ナイジェリア伝統的君主:イウォランド王が連邦政府に同国の伝統的君主団が南アフリカのズールー王と会談することを提案(2019年9月)ナイジェリア系住民が南アフリカで大規模な排他的攻撃を受けて両国関係などが極度に悪化している件

 南アフリカ共和国でナイジェリア系の人々が大規模な襲撃を受けた件(最近の英語メディアでは「Xenophobia」や「Xenophobic attacks」という表記が出てたらこの件であることが多いですが)、両国関係の悪化というか当然の結果が出ており、ナイジェリア側では南アフリカ資本の企業が休業をおこなったり、ナイジェリアの歌手などの有名人が南アフリカへは二度といかないと表明したりしています。また、ナイジェリア以外でも、南アフリカへの反感のようなものがこの機に吹き出しそうな気配もあり、 spillover も警戒されています。

 そんな中、ナイジェリア連邦共和国の報道によりますと、同国南西部オスン州【オシュン州】のヨルバ人君主の一人/イウォランド王“オバ”・アブドゥルラシード・アデウェール・アカンビ陛下(テル1世 : His Royal Majesty Oba Abdulrasheed Adewale Akanbi, Telu I, The Oluwo of Iwoland【Iwo Land】)は、両国間の協議では事態に対応するのに十分でないとし、ナイジェリア伝統的君主団が南アフリカ共和国の最有力伝統的君主/ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)を訪問して会談するということを連邦政府に提案したようです。
 “草の根の人々”が信頼するのは民主的に選ばれた政治家ではなく伝統的君主や部族王ということですが、この陛下も時々妙なことを言い出す伝統的首長の一人(妙なことを言い出す方は結構多いですけど)なので、連邦政府はスルーするのではないでしょうか。

 そもそも、ヨルバ系君主としては、二国間関係の前に数百年続いているヨルバ系君主内の争いをどうにかしたほうがいいのでは……。

 

 (英語)Delegate monarchs to meet Zulu King, Oluwo tells FG

 

南アフリカ伝統的君主:ンコバンゴサンド・ズールー王女(28歳独身:ズールー王の扶養家族)が、公的なプロジェクトによって建てられた既婚者または扶養する家族がいる人々向けの住宅に(一番目の認定者として)入居していた疑惑発生(2018年10月)

 南アフリカ共和国の最有力伝統的君主、ズールー王グッドウィル・ズウェリティニ陛下(His Majesty King Goodwill Zwelithini of Zulu)の27人の子供のひとり、ンコバンゴサンド・ズールー王女(Princess Nqobangothando Zulu)が、既婚者または扶養する家族がいる人々向けの住宅に一番目の認定者として入居していた疑惑が発生しています。

 王女は28歳独身で、王の扶養家族として言及されています(「王の扶養家族」というのもなんともいえない言葉ですが)。

 

 ※注意。ここの記事が最初の報道のようですが、なぜか王女が年一度主催する踊りの式典の写真がトップにあり、なぜか上半身裸にみえる女の人が写っているので、そういうのは遠慮したい方はほかの記事へどうぞ(TwitterやFacebookからのリンクもこの写真使ってます):
 (英語)Zulu princess scores 'an RDP house'

 (英語)Zulu princess allegedly receives RDP home meant for married people ▷ South Africa news | Briefly.co.za
 (英語)Zwelithini in scandal for giving daughter RDP house – The Citizen

 

 ズールー王の広報官スラニ・ズールー王子(Prince Thulani Zulu)は「何も知らない。知っている人に聞いてくれ」となかなか図太い回答をしています。

 また、この住宅プロジェクトは、王の宮殿内の土地(?)でおこなわれているようです。
 これについては、「王はプロジェクトを注視したかった。他地域ではしばしば低品質な仕事がおこなわれているからだ。決して身内をひいきするためではない」ということです。
 まとめると「王はプロジェクトを注視していたが、王の広報官である自分は王女の入居は知らない」ということになりますが……。

 最近の日本でよく使われる忖度があったということなんでしょうか。

 

 その疑惑は疑惑として、品質を監視したかったというのは、アフリカ全体の現況を見ればある程度はうなずける話です。
 今年もガーナ共和国で、大統領とアシャンティ王が、前の大統領の時代に公共工事で建設された道路を視察しにいったら、道路自体が存在しなかったという報道が出ていました(お金がどうなったのかもわからないとのこと)。にわかには信じがたい話ですが……。