クリスマスメッセージ(2022年):オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下による降誕祭(クリスマス)のスピーチ映像(2022年12月)

 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下(Willem-Alexander : His Majesty The King of the Netherlands)による降誕祭(クリスマス)のスピーチ映像が投稿されています。

 

Koninklijk Huis(オランダ王室 公式ウェブサイト):
Kersttoespraak 2022 – YouTube

 (オランダ語:オランダ王室 公式ウェブサイト)Kersttoespraak van de Koning, 25 december 2022 | Toespraak | Het Koninklijk Huis

オランダ世論調査(2022年9月):オランダでの王政継続を支持するのは51%まで低下。18歳~54歳では43%

 (オランダ語)Peiling Ipsos: slechts 51 procent van Nederland steunt monarchie

 

 オランダでの王政継続を支持するのは 51% まで低下し、 18 歳~ 54 歳では 43% であると、オランダの公営放送 NOS が報じています。
 この世論調査は共和政支持者団体が、イプソス(Ipsos)という有名な調査会社に委託したものらしく、依頼元はともかくとしても数値は信頼できるでしょう。

 

 記事によれば今年(2022年)の春には支持は 58% であり、低下の原因はわかりませんが、調査元の共和政支持者団体は、調査日について、予算関連の日に近く、王室予算について意識された(ことがマイナスにつながった)のではないかという指摘をしています。
(つまり、特に問題が起きなければ、次の世論調査ではわずかに上がるのは確実だろうと思います)

 

 また(いまさら意図がよくわからない設問ですが)、君主の長子が自動的に次の君主となるという、継承法についての支持が、 51% だったものが 47% に低下しています。
 これについては「ではなにを望むのか」という回答がない限り判断しようがなく、また、誤差とみてもいいレベルではないかという気もします。
 個人的には気にしていません。

 

 一方、共和政への支持は 24% から 26% への増加にとどまっており、これも誤差の範囲でしょう。
 つまり 25% 程度の人は、「どちらでもない」類の回答をしていることになりますが、その具体的な表現はわかりません。
 (なお、高齢層でも共和制支持がわずかずつ高まってきているというのは近年指摘されています)

 もし共和政になった場合にどのような政体を取るかですが、
  32% が、特に意見はなし
  30% が、ドイツ連邦共和国のような儀礼的大統領
  20% が、大統領のいない共和国(スイス連邦のような、と書かれていますが、スイスにも大統領はいます。ただローテーション制の特殊なものであるのと、国家元首としての規定がありません。外交上、他国の国家元首と同等になる機会は多々ありますが)
  17% が、アメリカ合衆国のような実権を持った大統領
 と回答しています。

 

 オランダの王政支持は、かつては 90% 近くあり、2020年でも 75% 程度あったのですが、
 国民に厳しい新型コロナウイルス【COVID-19】対策を課す中、
 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下がギリシャで秋の休暇開始→激しい反発で数時間で帰国発表(2020年10月)
 という事件があったのが低下の主原因はないかと思われています。
 とはいえ、ゆるやかな長期的低下にあったことも事実ですし、 COVID-19 から現在のインフレまで社会が大きく揺らいでいるという事情もあるでしょう。

 

 継承法を男女の性別を問わない絶対長幼制にし、王室自体の人数を減らすことによって予算とスキャンダルを減らす、という方針は、ある程度は欧州の(モナコとリヒテンシュタインは除く)君主国にとっての共通方針になりつつあります(スペインは絶対長幼制ではありませんが)。

 しかし、これは成功の秘訣といえるほどのものでもありません。他にもう案がないという現実もあります。

 また、
 オランダ王室のオランニェ女公(オランダ皇太子)カタリナ=アマリア王女殿下が、警備上の理由から学生寮を離れた模様(2022年10月)
 という出来事がありました(世論調査はこれより前)。
 継嗣に対して、攻撃的な行動が(ソーシャルメディアを含め)継続的におこなわれており、同王女を守ることができていない状況です。

オランダ王室のオランニェ女公(オランダ皇太子)カタリナ=アマリア王女殿下が、警備上の理由から学生寮を離れた模様(2022年10月)

