2022年11月14日、英国王チャールズ3世陛下(King Charles III : His Majesty The King)の国家顧問官(国務参事官 : Counsellor of State)の追加を求める要望が、貴族院(上院)で読み上げられたようです。
速やかに、立法作業に移る模様。
(文書ファイル:英語:英国議会 公式サイト)newbook.book | Counsellors of State Bill [HL]
(英語)Princess Anne and Prince Edward to become stand-ins for King – BBC News
1937年摂政法により、君主が一時的に権能を行使することが不可能な場合(短期の疾病や海外訪問など)に、勅令により国家顧問官より代行が指名されます。
英連邦に関する事柄、君主の指示なき議会解散、貴族の叙爵、首相の任命はおこなえせん。
なお、代行は、国家顧問官の中から二名以上の指名が必要です。
国家顧問官は、君主の配偶者と、21歳以上の王位継承順位の上位者四名で構成されます。
現在は、カミラ王妃陛下のほか、
ウェールズ公ウィリアム皇太子殿下、
サセックス公爵ヘンリー王子殿下【ハリー王子】、
ヨーク公爵アンドルー王子殿下、
エドアルド・マペッリ・モッツィ夫人ベアトリス王女殿下、
となります。
このうち、ヘンリー王子は英国に在住しておらず、アンドルー王子殿下は裁判が待っています。ベアトリス王女殿下も英国に在住しているのかどうかよくわかりませんが……。
そして、海外訪問となれば、カミラ王妃が同行することが多いはずで、ウィリアム皇太子夫妻が同時期に海外訪問をおこなうと、適格者が英国に誰もいなくなる可能性があります。
そのため、上位の五名に加えて、チャールズ3世陛下の妹のアン王女殿下と弟のエドワード王子殿下を加えるという立法の要請です。二人は継承順位が上位だった時期に国家顧問官に含まれていました。
追加としているのは、アンドルー王子とヘンリー王子の公務復帰をゼロではないと考えている、あるいはそう考えているように見せたい、ということでしょう。
先ほどいったように、代行は国家顧問官の中から二人以上を指名する必要があるため、国家顧問官二人の補充で大丈夫なのかという問題がありますが……。
(そもそも、この制度、国家顧問官という、代行より前のワンクッションを置く必要性がよくわからないところでもあります)
追記:
制定されました。
Counsellors of State Act 2022