イタリア王室(アオスタ系統)継嗣/プッリャ公爵【称:アオスタ公爵】アイモーネ公子殿下【ロシア在住】の記事(2020年1月)「イタリアが王政復古するとは思わない」

 イタリア王室(アオスタ系統)の継嗣/プッリャ公爵アイモーネ公子殿下(His Royal Highness Prince Aimone of Savoy-Aosta, Duke of Apulia : His Royal Highness The Duke of Aosta)の記事が出ています。

※本人たちは自分たちが正統と主張しているので、すでに父の称号であるアオスタ公爵を使用しています(ときどき忘れてるんじゃないかと思う時がありますが)。

 なお、殿下は、仕事でモスクワに在住しています。ロシアに住み、イタリア王位に興味はないとする記事が出たこともあります。

 イタリア王室(直系)が継承法を絶対長幼制へ改定したことを受けて、アオスタ系統や支持者は反論を発表しましたが、それはそれとして、アイモーネ殿下のコメントを載せた記事が出ました。

 内容というか根本的な立場がはっきりしないのですが、

  • もうどちらが正統かの論争には参加しない
  • イタリアで王政復古があるとは思わない(アオスタ系の支持者団体はガックリきそうですが……
  • イタリア共和国へ忠誠を誓うことを避ける理由はない
  • 二系統(直系とアオスタ系統)はそれぞれの道を進むだけ

 といったところが今回の主な主張だと思うのですが、一方で子供たちが先祖の伝統を受け継ぐことは望んでいるように受け取れます(先祖の伝統を受け継ごうとする限り、正統論争は避けられないのでは……)。

※末尾に追加しておきますが、イタリア王室(直系)継嗣のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)がこの記事についてコメントしています。

 

 (イタリア語)Aimone di Savoia-Aosta: «Per ora non alimento la polemica». Intanto è guerra di carte tra i Savoia – Corriere.it

 

Corriere della SeraさんはTwitterを使っています: 「Aimone d’Aosta: «Per ora non alimento la polemica». Intanto è guerra di carte tra i Savoia https://t.co/63dUePuzCJ」 / Twitter

 

Aimone di Savoia — Juan Carlos il suo… – Corriere della Sera | Facebook

 

エマヌエーレ・フィリベルト殿下のコメント:
「アイモーネはいいやつだが、この部分はいただけない:『王政復古は起きないだろうし、イタリア共和国へ忠誠を誓うことを避ける理由はない』。彼は彼の選択をした、しかし私はいつでも腕を広げてすべての君主政イベント(この日曜日でローマでおこなうものを含む)で彼を歓迎するつもりだ」

Aimone è una persona per bene, ma mi… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

継嗣/

今のところまともに受け取られていない噂【追記:深刻になってきている気配があります】:ルクセンブルク大公アンリ殿下に退位の可能性ありとの報道(2020年1月)大公妃マリア・テレサ殿下の行動と政権との衝突

 週刊誌(Lëtzebuerger Land)が、ルクセンブルク大公アンリ殿下(Henri : His Royal Highness The Grand Duke of Luxembourg)に退位の可能性ありと報じた、という記事が出ました。

 その理由は、以前少しだけ記事にした、ルクセンブルク大公妃マリア・テレサ殿下(Maria Teresa : Her Royal Highness The Grand Duchess of Luxembourg)の行動に関する問題と、現在の政権との衝突などです。
関連:
 ルクセンブルク政府が大公室人事問題の調査へ(2019年8月)大公妃マリア・テレサ殿下が人事に大幅に介入していた結果問題が生じているという情報

 

 (英語)RTL Today – Waringo report: Allegations surrounding the Grand Duchess as internal report publication looms

RTL TodayさんはTwitterを使っています: 「As the Waringo report looms, an article in Letzebuerger Land claims no one dares confront the Grand Duchess of #Luxembourg https://t.co/KNoAAivetD」 / Twitter

 文末で、

The weekly paper also speculated on the possibility of Grand Duke Henri’s abdication following the publication of the report, based on internal sources at the Palace. It claimed the Hereditary Grand Duke and his wife, who are expecting their first child this spring, would almost be ready to assume their future responsibilities.