 先月(2022年9月)からアムステルダムの大学の学生となって学生寮で生活していたオランニェ女公【オランダ皇太子】カタリナ=アマリア王女殿下(オランダ王女: オランニェ=ナッサウ公女 : Catharina-Amalia : Her Royal Highness The Princess of Orange, Princess of the Netherlands, Princess of Orange-Nassau)が、警備上の理由(犯罪組織からの襲撃や誘拐の恐れ)から学生寮を離れたようです。

 スウェーデン王国訪問中にオランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下(Willem-Alexander : His Majesty The King of the Netherlands)とオランダ王妃マクシマ陛下(Her Majesty Queen Máxima of the Netherlands)がこの件についてコメントしており、また、オランダ王国首相マルク・ルッテ閣下(His Excellency Mr Mark Rutte)や司法・治安を担当する大臣も強い懸念を表明しているようです。

 アムステルダムに一人で居住するのも不可能だろうということになり、デン・ハーグの王宮に戻っているようですが、そこから通学するのか、今後のことについてはわかりません(追記:現在は通学しているという報道があります)。

 

 (英語)Princess Amalia: Dutch royal moved from student home after security threats | Euronews

euronews:
Princess Amalia: Dutch royal moved from student home after security threats – YouTube

 

RoyalTV by Rick Evers:
Máxima en WA over bedreigingen Amalia – YouTube

 

追記(2022年11月17日):
 なぜか欧州での報道から一ヶ月経過してから ANN NEWS が報道。

ANNnewsCH(ANN NEWS):
オランダ王女がマフィアの標的に?“誘拐・襲撃の危機”で大騒動(2022年11月17日) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kfazBxOtiTc

 なお、最新のオランダ世論調査は、
 オランダ世論調査(2022年9月):オランダでの王政継続を支持するのは51%まで低下。18歳~54歳では43%

オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下夫妻のスウェーデン公式訪問はじまる(2022年10月)スウェーデン王カール16世グスタフ陛下夫妻らと会見

 2022年10月11日~13日の日程(11・12日はストックホルム、13日はヨーテボリ)で、オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下(Willem-Alexander : His Majesty The King of the Netherlands)とオランダ王妃マクシマ陛下(Her Majesty Queen Máxima of the Netherlands)がスウェーデン王国を公式訪問しています。

 ストックホルム・アーランダ国際空港では、スウェーデン皇太子ヴィクトリア殿下(ヴェステルイェートランド女公爵 : Victoria : Her Royal Highness The Crown Princess of Sweden, Duchess of Västergötland)と夫のスウェーデン王子ダニエル殿下(ヴェステルイェートランド公爵 : His Royal Highness Prince Daniel of Sweden, Duke of Västergötland)の出迎えを受けた模様。

 その後、スウェーデン王カール16世グスタフ陛下(Carl XVI Gustaf of Sweden : His Majesty The King)とスウェーデン王妃シルヴィア陛下(シルビア王妃 : Queen Silvia of Sweden : Her Majesty The Queen)と会見。
 王宮では、
 皇太子の長女、スウェーデン王女エステル殿下(エステルイェートランド女公爵 : Her Royal Highness Princess Estelle of Sweden, Duchess of Östergötland)、
 国王の第二子夫妻、スウェーデン王子カール・フィリップ殿下(ヴェルムランド公爵 : His Royal Highness Prince Carl Philip of Sweden, Duke of Värmland)とスウェーデン王子妃ソフィア殿下(ヴェルムランド公爵夫人 : Her Royal Highness Princess Sofia of Sweden, Duchess of Värmland)
 も出迎えています。

 ウィレム=アレクサンダー陛下とカール16世グスタフ陛下は、主にメディア向けの会見でスピーチ(英語)をおこなっています。

スウェーデン王、オランダ王、の順で英語でスピーチ/
Kungahuset(スウェーデン王室 公式チャンネル):
H.M. Konungens pressuttalande i samband med statsbesök från Konungariket Nederländerna – YouTube

 

RoyalTV by Rick Evers:
Victoria en Daniel verwelkomen Willem-Alexander en Máxima in Stockholm – YouTube

 

RoyalTV by Rick Evers:
Carl Gustaf, Victoria, Estelle en co verwelkomen Willem-Alexander en Máxima – YouTube

