偽造と思われていた金貨が、古代ローマの時代のものと判定される(2022年11月)金貨に名前が刻まれているスポンシアヌス【スポンジアン】(3世紀?)は実在か

 1713年にトランシルヴァニア(現在のルーマニアの一地域)で発見されたスポンシアヌスSponsianusスポンジアンSponsian)という名の刻まれた金貨があったらしいです。発見当時、この名前はまったく知られていませんでした。

 金貨は、ゴルディアヌス3世ピリップス・アラブスといった、古代ローマ帝国の軍人皇帝の名が刻まれた金貨とともに発見されたようで、スポンシアヌスの金貨が本物であれば、スポンシアヌスはその時代に実在した、ごく短期に君臨した皇帝ないしは皇帝僭称者であったために、歴史に名前が残らなかった人物と推測できます。

 が、その後、専門家が、この金貨を偽造品としてしりぞけていました。

 よって、スポンシアヌスは実在しないという結論になりそうですが、一方、当時の皇帝乱立状態から、金貨が偽造であったとしても、実在しない人物だとするのには慎重な立場もあったようです(要するに本物の金貨を真似て作った可能性があるという判断なんでしょうか??)。

 そして今回、あらためて専門家が調べたところ、摩耗の状態が流通していたということを示していたり、数百年土壌の中にあったり、というようなことが確認できたということです。

 論文では、スポンシアヌスは、皇帝ガッリエヌスの時代(260年代~ゴート族などの侵入で混乱)にダキア属州が孤立し、現地の指導者となった(ならざるをえなかった)人物ではないかという可能性を指摘しています。

 

 (英語)Authenticating coins of the ‘Roman emperor’ Sponsian | PLOS ONE

 (英語)Gold coin proves 'fake' Roman emperor was real – BBC News

BBC News (World)さんはTwitterを使っています: 「Gold coin proves 'fake' Roman emperor was real https://t.co/PaRE0U4oQX」 / Twitter

インタビュー記事:ロシア帝室ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下がウクライナに独立正教会を設置しようとしているキリスト教/コンスタンティノープル全地総主教庁を批判「首位性は儀礼的なもの」「あそこはアンティオキア総主教庁から独立したが今は指示を受けたりしない」「自らが独立を認めた教会へ介入する権利はない」(2018年9月)

※この記事はキリスト教 高位聖職者のニュースと重複します。

 

 ロシア帝室ロマノフ家当主/ロシア女大公マリヤ殿下(Head of the Russian Imperial House : Her Imperial Highness The Grand Duchess Maria Wladimirovna of Russia)が、Interfax のインタビューを受けた模様です。
 元が英語なのか、そのロシア語版の翻訳なのかわかりませんが、英語記事がロシア帝室公式サイトに掲載されています。

 

 (英語:ロシア帝室公式サイト)Russian Imperial House – Grand Duchess Maria of Russia: Constantinople’s position will lead to the splintering of the very foundations of Orthodoxy

 

 キリスト教/東方正教会/全地総主教庁(コンスタンティノープル)が、ウクライナの管轄権を持つロシア正教会モスクワ総主教庁の許諾なしに一方的に「ウクライナへの独立正教会設置準備」を始めたことについて聞かれ、それを批判している内容です(「非常に悲しんでいる」というような言葉もありますが)。

 自らは、聖職者でも歴史家でもないため専門家ではないと前置きしつつも、全地総主教庁(コンスタンティノープル)の首位性は儀礼的なものであり実質はないとし、コンスタンティノープルはもともとはアンティオキア総主教庁から独立したが(大昔ですが)その後に指示を受けたりしていないことを例示し(これは微妙です。少なくとも初期の総主教らはアンティオキアに叙任されていたという話もあります。とはいえ現在はもちろんそうではありません)どの教会であれ独立正教会と認めた教会へは介入する権利は持っていないと述べています。

 また、東方正教会の理論としてどうなのかはわかりませんが、「母なる教会」(Mother Church)と「娘である教会」(Daughter Church)は、母が娘の独立を認めたら「姉妹教会」(Sister Church)になる、という表現を用いています(あくまで表現です。この表現は初めて見ましたが……通常は独立を認めても「母なる教会」は「母なる教会」と表現されます)。

 結論として、コンスタンティノープル全地総主教庁の行動は、東方正教会を分裂させるものだ、としています。

 

 全体の話の流れはロシア正教会側の主張とほぼ同じですが、「母なる教会」関連の表現ではさらに踏み込んでおり、これはあるいはロシア正教会モスクワ総主教庁とは立場が違うかもしれません(この理屈であれば、ロシア正教会モスクワ総主教庁が独立を認めた教会側はロシア正教会を「母なる教会」と呼ぶ必要はないことになりますので)。