「その週刊誌(Lëtzebuerger Land)は、大公室内部からの情報をもとにした記事の公表に続いて、アンリ大公が退位する可能性について述べている。
 大公世子と大公世子妃は最初の子供が春に生まれるので、彼らの将来の責任を引き受ける準備がほとんどできている、と主張」

 ……大公妃殿下の話に関する本当のことはわかりませんが、もうすぐ子供が生まれるから大公世子のギヨーム殿下が即位してもいいよねというのはムチャな……。

関連:
 懐妊:ルクセンブルク大公世子ステファニー殿下が、ルクセンブルク大公世子ギヨーム殿下との第一子を懐妊との発表(2019年11月)2020年5月誕生予定

 ルクセンブルク大公アンリ殿下、大公世子ギヨーム殿下、大公世子妃ステファニー殿下、大公女アレクサンドラ殿下が新年を祝う催しに臨席(2020年1月)大公妃マリア・テレサ殿下は弟が集中治療室に入ったため公務をキャンセルと発表

 

追記:
 自らの行動に関する暴露本を発表しようとした人物を脅し(暴露本を出そうとした本人は「地獄を見た」というようなことをコメントしたとか)金を払って口止めをしたり、パワハラの結果で職員が自殺したという疑惑もあるようです。

 捜査に当たっているジャノ・ワリンゴJeannot Waringo)が首相に提出する報告書(フランス語で Rapport Waringo 、 英語で Waringo Report とか書かれています)の最終的な結果が待たれます。いや、待たれますなんていうノンキな状態なのかどうか……。
 もし大公殿下の退位があれば、それは政府による事実上の廃位でしょう。

 

追記2:

 (英語)RTL Today – Grand Ducal Court: Waringo report completed and submitted to PM on Friday

 1月24日に報告書はベッテル首相に手渡されたとされています。

 

続報:
 ルクセンブルク大公アンリ殿下がメッセージを公開(2020年1月)大公妃マリア・テレサ殿下に関する否定的な報道を強く非難するもの。フランス語の他、ルクセンブルク語、英語、スペイン語が用意され異例
 ルクセンブルク:ワリンゴ報告書が公開される。全般的に他の君主国と比較したシステムの分析や問題点の洗い出しをする生真面目なもの(2020年1月)劣悪な就業環境に関する言及はあるものの、「退位」とか言い出したメディアも大幅にトーンダウン
 ルクセンブルク大公室が、報告書に対する極めて短いメッセージ(2020年1月)

 

イタリア王室(直系)が、継承権を与えた二公女にすでに称号を追加していた模様(2020年1月)

 イタリア王室(直系)が王位継承法を絶対長幼制に改定するという報道が出ましたが、それに続き、新たに継承権をえた二公女に、すでに称号を追加していたことが明らかになりました。

 サヴォイア公女ヴィットーリア殿下(Her Royal Highness Princess Vittoria of Savoy)には、カリニャーノ女公(Princess of Carignano)およびイヴレーア女侯爵(Marquise of Ivrea)。
 サヴォイア公女ルイーザ殿下(Her Royal Highness Princess Luisa of Savoy)には、キエーリ女公(Princess of Chieri)およびサレーミ女伯爵(Countess of Salemi)。

 

Emanuele Filiberto | Facebook

 

 (イタリア語)Vittoria di Savoia, chi è la sedicenne erede del casato dei re d’Italia – Corriere.it

 

Corriere della SeraさんはTwitterを使っています: 「Vittoria di Savoia, chi è la 16enne erede del casato dei re d’Italia https://t.co/2iMaFQ9tmM」 / Twitter

 

Nome completo: Vittoria Cristina Chiara… – Corriere della Sera | Facebook

 

イタリア王室(アオスタ系統)が、イタリア王室(直系)の王位継承法を絶対長幼制へ変更するとの宣言に対して反論。(色々いってますが)「法というのは誰かが勝手に決めるものでなく憲法と立法府で決まるもの」(2020年1月)

関連:
 イタリア王室(直系)が継承法を絶対長幼制へ改定へ。サヴォイア公女ヴィットーリア殿下が将来的にイタリア王室当主に(2020年1月)

 上記の王位継承法変更に対して、分枝であり、本来は将来的にイタリア王位継承者となるはずのアオスタ系統は反論の文書を出しました。
 色々長々とありますが、要するに「法というのは誰かが勝手に決めるものでなく憲法と立法府で決まるもの」だということで、勝手に決めてはいかんよ=アオスタ系統がイタリア王位の継承者ですよ、というものです。

 

 (イタリア語)International Monarchist Conference – Conférence Monarchiste Internationale公開グループ | Facebook

 

