インド君主諸家:第77代メーワール王位継承者の、ヴィシュヴァラジュ・シング・メーワール王子の戴冠式に続く儀式を、叔父で継承争いをしているアルヴィンド王子が妨害(2024年11月)

 2024年11月10日の第76代メーワール王位継承者マヘンドラ・シング・メーワール殿下薨去に伴い、子息のヴィシュヴァラジュ・シング・メーワール王子(Vishvaraj Singh Mewar)が、第77代メーワール王位継承者となったため、戴冠式などがおこなわれたようです。

 しかし、戴冠式に続く(あるいは戴冠式の一部)伝統的な宮殿での儀式について、宮殿を現在保有し、継承争いをしているアルヴィンド・シング・メーワール王子(Arvind Singh Mewar)らがヴィシュヴァラジュ殿下の宮殿への入場を拒否。
 それぞれの支持者らが衝突し負傷者も出て、警察の初期の介入は失敗したようですが、最終的に状況は落ち着いたようです。

 この原因は、薨去したマヘンドラ殿下が、亡父バグワット殿下にいろいろと耳に痛い忠言をしていたものの、それをうとまれて遺産(宮殿二つを含む)を次男であるアルヴィンド・シング・メーワール王子(Arvind Singh Mewar)らが受け取るように指定してしまったためです。

 詳細は不明ですが、王位継承者の地位について、アルヴィンド王子側からの法廷闘争もおこなわれているのではないかと思います。

 

戴冠式:
Maharana Mahendra Singh Mewar(@theroyalfamilyofmewar) • Instagram写真と動画

 

騒乱を報じる多数の映像の一つ/
MIRROR NOW:
Dispute Between Members Of Erstwhile Royal Family Triggers Clash At Udaipur Palace | English News – YouTube

 

 (英語)Son of BJP MP Mahendra Singh Mewar to be crowned on Nov 25 in Chittorgarh Fort-Telangana Today

 (英語)Family drama at Udaipur palace gates – BJP MLA stopped from entering after ‘anointment’ as Mewar family head, his supporters push through barricades | India News – The Indian Express

 (英語)What sparked the royal family clash in Udaipur's City Palace? | Latest News India – Hindustan Times
 (英語)‘Royal’ clash in Udaipur after BJP MLA Vishvaraj Singh denied entry into City Palace | Latest News India – Hindustan Times
 (英語)Dispute between members of erstwhile royal family triggers clash at Udaipur palace | Latest News India – Hindustan Times

訃報(2024年11月10日):インド君主諸家/第76代メーワール王位継承者マヘンドラ・シング・メーワール殿下が薨去(1941~2024)モディ首相、ラージャスターン州首相らが弔意を表明

 2024年11月10日、インドの第76代メーワール王位継承者マヘンドラ・シング・メーワール殿下(His Highness Maharana Mahendra Singh Mewar, 76th Maharana of Mewar)が薨去しました。
 1941年2月24日生まれの83歳。

 インド首相ナレンドラ・モディ閣下(The Honourable Mr Narendra Modi)、ラージャスターン州の首相バジャンラル・シャルマ閣下(The Honourable Shri Bhajanlal Sharma)らが弔意を表明しています。

 今回、薨去したマヘンドラ殿下は、亡父バグワット殿下が長男であるマヘンドラ殿下の諫言を嫌い、遺産(宮殿二つを含む)を次男であるアルヴィンド・シング・メーワール王子(Arvind Singh Mewar)らが受け取るように指定したため、アルヴィンド王子が後継を主張し、継承問題が起こっています。
 ただ、モディ首相らが今回弔意を表明したように、マヘンドラ殿下がメーワール王位継承者であることは、インド国内において、それなりに幅広い合意がえられていると思ってよいでしょう。

 薨去に伴い、子息のヴィシュヴァラジュ・シング・メーワール王子(Vishvaraj Singh Mewar)が、第77代メーワール王位継承者となります。
 父と同じく議員のようです。

 

 (英語)Royal family member Mahendra Singh Mewar dies at 83, PM Modi offers condolences | Latest News India – Hindustan Times

 

Maharana Mahendra Singh Mewar(@theroyalfamilyofmewar) • Instagram写真と動画

 

州首相が弔意を表明/
ANI News:
Rajasthan CM Bhajanlal Sharma pays tribute to erstwhile Royal family member Mahendra Singh Mewar – YouTube

訃報(2023年7月20日):ジュナーガド藩王位継承者ムハンマド・ジャハーンギール・ハーンジ殿下が薨去(1955?1956?~2023)パキスタン首相シャバーズ・シャリフ閣下が弔意を表明

 2023年7月20日、インドのジュナーガド藩王位継承者“ナワーブ”ムハンマド・ジャハーンギール・ハーンジ殿下(His Highness Nawab Mohammad Jahangir Khanji, Nawab of the Junagadh State)が薨去したようです。
 1955年または1956年生まれの67歳と報じられています。

 ジュナーガド藩王国は、インドとパキスタンの分離の際に、当時の藩王(ムスリム)と多数住民(ヒンドゥー)の宗教が食い違っており、藩王はパキスタンへの帰属を宣言したために、現在はインド領となっているものの、パキスタン側が自国領土と主張するケースがあります。
 薨去した殿下も、ジュナーガドの独立や、パキスタンへの帰属を望んでいたようです。

