英国の元王子/アンドルー・マウントバッテン=ウインザー氏のガーター騎士団などの騎士叙任が取り消しおよび無効となる(2025年10月30日付・12月1日発表)

 英国のチャールズ3世陛下は、弟で王子の称号を剥奪したアンドルー・マウントバッテン=ウィンザー氏(Andrew Mountbatten-Windsor)に対して、ガーター騎士団の騎士(KG)と王立ヴィクトリア騎士団のナイト・グランド・クロス(GCVO)の叙任の取り消しと無効化を宣言し、騎士団の名簿から削除されました。

 発表は 2025年12月1日 ですが、日付は 2025年10月30日付 となっています。

 

 (英語)CENTRAL CHANCERY OF THE ORDERS OF KNIGHTHOOD | Honours and Awards | The Gazette

英国の第3代スタンズゲート子爵が政府に「アンドルー・マウントバッテン=ウィンザーのすべての称号を剥奪するという国王の決定を実行するための法案を提出する予定があるか」質問。政府側から、アンダーソン・オブ・ストーク=オン=トレント女男爵が「法案を提出する必要はない」と回答(2025年11月)

 2025年11月5日に、英国で現在も貴族院に議席を持つ世襲貴族(労働党)の第3代スタンズゲート子爵スティーヴン・ベン閣下(Stephen Benn, 3rd Viscount Stansgate : The Right Honourable The Viscount Stansgate)が、政府に対して「アンドルー・マウントバッテン=ウィンザーのすべての称号を剥奪するという国王の決定を実行するための法案を提出する予定があるか」という質問を提出しています。

 これは、チャールズ3世陛下が、ヨーク公爵アンドルー王子殿下のすべての称号と敬称を剥奪するとした件についてです。

 2025年11月17日、政府側から、王室侍従(院内幹事)で内閣府を担当している一代貴族(労働党)のアンダーソン・オブ・ストーク=オン=トレント女男爵ルース・アンダーソン閣下(Ruth Anderson : The Right Honourable The Baroness Anderson of Stoke-on-Trent)が「王子(Prince)と殿下(Royal Highness)については勅令によって剥奪されており(has been removed by Letters Patent)、ヨーク公爵についても貴族名簿から取り除かれ公式に使用されることはない。よって法案を提出する必要はない」と回答しました。

 

 (英語:英国議会 公式ウェブサイト)Written questions and answers – Written questions, answers and statements – UK Parliament

17 November 2025

Following the statement made by Buckingham Palace on 30 October, the entitlement to the title of ‘Prince’ and the style of ‘Royal Highness’ has been removed by Letters Patent. The title of the Duke of York has been removed from the Roll of the Peerage and will no longer be used officially. There is therefore no need for legislation to implement the measures that have been announced.

 

 これは曖昧な回答でありますが、ヨーク公爵位は貴族名簿からは削除され公的には使用されないが、剥奪されてはいないという認識であることを示唆していると読めると思います。
(剥奪されてもう何もする必要がないのであればシンプルにそう言えばいいだけなので、こんなに遠回しに書く必要がありません)
 政府が立法措置を回避しようとしている理由は、いろいろあるでしょうが、現段階においてアンドルー王子(とりあえずこう書きますが)は裁判で有罪になったわけでもなんでもなく、本人も疑惑を否定しており、この段階で法案を通すのはとても難しいと思います(有罪になっても称号自体が剥奪されていない一代貴族もいます)。

 ヨーク公爵(第八次叙爵)は、特別な継承規定が付けられていないため(男子のみ継承可能)、アンドルー王子の薨去をもって消滅する可能性が濃厚です。(もちろんここから再婚して息子が出来る可能性はゼロではありませんが……)

英国王チャールズ3世陛下夫妻が、訪英中のスウェーデン王カール16世グスタフ陛下夫妻と共にウィンザー城で植樹をおこなう(2025年5月)

 2025年5月3日、英国王チャールズ3世陛下(King Charles III : His Majesty The King)と英国王妃カミラ陛下(Queen Consort Camilla : Her Majesty The Queen Consort)は、英国訪問中のスウェーデン王カール16世グスタフ陛下(Carl XVI Gustaf of Sweden : His Majesty The King)及びスウェーデン王妃シルヴィア陛下(シルビア王妃 : Queen Silvia of Sweden : Her Majesty The Queen)とともに、ウィンザー城で植樹をおこないました。

 スウェーデン王グスタフ5世が、1908年に同地でエドワード7世と共に植樹をおこなった際のシャベル(スペード)も用いられたようです。

 