 

RoyalTV by Rick Evers:
Alles uit de kast voor Staatsbanket in Stockholm – YouTube

 

 今回の公式訪問はオランダ側から、外務大臣、防衛大臣、教育文化科学大臣、環境大臣が同行しており、多分野における実務的会合もおこなわれそうです。

 

 (英語:スウェーデン王室 公式サイト)Programme for the State Visit from the Netherlands | Kungahuset
 (英語:スウェーデン王室 公式サイト)HM The King's speech at the state banquet in connection with the state visit from the Netherlands | Kungahuset
 (英語:スウェーデン王室 公式サイト)HM The King's press statement in connection with state visit from the Netherlands | Kungahuset

 (英語:オランダ王室 公式サイト)State visit to Sweden – programme | News item | Royal House of the Netherlands

 

Kungahuset – 🇸🇪 🇳🇱 Välkomna till Sverige, Koninklijk Huis!… | Facebook

 

 

オランダ国王夫妻と、スウェーデン王女エステル殿下:

 

Kungahuset – 🇸🇪 🇳🇱 I dag gav Konungen av Sverige och… | Facebook

Kungahuset – 🇸🇪 🇳🇱 Kungaparen av Sverige och Nederländerna… | Facebook

 

Kungahuset – 🇸🇪 🇳🇱 I kväll gav Kungen och Drottningen en… | Facebook

 

Koninklijk Huis – Koning Willem-Alexander en Koningin… | Facebook

 

Koninklijk Huis – “Wij zijn blij om Zweden te bezoeken… | Facebook

 

Koninklijk Huis – “We behoren beide tot de koplopers in… | Facebook

フランシスクス【フランス】・ラウタ・ファン・アイスマ氏が貴族証明書を受ける(2022年9月)オランダ貴族の承認は20年ぶり

 2022年9月26日、フランシスクス・ラウタ・ファン・アイスマ氏(Franciscus Lauta van Aijsmaフランス・ラウタ・ファン・アイスマFrans Lauta van Aijsma)は、オランダの貴族に関する機関である Hoge Raad van Adel(貴族最高法院)より貴族証明書を受け取りました。
 これにより同氏は、ヨンクヒール(Jonkheer)号と紋章を使用することが出来ます。
 オランダ王ウィレム=アレクサンダー陛下は3月8日に勅令により承認をしています。
 オランダ貴族の承認は20年ぶりとのことです。
(承認は、新しく本人への授与、外国の貴族の編入、古い貴族の子孫であることを認定してのもの、の三種類があり、今回は三つ目ということになるのでしょう)

 アイスマ家(Aijsma : Aysma)は、シェルテ・ファン・アイスマSchelte van Aysma)という、16世紀~17世紀の人物がそこそこ有名らしく、オランダ王国成立後の1825年に子孫にあたる三人の兄弟がオランダ貴族として承認されています。フランス・ラウタ・ファン・アイスマの先祖はその三兄弟の異母弟のようです。
 2018年にシェルテ・ファン・アイスマの再埋葬がおこなわれた際にDNA鑑定がおこなわれています(これがシェルテの遺骨を特定するためだったのか、フランスがシェルテの子孫であることを証明するためだったのかよくわかりませんが……)。

 今回の貴族証明書は“ヨンクヒール”・フランス・ラウタ・ファン・アイスマとその男系子孫に影響を与えるもので、娘は“ヨンクフラウ”・ミランダ・ラウタ・ファン・アイスマ(Jonkvrouw Miranda Lauta van Aijsma)となります。彼の姉妹も生存しているという話があるのですが、書き方を見ると対象とはならないようです。

 

 (オランダ語)Adelsdiploma voor jonkheer Frans Lauta van Aijsma | Nieuwsbericht | Hoge Raad van Adel
 (オランダ語)Erkenning adeldom: jonkheer Frans Lauta van Aijsma – Adel in Nederland
 (オランダ語)Een adellijke titel krijgen kan nog steeds: 'Het is geen bevroren instuut' – EenVandaag

EenVandaagさんはTwitterを使っています: 「Een adellijke titel krijgen kan nog steeds: 'Het is geen bevroren instuut' https://t.co/sfM8vlW7qW」 / Twitter