カメルーン伝統的君主:元サッカー選手のサミュエル・エトーが、王の使者を意味する Ntumfoyn と、諸王の王(Fon of Fons)の称号を受けたという情報(2025年1月)困惑と憤慨も広がる

 2025年1月17日、カメルーン共和国の元サッカー選手サミュエル・エトー・フィスSamuel Eto’o Fils)は、北西州の第三級伝統的統治者であるコシン首長ジュ・ウィルソン(Fon Ju Wilson, the 3rd Class Fon of Koshin)より、王の使者を意味するヌトゥムフォイン(Ntumfoyn)の称号を受けたと報道されています。

 また、投稿されている動画から、諸王の王である「Fon of Fons」の称号も受けたのではないかということです。

 第三級の伝統的統治者であるコシン首長にそのような権限があるわけもないですが、同首長は、地域の王・首長の代表としておこなったと主張しているようです。

※そもそも「王の使者」と「諸王の王」を同一人物に同時に出すというのは、根本的におかしいような気がしますが……。

 

 (英語)Samuel Eto'o has been given a chieftaincy title(video) – Lebledparle

JMTV +:
Samuel ETO'O ÉLEVÉ à la DIGNITÉ de FON des FONS dans le NORD-OUEST 🇨🇲👑🤴🏿,EST-CE VRAI ? – YouTube

 

 これに対し、翌2025年1月18日、北西部首長会議議長(President of the North-West House of Chiefs)でもあるバンバラング王ヤクム・ケビン・テウヴィー陛下(His Majesty Fon Yakum Kevin Teuvih, Supreme Fon of Bambalang)は、

 (英語)Samuel Eto'o's new traditional title brings division among traditional chiefs in the North West  – Lebledparle

1- There is only one “Fon of Fons” – H.E. Paul Biya.
2- Regional titles should only be awarded by constituted authorities.
3- Fons are custodians of our cultural heritage.
4- The Head of State has provided a platform (the House of Chiefs) through which the voices of Fons can be heard.
5- Individuals should desist from participating in or endorsing the desecration of our culture.

  1. 諸王の王「Fon of Fons」は、カメルーン共和国大統領ポール・ビヤ閣下(His Excellency Paul Biya)のみ。
  2. 地域の称号は当局のみによって叙されるべき。
  3. フォン(王・首長)は文化遺産の守護者。
  4. 国家元首は、フォン(王・首長)の意見を聞くための首長会議を設置している。
  5. 我々の文化への冒涜に参加しないように。

 という声明を発表しています。

 

 (英語)Outrage over Fons who bestowed title on Eto'o – Lebledparle

 批判者らは、今回のサミュエル・エトーへの称号授与は、同氏の政界進出への準備であり、その達成のためにお金が使われているとしています。

即位(2024年11月8日?):カメルーン伝統的君主の一人/ピンイン王カーンメチ3世陛下【ケネス・カーン・アソボ3世】が即位

 2024年11月8日?、カメルーン共和国の伝統的君主で Fon の称号を保有(それなりに人数がいます)する一人であるピンイン王(The Fon of Pinyin)に、カーンメチ3世陛下(HRM Fon Khanmechi III)またはケネス・カーン・アソボ3世陛下(His Majesty Kenneth Khan Assobo【Asobo】 III)が即位したようです。
※記事によって表記が違いますが、詳細は不明。「HRM」は His Royal Majesty。

 7年間の空位の後の即位とされています。
 一方、記事の一つは、亡父であるアソボ・ヴィクター2世陛下(His Majesty Asobo Victor II)の後継であることや、数十年摂政だけで王はいなかったと整合性が取りにくい情報を伝えています。

 新王の即位により、道路建設の実行、電気や水の安定供給、人身売買や性差別の問題の改善、宮殿群の建設による観光地化の促進などが期待されているようです。

 

 (英語)Pinyin People Welcome New Fon with Pride, Hope – Mimi Mefo Info
 XユーザーのMimi Mefo Infoさん: 「After seven years of waiting, the people of Pinyin, in the North West Region, have welcomed their new paramount ruler, HRM Fon Khanmechi III, with a mix of pride and hope for a brighter future. – https://t.co/XzW1zIbBxu #Pinyin #Tradition https://t.co/qinU2C3uvV」 / X

 (英語)Pinyin Welcomes New FON After Seven Years – City FM Web
XユーザーのCity Webさん: 「Pinyin Clan Welcomes new Fon after seven years of vacancy https://t.co/Jzy1ONB8iH @MenyamSibelle , @NjahTimben ,#pinyinclan」 / X

 (英語)Yaounde: Pinyin People, Behold Your New Monarch!
 (フランス語)Les gens du Pinyin accueillent le nouveau Fon avec fierté et espoir – Laminute.info

