ga State】)が、同州の病院で新型コロナウイルス・ワクチンを接種したようです。

 同共和国では COVAX ファシリティからのワクチン供給が始まっており、アストラゼネカ(AstraZeneca)製ワクチンが60万回分到着しているようです。

 

 (英語)Ga Mantse takes coronavirus vaccine

記事(英語):アフリカで最も裕福な10人の王(2020年12月)定期的に出てくるタイプの記事

 アフリカではいろいろなメディアから定期的に出てくるタイプの記事ですが、アフリカのお金持ちの王様のランキングを発表する記事です。
 細かい信憑性はいささか疑問点があるのと、資産総額か年の収入かなどで結果が変わったり、直近の大きな変化を織り込んでいる可能性もあるため、毎回読んでしまいます。

最近では10月に別記事を取り上げました:
 記事(英語):アフリカで最も裕福な六人の王。モロッコ王、ナイジェリアのウグボ王・イフェ王、エスワティニ王(スワジランド王)、南アフリカのズールー王、ガーナのアシャンティ王(2020年10月)

 なお、国家元首ではない、共和国内の王様も含まれるのが通例です。

 

 (英語)Richest Kings in Africa 2020: Current net worth of the richest monarch

 

 今回の記事では、一番トップの写真の三人が、ナイジェリアの前カノ首長、南アフリカのズールー王、ガーナのアシャンティ王です。
 ナイジェリア中央銀行(元)総裁で、前カノ首長“アルハッジ”・ムハンマドゥ・サヌシ2世殿下は今年【2020年】3月に州政府によって廃位されています(前首長の子息が次に即位)。廃位の理由として、伝統を破っただの州知事との対立だのが挙げられていましたが、この記事のトップに写真が掲載されていたので、「もしやルール外の凄まじい蓄財が明らかになったのか!?」と驚きましたが、なんとランキングには登場しないという驚愕のオチでした。……なんで写真のせたんです??

 

 さて、本編以外で驚きがありましたが、英語記事を読む暇がない方のために、とりあえずランキング情報だけ書いておきます。

10位:
 南アフリカ共和国の伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)

9位:
 ガーナ共和国の伝統的君主/アキーム・アブアクワ王オサグイェフオ・ナナ・アモアティア・オフォリ・パニン陛下(His Royal Majesty Osagyefuo Nana Amoatia Ofori Panin, Okyenhene【King of Akyem Abuakwa】)

8位:
 ガーナ共和国の伝統的君主/アソグリ国王トグベ・アフェデ14世陛下(His Royal Majesty Togbe Afede XIV, Agbogbomefia【King】 of the Asogli State)

7位:
 ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)

6位:
 ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主/ラゴス王“オバ”・リルワン・アキオル陛下(His Royal Majesty Oba Rilwan Akiolu, The Oba Lagos)

5位:
 ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主/オニチャ王“オビ”・ンナエメカ・アルフレッド・アチェベ陛下(His Royal Majesty, Obi Nnaemeka Alfred Achebe, Obi of Onitsha)

4位:
 エスワティニ王【スワジランド王】ムスワティ3世陛下(His Majesty King Mswati III of Eswatini)

3位:
 ナイジェリア連邦共和国北部イスラム圏の伝統的君主/ソコト・カリフ庁のスルタン“アルハッジ”・ムハンマド・サアド・アブバカル3世陛下(His Eminence Alhaji Muhammad Sa’ad Abubakar III, The Sultan of Sokoto, Amir al-Mu’minin)

2位:
 ナイジェリア連邦共和国の伝統的君主/ウグボ王“オバ”・フレデリック・オバテル・アキンルンタン陛下(His Royal Majesty Oba Fredrick Obateru Akinruntan, the Olugbo of Ugbo)

1位:
 モロッコ王モハメッド6世陛下(His Majesty the King Mohammed VI of Morocco)

 

ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下に対し、野党・国民民主会議【NDC】が訴訟を起こす模様(2020年12月)今月の総選挙でアシャンティ王が不正を指揮したと主張