追記:
 アオスタ系統を支持する「イタリア君主政主義者連合」が声明を発表。

 (イタリア語)Comunicato stampa del 15 gennaio 2020
 (イタリア語)UNIONE MONARCHICA ITALIANA公開グループ | Facebook

 同じことを言っていますが……。

 どちらにせよ、法がどうたらではなく、そもそもアオスタ系統を当主とするなら、直系はもはやイタリア王室のメンバーですらなく、彼らがイタリア王室について何かを決定したと言ってもそれは何の意味もないとするべきなのでは……。

 

関連:
 イタリア王室(アオスタ系統)継嗣/プッリャ公爵【称:アオスタ公爵】アイモーネ公子殿下【ロシア在住】の記事(2020年1月)「イタリアが王政復古するとは思わない」

 

イタリア王室(直系)が継承法を絶対長幼制へ改定へ。サヴォイア公女ヴィットーリア殿下が将来的にイタリア王室当主に(2020年1月)

 イタリア王室当主のサヴォイア公・ナポリ公ヴィットーリオ・エマヌエーレ殿下(Vittorio Emanuele : His Royal Highness The Duke of Savoy and Prince of Naples)は、息子で継嗣のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)の次はその長女(つまり孫娘)であるサヴォイア公女ヴィットーリア殿下(Her Royal Highness Princess Vittoria of Savoy)がイタリア王室当主となることを決定したようです。
 これは継承法の絶対長幼制への改定で、エマヌエーレ・フィリベルト殿下は、たとえ今後息子が生まれてもヴィットーリア殿下の継承は変わりないことを述べています。

 ヴィットーリオ・エマヌエーレ殿下は年末のメッセージで孫娘二人について述べていましたが、早速の新情報です。

 ヴィットーリア公女殿下の最初の“公務”は2020年3月に予定されているようです。
 また、今後、ヴィットーリア殿下および妹のサヴォイア公女ルイーザ殿下(Her Royal Highness Princess Luisa of Savoy)に使用する称号が与えられる可能性があります(ヴィットーリア殿下については将来の王室当主として適切なものがないような気もしますが……)。
追記:
 イタリア王室(直系)が、継承権を与えた二公女にすでに称号を追加していた模様(2020年1月)

 

 (イタリア語)Savoia, Vittorio Emanuele: «Le donne a capo del casato» – Corriere.it

 

Corriere della SeraさんはTwitterを使っています: 「La svolta dei Savoia sulle donne. L’erede è Vittoria, 16 anni: in marzo prima uscita pubblica https://t.co/leU5FMWeSx」 / Twitter

 

L'annuncio di Emanuele Filiberto: «La… – Corriere della Sera | Facebook

 

Corriere della Sera(@corriere) • Instagram写真と動画

 

追加リンク:

 (イタリア語)Vittoria di Savoia potrebbe essere Regina: donne in linea di successione dopo mille anni | L'HuffPost
 (イタリア語)Donne reali: la svolta dei Savoia per la giovane Vittoria
 (イタリア語)Vittoria di Savoia sarà regina d'Italia! La legge è cambiata. Foto e video | People
 (イタリア語)Casa Savoia, la svolta dopo mille anni: l'erede "al trono" sarà una donna, la 16enne Vittoria. L'annuncio di Vittorio Emanuele e Emauele Filiberto: "Addio legge Salica" – Il Fatto Quotidiano

 

https://www.corriere.it/cronache/20_genna… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

追加リンク:
 1.については、サヴォイア公・ナポリ公ヴィットーリオ・エマヌエーレ殿下が当主であることの確認。
 2.~3.については、「サリカ法を廃止したのではなく、男女平等に適合させたのですよ」というような内容。

 Comunicato ufficiale della Consulta dei… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

関連:
 イタリア王室(アオスタ系統)が、イタリア王室(直系)の王位継承法を絶対長幼制へ変更するとの宣言に対して反論。(色々いってますが)「法というのは誰かが勝手に決めるものでなく憲法と立法府で決まるもの」(2020年1月)
 イタリア王室(直系)が、継承権を与えた二公女にすでに称号を追加していた模様(2020年1月)
 イタリア王室(アオスタ系統)継嗣/プッリャ公爵【称:アオスタ公爵】アイモーネ公子殿下【ロシア在住】の記事(2020年1月)「イタリアが王政復古するとは思わない」
 記事・動画(英語):abc news による、将来的にイタリア王室(直系)当主になるカリニャーノ女公/サヴォイア公女ヴィットーリア殿下に関する記事(2021年6月)