The Royal Family Channel:
King Charles and Sweden's King Carl XVI Gustaf Plant ‘Beautiful’ Swedish Oak – YouTube

 

XユーザーのThe Royal Familyさん: 「🇬🇧🌳🇸🇪 In the sunny grounds of Windsor Castle, The King and Queen were joined by King Carl XVI Gustaf and Queen Silvia of Sweden in planting a Swedish oak (Quercus robur) tree to celebrate Their Majesties’ Coronation. The tree was gifted by The King of Sweden from the Royal https://t.co/Aav5HYeaD1」 / X

 

 (スウェーデン語:スウェーデン王室 公式ウェブサイト)Kungaparet överlämnade kröningsgåva i Storbritannien | Kungahuset

Kungahuset – 🇬🇧🌱🇸🇪 Kungen och Kung Charles av… | Facebook

英国王チャールズ3世陛下夫妻のヨーク訪問時に、男が卵を投げつける→外れる(2022年11月)エクスティンクション・レベリオン(XR)の活動家か?

 2022年11月9日、英国王チャールズ3世陛下(King Charles III : His Majesty The King)と英国王妃カミラ陛下(Queen Consort Camilla : Her Majesty The Queen Consort)のヨーク訪問がありましたが、一人の男が卵を投げつける(外れる)という事件が発生しました。

 Daily Mail Online によると、男は、エクスティンクション・レベリオン(Extinction Rebellion : XR)の活動家で、緑の党から地方選挙に立候補経験がある、とのことです(今のところの情報ですが)。
 今回、この人物は、「この国は奴隷たちの血によって築かれた」というようなことを叫んでいたようです。なんかエクスティンクション・レべリオンの活動と違うような気がしますが……。
 また、関係なさそうではありますが、「私の王ではない」(Not My King)というメッセージを掲げた人物が別にいるのが動画から確認できます。

 

 (英語)York: Man arrested after eggs thrown at King Charles – BBC News
 (英語)Man 'throws eggs at King Charles and Queen Consort in York' | Daily Mail Online

 イギリス チャールズ国王夫妻が卵を投げつけられる けがなし | NHK | イギリス

 

The Royal Family Channel:
King and Queen Consort Whisked Away as Eggs Thrown in York – YouTube

 

The Royal Family Channel:
King and Queen Consort SCRAMBLE for Cover! 😱🍳 – YouTube

 

BBC News:
Eggs thrown at King Charles III in York – BBC News – YouTube

 

euronews:
Eggs thrown at King Charles, man detained – YouTube

 

BBC News Japan:
チャールズ英国王に卵が投げつけられる瞬間 ヨークで – YouTube

英国の第18代ノーフォーク公爵エドワード・フィッツアラン=ハワード閣下が、携帯電話で通話しながら赤信号を通過しようとするなどの行為により6ヶ月の運転禁止(2022年9月)「運転禁止は国王戴冠式の準備に支障がある」などの訴えも却下

 第18代ノーフォーク公爵エドワード・フィッツアラン=ハワード閣下(Edward Fitzalan-Howard, 18th Duke of Norfolk : His Grace The Duke of Norfolk GCVO DL)が、携帯電話で通話しながら赤信号を通過しようとするなどの行為により6ヶ月の運転禁止となりました。
 すでにスピード違反などでそれなりの点数が出ている状態だったようです。

 

 (英語)Duke of Norfolk banned from driving – BBC News

The peer who organised the Queen’s funeral has been banned from driving for six months, despite claiming he needed his licence to arrange the King’s upcoming coronation.

He had hoped to avoid a ban by claiming “exceptional hardship”.

 ノーフォーク公爵は筆頭の公爵で最も格の高い貴族なので、エリザベス2世陛下の国葬にも携わったり、チャールズ3世陛下の戴冠式の準備にも関わったりしているわけですが、そのような特別に厳しい(?)状況があるので処分を見逃してくれるように(堂々と)要請しましたが、却下されました。運転禁止の他、罰金などを科されています。

 

追記:
 なお、いいわけというか理由として「妻と会話していた」と供述していたようですが、その時期には離婚していて独身(なお正式に離婚したのは8月で、事件は4月だったようなので、独身ではなかったようです)。
 さらに新たに別の女性との婚約発表もしました(別記事にするかどうか未定)。
 妻とは誰のことだったのかという、危険運転に比べればどうでもいいような疑問も生まれています(追記:4月の事件ということを考えると8月に離婚した前妻が妥当でしょうか)。