 ガーナ共和国の伝統的君主/アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下(アシャンティ皇帝 : His Royal Majesty Otumfuo Osei Tutu II, King【Emperor】 of the Ashanti Kingdom【Empire of Ashanti】【Asantehene of Asante】, Kumasehene of Kumasi)に対し、同共和国の最大野党(二大政党のひとつ)・国民民主会議【NDC】が訴訟を起こすという記事が配信されています。

 今月【2020年12月7日】、ガーナ共和国では大統領選挙と議会選挙をあわせた総選挙がおこなわれており、大統領選挙は現職のガーナ共和国大統領ナナ・アド・ダンクワ・アクフォ=アド閣下(His Excellency Nana Addo Dankwa Akufo-Addo)、議会選挙も与党・新愛国党【NPP】が NDC を上回る結果が出ています。
  NDC 大統領候補のジョン・ドラマニ・マハマ(前)大統領は結果の受け入れを拒否しており、当面のところは選挙結果に関する異議の申し立てが続きそうです。
 そしてその一環として、同共和国の最大州アシャンティ州において、アシャンティ王が現職・与党を勝利させるために、不正を指揮したとの訴えを起こすことと、その前に王のマンヒヤ宮殿【マンヒア宮殿】の前で抗議活動をおこなうようです(普通?の抗議活動なのか、アフリカによくある歌ったり踊ったり回ったりするやつなのかはわかりません)。

 ここまでの現大統領および与党と、アシャンティ王の関係を見てくると、まず、両者の関係が悪化。
関連:
 ガーナ共和国のアシャンティ王オトゥムフォ・ナナ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、大統領の甥や側近が自分を罵っていると(別件で宮殿を訪問した)大統領が議長を務める与党・新愛国党【NPP】の幹部や政治家らに激怒、幹部らは謝罪したとの記事が(2018年5月)

 大統領が関係の正常化を図ります。
関連:
 ガーナ大統領アクフォ=アド閣下が、アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下を訪問の予定。大統領による謝罪か弁明がおこなわれるとみている記事が配信(2018年5月)

 その後、大統領の母方の家系であるアキーム・アブアクワ王の式典にアシャンティ王が臨席するという関係が改善されたとみられる出来事がありました。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アキーム・アブアクワ王ナナ・オフォリ・アッタ1世(現大統領の母方の祖父)崩御75周年式典。アシャンティ王オトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が臨席(2018年8月)

 一方、そのアキーム・アブアクワ王と野党が激しく対立。
関連:
 ガーナの政党「国民民主会議 【NDC】」の地方幹部が、アキーム・アブアクワ王オサグイェフオ・アモアティア・オフォリ・パニン陛下及び同地の住民を「マハマが大統領になる前は動物と同じ水を飲んでいた」と評した件で王国側が激怒。書面での謝罪を拒否し、公共の場での謝罪などがおこなわれない場合、900以上の町村で活動を禁止すると宣言(2019年9月)

 ローリングス(元)大統領の葬儀をめぐる争いが与野党で発生します。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下が、死去したジェリー・ローリングス(元)大統領に弔意を表明(2020年11月)与党・新愛国党【NPP】と野党・国民民主会議【NDC】に、葬儀などをめぐる争いをやめるよう要求

 そして選挙当日。
関連:
 ガーナ伝統的君主:アシャンティ王オトゥムフオ・オセイ・トゥトゥ2世陛下夫妻らがガーナ共和国総選挙の投票へ(2020年12月)

 以上のことなどから、大統領とアシャンティ王の関係は、一次の悪化の後に良好となっており、アシャンティ王が現職大統領を支持していることは間違いないでしょう。
 また、アシャンティ王が命令すれば、選挙での不正くらいは起こせそうではあります。
 一方、今回の選挙結果は、事前の選挙情勢分析のいくつかの予想にほぼ当てはまるものであり、順当な結果のうちとも取れます。

 

 (英語)NDC to petition Asantehene over 2020 general election outcome [ARTICLE] – Pulse Ghana

#PulseElectionsさんはTwitterを使っています 「NDC to petition Asantehene over 2020 general election outcome https://t.co/Ys9nFbwds9 https://t.co/vHiFI1u5yg」 / Twitter

 

 (英語)Ghana Election 2020: NDC To Petition Otumfuo Over Alleged Irregularities In Ashanti Region » GhBase•com™