状況を整理しますと、2019年6月30日に、ドバイ首長夫人の一人で、ヨルダン王女のハヤー・ビント・アル・フセイン王女殿下(Her Royal Highness Princess Haya bint Al-Hussein)が、同夫妻の間の二人の子供を連れてドイツ連邦共和国へ極秘出国。その後、英国に移った、ということです。
この際、日本円にして約40億円を持ち出し(?)、現在は英国のケンジントン宮殿近くにある約110億円の住居(どんな住居なのか……)に居住している、という話です。
2019年7月初め、アラブ首長国連邦(UAE)副大統領・首相/ドバイ首長“シャイフ【シェイク】”・ムハンマド・ビン・ラーシド・アル・マクトゥーム殿下(シェイク・モハメド : His Highness Sheikh Mohammed bin Rashid Al Maktoum, Ruler【Emir】 of Dubai)は、この妻の動きに対し、ロンドンの高等法院に対して「子供の保護」を求めて提訴し、またその後同月下旬にハヤー殿下側から(複数の項目はありますが要するに)ハヤー殿下と子供たちを保護するよう要求する提訴がなされました。
裁判所での動きは今年【2019年】の11月からになるようで、当面のところはこれ以上の動きはないかもしれません。
また、ヨルダン王室側は今回表立ってコメントなどを出しておらず(少なくとも関連するニュースなどを見つけられていません)、今後行動するかどうかもまったくわかりません。
ハヤー殿下の行動の原因として、ドバイ首長の娘(他の妻との間の娘)に関する扱い(無断行動で連れ戻されて自宅軟禁中)の件が挙げられており、離婚を望んでいるということです。
外交問題に発展するのか(すでに外交問題になっているような気もしますが)、また外交問題になるとしてどことどこの外交問題になるのかよくわかりませんが、英国の裁判所で提訴の応酬がなされている以上、問題が生ずるとすれば英国と UAE の間ということになるでしょうか。