 薨去に伴い、継嗣の“ナワーブザーダ”ムハンマド・アリー・モルタザ・ハーンジNawabzada Mohammad Ali Murtaza【Murtaxa】 Khanji)が新たにナワーブ(Nawab)の称号を引き続き藩王位の継承者となります。

 

 (英語)Nawab of Junagadh, who championed accession, passes away – Pakistan – DAWN.COM
 (英語)Nawab of Junagarh State Jhangir Khanji passes away | Pakistan Today
 (英語)Nawab of Junagarh Jahangir Khanji dies of cancer – Pakistan – Dunya News
 (英語)Nawab of Junagarh Muhammad Jahangir Khanji passes away

 

 パキスタン・イスラム共和国首相シャバーズ・シャリフ閣下が弔意を表明しています。

 (英語)MINISTRY OF INFORMATION AND BROADCASTING (MOIB), PAKISTAN | PM Shehbaz expresses grief over demise of Nawab of Junagarh
 (英語)PM Shehbaz expresses grief over demise of Nawab of Junagarh

 

BOL News:
Sad News For Junagadh State | Nawab Muhammad Jahangir Passed Away | Breaking News – YouTube

 

BOL News:
Nawab of Junagarh Muhammad Jahangir Khanji Funeral Prayers Performed | Breaking News – YouTube

インド君主諸家/ハイデラバード王位継承者アズメット・アリー・ハーン殿下(アズメット・ジャー)の一族が、別の人物を擁立(2023年2月~3月)

 2023年1月に、インドのハイデラバード藩王位継承者バルカト・アリー・ハーン殿下(ムカッラム・ジャー)(アーサフ・ジャー8世)が薨去したことに伴い、長男のアズメット・アリー・ハーン殿下(アーサフ・ジャー9世 : His Exalted Highness Mir Azmet Ali Khan, Asaf Jah IX : アズメット・ジャーAzmet Jah)が新たな継承者となりましたが、同王朝の親族(または一部親族)が別の人物を擁立したと報じられています。

 ラウナック・ヤー・ハーンRaunaq Yar Khan)という人物が擁立されたようです。ハイデラバード藩王マフブーブ・アリー・ハーンの曾孫という話や別の系譜の説明もありますが、詳細は不明。

 記事から見ると、別人物を擁立した一族の主な主張は、(当主は英国ではなくハイデラバードにいるべき、という主張もありますが)王朝の当主は財産を使って一族の面倒を見るべきということになりそうです。
 べき論はともかく、インドでは州政府が何か規定を設けていなければ、すでに所有権のあるものは単なる私有財産になると思うので(私有財産でなくても一族の面倒を見るべきかはともかく)、その辺りがどうなっているのかというところでしょうか。

 

 (英語)Asaf Jahi family coronates Raunaq Yar Khan as Nizam IX, slams Azmet Jah | Asaf Jahi family coronates Raunaq Yar Khan as Nizam IX, slams Azmet Jah
 (英語)1 throne, 2 heirs? Why Asaf Jahi dynasty chose Raunaq Yar Khan over Azmet Jah as Hyderabad Nizam – The South First

 

XユーザーのAjay Tomarさん: 「#Telangana: In a ceremony, Raunaq Yar Khan was crowned as 9th titular #Nizam of #Hyderabad. This is after #MukarramJah's ( Nizam 8) son Azmet Jah was anointed as 9th Nizam in Jan. "Jah had no interest in welfare of Asaf Jah family so we choose Khan" a member to @TheSouthfirst https://t.co/rnznZuxrcc」 / X
https://x.com/ajaytomarasks/status/1631296899285237765

 

South First:
#Hyderabad – Raunaq Yar Khan coronated as #Nizam IX – YouTube

 

 その後も活動しているようです。

 (英語)TANA invites the 9th head of the Asaf Jahi Dynasty of Nizams, Raunaq Yar Khan-Telangana Today

 

HYBIZTV HD:
Raunaq Yar Khan Appointed 9th Nizam of the Asaf Jahi Dynasty | Hybiz tv – YouTube

訃報(2023年1月15日):インド君主諸家/ハイデラバード藩王位継承者バルカト・アリー・ハーン殿下(ムカッラム・ジャー)(アーサフ・ジャー8世)が薨去(1933~2023)

 2023年1月15日、インドのハイデラバード藩王位継承者バルカト・アリー・ハーン殿下(アーサフ・ジャー8世 : His Exalted Highness Mir Barakat Ali Khan, Asaf Jah VIII : ムカッラム・ジャーMukarram Jah)が、トルコのイスタンブールで薨去したようです。
 1933年10月6日生まれの89歳。

 英国植民地の中で最大の領域を誇った、かつてのハイデラバード藩王国の藩王位の継承者です。

 薨去に伴い、子息のアズメット・アリー・ハーン殿下(アーサフ・ジャー9世Azmet Ali Khan, Asaf Jah IX : アズメット・ジャーAzmet Jah)が新たな継承者となります。
 1960年7月23日生まれの62歳。

 

 (英語)Mukarram Jah, Eighth Nizam of Hyderabad, Passes Away

 

追記:
 戴冠式の報道が出ています。

 (英語)In Hyderabad, Azmet Jah coronated as successor of Mukarram

Hyderabadnews Urdu:
Update Video of Nawab Azmat Jah's Coronation Ceremony @ Chowmahalla Palace – YouTube

 

関連:
 インド君主諸家/ハイデラバード王位継承者アズメット・アリー・ハーン殿下(アズメット・ジャー)の一族が、別の人物を擁立(2023年2月~3月)