葬儀(2022年12月16日?):カメルーン伝統的君主/マンコン王アングワフォ3世陛下の葬儀がおこなわれる。フィレモン・ヤン(元)首相らが参列

 2022年5月21日に崩御した、カメルーン共和国の伝統的君主の一人、マンコン王ソロモン・アニイェガモトゥ・ンデフル・アングワフォ3世陛下(His Majesty Fon Solomon Anyeghamotu Ndefru Angwafo III of Mankon)の葬儀がおこなわれました。

 カメルーン共和国の有力な伝統的君主の一人で、1962年~1988年まで議員を務め、また、崩御時まで与党の副党首を務めていたため、葬儀も要人参列者多数となっているようです。
 フィレモン・ヤン(元)首相(Philémon Yang)が参列したほか、大統領の代理が同国のメリット勲章大綬章を授賞した模様。

 後継で、6月からの在位とされている、アングワフォ4世陛下(His Majesty Fon Angwafo IV of Mankon)が即位後はじめて公の場に姿を見せたと報道されています。

 

 (英語)Fon Angwafo lll Elevated for his Great Strives For Peace and Development – Cameroon Radio Television

 

The missing Fon Angwafo III of Mankon has been described as a monumental figure that relentlessly fought for the ideals of peace and national unity…. | By CRTVweb | Facebook

 

Highlights of the ceremony to pay tribute to the missing Fon Angwafo III of Mankon | By CRTVweb | Facebook

 

Former Prime Minister Philemon Yang was at the Mankon palace to pay tributes to the missing Fon Angwafo III. #nukwiniaboute | By CRTVweb | Facebook

 

The missing Fon Angwafo III of Mankon has raised to the dignity of Grand Cordon of the National Orders of Merit. This was during a traditional event… | By CRTVweb | Facebook

 

CRTVweb – Fo Angwafo lll has been raised to the rank of… | Facebook

 

 以下、後継のアングワフォ4世陛下に関する動画など。

 

Fon Angwafo IV Fru Asaah makes his first public statement to the press | By CRTVweb | Facebook

 

First official outing of the new Fon of Mankon, Fon Angwafor IV Fru Asaah #NukwiMiAboute | By CRTVweb | Facebook

 

CRTVweb – #Mankon the New Fo of Mankon Angwafo IV has… | Facebook

訃報(2022年5月21日):カメルーン伝統的君主/マンコン王アングワフォ3世陛下が崩御(1925~2022)

 2022年5月21日、カメルーン共和国の伝統的君主の一人、マンコン王ソロモン・アニイェガモトゥ・ンデフル・アングワフォ3世陛下(His Majesty Fon Solomon Anyeghamotu Ndefru Angwafo III of Mankon)が崩御したのではないかと報道されています。

 カメルーン共和国の有力な伝統的君主の一人で、1962年~1988年まで議員を務めていました。また、崩御時まで与党の副党首を務めています。

 

 (英語)Legendary Fon Angwafor III Goes Missing – Cameroon News Agency

CRTVweb – The Paramount Fon of Mankon, His Royal Highness… | Facebook

 

 (英語)Cameroon's Mankon people mourn 'missing' king and welcome successor – BBC News

 

関連:
 葬儀(2022年12月16日?):カメルーン伝統的君主/マンコン王アングワフォ3世陛下の葬儀がおこなわれる。フィレモン・ヤン(元)首相らが参列

訃報(2021年4月9日):カメルーン伝統的君主/バムン王の妹、ラビアトゥ・ンジョーヤ王女が薨去(1945~2021)“MomaMfon”と呼ばれる王の顧問・共同相続人(?)の地位にあった模様

 2021年4月9日、カメルーン伝統的君主の一人、バムン王イブラヒム・ンボンボ・ンジョーヤ陛下の妹、ラビアトゥ・ンジョーヤ王女(Princess MomaMfon Rabiatou Njoya)が薨去したようです。
 1945年4月9日生まれの75歳。

 モマムフォン(MomaMfon)という称号を有していたようです。
 これは、バムン王の顧問であり、共同相続人とされていますが……王の共同相続人ならその人も王(女王)になるのでは……という疑問がわくところです。
 想像ですが、アフリカの複数地域で、クイーン・マザー(Queen Mother)と英訳されている、必ずしも王の母に限らない王の一族の女性が就く地位と同系統のものなのではないかと思います。

 

 (フランス語)Nécrologie : mort de la sœur du Sultan Mbombo Njoya

 

 (英語)Princess MomaMfon Rabiatou Njoya of Bamoun, Cameroon passes on – THE AFRICAN ROYAL FAMILIES

The African Royal FamiliesさんはTwitterを使っています 「Princess MomaMfon Rabiatou Njoya https://t.co/3zeV2z7KFT」 / Twitter